びーむ色調補正3

全ツ的なセットリストだった3期ライブ


前の記事では4期ライブで披露された『心の薬』と『失いたくないから』に、運営の原点回帰の意思を感じたことを書きました。

今回はその続きで、3期と4期の比較を通してさらに掘り下げてみたいと思います。

3期生もやはり加入翌年の5月に単独ライブを行なっています。
その時のセトリがこちら。

Overture
01. 三番目の風
02. ガールズルール
03. 夏のFree&Easy
04. インフルエンサー
05. ここにいる理由
06. 命は美しい
07. 制服のマネキン
08. ダンケシェーン

ユニットコーナー
09. 他の星から
10. あらかじめ語られるロマンス
11. せっかちなかたつむり
12. 偶然を言い訳にして

生演奏コーナー
13. 悲しみの忘れ方
14. 何度目の青空か?
15. きっかけ
16. 君の名は希望

17. ぐるぐるカーテン
18. 裸足でSummer
19. ロマンスのスタート
20. おいでシャンプー
21. 思い出ファースト

EN
EN1. シャキイズム
EN2. ハウス!
EN3. 乃木坂の詩

最初と本編最後が自分たちの期別曲という構成こそ4期ライブと同じですが、全体の印象は大きく異なります。

オープニングの後に『ガルル』『フリイジ』の夏曲で一気に盛り上げ、返す刀でダンス曲連発。
ユニットコーナーを挟み、生演奏でのバラード曲でいったんクールダウンした後に、本編ラストまで沸き曲で駆け抜けるという展開。
アンコールも割とよく見る構成笑です。

なんというか、実に全ツ(毎年恒例の「真夏の全国ツアー」)的なセトリ。
先輩たちが確立してきたフォーマットをそのまま踏襲した形です。

今改めてこのセトリを眺め、現在に至る3期生たちの活躍と今回の4期ライブに思いを馳せると見えてくることがあります。

2年前の3期ライブ。
これは先輩とは違う魅力を持った3期生たちが「どう乃木坂になってみせるのか」を示す場だったのではないでしょうか。


異なる個性、受け継がれるスピリット


今にして思えば3期は即戦力でした。
「逸材」久保史緒里。山下美月のビジュアルの完成度。梅澤美波や伊藤理々杏のMC力。阪口珠美のダンス。それに加えてこの3ヶ月後には選抜のセンターに抜擢される大園桃子と与田祐希までいるわけです。

しかし誤解を恐れずに言えば、いわゆる「乃木坂感」は弱かったように思います。
「清楚」「儚げ」「華奢」で「ガツガツしない」「体温低そう」。どちらかと言えば「陰」のイメージの先輩たち。
それに対し3期生は「陽」のイメージが前面に出ていました。
それを端的に示すのが『三番目の風』です。「ヘイ!」と叫びながら拳を突き上げる抜けのいい曲調、コサックダンス的な動きまで採り入れられた運動量の多い振り付け。正直、全然乃木坂っぽくありません笑

間違いなく魅力的で優秀な人材ですが、これまでのメンバーとは若干異なる個性を持った彼女たち。これをどうグループに融合させるのか。そしてそれを既存のファンは受け入れてくれるのか。運営も頭を悩ませたことと思います。

そして出た答えのひとつが「3期生の個性を伸ばしつつ、スピリットは継承させる」ことだったのではないでしょうか。


もう一度セトリを見てみましょう。

ユニットコーナーでは特に人気が高く、しかも特定のメンバーの印象が強い曲ばかりを集めています。
西野七瀬の『他星』。齋藤飛鳥星野みなみ堀未央奈の『あらかた』。
深川麻衣と西野の人気爆発のきっかけとなった(と個人的には思っている)『せっかた』。
そして御三家+高山一実によるグループ史上初のユニット曲『偶然』。

さらに生演奏コーナーも、ドキュメンタリー映画の主題歌『悲しみの忘れ方』、色々ありすぎて特別な曲『何空』、言わずと知れた『きっかけ』、そして乃木坂を象徴する楽曲『希望』。
乃木坂の王道中の王道バラードを4曲続けています。

ラストスパートの前に『ぐるカー』を挟んでいるのも面白いですね。デビュー曲でありながらバスラ以外ではほとんど披露される機会のないこの曲。敢えてここに持ってきてダメ押しです。

継承を強く意識させるセトリ。メンバーもファンも思い入れの強い曲をやらせることによって、先輩たちへのリスペクトと楽曲の歴史を3期生に学ばせる。

このチャレンジは成功しました。

既存ファンの多くはこの頼もしいルーキーたちを受け入れます。
久保ちゃんや珠ちゃん、向井葉月といったバリバリの乃木オタが3期生にいたことも良かったのでしょう。

私が参加した3期ライブでも『希望』を披露した後に梅ちゃんが「この曲を嫌いだったら乃木坂じゃないよね」的な発言(言い回しはちょっと違うかも)をして3期生が一斉にうなずく、なんてシーンもありました。
「おお!わかってるな!」と嬉しく感じたことを強烈に覚えています。

そして先輩たちとは異なる個性を持った彼女たちは結果的に新たなファンを呼び込み、乃木坂をさらに大きくするブースターとなりました。

その後の彼女たちの活躍ぶりは皆さんご存じの通りです。

このように3期生の育成に見事成功した運営ですが、4期生はどう育てようとしているのでしょうか。


続きます。

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