びーむ色調補正3

ミュージアムコーナーに秘められた意図


もうひとつのポイント、ミュージアムコーナー。これは2018年全ツのジコチュープロデュースと同様、ライブの定番であるユニット曲コーナーに代わるものです。元々は恐らく各楽曲のオリメンがだいぶ卒業してしまったことに起因しているのでしょう。

トップを切って出てきたのは我らがキャプテン、桜井玲香。
元は3期生がポップに踊っていた『自分じゃない感じ』です。楽曲本来のダンストラックとしての実力を存分に引き出せるよう、中田花奈、和田まあや、阪口珠美、金川紗耶と
各期の誇るゴリゴリのダンスメンを引き連れての登場。
率直に言って人気に忖度しない、必然性のある選択です。

続いて「可愛いの天才」「偉いねぇ」でおなじみ星野みなみが後輩たちを引き連れて現れます。メンバーは岩本蓮加、向井葉月、掛橋沙耶香、矢久保美緒と低身長の妹キャラで統一。(れんたんはこのところの急成長によりこの範疇から外れつつありますが)
曲は『自惚れビーチ』。ただでさえ可愛いこの曲を、カラフルでポップな世界の中で可愛いの天才とその妹たちが歌い踊る。もう、カワイイの権化です。

そしてトリを飾るのは秋元真夏。
…コントでした。着ぐるみ着ての、コントでした。

こういうの大好きそうな山下美月はともかく、筒井あやめを起用したのが驚きでした。
今にして思えば次期キャプテンが最年少メンバー(しかもフロント)と接点を作りに行ったのだと考えられます。さすが真夏さんとしか言いようがないです。


このミュージアムコーナー、各リーダーが「やりたい曲を選んだだけ」らしいのですが、その選曲が非常に興味深く感じました。

3期の期別曲『自分じゃない感じ』。
鈴木絢音の代名詞『自惚れビーチ』。
白石高山橋本深川の『魚たちのLOVE SONG』。(そして他星ユニットの『隙間』)

特定メンバーと結びつきの強い曲が遠慮なく選ばれているのです。(まあ真夏さんは得意のまいやんいじりという気もしますが)


そしてメンバーの選び方も面白い。
ジコチュープロデュースではどちらかというと仲の良いメンバーを集めたセレクトでした。その中で異彩を放ったのが生田絵梨花と若月佑美のふたり。

生ちゃんが『コウモリよ』をベビメタインスパイア系で披露した際に、一緒に踊ったのは「背格好でオーディションした」伊藤理々杏と向井葉月でした。
若はイケメンに扮し『低体温のキス』を披露し、侍らせるセクシー美女役に伊藤純奈と樋口日奈というさすがのセレクト笑

今回もこのふたりと同様「この演出でこの楽曲をやるのにふさわしいメンバー」が選択されていると思います。それにプラスひとつ前の記事で書いた3期と4期のミックスも意図されているかと。


ちょっとだけ「楽曲志向」


これらは何を意味しているのか。

もう多くの楽曲でオリジナルメンバーはいない。
だから期別曲とか誰かの代名詞とか、そういうのに縛られるのはもうやめにしよう。
それよりも今いるメンバーと楽曲、両方の個性を活かしたベストな表現を目指す。

「メンバー志向」から少しだけ「楽曲志向」へ舵を切る。
そんな方向性のシフトではないでしょうか。


7thバスラやレポしためざましライブはオリジナルポジションにこだわり、オリメンの穴を誰が埋めるかというアプローチでした。
これはキツい言葉で言い換えれば「その曲を誰にやらせればそれっぽくなるのか」ということ。

例えば西野七瀬の穴は現エース飛鳥ちゃんや妹分の与田祐希、そして乃木坂感満点の遠藤さくらあたりが埋めるのだろう。なんとなくそんな想像がつきます。

でも空いた場所を誰かが代わりに埋めることを続けていると、徐々につぎはぎ感が強くなっていきいずれジリ貧になります。

そして必ず「こんなんじゃない」と言い出すファンは一定数います。「~の後継者」というレッテルが張られるとまたそれに対してアンチが叩いてきたりもするでしょう。

思い出に寄せに行ってもどうせ文句を言われるのであれば、思い切って新たな解釈を提示する。そうやって大切な曲たちを単なる懐メロにしない。これは結果としてこの日のように色々なメンバーに光を当てる場を生むことにもなります。

もしかしたら2018年のジコチュープロデュースから、運営はこのシフトチェンジを意図していたのかもしれません。そして生ちゃんと若のふたりはそれに本能的に気づいていた。ありえそうで怖いです笑


忘れられない大切な思い出。しかしそれは時にしがらみへと変化して自由を奪います。

古参オタである自分には複雑な思いもありますが、この方向性は絶対に正解だと思います。
舞台『ザンビ』のアフターライブで美月と与田っちょが『ごめんね、スムージー』を歌ってくれた時は素直に嬉しかったですし。

いずれ3期生の代名詞『三番目の風』すら他の誰かが歌う日が来るのかもしれません。
いや個人的にはこれはさすがに受け入れられない気がしますけど笑

この日の4期さん


最後にこの日印象に残った4期メンバーを挙げておきます。

今にして思えば24th選抜発表前に行なわれた=4期抜擢をメンバーは知っていてファンは知らない状況だったのはナゴドだけでした。

遠藤さくらは楽しそうにステージに立っていました。
全員センター企画以外はほとんどの曲でセンターに立ち続けた横浜アリーナの4期ライブとは違い、信頼できる先輩たちに囲まれた彼女は、地元でのびのびとした笑顔を見せていました。

そしてもうひとりの地元、筒井あやめ。
コントで着ぐるみを着せられて怒った彼女が「真夏さん、私の将来を奪ったな!」と叫ぶシーンはハイライトのひとつでした。
横浜アリーナでもあった、モニターで彼女がアップになるとそのビジュアルの完成度に客席がちょっとどよめくという現象がこの日も発生していました。

そしてやっぱり金川紗耶。
ミュージアムコーナーで名だたるダンスメンの中で堂々と踊っていた彼女はかっこよかった。桜井玲香と一緒に踊れたことは、彼女にとって大きな財産となったことでしょう。


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