リビング・レジェンドにして最先端


今回は関西遠征。兵庫県尼崎市、JR宝塚線塚口駅から10分弱歩いたところにあるこちらのお店。「S1」は「スーパーワン」と読みます。

こちらの嶋崎店主はラオタなら知らぬ者はいないであろうレジェンド。
2005年12月にJR横浜線町田駅から少し離れた住宅街に「ラァメン屋 69'N' ROLL ONE(ロックンロールワン)」をオープン。瞬く間に人気店になり、2011年に町田駅近くに、そして2013年には赤坂に移転しました。しかし2014年4月末に突如閉店。
もうあの味が食べられないのかと嘆いていたら同年7月になんと尼崎で再出発。おいそれと行けない土地になりましたが今回念願かなって移転後初訪問です。

私も町田時代、日本一美味いラーメン屋だと思っていて相当通いました。
個人的にはそれまであんなに鶏油を強調したラーメンを食べたことはありませんでした。

「天国屋」@成瀬の時にも書きましたがこの69'N' ROLL ONEは「神奈川淡麗系」の源流とも言うべき店です。正確にはオリジンはかの「ラーメンの鬼」佐野実さんによる「支那そばや」かもしれませんが、こだわり抜いた素材を使った澄んだ鶏スープという神奈川淡麗系のイメージを完成させたのは紛れもなくこちらの嶋崎店主でしょう。今や日本一行列の長い店のひとつである「飯田商店」@湯河原の飯田店主にも多大な影響を与えたそうです。
その飯田商店や「やまぐち」@西早稲田のミシュラン掲載により神奈川淡麗系は一気にメジャー化し、現在の隆盛に至ります。

土曜日の開店15分前に到着しましたが既に15人ほどの待ち。開店時には入店できず、食べ終わるまでは1時間コースでした。ラーメン作りは店主さんのワンオペで接客担当の方がひとり。薄暗く緊張感漂う店内ですが、町田時代から慣れてるので何とも思いません笑

基本メニューの「尼のロック(醤油)」「Sのロック(塩)」が1,000円、味玉が+200円、チャーシューは+300円。それぞれの「かけらぁ麺」が800円。そして「元祖昆布水のつけめん」は1,500円となかなかの高額設定。

久々なのでやはり基本となる尼ロックを選択。

以前と変わりない丁寧なオペレーション。ただ町田時代の記憶と比べると当時より明らかに手順が増えているように見えます。何だろうあの粉末…あれ、なんか鶏油じゃない液体を投入したっぽい…などとゴチャゴチャ考えているうちに着丼。

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尼ロック 1,000円

その瞬間、ブワッと香り立つ鶏。
そして素晴らしいビジュアル。スープ表面に見える鶏油の黄色が「ああ、ロックンだ」って感じです。

上質な比内地鶏とこだわりまくった純水、そして徹底的な温度管理。それがロックンのスープ。「引き算のスープ」とも称されるそれはシンプルにして力強く、そして飲み飽きないものとして私に強い印象を残していました。

しかしこの日飲んだスープはそのイメージをさらに超えてくるものでした。
深み、香り、コクがえげつない。それなのにどこまでも澄んだ後味。
味の奥行きが凄い。オペレーションの多さを目にしたのでそれに引きずられているだけかもしれませんが笑

麺は町田時代からお馴染みの柔麺。かつては「そうめんみたい」と酷評する人もいましたが今では時代が追いついて「シルキー麺」などと表現されるようになったあれです。スープをしっかり絡めのど越しはスルスル、そして微かなパツ感を残した逸品。

具はチャーシューと2種類のネギ、そして穂先メンマ。どれも上質なのが伝わってきます。チャーシューとメンマはどちらも柔らかさと抑制のきいた味つけが印象的。

あの頃のように、スープまで完食。

記憶とは美化されるもの。
神奈川淡麗系も相当の数食べてきた現在の自分の舌がロックンのラーメンをどう感じるのか、楽しみであり正直不安でもありました。

でもそんなの全くの杞憂でした。

もの凄い一杯。
奥行きとか深みがちょっと別格です。

リビング・レジェンドでありながら今なお最先端の味わいです。
凄まじい完成度でしたが、きっとこの先も変化し続けていかれるのでしょう。

また行きたい…難しいけど。


ごちそうさまでした。

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