ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

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びーむ色調補正3

そして何かが託された


アンコールからは桜井玲香卒業セレモニーでした。

ドレスを着て登場した彼女がひとりでファンに語りかけます。
そして歌われたのは、この場が最初で最後の披露となるソロ曲『時々 思い出してください』でした。最初は笑顔だった桜井。しかしステージ上に登場してきたメンバーの寂しさを感じ取り、自らも涙を流します。

続く曲は『夜明けまで強がらなくてもいい』。
イントロの4期フロント3人と先輩が手を取り合う振り付け。遠藤さくらの手を取った桜井が何か語りかけ、感極まったさくちゃんは力強く頷きながら顔をくしゃくしゃにして泣き出します。そこに被さるファンの「オイ!オイ!」の絶叫。いやあ、あれはグッときました。

「あとは任せたよ」なのか、それとも「あなたなら大丈夫」か。
初代キャプテンから、未来のエースへ。何かが託された瞬間でした。

桜井玲香の『夜明けまで』。大阪ドームと神宮、わずか4回しかステージ上では披露されなかった特別なものです。正直この曲あんまりだったんですがこれを見せられては抗えるはずもなく、好きな曲のひとつになりました。
ちなみに以前の記事で「ヘイはいらん」と書いたのですが、ライブではめちゃめちゃ盛り上がります笑


継承の儀式が済んだところで『ロマいか』から『僕だけの光』。
そしてトロッコで場内一周しステージに戻ってきた桜井が叫びます。「にゃんが来てくれたよ~!」。ただひとりこの日のステージに参加していなかった井上小百合がここでサプライズ登場!

この日は出演するミュージカル『リトル・ウィメン』の開幕2日前。既に劇場入りして劇場稽古を行なっている切羽詰まった状況の中、キャプテンの最後を見届けるために駆け付けます。
94年組。他星ユニット。犬メン。いくつもの共通点を持つふたりの間にはファンに見えている以上の深い結びつきがあるのでしょう。

そして先日卒業を発表した井上小百合にとってもこれが最後の神宮となりました。


思い出で散らかった部屋を出てゆくよ


次期キャプテン秋元真夏から心のこもった手紙が読まれ、最後はやはり『乃木坂の詩』。
涙にくれるメンバーに囲まれながら桜井は笑顔で最後の挨拶をし、退場していきました。

それでも「玲香」コールが鳴り止みません。

それに応えて駆け出してくるメンバーたち。そして歌われたのはなんと『会いたかったかもしれない』!!

ここでこの曲を持ってくるか!

AKB48の公式ライバルとしてスタートした乃木坂の歴史。
オケも歌詞も同じ、メロディラインをちょっといじっただけの、タイトルからしていかにもネタ先行の秋元康の思い付きっぽい曲。「パチモン」と呼ばれAKBファンから嘲笑されたけれど、ライブではやたらと盛り上がるので初期のセットリストでは重宝されていた曲。
しかし乃木坂が独自の個性と評価を確立した現在となっては歌われる機会も減っていました。

個人的には最初のプリンシパルが忘れられません。Bフレでメンバーが両サイドのカメラに駆け寄るシーンを下手側最前列で観た時に「一体俺はどこを見ればいいんだ!可愛いが多すぎて脳が処理できない!」と思ったあの日の衝撃。まあこれは完全に余談ですが。

この曲が選ばれた理由はきっと、
初心に返る。

言葉にするのは簡単だけれど、あまりにも状況が変わってしまった今となってはとても難しいこと。

初めて撮影したMVで、何が正解かもわからないままただ懸命に言われることをやっていたあの頃、メンバーもスタッフもそしてファンさえも、乃木坂がここまで大きくなるとは誰も思っていなかったあの頃へ。

私も、乃木坂46も。
もう一度、初心に返ろうよ。

そんな桜井玲香からのメッセージではないでしょうか。


最後に場内を一周する彼女の前に現れたのは相方、若月佑美(この日も相変わらず驚くほど美形!)。

「よく頑張りました」

この言葉にすべてが込められていた気がします。


セレモニーの中で桜井玲香はこう語っています。

「グループの外で、これからも乃木坂を作り続けていく」

私が外の世界でグループの価値を上げてくる。そう言ってるんです。

見ようによってはもの凄い自信。
でも、彼女だからこそ言える言葉。

全方位にハイスペックなポテンシャルを持つ彼女。これまではグループのことを第一にして、どこかブレーキをかけていた部分があったのかもしれません。

でもこれからは。

自分が全力を振り絞ることがグループのためになる。
そう信じて、堂々と「元乃木坂」を名乗っていく。

なんて頼もしい。惚れそうだ笑

これからの彼女がどんな姿を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

びーむ色調補正3
今年もやってまいりました、聖地・神宮球場。幸いにも千秋楽に参戦できました。
ツアースタート地点である名古屋も(2日目でしたが)行きましたのでので、結果的に今年の全ツの最初と最後を目撃することができました。ナゴヤドームとの比較を中心にレポします。

いつもと違う夏の風物詩


8月30日からこの日まで3DAYSだった今回の神宮。千秋楽を最後にキャプテン桜井玲香の卒業がアナウンスされていましたので、例年以上に特別な意味を持つツアー最終日となりました。

神宮初日からいよいよ大園桃子も復帰し、井上小百合以外の全メンバーが揃います。

セトリはこちらです。

Overture
01. ガールズルール
02. 太陽ノック(飛鳥)
03. 夏のFree&Easy(堀)
04. 裸足でSummer

05. 三番目の風
06. 4番目の光
07. トキトキメキメキ(3期生&4期生)
08. キスの手裏剣(3期生&4期生)

乃木坂46ミュージアムコーナー
09. 自由の彼方(堀センター、佐々木、理々杏、佐藤、北川、早川)
10. 他の星から(飛鳥、遠藤)
11. 白米様(生田センター、純奈、久保、賀喜)
12. 自分じゃない感じ(桜井センター、中田、和田、阪口、金川)

13. インフルエンサー(白石、飛鳥)
14. 命は美しい(飛鳥)
15. 何度目の青空か?
16. シンクロニシティ
17. 滑走路
18. 日常

19. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(生田)
20. ここにいる理由(寺田)
21. 不等号(飛鳥)

22. 僕のこと知ってる?(飛鳥)
23. そんなバカな…
24. ハウス!

齋藤飛鳥ドラムパフォーマンス(M25~29まで生バンド演奏)
25. 世界で一番孤独なLover
26. スカイダイビング
27. おいでシャンプー
28. ジコチューで行こう!
29. Sing Out!

EN
EN1. 時々 思い出してください
EN2. 夜明けまで強がらなくてもいい
EN3. ロマンティックいか焼き
EN4. 僕だけの光
EN5. 乃木坂の詩

WEN
WEN1. 会いたかったかもしれない


全35曲、3時間半。夏の終わり。やっぱり神宮は特別、って感じです。

アンコール前までのセトリは日替わりのミュージアムコーナーを除けば名古屋から大きな変化はありませんでした。

名古屋では不在だった白石麻衣と大園桃子がいましたので『ガルル』『シンクロ』『三番目の風』がオリジナルセンターでの披露。

名古屋では2ブロック目でやった「選抜とアンダーの融合」が後半に移されていました。これは『咄嗟』でさゆがサプライズ登場するために違いない!と思ったのですが違いましたね笑

その後に『そんバカ』『ハウス!』という沸き曲が追加。

そして変更点ではありませんが印象に残ったのが『スカイダイビング』。
神宮でこの曲をやると2017年、期別ライブからの全員集合で乃木坂の底力を見せつけたあの日のことが思い出されます。

そして斉藤優里がいない寂しさも。


雲の隙間 差し込む光たち


最初のハイライトはやはり『他の星から』。

齋藤飛鳥と遠藤さくらが左右のサイドステージに分かれて登場し、センターステージへと歩み寄ります。モニターでは交互に映し出されるふたりのアップ。

2017年東京ドームの『逃げ水』でもこれと同じ演出がありました。
大園桃子と与田祐希。リリース当時はサビ前の『月光』部分ですら間を持たせられなかったふたりが堂々と歩く姿に感動したものです。
しかし今回のさくちゃんのパートナーは共に困難に立ち向かった同期ではなく、飛鳥ちゃん。

衝撃でした。
いわゆる「画が持つ」力。さくちゃんのそれの凄まじさ。
だって、齋藤飛鳥ですよ。あの今最も画が持つ(俺調べ)飛鳥ちゃんと交互に映されてそう感じさせるって、普通じゃない。

そしてセンターステージで踊るふたりの美しいシルエット。『乃木坂工事中』でバナナマンのふたりが撮った写真でもそれが切り取られていました。


『白米様』…いや『Dear white rice』も強烈でした。

モータウン風アレンジに変更された楽曲を朗々と歌い上げる4人。
生田絵梨花、伊藤純奈、久保史緒里という各期の最強歌唱メンの中に放り込まれた4期生は賀喜遥香。相当プレッシャーだったようですが、しっかりとこなしていました。

個人的には4期最強歌唱メンは柴田柚菜だと思いますが、かっきーの武器は声質。3人の先輩同様にドスの効いた声を出せるので、舞台メンとしての素質を見込まれているのでしょう。

万能型のかっきー。既にあからさまに有能であからさまに酷使されている彼女がこの先どんな目標を見つけるのか、そして運営はそれをどうサポートするのか注目したいですね。山下美月の時と同じ轍は踏まないと信じていますが…


4期生は全体的にだいぶ頼もしくなった印象でした。2ヶ月かけて全国を回り、また神宮も3日目で慣れたのか落ち着いてパフォーマンスしているメンバーが多く、楽しそうな姿は非常に好感が持てました。


続きます。
【乃木坂46ライブレポ】キャプテンが最後に見せたもの ~2019.09.01 真夏の全国ツアー2019@明治神宮野球場②

びーむ色調補正3

ミュージアムコーナーに秘められた意図


もうひとつのポイント、ミュージアムコーナー。これは2018年全ツのジコチュープロデュースと同様、ライブの定番であるユニット曲コーナーに代わるものです。元々は恐らく各楽曲のオリメンがだいぶ卒業してしまったことに起因しているのでしょう。

トップを切って出てきたのは我らがキャプテン、桜井玲香。
元は3期生がポップに踊っていた『自分じゃない感じ』です。楽曲本来のダンストラックとしての実力を存分に引き出せるよう、中田花奈、和田まあや、阪口珠美、金川紗耶と
各期の誇るゴリゴリのダンスメンを引き連れての登場。
率直に言って人気に忖度しない、必然性のある選択です。

続いて「可愛いの天才」「偉いねぇ」でおなじみ星野みなみが後輩たちを引き連れて現れます。メンバーは岩本蓮加、向井葉月、掛橋沙耶香、矢久保美緒と低身長の妹キャラで統一。(れんたんはこのところの急成長によりこの範疇から外れつつありますが)
曲は『自惚れビーチ』。ただでさえ可愛いこの曲を、カラフルでポップな世界の中で可愛いの天才とその妹たちが歌い踊る。もう、カワイイの権化です。

そしてトリを飾るのは秋元真夏。
…コントでした。着ぐるみ着ての、コントでした。

こういうの大好きそうな山下美月はともかく、筒井あやめを起用したのが驚きでした。
今にして思えば次期キャプテンが最年少メンバー(しかもフロント)と接点を作りに行ったのだと考えられます。さすが真夏さんとしか言いようがないです。


このミュージアムコーナー、各リーダーが「やりたい曲を選んだだけ」らしいのですが、その選曲が非常に興味深く感じました。

3期の期別曲『自分じゃない感じ』。
鈴木絢音の代名詞『自惚れビーチ』。
白石高山橋本深川の『魚たちのLOVE SONG』。(そして他星ユニットの『隙間』)

特定メンバーと結びつきの強い曲が遠慮なく選ばれているのです。(まあ真夏さんは得意のまいやんいじりという気もしますが)


そしてメンバーの選び方も面白い。
ジコチュープロデュースではどちらかというと仲の良いメンバーを集めたセレクトでした。その中で異彩を放ったのが生田絵梨花と若月佑美のふたり。

生ちゃんが『コウモリよ』をベビメタインスパイア系で披露した際に、一緒に踊ったのは「背格好でオーディションした」伊藤理々杏と向井葉月でした。
若はイケメンに扮し『低体温のキス』を披露し、侍らせるセクシー美女役に伊藤純奈と樋口日奈というさすがのセレクト笑

今回もこのふたりと同様「この演出でこの楽曲をやるのにふさわしいメンバー」が選択されていると思います。それにプラスひとつ前の記事で書いた3期と4期のミックスも意図されているかと。


ちょっとだけ「楽曲志向」


これらは何を意味しているのか。

もう多くの楽曲でオリジナルメンバーはいない。
だから期別曲とか誰かの代名詞とか、そういうのに縛られるのはもうやめにしよう。
それよりも今いるメンバーと楽曲、両方の個性を活かしたベストな表現を目指す。

「メンバー志向」から少しだけ「楽曲志向」へ舵を切る。
そんな方向性のシフトではないでしょうか。


7thバスラやレポしためざましライブはオリジナルポジションにこだわり、オリメンの穴を誰が埋めるかというアプローチでした。
これはキツい言葉で言い換えれば「その曲を誰にやらせればそれっぽくなるのか」ということ。

例えば西野七瀬の穴は現エース飛鳥ちゃんや妹分の与田祐希、そして乃木坂感満点の遠藤さくらあたりが埋めるのだろう。なんとなくそんな想像がつきます。

でも空いた場所を誰かが代わりに埋めることを続けていると、徐々につぎはぎ感が強くなっていきいずれジリ貧になります。

そして必ず「こんなんじゃない」と言い出すファンは一定数います。「~の後継者」というレッテルが張られるとまたそれに対してアンチが叩いてきたりもするでしょう。

思い出に寄せに行ってもどうせ文句を言われるのであれば、思い切って新たな解釈を提示する。そうやって大切な曲たちを単なる懐メロにしない。これは結果としてこの日のように色々なメンバーに光を当てる場を生むことにもなります。

もしかしたら2018年のジコチュープロデュースから、運営はこのシフトチェンジを意図していたのかもしれません。そして生ちゃんと若のふたりはそれに本能的に気づいていた。ありえそうで怖いです笑


忘れられない大切な思い出。しかしそれは時にしがらみへと変化して自由を奪います。

古参オタである自分には複雑な思いもありますが、この方向性は絶対に正解だと思います。
舞台『ザンビ』のアフターライブで美月と与田っちょが『ごめんね、スムージー』を歌ってくれた時は素直に嬉しかったですし。

いずれ3期生の代名詞『三番目の風』すら他の誰かが歌う日が来るのかもしれません。
いや個人的にはこれはさすがに受け入れられない気がしますけど笑

この日の4期さん


最後にこの日印象に残った4期メンバーを挙げておきます。

今にして思えば24th選抜発表前に行なわれた=4期抜擢をメンバーは知っていてファンは知らない状況だったのはナゴドだけでした。

遠藤さくらは楽しそうにステージに立っていました。
全員センター企画以外はほとんどの曲でセンターに立ち続けた横浜アリーナの4期ライブとは違い、信頼できる先輩たちに囲まれた彼女は、地元でのびのびとした笑顔を見せていました。

そしてもうひとりの地元、筒井あやめ。
コントで着ぐるみを着せられて怒った彼女が「真夏さん、私の将来を奪ったな!」と叫ぶシーンはハイライトのひとつでした。
横浜アリーナでもあった、モニターで彼女がアップになるとそのビジュアルの完成度に客席がちょっとどよめくという現象がこの日も発生していました。

そしてやっぱり金川紗耶。
ミュージアムコーナーで名だたるダンスメンの中で堂々と踊っていた彼女はかっこよかった。桜井玲香と一緒に踊れたことは、彼女にとって大きな財産となったことでしょう。

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今そこにある対立軸


セトリの中で最も注目すべきはM08~14の第2ブロックでした。

その前半は若手=3期4期コーナー。
ポイントは『トキメキ』と『手裏剣』で3期と4期が一緒にパフォーマンスしたこと。期別曲を敢えて一緒にやったのです。

そして後半、M12。スタンバイする生田絵梨花が「あの」衣装を着ている姿を観た瞬間、衝撃が走りました。
井上小百合の代名詞にしてアンダラのアンセムである『咄嗟』。それを選抜アンダー混合メンバーでパフォーマンスし、さらに飛鳥センターでの『不等号』と続きます。

これらの意味するところ。
それは、軸の変化。

ここ数年、ライブの構成は「選抜+アンダー+3期+ユニット」でした。
全曲披露のバスラではない、2017年東京ドームや2018年シンクロニシティライブのセトリをご覧いただければ一目瞭然です。

「選抜」「アンダー」「3期」の3つはそのまま2017年以降の乃木坂の活動における軸でもあります。

これらは間違いなく乃木坂を大きくする推進力となってきました。

かつてアンダーの選抜に対する反骨心が圧倒的なライブの熱さとパフォーマンス向上をもたらし、別動隊としての3期の精力的な活動は12人の一体感を形成するとともに多くの新規ファンを獲得しました。

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2017年神宮の「期別ライブ」では各期が三者三様の魅力を存分に発揮します。グループの底力を見せつける素晴らしいライブで、東京ドームの成功を確信させるものでした。

その反面、そこで提示された「期別」というくくりが及ぼした悪影響も無視できないものでした。かつては乃木坂界隈であまり目にしなかった「期推し」という表現が目立つようになります。

そして現在。メンバー同士があれだけ様々な場所で互いへの信頼やリスペクトを言い表しているのにも関わらず、ネット上では一部の熱烈なファンが自分の推しではないメンバーや期に対し、目に余るほどの攻撃的な姿勢を見せています。

活動の軸が結果的にファン同士の「対立軸」となる、そんな状況が生まれてしまっているのです。


箱推し文化の復活へ


今年、新たな軸となりうる「4期」というファクターが加わりました。

卒業生続出で大変な状況の中、さらに新たな対立軸を増やすわけにはいかない。
運営もそう考えたことでしょう。

この日のライブの構成はこのようなものでした。

「選抜+アンダー(薄め)+3期&4期+ミュージアム」

3期+4期ではなく3期&4期。
4期を新たな軸としてではなく3期と一緒に「若手」という大きなくくりに入れることにより、お互いのファンを敵対させないようにしているのです。後で詳しく書きますが、ミュージアムコーナーもちゃんと全曲3期と4期両方からメンバーをチョイスしています。

そしてアンダー感は薄めでした。
選抜アンダー混合。生ちゃんや桜井玲香、与田祐希といったアンダー経験のないメンバーとアンダー歴の長い和田まあやが一緒にアンダー曲をやる。それはこれまでの歴史を知る者からすると少し不思議な光景でした。

まして披露されたのが反骨の象徴である『咄嗟』、そしてアンダーセンター回数最多である中元日芽香のセンター曲『不等号』。「ちょっと気が向いたから」と気楽にやる曲ではありません。

ボーダーレス。選抜とアンダーは対立概念ではなく地続きだということを示す。
そんな意図があっての選曲ではないでしょうか。この日「不思議な光景」と感じた私も、対立概念に凝り固まっていたということでしょう。

ちなみにライブ後半では最新アンダー曲『滑走路』と年末のアンダラで北野日奈子入魂のパフォーマンスが話題になった『日常』を披露し、アンダーの実力を示す場もしっかり用意されていたのも非常に良かったと思います。

関連記事:
【乃木坂46ライブレポ】北野日奈子、覚悟のセンター ~2018.12.20 アンダーライブ関東シリーズ@武蔵野の森総合スポーツプラザ③


4期を3期にそして乃木坂にアジャストさせ、アンダーと選抜の垣根を低くする。
これこそが運営が推し進めている融合の形なのではないでしょうか。

その先にあるのは箱推し文化の復活。かつて乃木坂ファンの特徴といわれたものの、今では失われつつあるそれを取り戻すこと。これもまた、原点回帰です。


このライブからほどなくして、ある意味乃木坂の象徴である桜井玲香の卒業が発表され、さらにその数日後には4期生3人をフロントに据えた24thシングルの選抜発表が行なわれました。

激動の真っただ中で開催される2019年の全ツ。
だからこそ、今ここで運営が地に足をつけて箱推し文化復活へ舵を切っているのだとすれば、それは本当に素晴らしいと思います。


この記事を書いている最中に少し気になる情報が入ってきました。

24thシングルの特典映像が「期別ドキュメンタリー」とのことです。

これが期推しファン同士の敵愾心を煽るものではなく、メンバー同士の暖かな関係性を描写する内容であることを願っています。


続きます。
【乃木坂46ライブレポ】思い出には縛られない ~2019.07.04 真夏の全国ツアー2019 愛知@ナゴヤドーム③

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推しのいない風景


乃木坂46、2019年真夏の全国ツアーの開幕は名古屋から。その2日目に参戦してきましたのでレポします。

ライブ3日前に推しである井上小百合の不参加がアナウンスされてモチベーション下がりまくり。まあいたらいたでひたすらに推しを目で追い続けてしまうので、これは全体を観るいい機会だと自分に言い聞かせ会場に向かいます笑

さゆ以外にも大園桃子・北川悠理・白石麻衣・樋口日奈と欠席者の多かったこの日。

セトリはこちらです。

Overture
01. インフルエンサー(飛鳥、山下)
02. 命は美しい(飛鳥)
03. 何度目の青空か?
04. 太陽ノック(飛鳥)
05. ガールズルール(秋元)
06. 夏のFree&Easy(堀)
07. 裸足でSummer

08. 三番目の風(山下)
09. 4番目の光
10. トキトキメキメキ(3期生&4期生)
11. キスの手裏剣(3期生&4期生)
12. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(生田)
13. ここにいる理由(寺田)
14. 不等号(飛鳥)

乃木坂46ミュージアムコーナー
15. 自分じゃない感じ(桜井センター、中田、和田、阪口、金川)
16. 自惚れビーチ(星野センター、岩本、向井、掛橋、矢久保)
17. 魚たちのLOVESONG(秋元センター、山下、筒井)
18. 隙間(秋元センター、山下、筒井)

19. 僕のこと知ってる?(飛鳥)
20. 制服のマネキン(飛鳥)
21. シンクロニシティ(飛鳥)
22. 滑走路
23. 日常

齋藤飛鳥ドラムパフォーマンス(M24~28まで生バンド演奏)
24. 世界で一番孤独なLover
25. スカイダイビング
26. おいでシャンプー
27. ジコチューで行こう!
28. Sing Out!

EN
EN1. ひと夏の長さより
EN2. ありがちな恋愛
EN3. 乃木坂の詩


全31曲、ほぼ3時間に及ぶボリューム満点、大満足(推しがいないのに!)のライブでした。

ミュージアムコーナーとは、あるメンバーが楽曲と参加メンバーをチョイスし恐らく演出にもかかわってパフォーマンスするというもの。前年の全ツで行なわれた「ジコチュープロデュース企画」と一緒ですね。


飛鳥ちゃんを壊すな


セトリを見てとにかく気になるのが齋藤飛鳥の負担。
やたらめったらセンターをやるわドラムも叩くわで、とにかく飛鳥ちゃん一本かぶり。いくら鉄人と呼ばれる彼女とはいえ負担が大きすぎますね。個人的には『乃木坂工事中』で復帰の煽りVまで流した山下美月をもっと押し出してくると予想していたのですが特にそういうわけでもなく。

西野七瀬卒業、白石不在、生田絵梨花は『レ・ミゼラブル』真っ最中ということでこうなるのもわかります。それにしてももうちょっと何とかならなかったかというのが正直なところ。

早急に飛鳥ちゃんの負担を軽減する体制を構築することが絶対に必要です。それはすなわち、エース格の増員。そのためにも24thシングルはくぼしたWセンターが良かったのにな…
(【乃木坂46考察】よだももとくぼしたの物語 ~24thシングル選抜発表に思うこと③)

そして「【乃木坂46ライブレポ】支えるということの価値 ~2019.03.05 めざましライブ@両国国技館」で書いたのですが、オリジナルポジションへの過度なこだわりを捨ててほしい。その楽曲で元々2列目3列目だったメンバーを、卒業で空いたポジションに繰り上げてほしいです。

「ライブでもセンターはエースにしかやらせない」から選択肢が狭まり、空いた良ポジに先輩を飛び越して3期を起用するからアンチが騒ぐ。

この悪循環を断ち切るために、ライブでは桜井玲香・星野みなみ・松村沙友理に1曲ずつぐらいセンターを任せてしまえばいいんです。そのうえで若手も起用すればバランスが取れるし飛鳥ちゃん頼りの危険な現状からも脱却できます。誰もが認めるエース格が現れるまではこれで凌ぐのが良いのではないでしょうか。

まいやん不在のこの日、桜井センターの『シンクロニシティ』なんてぜひ観てみたかった。実現していたらきっと後々まで語り草になる美しさだったことでしょう。映画の中での彼女のコメント「メンバーへの愛があふれ出して…」ともリンクして熱いですよね。



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