ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:腕時計 > 3針



「Sense Style」とはコラボのことだった


2019年9月に日本国内正規販売を開始したセイコー5。
このブログでも繰り返し取り上げ実機レビューも行ないました。

関連記事:






その記事の中でも書いた通りその後の展開に期待して注視していたのですが…予想の斜め上のやつが出てきました。

それがこちらのコラボ2種。

『ジョジョの奇妙な冒険』


そしてQUEENのギタリスト、ブライアン・メイ


おおう笑

ジョジョ コラボモデル

SBSA029/030/031/033/034/036/037/038



ジョジョは第5部「黄金の風」のキャラクターをモチーフにしています。

2013年にもセイコースピリットブランドでジョジョとのコラボモデルを出していて、それも同じ5部なので実はリバイバルですね。(前回はディアボロ以外の7人でした)

前回はクォーツクロノグラフ、今回は既発のセイコー5=「ボーイ」がベースなのでそこの違いはありますが、デザイン要素も流用されているやつが多いですね。まあ率直に言って「焼き直し」。

ただ前回も即完売だったらしいので、買い逃した人にとっては嬉しいんじゃないでしょうか。

機能面はベースモデルと同様で、ムーブメントは4R36です。10気圧防水にハードレックス風防で裏蓋はスケルトン。

ベゼルと文字盤、そしてインデックスは個々のキャラクターやスタンドのビジュアル・特性に合わせたモチーフが取り入れられており元の影も形もありません。(ケースと針の形状は同じ)

そして大胆なカラーリング。あとはリューズの形状が異なり先にポッチのような装飾がついています。ベルトはすべてレザーですが、型押しのバリエーションを使い分けていたり芸が細かいですね。

個人的に格好いいと思うのはディアボロとフーゴ、それにジョルノですね。

ただ自分は「腕時計は使ってなんぼ」だと思っているので、その観点からするとジョジョ独特のカラーリングは自分の普段の服装と合わないので厳しいです笑

2019年11月22日に各限定1,000本で発売。価格は税込51,700円。流通限定で値引きなし。今回も一部モデルは瞬く間に完売し、記事作成時点に楽天市場で残っていたのはアバッキオ、ナランチャ、フーゴ、トリッシュだけでした。

ブライアン・メイ コラボモデル SBSA073


公式サイトによれば、

50年以上前にブライアン氏が自作し、今なお愛用しているギター<レッドスペシャル> の佇まいをダイヤルデザインで大胆に表現。
自作ギターを6ペンス硬貨で奏でるという独自のスタイルを貫くブライアン氏の魂と情熱を再現した特別なモデルです。

とのこと。

こちらはベースモデルからの変更点は文字盤だけ。

「木の質感を思わせる型打ち模様にラップ仕上げ、グラデーション塗装を施し、伝説のギターが持つ細かいディテールを再現」と書かれている通り、写真を見る限りではなかなかの質感っぽいですね。かつてオリエントが出していた「オリエントスター レトロフューチャー ギターモデル」を思わせます。

そしてちょっと豪華な収納ボックス(6ペンス硬貨つき)。

限定9,000本で流通限定、価格は税込63,800円。
って高!ナイロンベルトでこの値段はどうかと。まあ伝説的ギタリストのファンアイテムですから、値段にどうこう言うのも野暮な話なのですが。

パンデミックの影響で発売が延び、2020年5月27日発売となっています。記事作成時点でどこも予約を受け付けていないのは、完売したのか延期の影響で売り止めしているのかちょっと判断がつきませんでした。

セイコー5に望むこと


個人的にはジョジョにもQUEENにも思い入れがないので買う買わないまでの興味はないです。

でもまあ、そもそもセイコー5って「何でもあり」だと思うんですよね。
なので今回のコラボ連発については別に否定的なわけではありません。

あれだけ細かいデザインいじって文字盤も加工してコラボ相手にライセンス料払ってもこれぐらいの値段で出せるんだ、というのも興味深かったですし。

ブライアン・メイはジョジョよりライセンス料が高いのかな?笑

ひとつだけ気になるのがセイコー5の幅を狭めないか、ということ。

せっかく復活したセイコー5が「ボーイ」だけになるとしたらそれは嫌ですね。

半年に1回ぐらいのペースで膨大なデザインソースの中から傑作を追加していってほしいんですけどね。セイコー5ファゾムスSNZH55とか。アトラスSKZ211とか。ダイバーズばっかになっちゃいますが。まあ正直国内正規品になると値上がりするのですが笑

楽天市場ではアトラスの取扱店が少なくなっていたのでひょっとしたらディスコン=国内正規発売の流れが既に決まっているのかもしれませんけど。
この記事を書いているうちに、自分が復活セイコー5に望んでいることが分かった気がしました。

私が求めているのは、過去の傑作デザインをムーブメントを4S系にし、質感をちょっと向上させて実勢価格は現行逆輸入品に+1万前後で出す。

これなんだと思います。

平たく言うと「安心して買える国産正規品に+1万までなら出すよ」ってことですね。

その中でボーイみたいにこれまでになかったバリエーションを増やすのもいいですね。

実勢価格3万前後で機械式時計の魅力を感じさせ、裾野を拡げる。
さらにコレクターも巻き込むには、手が出せる価格という意味でアンダー3万円って結構重要です。

本当に出ないかな、セイコー5ファゾムス笑



歴史的モデル「クラウン ワンプッシュクロノ」とは


1964年に登場した初の国産クロノグラフである「クラウン クロノグラフ」。

公式ではスポンサードの関係か「日本で初めての国際スポーツ大会にあわせ開発された」と書いていますが、要するに東京オリンピックの記念モデルです。

グランドセイコーが最高級機とすると中堅機の位置づけだった「クラウン」にストップウォッチ機能を追加したもので、2時位置のプッシャーひとつでスタート・ストップ・リセットすべての操作を行なうため「ワンプッシュクロノ」なんて呼ばれ方もしますね。

そのデザインをほぼそのまま再現したのがこちらのモデル。

なのにクロノグラフじゃなく3針。

おい笑

勝手に企画の流れを想像するに、

2020年の東京オリンピック開催に合わせて前回大会にまつわるモデルを復刻しよう。
それでこのワンプッシュクロノに白羽の矢が立つ。
しかしワンプッシュクロノのムーブメントなんて現行にはないし、もちろん新たに開発するコストはかけたくない。

じゃあ得意の現代デザインってやつにする?でもあれあんまりマニアに受けがよくないんだよね…

しょうがない、いっそデザイン復刻ということで3針で出しちゃおう!

ってことですかね。斬新だな!

オールドファッションでありながら新鮮なデザイン


そうはいってもデザイン的にはこれ、かなりいいです。

オールドファッションな顔が実に素敵。ダイヤル上の同心円は現行にない表情ですね。
さらに細かい目盛りと秒印字が計測機器感を醸します。
そして細めのベゼル。ブラックですし当時はスポーティなデザインだったのでしょうが、現在の感覚からするとドレスウォッチに近い印象を受けます。



機能的にはもうおなじみ70時間ロングパワーリザーブの6R35。10気圧防水にサファイアガラスと日常的な使用には十分なスペックです。

カラーバリエーションは3色。
やっぱりオリジナルと同じパールイエロー(アイボリー)のSARX069ですね。
グランドセイコーにもある色味で、現行でいえばSBGX263あたりの色に近いかと思います。
SARX073のブラックも格好いいしオンオフ兼用でいけそうですけどちょっと普通っぽい。SARX071のグリーンは個人的には違和感があります。

各1,964本限定。
ただ記事作成時点で069の在庫はかなり少なくなっていそうでした。

そして気になるお値段。
セイコーの記事では毎回文句ばかりなのですが、今回は大丈夫です。

定価91,300円(税込)。流通限定モデルなので値引きはなく実勢価格も同じです。

以前に紹介した同一ムーブメントのアルピニストと比較すると税込定価で+6,600円。向こうは20気圧防水なんで機能的には下ですが、まあ限定モデルなんで正直こんなところかと。

このところセイコーの記事では先代との値段比較で「げっ!倍かよ」と叫んでばかりでしたので、それがないだけでも精神衛生上いいですね笑



不満はサイズ。
厚さ11.3 ㎜、横41.3 ㎜、縦48.3 ㎜。オリジナルの横幅は私が調べた範囲では38mmのようでした。

このデザインで41mm強というのはやっぱり大きいです。1mmでも小型化する努力をしてほしかった。

とっくに過ぎ去ったデカ厚ブームの名残か、ここ10年ちょっとでなんでもかんでも大型化してしまって戻らないセイコーの時計。昨今のトレンドの真逆を突き進むのはいかがなものかと。

裏は取っていませんがムーブメント自体が大きいんでしょうね。
セイコーさんはもういい加減、真剣に現行の4Rなり6Rムーブメントの小型版を開発して36mm径のモデルを出すことを考える必要があると思います。
というかプレザージュにもレディスの機械式で34mmとかのモデルがあるので、そのムーブメント使って(トルク足りないなら改良して)しまえばいいんじゃないでしょうか。

それで膨大なアーカイブの忠実な復刻が可能になるんですから、やりゃいいんですよ。

一番出してほしいのはやっぱりメカSUSです笑
メカSUSのデザインを完全復刻して36mm以下で実勢価格6万ぐらいで出してくれたらムーブメントが4R系でも買います。めちゃくちゃ売れるでしょうね。

まとめ


なんというか、すごく中途半端ではあるんです。そもそもクロノグラフのデザインなのに3針ですから。

でもこの値段で出したことの方を評価したいですね。
ワンプッシュクロノのムーブメントを新規開発して50万とかで出されても何の魅力もないですから。

歴史的モデルのデザインエッセンスがかなり濃厚に残っている、現行機ではどこにもない顔。
そしてロングパワーリザーブの6R35搭載機としては比較的安価。10気圧防水、メタルブレス。現実的でいいモデルです。



実はクロノグラフの現代デザインは別途2019年に「国産初クロノ55周年記念」としてSARK015というモデルが出ています。

同時に発売されたSBEC005は「国産自動巻きクロノ50周年記念」。
この2本、実物見ると凄くいいんですけど例によって値段がちょっと。

これについては別の記事にする予定です。

>しました>>>
セイコー プロスペックス SBEC005 & プレザージュ SARK015 国産クロノアニバーサリーモデル




プアマンズGSとは


「プアマンズ」という言葉をご存知でしょうか。

もともとは本物を買えない貧乏人用の量産品、という悪意を込めた意味で使われていたようですが、徐々に安くて品質の良いものに対する肯定的なニュアンスも含んできたように思います。

腕時計界のプアマンズ、それこそが今回紹介する「プアマンズGS」。
GS=グランドセイコー。言わずと知れたセイコーの最高級ブランドです。

そのGSを連想させるデザインを持ちしかも安価なことからそう呼ばれたのがセイコーのSARB033/035。
前回のアルピニストと同じ「メカニカル」ブランド。そう、「セイコーの良心」です笑

GSを連想させるのは「セイコーデザイン」と呼ばれるデザインコード。
狭義では「44GS」のことを指しますが、その辺のマニアックな話は公式の解説をご覧いただくとして、私なりに簡単に言うとアプライドのバーインデックスと太い時分針を持つ普遍的で飽きのこないデザインのことです。

現行の機械式GSだとSBGR251/253が最もプレーンでイメージが伝わりやすいかと思います。
まあ雑に言えば「ザ・普通」。時計に興味がない人にはどこがいいのか伝わりづらいかもしれません。

ですが時計沼にはまるとその普通さとはすなわち完成されたデザインであることに気づくようになります。まあマニアでなくともクセのない使いやすさで特にビジネスシーンで重宝するタイプの時計です。

個人的にはかつて「おっさん時計」だと揶揄されたGSのデザインが、日本製品への見直しとともに若い世代にも受け入れられているのは素直に嬉しいですね。


歴代プアマンズGS


元祖・SARB033/035

SARB033(ブラック)、SARB035(ホワイト)、2008年発売、2018年廃盤。
ケースサイズ38.4mm、6R15ムーブメント、サファイアガラス、10気圧防水、定価45,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


基本的にプアマンズGSと言えばこの時計のことです。

落ち着いたデザインに中堅ムーブメント6R15搭載。サファイアガラスと10気圧防水、絶妙なサイズ感で使い勝手も良。オンの時計として「ビジネスマンが1本持っておくと助かる時計」なんて評価されていました。

ほとんど唯一と言っていい欠点は針ですね。
時分針が夜光つきなことと、秒針かかとについている菱形。

GSでは多面カットの時分針で光の反射により視認性を確保して夜光は使われないのが基本なので、これはちょっとGSっぽくない。秒針の方もちょっと蛇足な感じがしますね。

2代目?・SARY055/057

SARY055(シルバー)、SARY057(ブラック)、2014年発売、2019年廃盤
ケースサイズ41mm、4R36ムーブメント、サファイアガラス、10気圧防水、定価38,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


2代目というか、一部の人がこれもプアマンズGSとして挙げていたという感じです。(そもそも販売期間が重なっているので2代目ではないですね)

初代の弱点である針のデザインが改善されています。夜光なしの時分針。そしてプレーンでシャープな秒針。GSっぽいです。

その反面、初代からはムーブメントが4R系にダウングレード。2.6mmものサイズアップもこのデザインとしてはあまり感心しません。

そして一番気になるのがチャプターリング(ダイヤル外周)とインデックスの間に妙な隙間があること。わざわざサイズアップしてこれはどういうことかと。
個人的にはインデックスがテーパードなこととデイデイト表示なのも好みとは違うかな。

ムーブメントとサイズでSARB033/035を知る腕時計マニアの心には刺さりにくいけれど、機械式入門編としては最強レベルのハイコストパフォーマンスモデルでした。(詳細は後述しますが、実質2万円台半ば!)


Welcome back,our poorman’s GS!?




近年この両者が相次いでディスコンになり、ついにセイコーの良心も失われたかに見えました。

しかし2020年春。
年明けから異常なペースで魅力的な時計を出し続けているセイコーさんが次なる一手を繰り出してきます。

それがセイコー メカニカル SZSB011/012/013/014(ネット流通限定)。

「いやメカニカルって廃盤じゃなかったんかい!」「またネット流通限定かい!」
もうこの時点でふたつツッコミが入りますが。

それはともかく、出ましたよ俺たちのプアマンズGS(っぽいやつ)が。

SZSB011/012/013/014

SZSB011(シルバー)、SZSB012(ブラック)、SZSB013(ネイビー)、SZSB014(ブラックで針とインデックスがゴールド)、2020年発売
ケースサイズ39.9mm、4R35ムーブメント、ハードレックスガラス、10気圧防水、定価48,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


デザイン的にはこれぞプアマンズGS。文字盤とベゼルまでなら先のSBGR251/253と概ね一緒です。サイズもギリギリ40mm未満に収めました。デイデイトじゃなくデイトなのも良いですね。

リューズのところが惜しい。先輩方は「半ば胴に埋めたリューズ」なのに対しこちらはちょっと中途半端な感じのリューズガード。このデザインならリューズガードいらないですよね。ラグも細くて華奢な印象。
あとはコストダウンのため風防がサファイアガラスからハードレックスになっています。



価格比較とまとめ


そして毎回文句を言っている価格ですが、アマゾン見ると税抜き48,000円の2割引き。
ん?ネット流通限定は割り引かないんじゃ?
楽天市場では記事作成時点で 「neelセレクトショップ」さん しか取り扱いがないようなのもなんででしょう。

価格を消費税率10%の税込で比較すると

SARB033/035 3割引きだったので実勢価格34,650円、ポイント10倍で実質31,185円
SARY055/057 同じく3割引きで実勢29,260円、実質26,334円
SZSB011/012/013/014 実勢42,240円、実質38,016円
※初代・2代目は廃盤のため現在ではプレミアム価格となっています

初代と比較するとムーブメント弱体化、ハードレックス化、値段上昇でデザインだけ改善なので割高感ありますが、そもそも12年前の時計と値段を比べるのはちょっと厳しいでしょう。

2代目との比較であれば、サイズとデザインの問題点は解消されているのでまあ一応許容範囲かと。

70時間ロングパワーリザーブを備えた最新機6R35をセイコーはもはやエントリー機に搭載する気はないようなので、この値段でこの内容は現実的でいい時計だと思います。
歴代プアマンズGS史上最もGSっぽいデザインですし、なんならこれ大ヒットしてもおかしくない。



新たな「1本あると助かるオン時計」として、そしてセイコーデザインの素晴らしさの一端に触れる入口として重要な役割を担う商品だと思います。

…いやだからなぜこんないいモデルを店頭に置かない?

一度セイコーさんの販売戦略会議を覗いてみたいです笑



かつて「セイコーの良心」と呼ばれたブランドがありました。

それが「メカニカル」。その名の通り、機械式時計を良心的な価格で提供していました。
その中でも特に人気の高かったシリーズ「アルピニスト」が先代のディスコンから2年の時を経て「プロスペックス」ブランドとして復活しました。

以前の記事でチラッと書きましたが、私は先代のSARB017の購入を何度か真剣に考えていました。

アルピニスト メカニカルとは その歴史


アルピニストという名前の時計は1960年代にありましたが、現在の形になったのは1995年のこと。四半世紀の歴史を持つ、セイコーファンにはお馴染みのシリーズです。

登山用のアウトドアウォッチとして登場。
その成り立ちにふさわしく、最大の特徴はインナーベゼルの簡易方位計で、20気圧強化防水も装備しています。
外観上の特徴はコブラ針。そして偶数時はアラビア数字、奇数時はくさび型が交互に並ぶいわゆる飛びアラビア数字で、ゴールドのアプライドインデックス(一部モデルは除く)。

マニアの間では「和製エクスプローラー」なんて呼ばれています。

アウトドアウォッチという出自やコブラ針(むこうはベンツ針ですが)と飛びアラビア数字インデックス(むこうは3・6・9ですが)がロレックス「エクスプローラー」を思わせるというのがその由来です。

SBDY049の「和製アクアノート」SBDC097の「和製ヨットマスター」は私が勝手に言ってるだけですが笑、アルピニストのこれは割とよく言われます。

初代

1995年発売、ケースサイズ36mm、4S15ムーブメント
6時位置に赤字で「Alpinist」ロゴ、裏蓋に三連山マーク、サイクロップスレンズ

SCVF005 ブラック文字盤、三角インデックス(ホワイト夜光)、メタルブレス
SCVF007 ベージュ(アイボリー)文字盤、メタルブレス
SCVF009 グリーン文字盤、レザーベルト

2代目

2006年発売、ケースサイズ39.5mm、6R15ムーブメント
ロゴなし、裏蓋に三連山マーク、サイクロップスレンズなし

SARB013 ベージュ(アイボリー)文字盤、メタルブレス
SARB015 ブラック文字盤、くさび型インデックス(シルバー)、夜光ドーフィン針、メタルブレス
SARB017 グリーン文字盤、レザーベルト

初代と2代目はこの3色展開です。
ブラック以外の2色は大筋で変更ありません。

なぜかブラックだけは毎回頑なにアラビア数字混じりのインデックスにしないのが謎です。
2代目ブラックに至ってはアイデンティティであるコブラ針も捨ててもはやなんだか立ち位置がよくわかりません笑

代表的なモデルはグリーン文字盤。

一番人気だったのかはわかりませんが、2代目ではグリーンの017だけがずっとディスコンにならずに2018年まで作られ続けたので今となってはアルピニストというと真っ先にこのカラーが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

初代のデザイナーによればご自分の愛車ミニローバーの色「アーモンドグリーン」にインスパイアされたという深みのある濃い緑。決して服と合わせやすいわけではないですがかなり珍しい色味で惹かれますね。

「SARB017 メタルバンド」で検索すると017をメタルブレスに交換しているユーザーのブログがいっぱい出てきます。

最新モデルの特徴とバリエーション



そして最新型はこうなりました。

3代目

2020年発売、ケースサイズ39.5mm、6R35ムーブメント
6時位置にプロスペックスロゴ、裏蓋スケルトン、サイクロップスレンズ、Dバックル

SBDC087 ブラック文字盤、三角インデックス(シルバー)、メタルブレス
SBDC089 ホワイト文字盤、シルバーインデックス、レザーベルト
SBDC091 グリーン文字盤、レザーベルト
SBDC093 ベージュ(アイボリー)文字盤、レザーベルト(カーキ)、ネット流通限定
…わかりにくい。カラーバリエーションが3世代で微妙に違っていてややこしい。

ざっくり言うと

087はほぼ初代のブラックと同じ。
089は新たに設定されたホワイト文字盤でインデックスがシルバーという組み合わせ。
グリーン文字盤の091は変更なし。
ベージュ文字盤の093はメタルブレスではなくカーキのレザーベルトになりしかもネット流通限定。

ということです。

初代から2代目でサイズアップとムーブメント弱体化、そこから3代目では質感向上とムーブメント強化という感じです。

やっぱり初代の完成度が最も高いですね。
4S15という上位ムーブメント。そしてこのデザインに対しベストな36mmというサイズ。赤のアルピニストロゴもいいなあ。

3代目はロングパワーリザーブと質感向上が売りでしょうか。

もう当ブログではおなじみ、70時間ロングパワーリザーブの6R35が採用されています。

質感について新旧の直接比較はできませんが、新型を腕に乗せて感じたのは「あれ?こんなに仕上げ良かったっけ?」でした。旧型のグリーンも何度も腕に乗せたのですがそこまでの強い印象はありません(もちろんセイコーですからお値段以上の仕上げではあったのですが)ので向上しているものと思われます。

ベゼルがポリッシュでラグはサテン。これは先代と変わりませんが、恐らくポリッシュの精度が上がっているのではないでしょうか。実際、089の実物は結構高級感ありました。

Dバックルやシースルーバック、サイクロップスレンズ復活など細かな点でも高級化志向がうかがえますね。

まあ実はプレザージュのベーシックラインですらDバックルなのですが笑


不満点はいつも通り


もう毎回同じです。値段。流通形態。

このアルピニストもまた、流通限定=値引きなし、なのです。093に至ってはネット流通限定。

先代はメタルブレスモデルが税抜き55,000円、レザーベルトで同じく50,000円。
しかし3割引きで販売されていたので現在の税率10%で計算しても実勢価格は42,350円と38,500円。ポイント10倍まで考えると実質価格は38,115円と34,650円。

安い…

それが新型はメタルブレスが税抜き77,000円、レザーベルトは75,000円。
割引なしなので実勢価格は84,700円と82,500円。ポイント10倍で実質価格は76,230円と74,500円(ネット限定はポイント5倍までなので093は78,375円)。

メタルがちょうど倍。レザーで210%です。
スモウの時と同じですね。「げっ!倍かよ!」。

前の値段を頭から追い出さないと逡巡してしまいますよね。

バリエーション設定も不満です。先代でメタルブレス換装のニーズが高いことはわかり切っているのにデフォルトではブラックの087のみの設定で、これまでずっとメタルだったアイボリーダイヤルをレザーに変更(しかもネット限定!)というのはいかがなものか。

ちなみにメタルブレス、サードパーティーだと有名なのがタイコノート。こちらは新型への対応が明記されています。(新旧両方併記なので、ケースは同一ということなのでしょう)
価格は一番安いタイプで税込16,500円。
ただグリーンモデルでメタルブレスに換装すると10万ってのもいかがなものかと。


このところのセイコーさんの値付けには本当にユーザー目線が欠けています。

先代からこの変更点だから定価がこれだけ上がる、これはまあわかります。
流通限定モデルなんで値引きしません、これもまあ要するに舶来時計の正規品と同じにしたいってことですよね。わからなくもないです。

ではなぜそれを両方同時にやるのか。

結果実勢価格が倍になることも、今の時代に先代モデルの価格なんて簡単に調べられてそれを見たユーザーがどう感じるかもセイコーにはわかっているはずです。

流通限定モデルにするなら定価の上昇幅を抑えればいいだけなのに。



まとめ


さんざん文句を言いましたが、アルピニストはやっぱりいい時計だと思います。

独創的で歴史のあるデザインでお値段以上の仕上げ。20気圧防水にロングパワーリザーブ。値段に文句を言ってますけど、実は6R35搭載機では最も安いモデルだったりします。

個人的には089が一番気に入りました。ただパッと見もはやドレスウォッチに近い印象ですね。本来のトレッキングウォッチというキャラクターから離れている気も。

本当に今年に入ってからのセイコーは魅力的な時計を連発していて、私の欲しいリストに大量追加されています。だからこそこの価格と販売戦略には苦言を呈したくなっちゃいます。

さて「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2019年版」の第2弾は10~30万円のゾーンです。
対象は2019年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

10~30万円部門

アイコン オートマティック 39mm/モーリス・ラクロア

Ref.AI6007
自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径39mm

本当に手が届くラグスポ。
この一語に尽きます。

そりゃノーチラスやロイヤルオーク持ってる人から見りゃ鼻で笑われるかもしれません。でもその辺りがかつての倍以上の値段になり、新品なんてほとんどお目にかかれなくなってしまった昨今、アイコンは素晴らしいと思います。

ジラール・ペルゴ「ロレアート」も凄く出来がいい時計だと思うし価格設定も納得がいく範囲なのですが、100万近く出して「インスパイアじゃん」って言わたらショックで立ち直れません。

それに対しアイコンは20万円。この価格でやれることをきちんとやっている印象で非常に好感が持てます。

デザインソースは1990年代の「カリプソ」というモデルだそうです。

そこから引き継いでいるのはベゼル上の6つの爪、ケースと一体化したラグ。まあでもchrono24とかで当時のモデルを見るとペラペラのレディース用クオーツウォッチという感じで現行のアイコンとは似ても似つきません。
ラグスポじゃなくむしろ爪もラグもオメガ「コンステレーション」に似ていますね。経緯はわかりませんがカリプソの復刻を考えているうちにラグスポで行く方に舵を切ったのでしょう。
先に出たクオーツモデルではまだ丸みを帯びていたラグが機械式ではザックリ切られ、正直カリプソの影も形もありません。むしろセイコーダイバーのサムライに近いですね。
しかしこれは英断でした。より「八角形」を意識させるフォルムになり、かなりラグスポ感(「ロイヤルオーク感」とも言います笑)が強まりました。

これこれ、このブレスですよ。これこそアイコン最大のストロングポイント。
まさにこのブレスに金を払う!という感じ。5連ブレス細かいコマでしなやか。フィット感も非常に良し。
レザーストラップモデルもかなりデザイン的には格好いいんですがそれは後々考えればよろしい笑



ダイヤルはクル・ド・パリ(細かいピラミッド状の模様)でベゼルにカリプソ由来の6つの爪。そこにバーインデックスと、落ち着きのあるいい面構えです。どうせなら時分針もジェンタ風にしちゃえば良かったのに…とちょっと思いました笑

表面はブレス含め基本サテンでベゼルの爪部分とサイドの一部がポリッシュ。全体的に面が多いので光が当たった時に表情がある時計です。

最大の弱点はパワーリザーブが38時間と短いことですね。逆に言うとそれ以外ほとんど欠点らしい欠点がない。
定価:214,500円
実勢価格:193,600円~214,500円

200万出しても買えない現在のラグスポなんて、もう金持ちの道楽以外の何物でもありません。そんな時計、私は怖くて腕にはめて外出できない。
やっぱり腕時計はサラリーマンの精一杯の贅沢の範疇に収まっていて欲しい。

アイコンはラグスポの雰囲気を味わえてガシガシ使えてこの価格。収まりが良く華美にならず、ビジカジ両用できる。
なんなら若いサラリーマンの方に「予算20万まででちょっといい時計欲しいんですけどお勧めありませんか」と言われたら全力でオススメできる1本ですね。

バリエーションは文字盤カラーがブルーとブラック。それぞれメタルブレスとカーフレザーストラップがあります。
スーツに合わせるならブラックが無難ですが、ラグスポっぽさを追求するならやっぱりブルーダイヤルかな?

AI6008という42mmのモデル、レディースで35mmのAI6006というサイズ違いもあります。
だいぶ話が逸れますがAI6058というアイコンのダイバーズがあり、これもなかなか面白いモデルです。なんとなくオメガのシーマスター300を思わせる…モーリス・ラクロアはなぜに私にたびたびオメガを連想させるのでしょう笑

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