ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:腕時計 > ダイバーズ



2022年の後半にセイコーさんはプロスペックス標準モデルのラインナップを整理しました。

ここを逃すと入手困難になってしまいますので、気になっていたモデルがある方は要注意です。

今回はセイコー公式HPの掲載状況ならびに記事作成時点での楽天市場在庫状況を元に以下の3つに分類しました。

「公式HPから消滅」:メーカー在庫限りと思われるのもの
「生産継続」:公式HPに掲載されているため生産継続と思われるもの
「ディスコン近い?」:公式HPには残っているが市場に在庫が少ない=不人気なのでディスコンが近いか実は既にディスコンしていると思われるもの

!!!あくまでも私の個人的な考察ですので、予想が外れても一切の責任は負いません!!!

同様にラインナップ整理が行なわれたセイコー5についての記事はこちらです
 

アルピニスト



セイコー伝統のフィールドウォッチであるアルピニストシリーズ。
「現行」「セカンド」「オリジン」の3タイプが存在しています。

その魅力や特徴、スペック等の詳細はそれぞれの紹介記事をご覧ください。

「現行」


「セカンド」


「オリジン」

公式HPから消滅

SBDC115 「セカンド」グリーングラデーションダイヤル、メタルブレス
在庫:なし
SBDC136 「現行」カーキダイヤル、ゴールドケース、ブラウンレザーベルト
在庫:あり
SBDC138 「セカンド」カーキダイヤル、ゴールドベゼル、ブラウンNATO
在庫:あり

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ディスコン近い?

SBDC089 「現行」ホワイトダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:なし
SBDC117 「セカンド」ブルーグラデーションダイヤル、ブルーレザーベルト
在庫:ほぼなし
SBDC119 「セカンド」ブラックラデーションダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:あり(少なめ)
SBDC135 「現行」チャコールダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:あり
SBDC137 「セカンド」チャコールダイヤル、ブラウンNATO
在庫:あり
SBDC159 「オリジン」ブルーダイヤル、メタルブレス
在庫:あり(少なめ)

生産継続

SBDC087 「現行」ブラックダイヤル、メタルブレス
SBDC091 「現行」グリーンダイヤル、ブラウンレザーベルト。アルピニストのシグネチャーモデルですね
SBDC145 「オリジン」ホワイトダイヤル、メタルブレス
SBDC147 「オリジン」ブラックダイヤル、メタルブレス
SBDC145 「オリジン」グリーンダイヤル、ブラックレザーベルト
SBDC161 「オリジン」ブラウンダイヤル、ブラウンレザーベルト

今回、最も大ナタが振るわれたのはアルピニスト

セカンドが恐らく全滅現行もブラックとグリーンだけになり、そう遠くない未来に先代と同じようにグリーンだけになるのでしょう。オリジンもけっこう怪しいかな~。個人的には好きですけど。

セカンドはせっかくエクスプローラー風味を強めたデザインなのですから、完全消滅前に以前の記事で希望したようなマットブラックダイヤルにアプライドインデックスのモデルとか出してくれないですかね。限定とかでいいので。
現行も限定でバリエーションを出してほしい。ヨーロッパ限定でアイスブルーダイヤルとかグレーダイヤルとかめちゃめちゃ格好いいの出しているのが納得いかん。

スモウ


長きにわたり6R系ムーブメント搭載ダイバーズのエントリーの役割を担ってきたスモウですが、2022年に新型(SBDC175、177、179)が発表されその価格はなんと143,000円(+約5万円)!
型押しダイヤルに疑似ではないピュア3連ブレスで「キングスモウ」などと呼ばれていますが、まあマイナーチェンジの範疇ですのでこれは厳しいなあ。

生産継続

SBDC081 グリーンダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
SBDC083 ブラックダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
SBDC121 ペプシダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
今のところ旧型ディスコンの気配は全くありません。
ただ過去にショーグンもサムライもタートルも1968現代も、プレーンなブラックダイヤル・ブラックベゼルモデルを旧型でしばらく併売した後あっさりとディスコンするというのをやっているので危険です。しかも新型ではプレーンモデルを出さないという暴挙。本当に理解不能です笑

新旧の価格差が大きすぎるので、いつディスコンになってもおかしくないですね。
在庫が減り始めた雰囲気があれば決断した方が良いと思います。

SBDC121紹介記事:


タートル




いわゆるサードダイバー。伝統あるデザインです。

ディスコン近い?

SBDY063 マンタ模様のブルーグラフィックダイヤル、メタルブレス
在庫:ほぼなし
SBDY079 マンタ模様のネイビーグラフィックダイヤル、ネイビーNATO
在庫:なし
SBDY093 ダークネイビー型押しダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
ちなみに以前記事にしたキングタートル第1弾のSBDY049と051は元々ネット流通限定モデルで公式HPには最初から掲載されていませんが、こちらも既にディスコン。市場からは完全に消滅しています。

「キングタートル第1弾」紹介記事:

サムライ


切り落とされたラグが精悍なシリーズ。

ディスコン近い?

SBDY065 マンタ模様のブルーグラフィックダイヤル、メタルブレス
在庫:なし
SBDY081 マンタ模様のネイビーグラフィックダイヤル、ネイビーNATO
在庫:なし
SBDY095 ダークネイビー型押しダイヤル、ダークネイビーNATO
在庫:あり(少なめ)

小径ツナ缶


セイコーダイバーのアイコンである「ツナ缶」を小型化。
タウンユースを意識したツートンベゼルとラバーベルトの組み合わせが特徴。

「小径ツナ缶(第1弾)」紹介記事:


「小径ツナ缶(第2弾)」紹介記事:


ディスコン近い?

SBDY059 サンドベージュベース
在庫:なし
SBDY061 グレーベース
在庫:なし

生産継続

SBDY073 ネイビーベース
SBDY075 カーキベース

第1弾はディスコン濃厚、第2弾は当面継続と思われます
ちなみに第2弾のネット流通限定モデルであるSBDY089、091も生産継続しているようです。


最後に軽くまとめます。

アルピニストはとりあえず欲しいなら確保しておいた方が良いかと。
スモウは当分大丈夫っぽいですが、少なくとも今後の限定等は新型で出るでしょうから旧型のカラーバリエーション待ちは望み薄ですね。

SBDY系は全般的にセイコーさんの扱いが雑なので、気になったモデルの動向についてはアンテナを張っておいた方が良さそうです。特に小径ツナ缶はタートルやサムライのような歴史がないので一度消えたら復活しない心配がありますね。
そういう意味では「ミニタートル」もあるうちに入手しておいた方がいいかもしれません。(今のところディスコンはなさそうですが)

「ミニタートル」紹介記事:


以前に「フジツボダイバー」ことシチズンNB-6021の記事を書きましたが、同時期=2022年夏にはセイコーとオリエントもダイバーズの新作を発売していました。

いずれも60年代から70年代の国産ダイバーズ黎明期の復刻、奇しくも揃って41mm径

そうくると並べて比較したくなるのが人情ってもんです。

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各社モデルの特徴


セイコー:「セカンド前期型現代デザイン」

Ref. SBDC171/SBDC173

セイコーさんの、公式サイト上に特集ページもなく製品情報ページにも特に何の補足もない新作。どうも「キングタートル」がディスコンっぽい(これも別途記事にする予定)ので一瞬「タートルまで6Rムーブメントにして大幅値上げか!?」と思ったんですが、違いますね。

これ、セカンドダイバー「前期型」の現代デザインです。
(有名な植村ダイバーはセカンドダイバー中後期型)

恐らく初出は1968年。
オリジナルとの違いは各時のインデックスが細いこと。オリジナルはほぼ正方形。そしてデイト表示の位置。オリジナルは3時でこちらは4時半ですね。これはダイバーズの規格に合わせるため(各時位置の夜光が必須となったとのこと)やむなし。

話がややこしくなりますが「オリジナルの」前期型と中後期型の違いも書いておくと、ケースサイズがそれぞれ約41mmと44mm。後者はベゼルからかなり張り出したケース形状であり、さらに4時位置に特徴的なリューズガードを備えています。

スマートな前者と武骨でボテッとした後者。

この差異は現代デザイン同士でも表現されており、今回の「前期現代」は「植村現代」のSBDC109と比べスマート。ホワイトダイヤルの171など、もはやモダンでスタイリッシュと表現してもいいぐらいに感じます。
さらにジュビリーブレスを採用。現行セイコーダイバーではこちらだけです。


出典:セイコー公式サイト

サイズは厚さ12.3mm、横41.0mm、縦46.9mm。
その他スペックはプロスペックスのSBDC系共通のもの。パワーリザーブ70時間の6R35ムーブメント、200m防水、サファイヤクリスタル風防。

バリエーションは2種類。
ホワイトダイヤルの171。ブラックダイヤルにゴールドの針、インデックス、印字の173。

…また標準モデル=ゴールドを使わない普通のブラックダイヤルがない。アメリカでは出すのに(ラバーベルトですが)。相変わらず何考えてるんですかね?

シチズン:「復刻フジツボダイバー」

Ref. NB6021-17E/NB6021-68L

オリジナルはチャレンジダイバーの1977年モデル。

すごくざっくり言うとベンツ針を備えたクラシカルダイバーズ、そして安いのにチタン製に耐磁2種。


出典:シチズン公式サイト

サイズは厚さ12.3 ㎜、横41.0 ㎜、縦はデータなし(約49mmらしい)。

こちらのモデルについては既に記事にしていますので詳細はそちらをご覧ください。

関連記事:


オリエント:「ダイバー1964 2nd エディション」

Ref. RK-AU0601B/RK-AU0602E

オリジナルが1964年初出の「カレンダーオートオリエント」。
知らないです笑…超マニアック

今回「2ndエディション」と謳っているのは2021年に「1stエディション」があったため。
そちらのオリジンは同じく1964年発売ながら似て非なる「オリンピアカレンダーダイバー」。ややこしいですね。1stエディションは世界500本限定で、現在は完売しています。


出典:オリエント公式サイト

針とインデックスのデザインはほぼオリジナル通り。
それなのにオリエントスターこだわりの12時位置パワーリザーブインジケーター。どう考えても蛇足ですね。
でもこれがないとただの地味なサブパクり時計に見えるかも。

12時位置の逆三角形と各時のドットインデックス、一見ベンツっぽい時針(円の中の線がないので通称「タコ針」だそうです)。全体に「小ぶり」なのが逆に味になっています。
細かいところでいえばミニッツサークル(分目盛りの外周円)もクラシカルな意匠ですね。
ジュビリーブレスでシリコンベルト付属。


サイズは厚さ14.5mm、横41.0mm、縦49.6mm。この中では一番厚く、重厚感がありますね。

バリエーションはブラックの0601Bとグリーングラデーションの0602E。後者は公式オンラインストア限定となっています。

それでは、戦ってもらいましょう!


「デザイン」「再現性」「質感」「コスパ」の各項目について、例によって独断と偏見で順位をつけてみました。

デザイン:セイコー>シチズン>オリエント

セイコーが最も縦径が短くコンパクト。特にホワイトダイヤルはどことなくDOXAあたりを思わせるスタイリッシュさ。
シチズンは「ザ・普通」ですがベンツ針なのが嬉しいところ。
オリエントはせっかくほとんど完全再現のデザインなのに、メーカーこだわりのパワーリザーブインジケーターが邪魔をしている。まあこれがなければ古臭くて垢抜けないデザインでしょうけれど、好事家はそれが良いのでは?

再現性:シチズン>オリエント>セイコー

パッと見かなりオリジナルに近いシチズン。
オリエントは上に書いた通り。惜しい。
セイコーは現代デザインなので完全再現は敢えてやらないという縛りがあり、さらに植村ダイバー現代デザインとの差別化も図らねばならないので再現性は低め。


出典:オリエント公式サイト

質感:オリエント>セイコー>シチズン

ダイバーズらしい重厚感のあるオリエント。ジュビリーブレスも良い。
同じくジュビリーブレスでいかにもSBDC系らしいサテンの質感が出ているセイコー。
シチズンはチタンなので仕上げが甘い印象。まあこれは軽さや価格とのトレードオフなのですが。

コスパ:シチズン>セイコー=オリエント

これはぶっちぎりでシチズン。
実勢価格はセイコー132,000円(税込、以下同じ)オリエント123,200円に対し、シチズンは96,800円。黒文字盤はウレタンベルトなのでさらに安く67,760円!
しかもチタン製で耐磁2種。パワーリザーブが短いとか風防が無反射コーティングされていない(らしい)という減点材料はありますが、この価格設定では文句は言えないかと。

実用性、コスパのシチズン
スマートで他の自社ダイバーとの差別化を図ったセイコー
クラシカルな意匠を重厚感のある仕上げで纏めてきたオリエント

まあ最後はお好みとご自分の既存コレクションに合わせてお選びくださいというありふれた結論になってしまうのですが笑

個人的にはSBDC171のスマートなホワイトダイヤルが好きですね。



フジツボダイバーとは


フジツボダイバー。シチズンのダイバーズウオッチ「チャレンジダイバー」の愛称です。

公式サイトによれば、1983年にオーストラリアのロングリーフビーチでフジツボに覆われながらも動き続けている個体が発見されたことがその由来。

このエピソードの元となった1977年発売のモデルを復刻したのが今作。
ちなみにチャレンジダイバー自体がスタートしたのは1960年代末ごろという説もあります。

オリジナルをほぼ踏襲したデザインとクラス最強のスペック


最初に結論言っちゃいますと、これ素晴らしいですね

ベンツ針なので脊髄反射的にロレックス「サブマリーナ」のパクりとか言う人もいるでしょうけど、オリジナルのデザインを踏襲しているだけなんですよね。

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もちろんオリジナルデザインはサブマリーナの影響下にあったでしょう。でもちゃんと独自性もあった(後述するインデックス)。
そして今作は「サブに似てる」というそしりを受けないためだけに改変するという愚をおかさず、ストレートにデザイン復刻を行なった

そういうことだと思います。

インデックスは国産アンティークダイバーにありがちな無骨な四角いやつ。
セイコーのファーストダイバー(そしてその現代デザイン)にも似ていますね、って書いちゃうと話がややこしくなりますが笑
とにかく12時位置の細長い逆三角形と各時のドットインデックスが特徴的なサブとは明らかに違います。

リューズガードのないシンプルなケース、スッと伸びたラグ。
ベゼルのフォントも、区切りラインがテーパーしているのもオリジナルと同じイメージですね。
 
ほんの若干、モディファイが入っている箇所もあります。

オリジナルはたぶん12時と6時のインデックスが同じサイズですが、このモデルでは6時の方が小さいですね。自分はこっちの方が好きです。

そしてリューズが小さい。これは大きいままの方がアンティーク感が出てマニア受けは絶対に良かったのに残念ですね。

あとは6時位置のPROMASTERマーク(上向き矢印みたいなやつ)。
セイコーの悪名高いPROSPEXマーク(「X」)と同じで絶対にユーザーは嫌がるのに、なんでメーカーはこだわるんでしょうね。よくわからないです。

サイズは厚さ 12.3 ㎜、横 41.0 ㎜。縦はデータなし。

スペックは200m防水にサファイアガラス風防。そして耐磁2種、平均日差-10~+20秒というミドルハイクラスのムーブメント。しかも軽いチタン製。

間違いなくこの価格帯(詳細は後述しますが、実勢価格)では最強クラスの実用性
パワーリザーブだけが42時間とやや物足りない数字になっています。

バリエーションは2種類。

NB6021-17E

ダイヤル、ベゼル共にブラック。ウレタンベルト。



NB6021-68L

ダイヤル、ベゼル共にブルー。メタルブレス。



価格とまとめ


 

ブラックが定価96,800円(税込、以下同じ)。実勢価格は3割引きで67,760円。ポイント10倍還元で実質価格は61,600円(!!)
ブルーは定価121,000円(税込、以下同じ)。実勢価格は3割引きで84,700円。ポイント10倍還元で実質価格は77,000円。

ブラックは実質6万ちょい。まさにコスパ最強

シリーズエイトで同じムーブメントを積んでいる「831」が定価販売で実勢価格132,000円なので、メタルブレス同士で比較しても5万近く安い。しかもあちらはSSでこっちはチタン。
正直、ダイバーズを1本も持っていない人だったらとりあえず買っちゃえばいいぐらいのバーゲンプライスだと思います。あって困らないでしょ、これ笑

あとさらに言っちゃうと「ベンツ針のダイバーズが欲しいけどオマージュウォッチは嫌だ」という人にも最適です。

サブが欲しいけど高すぎて買えない。
でもモロパクりの時計はさすがに恥ずかしくて嫌だという人が一定数いると思うんですよ。

いわゆる「スーパーコピー」とか「ブランドロゴ以外全部一緒じゃん」みたいな時計とは違い、こちらのモデルは1970年代の国産ダイバーズのかなり忠実な復刻。そして上に書いたようにちゃんとサブとはデザイン上の差異もありますからね。

「出自のしっかりした」国産ダイバーズでベンツ針というのは、ある意味願ったりかなったりなのではないでしょうか。

敢えて不満を言うならば質感ですかね。

チタン自体の特性(加工が困難、くすんだ色合い)によるものですけれど、エッジが立っていなくて仕上げが甘いという印象。軽量なのと相まって「安っぽい」と感じる人もいるかもしれません。
でもこの値段とスペックでそこ文句言うのは違うかな笑

あとは細かい点で気になることがいくつか。

ブルーの実物を見たのですが、ちょっとキラキラしすぎていると感じました。

ダイヤルがサンレイ仕上げなわけではないので、ベゼル(アルミらしい)が理由かな?
あとは風防が無反射コーティングされていないようなのでそれも原因のひとつかと。
店内の明るい照明の下ではあるのですが、ちょっと気になりました。

あとはブラックにメタルブレスという設定がないことも個人的には残念。
オリジナルがラバーなのでそれを踏襲するのは良いのですが、メタルブレスのモデルも別に準備してくれれば嬉しかったですね。


とはいえ、王道ダイバーズデザインかつアーカイブからの復刻。
実用性は抜群、しかもチタン。

繰り返しになりますが、バーゲンプライスです。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」のラストを飾るのは70~100万円のゾーンです。
例年書いている通りこの上はもう限度がないし、いわゆる「普通のサラリーマン」が買える価格ではない(と私は思う)のでこの価格帯までとしています。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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70~100万円部門


シーマスター 300/オメガ

Ref. 234.30.41.21.01.001 
自動巻き。30気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径41mm

オメガ「シーマスター」。
ダイバーズウォッチのビッグネームのひとつであることはまあ疑いの余地がありません。

ただ、やたらとバリエーションがあるんですよね。

150m防水で回転ベゼルのない、ドレスウォッチ然とした「アクアテラ」。
ボンドウォッチに採用されたり波模様の文字盤が印象的だったり何かとアイコニックな「ダイバー300m」。
そして600m防水で派手なデザインの「プラネットオーシャン」。

しかし今回取り上げるのはそのどれでもなく「300」。「ダイバー300m」と紛らわしいですが別物です。

オリジナルは1957年のシーマスター300。
そのデザインコードを踏襲した復刻モデルが2014年にリリースされ大ヒット。今回は7年ぶりのモデルチェンジとなります。

その最大の特徴はノスタルジックなデザイン
ブロードアロー時針。アンティークベージュのくさび型インデックス。その内周にある3・6・9・12のアラビア数字。ベゼル上の数字のフォントが細いのもアンティーク調ですね。

新型は先代からさらにアンティーク要素を強めました

ベースの層の上にインデックスの形をくりぬいた文字盤を重ねるいわゆるサンドイッチダイヤルを採用。
つまりインデックス部分がくぼんでいるため、一般的なダイヤルとは逆の立体感があるのです。

そのベースの層にはベージュ夜光が塗られており、先代では白だったアラビアインデックスもベージュになりました。

そして秒針もロリポップに変更。
文字盤上から「MASTER CO-AXIAL CHRONOMETER」が消え「Seamaster 300」だけのシンプルな標記になったのも良い。
 
無論オメガの最新モデルですから実用性も抜群

超高耐磁、60時間パワーリザーブ、そしてマスタークロノメーター認定(まあ要するにスイスの認定機関による厳しい検査をパスしたということ)の高性能ムーブメント、キャリバー8912。

そして300m防水、当然ながらサファイヤクリスタル風防。スケルトンの裏蓋ももちろんサファイヤクリスタルです。

SSモデルのバリエーションはブラックとブルーの2種類。
それぞれにメタルブレスとレザーストラップが設定されており計4モデルとなっています。

 

定価はメタルブレスが891,000円、レザーストラップは847,000円です。

定価:891,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:785,400円~(楽天市場調べ、以下同じ)

ちなみにブルーのメタルブレスで73万円台からありました。

ここで衝撃的な事実をひとつ。
この記事を書いているまさにその間に定価が上がりました。

変更前825,000円から66,000円のアップ。正直、やってられませんね笑

こうしてどんどん腕時計趣味が普通のサラリーマンから遠ざかっていく…

気を取り直して。

極めて完成度の高い時計だと思います。

超高耐磁、60時間パワーリザーブでマスタークロノメーター認定。
そんな「最新の技術で過去の名作を復刻」なのですが、いわゆる「忠実な復刻」ではありません。

オリジナルに忠実な復刻は2017年に「1957トリロジー」の中の1本としてリリースされましたが正直若干「やぼったい」。

それに対しよりスタイリッシュにブラッシュアップされた今回のモデル。
とりわけパネライをイメージしてしまうサンドイッチダイヤルを堂々と採用しているのは英断だと思います。素直に格好いい。

そして様々な調整を加えつつもデザインコードもアンティーク感も完全に残っているというのが実に良いですね。

まとめると「最新の技術と最新のデザインセンスで過去の名作をかっこよく復刻」した極めて完成度の高い時計。それがこのシーマスター300です。

あとはお値段がね…

ということで独断と偏見による「2021年版ベストバイ」これにて終了です。

お付き合いいただきありがとうございました。


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「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2020年版」の第3弾は10~30万円と30~50万円のゾーンです。
対象は2020年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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10~30万円部門


SBDC109/セイコー

自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径42.7mm

2020年にモデルチェンジしまくったセイコープロスペックスのスキューバダイバー系のほとんどがこのレンジ。

すなわち大ヒットした(っぽい)SBDC101も含まれるのですが、私の独断と偏見ですのでこちらのSBDC109をセレクト。

汎用性という意味では101の方が優位ですが、この109はなんといっても初の「植村ダイバー現代デザイン」であることが売り。伝説的モデルのデザインエッセンスをかなり残してこの価格とサイズ感で出してくれたことを素直に喜びたいです。

その魅力の詳細はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:


定番の200m防水、サファイヤクリスタル風防、そして70時間ロングパワーリザーブの6R35ムーブメントという充実したスペックも魅力ですね。

他にカーキにラバーベルトの111、さらに5,500本限定ですがブルーの123というバリエーションがあります。

定価:154,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:139,900円~154,000円(楽天市場調べ、以下同じ)

これまた既に記事にしている時計ですので次点を…と思いましたがそれも記事にしているSBDC101です。ということで次の価格帯へ。

30~50万円部門



ブラックベイ フィフティエイト/チューダー

Ref.M79030B
自動巻き。200m防水。SSケース+SSベルト。ケース径39mm

チューダーの看板ダイバーズ「ブラックベイ」。
1958年のチューダー サブマリーナ(Ref.7924)にインスパイアされたシリーズです。

元々ロレックスのディフュージョン(=普及版)ブランドとしてスタートしたチューダー。
オリジナルモデルはロレサブ(ロレックス サブマリーナ)とほぼ変わらない基本デザインで時針もベンツ針でした。

ブラックベイで採用されている通称「イカ針」ことスノーフレーク針は1969年のRef.7016が初出のようです。

すなわちブラックベイは過去のサブマリーナのデザインをいいとこ取りしてまとめたモデルと言えるでしょう。

リューズガードがないことやミニッツサークル(分目盛りの外周円)など、現行ロレサブとデザイン上でも差別化が図られています。

そしてこのフィフティエイトは横径が39mm。
もはや現行では貴重な存在となったアンダー40mmのダイバーズです。

無印ブラックベイの41mmからサイズダウンし同時に厚さも3mm抑えるという変更により、コンパクトなスポーツウォッチを愛するユーザーから絶大な支持を集めました。

現在ではブラックベイGMTを凌ぎ同社の一番人気といっても過言ではないでしょう。正規店でお目にかかれることは稀…というか私は見たことがありません。

その2020年新作がこちらのネイビーブルー。

ちなみに2018年発表の第1弾はブラック(Ref.79030N)。ゴールドで統一された針・インデックスのフチ・印字、さらにベゼル12時位置のレッドマーカーとクラシカルなイメージを強調したデザインでした。



そんなある意味「押しが強いアンティーク感」のブラックに対し、こちらのブルーは差し色もなく飾り気のないデザイン。
クラシカルでありながら同時にどこかスマートでもあり、トータルで程よい落ち着きを感じさせます。

ブレスが綺麗にテーパーしているのではなく、ケースから一コマ目と二コマ目で横幅が変わっているあたりは無骨さを残していて良いですね。

70時間ロングパワーリザーブの自社ムーブメント搭載。ベルト違いのバリエーションとしてシンセティックレザーとファブリックストラップの2種類があります。

ただ残念ながらこちらの時計、現在はプレミアム価格がついています。

定価:399,300円
実勢価格:469,050円~521,985円

まあ発売後3年経つブラックすらいまだにプレミアム価格(ブルーとほぼ同価格)なぐらいですから。

絶妙なサイズ感と高い実用性、クラシカルなデザインに質感の良さ。
並行新品で30万円強ぐらいで買えたら素晴らしく魅力的なモデルなんですけどね。


関連記事:
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ① アンダー5万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ② 5~10万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ④ 50~70万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ⑤ 70~100万円部門【2020年版】

独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ(インデックス)【2019年版】

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