ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

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いったいなんだったのか。

そう言いたくなるぐらい、2020年は狂乱の1年でした。

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2020年セイコーダイバー百花繚乱


まずは2020年の主な出来事を振り返ってみましょう。
基本的にはプロスペックスのダイバースキューバシリーズに関するものですが一部他シリーズ(マリンマスターやアルピニスト)も記載に含めています。

1月

・プロスペックスとして復活した「アルピニスト」SBDC087/089/091/093発売
・オールブラックの限定モデル「ブラックシリーズ」SBDX033(MM300)、SBDC095(スモウ)、SBDL065(ソーラークロノ)発売

2月


3月

・セイコーダイバーズ55周年アニバーサリーモデルが発表(発売は6月)され、その中に「ファーストダイバー現代デザイン」がフルリニューアルされたSBDC107が含まれる

6月

・新型「ファースト現代」SBDC107およびそのバリエーションであるSBDC101/103/105が発売

7月


8月

・「サムライ」のモデルチェンジ「キングサムライ」SBDY065が「Save the Ocean」モデルとして発売、同時発売のSBDY063は「キングタートル」仕様
・マリンマスターシリーズの「ツナ缶」がモデルチェンジ

10月

・「アルピニスト」から簡易方位計を省略したシンプルモデルSBDC115/117/119が発売

12月


整理し直すと、

フルモデルチェンジが「ファースト現代」「ショーグン」「1968現代」。
マイナーチェンジが「タートル」「サムライ」そして「ツナ缶」。
復活したのが「アルピニスト」。
完全新作として「小径ツナ」「セカンド現代」「シンプルアルピニスト」。

まあ正直、何やってんのって感じです笑

ダイバースキューバでは2019年に既にモデルチェンジしていたスモウ以外すべてモデルチェンジ…いやモンスターもしてないか。(モンスターはちょっと現行の位置づけがよくわかりません)

それに加えアルピニストの復活&シンプルモデル発売、マリンマスターではツナ缶系のモデルチェンジと「出せる札を全部出し切った」感が強いです。

個人的に1月2月はワクワクしていてディスコン予想も楽しくて笑
3月のファーストダイバーで盛り上がって、セカンド発表ぐらいまでは「うわ、早く現物見たい!」って感じだったんです。

それが10月のシンプルアルピニストで「さすがに出し過ぎでは?」と思い12月のショーグンと1968現代では「売れるのか?」と心配になりました。

大好物はおいしく食べたい


もちろんロングパワーリザーブの6R35への移行というムーブメントの世代交代を進めたかったのはわかっています。

最初に6R35を搭載したスモウがムーブメント変更&風防のサファイヤクリスタル化で旧型から+27,500円の価格上昇がありました。
さらに流通限定化=値引きなしに変更したためスモウとファースト現代(先代のSBDC051)との間で実勢価格の逆転現象が発生します。それを解消するためにファースト現代をフルモデルチェンジ。すると今度はファーストとショーグンや1968の間で実勢価格が逆転したためそのふたつもモデルチェンジ。

こんな単純な話ではないと信じたいですが…これ以外に理由があれば教えてほしいです。
6R15の生産を止めてすべて6R35にしたいという生産効率の話はもちろんあるでしょうが。

ただね。
これ、ぜーんぶセイコーさんの都合です。

ユーザーがどう感じるかという観点が全く欠落しているようなので教えてあげますよ。

2020年みたいなことをやると、ユーザーはこう感じるんです。

「雑に扱われた」
「自社製品に対する愛がないメーカーだ」

そしてこうも思うんです。

「長期的な視野も販売戦略もないんだな」

ダイバースキューバは数多くのラインナップを抱えるシリーズになりました。
SBDC系はスモウ、ファースト、セカンド、1968、ショーグン。
SBDY系がタートル、サムライ、モンスター、小径ツナ。

これだけあるんですから普通に毎年SBDC系でひとつずつモデルチェンジすればいいんですよ。それこそロレックスのスポーツモデルみたいに。

そうすれば好事家は毎年買ってくれるかもしれない。
でも1年で全部出したらマニアでも呆れるだけです。

ユーザーはセイコーダイバーが大好物なんです。でも大好物も全部同時に出されたら食べきれない。

自分で価値を下げてどうすんだ、って感じです。

2021年はセイコー創業140周年だそうです。
きっと2020年に出たモデルに勝るとも劣らぬ魅力的なモデルが数多く準備されているのでしょう。

だったらなおさら2020年に出したモデルを上手く見せてほしかった。
というか55周年でファースト現代デザインを使ったならセカンド現代デザインは残しておけば良かったのに。なぜ140周年記念モデルとして出さなかったんですかね。なんか隠し玉が準備されているんでしょうか。



価格設定もそうです。

旧型がこの値段で、モデルチェンジに伴う変更点がこれだから+いくら。
ちなみにモデルチェンジを機に流通限定にするので値引きはなくなるよ。

みたいな。

いや、それは全部そっちの理屈じゃん。
あと、それで売れんの?

6R35へ最初に移行したスモウの新型がデキも評判も良かった(きっと売れ行きも良かったんでしょう)ので、勘違いしちゃったんでしょうか。

ここでもユーザー目線が全くないし、価格戦略もない。
どういう層にどういう訴求をしてどれだけ売れるか、ちゃんと予測しているんですかね。

流通限定にして定価販売を強いたいのであれば値付けは抑えればいい。
変更点に対する価格上昇はモデルを跨いでも同じにしなきゃいけないというなら、それは思考が硬直化してますね。

売れなきゃ値段を下げるのは正しい。でもセイコーさんが欲しい(はずの)ブランド価値を下げるんだから最初からそうならない値付けをしてくれればなお良いですね。


あとはモデルチェンジした1968、ショーグン、サムライでプレーンなブラックダイヤル・ブラックベゼルモデルを出さないのも気に入らないです。
タートルは文字盤エンボス加工でちょっとプレーンとは言い切れないSBDY049がありますがこれもネット流通限定。

これまでは標準的なモデルをきちんとユーザーに見せてきたのに、どうしちゃったんですかね。


さて、新年早々めちゃめちゃ文句言ってきましたが笑、言いたかったのは要するにこういうことです。

私にとってセイコーダイバーはとても魅力的な時計です。

だからこそ、もう少しセイコーさんにも大切に扱ってほしい。

それだけなんです。




実店舗に置かれず、公式サイト上に情報もないセイコーの「ネット限定」モデル。
メーカーが作らないならば、と今回手作業でカタログを作成してみました。

そのあたりの経緯を書いたインデックス記事はこちらです。

 

SBDY~のモデル(タートル、サムライ、モンスター、ベビーツナ)はこちらです。

 

当記事にはモデル名SBDC~のものをまとめました。

なお情報は全て記事作成時点、楽天市場で調べたものであることをお含みおきください。
また価格は全て税込です。
(調査日:2020年10月8日)

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ファーストダイバー現代デザイン(旧型)


1965年発売の国産初のダイバーズウォッチ、通称「ファーストダイバー」のデザインを現代風にアレンジしたもの。2020年にフルモデルチェンジした現行モデルが現在絶賛大ヒット中。

このファースト旧型について詳しく書いた記事はこちら。

 

ファースト現行についての記事はこちらです。旧型との比較もこちらをご参照ください。



 

ちなみにファースト現行のネット限定モデルは現在のところリリースされていません。

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R15、パワーリザーブ50時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 13.8 ㎜、横 42.6 ㎜、縦 49.8 ㎜。

SBDC077

グリーングラデーションダイヤル+メタルブレス。実勢88,000円、実質83,600円。

SBDC085

ブルーグラデーションダイヤル+メタルブレス、オールブラック。実勢88,000円、実質83,600円。

1968ダイバー現代デザイン


1968年に初の300m空気潜水用防水を実現した通称「1968ダイバー」。そのデザインを現代風にアレンジしたものです。

なし

こちらのシリーズのネット限定モデルはありません。
1968ダイバーはオリジナルのデザインをほぼ踏襲したレギュラーモデル「MM300」が別にあるので、現代デザインは人気がいまひとつなのかもしれません。

調査日時点でレギュラーモデルのSBDC061に一部店舗ではなんとアンダー8万円の値段をつけていましたのでディスコンが近いのかもしれません。だとすればSBDC051の時と同じで「パワーリザーブもデザインも現行に不満がないのであれば今が買い」ですね。

スモウ(旧型)


「スモウ」というユニークな愛称で知られるシリーズ。由来はマッシブなケース形状がそっぷ型の力士を思わせるとか12時位置のインデックスが大銀杏っぽいからなど諸説あります。

下の現行スモウとの実機比較記事はこちら。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R15、パワーリザーブ50時間。200m潜水用防水。SSケース+ハードレックスガラス。サイズ厚さ 13.3 ㎜、横 45 ㎜、縦 52.6 ㎜。

SBDC069

ブルーダイヤル+メタルブレス。実勢52,800円、実質50,160円。在庫僅少。
上のリンク先記事で書いたSBDC057と同様に、旧型スモウを新品で購入するのはほぼラストチャンスでしょう。


スモウ(現行)


旧型からムーブメントも外装も正統進化した実に正しいモデルチェンジ。(その分値段も上がってしまいましたが)

スモウの特徴と旧型との詳細な変更点、そしてSBDC097の魅力を熱く語った記事はこちらです。

 

共通スペック:
自動巻きキャリバー6R35、パワーリザーブ70時間。200m潜水用防水。SSケース+サファイヤクリスタルガラス。サイズ厚さ 12.9 ㎜、横 45 ㎜、縦 52.6 ㎜。

SBDC097

グレーダイヤル+メタルブレス。実勢93,500円、実質88,825円。

SBDC099

ブルーグラデーションダイヤル+メタルブレス。実勢93,500円、実質88,825円。



これまでネット限定モデルは値引きなしが通例でしたが、ファースト現代デザイン旧型のSBDC077と085は2割引きになっています。
(SBDY系はほぼすべてのネット限定モデルが2割引きでした)

セイコーがなりふり構わなくなってきたのか…あるいはディスコンして売り切りなのかもしれません。ネット限定の買い時がさらに難しくなったということですね。





新型ファーストダイバー現代デザイン、3モデル公開!


待ちわびてたやつが来ました!笑

2020年の大注目モデル、リニューアル版ファーストダイバー現代デザイン。
当ブログでも先代のSBDC051を「ディスコンしそうなモデル」、さらに3月5日に発表されたリニューアル版の限定モデルSBDC107も「満点のフルリニューアル」として取り上げてきました。




※ファーストダイバーとは何ぞや、につきましてはSBDC051の記事をご参照ください。

そしてこのたび、いよいよセイコー公式サイトで新型の通常モデル2種と新たな限定モデル1種が公開されました!

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基本スペックと各モデルの特徴


サイズは厚さ13.2 ㎜、横40.5 ㎜、縦47.6 ㎜。先代から厚さで0.6mm、縦横共に2.0mm以上小さくなっていることはかなりの装着感向上が望めます。
ムーブメントはおなじみの70時間ロングパワーリザーブ6R35。200m潜水用防水で風防はサファイアガラス。

これらの基本スペックはSBDC107含め、すべて共通です。

SBDC101

ブラックベゼルにチャコールグレーダイヤル。最もオリジナルのファーストダイバーの雰囲気を残すいわばプレーンなモデルです。オリジナルはラバーベルトですがこちらはメタルブレス装着。
ちなみにセイコーグローバルブランドコアショップのみでの販売、いわゆる流通限定モデルです。



SBDC103

SBDC101からダイヤルカラーをブラウンに、インデックスと針の夜光を退色ベージュに変更したもの。セイコーブティックのみの300本限定モデル。

SBDC105

同じくダイヤルカラーをダークブラウンに、インデックスのフチと針、ベゼルやダイヤルの印字をゴールドに変更。そしてシリコンラバーベルト。流通限定モデル。


SBDC107

既に発表済みのこちらは、ダイヤルカラーはブルーグレー、秒針と6時位置の「DIVER’S 200m」がイエロー。メタルブレスでラバーベルト付属。世界限定5,500本。流通限定。
ちなみに発売日は6月19日となっていましたが、今回発表された3モデルとあわせてすべて6月下旬発売予定に変更されています。



価格と気になるモデル


価格はSBDC101と103が143,000円(税込、以下同じ)で105は121,000円。107がラバーベルト付属で154,000円ですから、まあ予想通り。本数限定とそれ以外で価格差をつけていません。

また全モデル値引き対象外ですので実勢価格も上の通り。実質価格はブティック限定の103を除きポイント10倍になりそうですのでSBDC101が128,700円で105は108,900円、107は138,600円となります。

個人的な注目は101と105ですね。

101はやっぱり一番オリジナルのイメージに近いので気になります。ダイヤルカラーもいいですね。

一部ショップさんの拡大写真を見るとかなりダイヤルが荒らして(ブラスト加工)あるようにも見えるのですが実際はどうなんでしょう。あとはダイヤルのギラつきがあるのかどうか。個人的にはマットなダイヤルの方が好みです。

 

そして105はなんというか賛否両論分かれそうですね。
ある意味「めちゃめちゃ中途半端」な気もするし「とんでもなくいいとこどり」の気もします。今のところ私は後者です。

まずこのダークブラウンというダイヤルカラー。恐らく「トロピカルダイヤル」を意識してのものでしょう。トロピカルダイヤルとは経年劣化によって変色した文字盤のことで、一般的なものはブラック文字盤のブラウンへの変色。ロレックスなどのアンティーク市場では非常に高額で取引されています。

まあフルスイングでトロピカルダイヤルを意識しているのは103の方なのでしょう。写真で見る限りでは105よりも明るいブラウンで、夜光もアンティークな退色ベージュですし。
105も同じ夜光にすればいいのに限定と差をつけるいつものやり方ですね笑

そしてインデックスのフチと針、各種印字をゴールドにしていますが、これはオリジナルの1968ダイバーを思わせますよね。ラバーベルトなこともその印象を強めています。

要するに105って、ファーストダイバー現代デザインなのに1968ダイバーのイメージもありつつトロピカルっぽいダイヤルだけど夜光は退色ベージュじゃない。

どうです、なんとも言えないところをついていると思いませんか笑

 

まあでもそもそも完全復刻じゃなく現代デザインですからね。オリジナルとの差をとやかく言うこと自体が野暮かなと。素直に一番格好いいと感じたモデルでいいと思うんですよね。

ということで個人的に現時点では105が一番気に入っています。

例によって現物観たいです。101の実物が渋くてそっちに心を惹かれる予感でいっぱいです笑


以前に「ディスコンが気になるモデル」としてファーストダイバー現代デザインSBDC051を取り上げましたが、その結論が出ました!

関連記事:

ほぼ満点のフルリニューアル!


今、めちゃめちゃ興奮しながら記事書いてます笑

今回アナウンスされたのは

DIVER SCUBA ヒストリカルコレクション
1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBDC107

まずなんといっても時分針のデザインが変更されたのが大きい!私が願っていた「SBDC027っぽいやつ」になってます!(MM300に近い気もします)
しかも!秒針がちゃんとファーストダイバーのやつ!

インデックスもより短く四角いものになりかなりファーストダイバー感向上しています。

しかも現行SBDC051の厚さ13.8 ㎜、横42.6 ㎜、縦49.8 ㎜から新型SBDC107は厚さ13.2 ㎜、横40.5 ㎜、縦47.6 ㎜へサイズダウン。これはかなり嬉しい。厚さ0.6mm、縦横共に2.0mm以上小さくなっていることはかなり装着感が向上しているでしょうし使い勝手も良くなります。

もちろん予想通りムーブメントは70時間ロングパワーリザーブの6R35へ変更されています。

素晴らしい。ここまでは文句なく満点です。

敢えて「ほぼ」の部分、個人的に気になる点を挙げるとすれば、若干ベゼルが太く感じることと文字盤カラーでしょうか。

ブラックではなく今回のコンセプトカラーである「ブルーグレー」です。これは限定モデルのためと思われるので、標準モデルの発表が期待されます。

あとは毎度同じこと言ってますが値段ですね。

ラバーベルト付属で154,000円(税込)。
そして例によって流通限定=値引きなし。現行の標準的な実勢価格88,000円から66,000円の上昇。

標準モデルを出す際には流通限定を解除してほしい…せめてラバーベルトなしにして値段を下げてほしいところですね。

発売予定日は2020年6月19日(金)で世界限定5,500本です。

最後に改めてまとめると、

デザイン大幅強化・サイズダウン・ロングパワーリザーブ。限定モデルで文字盤はブルーグレー。実勢価格は66,000円アップ。

ということになります。

詳しくは公式サイトの特集ページをご覧ください。

写真がめちゃめちゃ格好いいので、こちらを見れば私の興奮が皆さんにも伝わると思います笑

同時にハイエンドの復刻3部作(ファースト、1968、ツナ缶)もアナウンスされたのですが、正直そっちは値段も高いし売れないんじゃないかと思っちゃうぐらいこのSBDC107は素晴らしい。

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早く現物見たい!そして標準モデルの発表が待ち遠しい!

その暁には何卒流通限定の解除を…お願いしますよセイコーさん。

!!!2020年6月13日追記!!!
ファーストダイバー現代デザインに新たに3モデルが追加されました!




!!!あくまでも私の個人的な考察ですので、予想が外れても一切の責任は負いません!!!

!!!2020年3月5日追記!!!
本日、ファーストダイバー現代デザインのリニューアルが正式に発表されました!

詳しくはこちら>>>
【超速報!】SBDC107、ファーストダイバー現代デザインが満点のフルリニューアル!

!!!2020年6月13日追記!!!
ファーストダイバー現代デザインに新たに3モデルが追加されました!

詳しくはこちら>>>
【速報】ファーストダイバー現代デザインに3モデル追加! SBDC101/103/105


SBDC051 ファーストダイバー現代デザイン。

現行プロスペックスの中でも屈指の人気モデルです。

デザインソースは1965年の国産初のダイバーズウォッチ、通称「1stダイバー」です。
2017年のバーゼルワールドでその完全復刻版SBDX019が発表されましたが、限定の2,000本が即完し今では倍以上のプレミアム価格で取引されています。

それと同時に「現代デザイン」ということでリリースされたのがこちらのモデル。

ファーストの特徴はラグと一体化した板のようなケース。そしてリューズがセイコーダイバー伝統の4時位置ではなく一般的な3時位置であること。そして視認性抜群の無骨な四角いインデックスと四角い針。最後にブラックというよりスレートグレーの文字盤です。

概ねそれは踏襲されていますが、最大の違いは針。特に時針のアロー(矢印)型の針はインパクトが強いですね。ネット上では賛否両論、否の方が優勢って感じです。
インデックスがテーパード(先細)なのも違う点ですね。文字盤カラーはグレーではなくブラックですが、ややグレーがかった色味にあえてしているものと思われます。

針とインデックスが惜しい。特に針がバータイプであれば…まあ価格が3.5倍のSBDX019と明確な差別化を行なうために仕方ないのでしょうが。

まあ率直に言って出た当初は「SBDX019を買えなかった人のための廉価版じゃん!」と思いました。
しかしセイコーダイバーの中では小さめの幅42.6mmというサイズ感と価格以上の高級感で、現在では幅広い支持を集める人気モデルへと成長しています。

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ディスコンの根拠


何と言っても「スモウ」との実勢価格が逆転していることです。
同じ6R15ムーブメントだった先代スモウSBDC031は定価66,000円(税込、以下同じ)に対しSBDC051は110,000円。明確なグレードの差がありました。

しかし現行スモウSBDC083は70時間ロングパワーリザーブの6R35採用など強力に進化し値段も上昇。さらに流通限定モデルと化し原則値引きなしとなったため、標準的な実勢価格はこうなっています。

SBDC083:93,500円
SBDC051:88,000円

この逆転現象をモデルチェンジによって解消する。セイコーがそう考えたとしても不思議ではありません。

それを裏付けるような動きもあります。ずばり、現在の実勢価格です。

少し話が前後しますが、セイコーダイバーのメーカー想定価格を知るには「ネットコアショップ」と呼ばれるお店を調べるのが一番。

ここの値付けがまさしくメーカーが意図している実勢価格と考えて間違いないと思います。ほぼ間違いなく同一価格になっています。ちなみに多くのショップがポイント倍付で10倍(ネット流通限定モデルは5倍)の設定となっているので実質価格は10%OFFとなります。

しかし同じくコアショップに名を連ねていながら一部独自の値付けをしているのが大手家電量販店であるヨドバシカメラ・ビックカメラ・ジョーシン。
これらのお店で急に値を下げだした時に考えられる理由のひとつがディスコンです。

想像ですが、全国に実店舗を持つ家電量販店では見た目の良く似た新旧モデルの併売を避けたいのでしょう。そのためメーカー側からディスコンの話が来た時にいち早く売り切りに入るように思います。

この記事を執筆している2020年2月4日時点での価格は以下の通りです。

各ネットコアショップ…実勢価格88,000円、実質価格79,200円(ポイント10倍計算)

これが基本です。定価110,000円の2割引きでポイント10倍。あとは楽天スーパーセールやYahooの5の日などのキャンペーンを駆使していかに実質価格を下げるかの勝負になります。

ヨドバシ…78,000円、実質70,200円(ポイント10%)
ビック(楽天市場店)…80,672円、実質80,162円(1%)
ジョーシン(楽天市場店)…80,672円、実質80,162円(1%)

注目はヨドバシ。「値下げしました」のマークが踊っています。
楽天に出店している2店は実質ではその他のコアショップと変わりありませんが、ポイントより実際に払う金額を重視する方には良いですしうまくショップのポイントアップ期間を捕まえればさらに美味しいですね。

ヨドバシが引き金を引いてアマゾンがポイントで対抗したのかな?という感じですね。
いずれにせよこの値動きは怪しい。ディスコンの匂いがプンプンします。

※この記事をアップしている最中にも刻々と価格が動いています。
あくまでも作成時点の価格ということでご了承ください。

SBDC051の購入を検討中でモデルチェンジの変更点などがさほど気にならないのであれば、実質7万円は即決してもいい値段だと思います。

モデルチェンジ時の予想変更点・価格


さて、仮にディスコンになった場合にもすぐに後継モデルが出るのは間違いないでしょう。

そこで想定される変更点は以下の通りです。

ムーブメントを6R15から70時間ロングパワーリザーブの6R35に変更。これはほぼ確実でしょう。
もしかしたら?と思うのがSBDY049に採用されたベゼルインサートのセラミックス化。
セイコーがこのファースト現代デザインを高級時計へとアップグレードしようとするならあり得ます。
同じ理由で流通限定モデル化もかなり怪しい気が。スモウとの価格の逆転現象をなくそうとすればこれもけっこう可能性が高いように思います。

それ以外の変更点は特にないと思われます。
不評の時針デザインを変えてほしいところですがSBDX019との差別化のためやらないでしょう。個人的にはSBDX019なんてもう市場にないので、転売ヤーの息の根を止めるために針とインデックスをSBDC027(※)のやつに変えてしまえばいいと思うのですが。

※2015年に出たスモウのケースで針とインデックスをファースト風の四角いものにした限定2,000本のモデル。こちらもやはり倍ぐらいの価格で取り引きされています。

ということで変更点はスモウのSBDC031からSBDC083の時とほぼ同じと予想します。
SBDC083の定価は先代から27,500円上昇しました。ムーブメントで22,000円、サファイヤクリスタルで5,500円といったところでしょうか。

051は既にサファイヤクリスタルなので単純に考えて定価120,000円+税ですが、セイコーのこれまでの値付けを見ると恐らく130,000円+税で143,000円ではないでしょうか。


ということでまとめます。

予想変更点

◎:6R35へムーブメント変更
△:ベゼルインサートのセラミックス化
○:流通限定モデル化

予想価格

定価:130,000円+税=143,000円
実勢価格:143,000円
実質価格:128,700円

現行の標準的な実質価格79,200円と比べ約160%、5万円の上昇…勝手に予想しておいて言うのもなんですけど厳しいなあ笑

仮に流通限定モデルにならずに2割引きだった場合はこうなります。

実勢価格:114,000円
実質価格:102,960円

個人的には針とインデックスがSBDC027と同じになってこっちの値段なら買います笑



タイプ別買い時ジャッジ


以上の内容を踏まえ、現在の買い時度を5点満点で評価します。

買い時度…4.5(こまめに相場をウォッチ、場合によっては即買い)

・パワーリザーブもデザインも現行に不満のない人
以前からずっとこのモデルが欲しくて検討していたのであれば手遅れになる前に決断した方がいいと思います。新作発表(※)を待つとしてもマメに相場をウォッチして底値を探っておいた方が良いでしょう。
※セイコーは2020年バーゼルに出展せず3月中に何らかの形で発表するそうです

買い時度…3(新作発表を待ちましょう)

・パワーリザーブ70時間が必要な人
ロングパワーリザーブは確かに便利です。70時間あれば丸2日してなくてもまだ動いているわけですし。ただ1本使いの人には関係ないし、逆に毎日とっかえひっかえの人も70時間じゃ足りないですよね。
意味があるのは2本使いの人と、平日のメイン時計として使って週末は別の時計をする人。その場合はモデルチェンジ後の価格設定を確認して納得がいけば新作を購入するのが良いでしょう。

・どうしても時針のデザインが気になる人
モデルチェンジでデザイン変更があるかを確認すべきです。デザイン変更されれば価格上昇しても納得感が高まります。

ちなみに私は「どうしても時針のデザインが気になる人」です。「SBDX019を迷っているうちに買い逃した人」でもあります笑


関連記事:
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