ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

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本日(2021/4/18)楽天市場を眺めていてふと気づきました。

めっちゃ安くなってる!

「俺たちのプアマンズGS」ことセイコー メカニカル ネット流通限定モデルのSZSB011,SZSB012,SZSB013,SZSB014が割引率を上げて4割引きになりました!

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大ヒット商品(たぶん)の大幅値下げ!


言わずと知れたセイコーの最高級ブランド、グランドセイコー(略称GS)。
そのGSを連想させるデザインを持つ安価な時計のことを「プアマンズGS」などと呼びます。

10年以上にわたりその代名詞であったSARB033/035が2018年にディスコンとなり、その座は空位となっていました。
しかしちょうど1年前に発売されたSZSB011/012/013/014が実にプアマンズGS感を醸しており笑、私も「俺たちのプアマンズGSが帰ってきた!?」と題して記事にしました。

 

SZSB011~014の魅力の詳細に加え、プアマンズGSの歴代モデルの紹介を含めた記事となっていますのでぜひご参照ください。

この記事の中で「なんならこれ大ヒットしてもおかしくない」と書いたのですが、楽天市場のレビュー数などから想像するに実際かなりのヒット商品となっているようです。

しかも!このたび(3月下旬くらいから?)その価格が下がりました。

記事作成時点で各ネットコアショップにおける価格が42,240円(税込、以下同じ)から31,680円へ変更されています。2割引きから4割引きへの変更ですね。
ネット限定のお約束でポイント還元は5倍なのですがそれでも実質30,100円。

この価格は正直、安い…!

はっきり言って迷ってるぐらいなら今すぐ買った方がいいと思います。

歴代プアマンズGS史上最もGSっぽいデザインのこの時計が3万円。
楽天スーパーセールやYahooショッピングの5の日などと併用すれば、実質2万円台後半で手にすることができるわけです。

これまでだったら「ビジネスマンが1本持っておくと便利なオン用時計」でしたが、この価格ならそれに加えて「入学・入社祝いに送る初めての機械式時計」というポジションも狙える気が。そもそもこの時期に実勢価格を改定したのはそれが狙いなのかもしれません。
プアマンズGSの記事では取り上げていませんでしたが同じシリーズの「クラシックライン(※)」ことSZSB015/016/017/018も同様に2割引きから4割引きへ割引率が上がっています。
※011~014は「ドレスライン」だそうです



こちらはインデックス夜光とシースルー時分針にサイクロップスレンズというややスポーティなデザイン。
メタルブレスの015/016が実勢31,680円、レザーベルトの017/018が30,360円です。
発売後1年での値下げ。
これは何を意味するのでしょうか。

常識的に考えればディスコンするには早すぎですけれど。
好評につきネット限定じゃない版を出すため(という理由で)製造終了とかないよな…

でも4割まで引くのって、ディスコンに伴う売り切り以外にはあまり考えられないんですよね。



プアマンズGSとは


「プアマンズ」という言葉をご存知でしょうか。

もともとは本物を買えない貧乏人用の量産品、という悪意を込めた意味で使われていたようですが、徐々に安くて品質の良いものに対する肯定的なニュアンスも含んできたように思います。

腕時計界のプアマンズ、それこそが今回紹介する「プアマンズGS」。
GS=グランドセイコー。言わずと知れたセイコーの最高級ブランドです。

そのGSを連想させるデザインを持ちしかも安価なことからそう呼ばれたのがセイコーのSARB033/035。
前回のアルピニストと同じ「メカニカル」ブランド。そう、「セイコーの良心」です笑

GSを連想させるのは「セイコーデザイン」と呼ばれるデザインコード。
狭義では「44GS」のことを指しますが、その辺のマニアックな話は公式の解説をご覧いただくとして、私なりに簡単に言うとアプライドのバーインデックスと太い時分針を持つ普遍的で飽きのこないデザインのことです。

現行の機械式GSだとSBGR251/253が最もプレーンでイメージが伝わりやすいかと思います。

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まあ雑に言えば「ザ・普通」。時計に興味がない人にはどこがいいのか伝わりづらいかもしれません。

ですが時計沼にはまるとその普通さとはすなわち完成されたデザインであることに気づくようになります。まあマニアでなくともクセのない使いやすさで特にビジネスシーンで重宝するタイプの時計です。

個人的にはかつて「おっさん時計」だと揶揄されたGSのデザインが、日本製品への見直しとともに若い世代にも受け入れられているのは素直に嬉しいですね。


歴代プアマンズGS


元祖・SARB033/035

SARB033(ブラック)、SARB035(ホワイト)、2008年発売、2018年廃盤。
ケースサイズ38.4mm、6R15ムーブメント、サファイアガラス、10気圧防水、定価45,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


基本的にプアマンズGSと言えばこの時計のことです。

落ち着いたデザインに中堅ムーブメント6R15搭載。サファイアガラスと10気圧防水、絶妙なサイズ感で使い勝手も良。オンの時計として「ビジネスマンが1本持っておくと助かる時計」なんて評価されていました。

ほとんど唯一と言っていい欠点は針ですね。
時分針が夜光つきなことと、秒針かかとについている菱形。

GSでは多面カットの時分針で光の反射により視認性を確保して夜光は使われないのが基本なので、これはちょっとGSっぽくない。秒針の方もちょっと蛇足な感じがしますね。

2代目?・SARY055/057

SARY055(シルバー)、SARY057(ブラック)、2014年発売、2019年廃盤
ケースサイズ41mm、4R36ムーブメント、サファイアガラス、10気圧防水、定価38,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


2代目というか、一部の人がこれもプアマンズGSとして挙げていたという感じです。(そもそも販売期間が重なっているので2代目ではないですね)

初代の弱点である針のデザインが改善されています。夜光なしの時分針。そしてプレーンでシャープな秒針。GSっぽいです。

その反面、初代からはムーブメントが4R系にダウングレード。2.6mmものサイズアップもこのデザインとしてはあまり感心しません。

そして一番気になるのがチャプターリング(ダイヤル外周)とインデックスの間に妙な隙間があること。わざわざサイズアップしてこれはどういうことかと。
個人的にはインデックスがテーパードなこととデイデイト表示なのも好みとは違うかな。

ムーブメントとサイズでSARB033/035を知る腕時計マニアの心には刺さりにくいけれど、機械式入門編としては最強レベルのハイコストパフォーマンスモデルでした。(詳細は後述しますが、実質2万円台半ば!)


Welcome back,our poorman’s GS!?




近年この両者が相次いでディスコンになり、ついにセイコーの良心も失われたかに見えました。

しかし2020年春。
年明けから異常なペースで魅力的な時計を出し続けているセイコーさんが次なる一手を繰り出してきます。

それがセイコー メカニカル SZSB011/012/013/014(ネット流通限定)。

「いやメカニカルって廃盤じゃなかったんかい!」「またネット流通限定かい!」
もうこの時点でふたつツッコミが入りますが。

それはともかく、出ましたよ俺たちのプアマンズGS(っぽいやつ)が。

SZSB011/012/013/014

SZSB011(シルバー)、SZSB012(ブラック)、SZSB013(ネイビー)、SZSB014(ブラックで針とインデックスがゴールド)、2020年発売
ケースサイズ39.9mm、4R35ムーブメント、ハードレックスガラス、10気圧防水、定価48,000円(税抜き)、裏蓋スケルトン


デザイン的にはこれぞプアマンズGS。文字盤とベゼルまでなら先のSBGR251/253と概ね一緒です。サイズもギリギリ40mm未満に収めました。デイデイトじゃなくデイトなのも良いですね。

リューズのところが惜しい。先輩方は「半ば胴に埋めたリューズ」なのに対しこちらはちょっと中途半端な感じのリューズガード。このデザインならリューズガードいらないですよね。ラグも細くて華奢な印象。
あとはコストダウンのため風防がサファイアガラスからハードレックスになっています。



価格比較とまとめ


そして毎回文句を言っている価格ですが、アマゾン見ると税抜き48,000円の2割引き。
ん?ネット流通限定は割り引かないんじゃ?
楽天市場では記事作成時点で 「neelセレクトショップ」さん しか取り扱いがないようなのもなんででしょう。

!!!2020年10月4日追記!!!
取り扱いショップが拡大しました(恐らく9月ぐらいから)。
ただし引き続きネット流通限定。価格も以下に記載のものから変更ありません。

価格を消費税率10%の税込で比較すると

SARB033/035 3割引きだったので実勢価格34,650円、ポイント10倍で実質31,185円
SARY055/057 同じく3割引きで実勢29,260円、実質26,334円
SZSB011/012/013/014 実勢42,240円、実質38,016円
※初代・2代目は廃盤のため現在ではプレミアム価格となっています

初代と比較するとムーブメント弱体化、ハードレックス化、値段上昇でデザインだけ改善なので割高感ありますが、そもそも12年前の時計と値段を比べるのはちょっと厳しいでしょう。

2代目との比較であれば、サイズとデザインの問題点は解消されているのでまあ一応許容範囲かと。

!!!2021年4月18日追記!!!
なんと割引率が2割から4割に拡大し、実質3万円になりました!



70時間ロングパワーリザーブを備えた最新機6R35をセイコーはもはやエントリー機に搭載する気はないようなので、この値段でこの内容は現実的でいい時計だと思います。
歴代プアマンズGS史上最もGSっぽいデザインですし、なんならこれ大ヒットしてもおかしくない。



新たな「1本あると助かるオン時計」として、そしてセイコーデザインの素晴らしさの一端に触れる入口として重要な役割を担う商品だと思います。

…いやだからなぜこんないいモデルを店頭に置かない?

一度セイコーさんの販売戦略会議を覗いてみたいです笑


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