「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2022年版」の第3弾は10~30万円のゾーンです。昨年はここを10万円刻みでふたつに分けていたのですが、今回は20~30万円ゾーンが「該当なし」だったのでひとつにまとめました。
対象は2022年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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10~30万円部門



カーキ フィールド マーフ 38mm /ハミルトン

Ref. H70405730
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38mm

2014年に公開された映画『インターステラー』の劇中で重要な役割を果たす小道具として作成された時計を公開から5年後となる2019年にリリースし大ヒット。

そちらは42mm径だったので細腕さんにはちと厳しかったのですが、待望の38mm径リリース。

一見クラシカルで無骨でありながら、実はモダンで隙のないデザイン。
高い実用性でファーストウォッチでもセカンドウォッチとしても実に優秀

こちらの時計については以前に記事にしていますのでその魅力の詳細はこちらをご覧ください。(当ブログでアクセスランキング上位常連の人気記事です)

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定価:136,400円(税込、以下同じ)
実勢価格:117,800円~(楽天市場調べ、以下同じ)

定価は2度値上げしてしまいましたが、発売からちょうど1年が経過し並行品も市場に出てきました。最安値は約15%引きですね。
さて、ベストバイはこちらなのですが既に記事にしている時計ですので「次点」も発表します。

10~30万円部門・次点


 

シチズンコレクション メカニカル 銀箔漆文字板/シチズン

Ref. NB1060-04A
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38.2mm

「シチズンコレクション」。
まあ悪く言えば要するに「アテッサ」とか「プロマスター」のようなシリーズ名がつかない「その他」。

ですがこの時計、凄くいいです。

端正なデザインのドレスウォッチ

細身のアプライドインデックスにドーフィン針、もちろん夜光なし。
まあ遠慮なしに言ってしまえばグランドセイコー的なデザイン。

そして最大の特徴は「銀箔漆文字盤」。
たぶんスペック上はシルバーなんでしょうが、遠目の印象では白。そして近くで見ると「和」を感じさせる表情があるダイヤルです。
一見地味なのでスーツにも違和感なく着けられるけれど、実は個性があるというのが良い。

ベゼルはポリッシュ。ラグは表面と側面はサテン、斜めの面がポリッシュ。
この仕上げの質感も価格を考えれば実に優秀。

サイズは厚さ12.0mm、横38.2mm、縦はデータなし(ある販売店さんの記載によれば46.5mm)。

その他スペックはドーム型サファイヤガラス風防で裏蓋スケルトン。肉厚なコードバンのレザーベルトとDバックル。約42時間パワーリザーブのキャリバー9011そして10気圧防水。

「惜しい」ところがない、ちゃんとしたドレスウォッチに仕上がっています。

そして特筆すべきはその価格。

定価:137,500円(税込、以下同じ)
実勢価格:93,580円~(楽天市場調べ、以下同じ)

これ、3割引きで実勢がアンダー10万円なんですよ。
さらにショップによってはポイント10倍とかあるので実質9万円を割るところまでいきます。
(ちなみにヨドバシ公式だと93,040円の10%還元で実質83,736円!安い…)

バリエーションは青文字盤。

個人的には正直青の方が格好いいと思います笑
ただちょっと人とファッションを選ぶかな。職種によってはスーツでもいけるけど「地味に着けられる」時計ではないですね。

 

ということでベストバイは白文字盤にしました。

ちなみにベルトがコードバンではなく白文字盤と並べるとペラッとしていますが、その分値段も若干安くなっています。

定価:126,500円
実勢価格:84,480円~

最後にまとめます。

美しい文字盤にコードバンベルトと適切なサイズ感で「残念なところがひとつもない」行き届いたドレスウォッチ
10気圧防水にサファイアガラス、Dバックルと実用性も十分です。

そして「頑張った」価格設定

「漆」ということではプレザージュ初期のヒットモデルであるSARX029が思い出されますね(あちらは黒漆でしたが)。ちなみにこれ、全然在庫がないのですがディスコンしたんですかね?
「和」という意味では近年「日本の美しい四季を文字盤で表現する」ことに傾倒しているグランドセイコーと通じる部分もあります。

シチズンさんが声高に言うことはないでしょうが実は「プレザージュキラー」、価格差まで込みで考えると「GSキラー」を狙ったモデルなのかもしれません。

セイコーさんは「どこかが惜しい」時計(私にとって)を出してくることが多いのですが、シチズンさんは機械式においてはチャレンジャーという意識があるのか、ちゃんとラインナップで真ん中に来るべきモデルを用意しているのも好印象。

同じムーブメントのNB1050なんて実質4万円台でサファイヤクリスタル風防ですから、「プアマンズGSキラー」ですね笑
フジツボダイバーの記事で私は「ダイバーズ持ってないなら、買っちゃえば?」というタイトルをつけましたが、この時計はさしずめ「ドレスウォッチ持ってないなら、買っちゃえば?」という感じです。