「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2023年版」の第3弾は10~30万円のゾーンです。

対象は2023年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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10~30万円部門

PRX パワーマティック80 35mm/ティソ

Ref. T137.207.11.041.00
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径35.0mm

「本当に手が届くラグスポ」を、アンダー10万円の域にまで到達させたティソ「PRX」。

2年前にその40mm径バージョンをベストバイ次点に選出し「欲を言えば横幅はもうひと回り小さく、36ないし38mmを望みたかったところですが」と書いたのですが、さらに小さく35mmで出ました!

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実は以前から35mmも存在していたのですが、そのモデルはサンレイダイヤルでしかもクオーツ。「それじゃなくチェッカーダイヤルで機械式の35mmをくれ!」という切なる願いが2年越しにかなえられた形です。

サイズは厚さ10.9 ㎜、横35 ㎜、縦35 ㎜。
縦のメーカー公表値は上の数値ですが一体型のラグを含めると39mm、そしてブレスの1コマ目が内側に畳めないので実質は45mmというところのようです。

細腕さんならわかりますよね。この「ブレスの1コマ目が内側に畳めない」がいつも憧れのラグスポへの道を閉ざすのです。
例えばカタログ上は縦径が45mmだとしてもブレスの1コマ目や2コマ目がラグと同じ角度にのびていたら実質は50mmを軽くオーバーしてしまいます。

私もオーデマ・ピゲ「ロイヤルオーク エクストラシン」を某店で見つけ「絶対に買えないんですけれど、一度腕に乗せてみてもいいですか?(当時で既に500万超の値付けでした)」とお願いしたことがあります。
スペック上は縦39mm。しかしラグそして最初のコマと私の手首の間には悲しいくらいの隙間が空いていました。
翻ってこのPRX35mm。
元々の径が小さいためブレスの1コマ目まで含んでも45mmというコンパクトさ。さらにこちらはブレスのコマひとつひとつが小さいので、極細手首の私でも抜群のフィット感
いや本当に何度もラグ一体型時計に跳ね返されてきた同士の方は一度店頭で試してみていただきたいです笑

 

過去に40㎜について記事にしているのでここまではサイズの話に終始してきました。
デザイン要素についてはまったく同じなのですが、必然的に35mmの方が凝縮感が高く個人的にはこちらの方が好みです。特にデイト表示の位置が外周近くに寄っている(同一ムーブメントのため)のがいいですね。

その他のスペックとしては10気圧防水とサファイヤクリスタル風防。
そしてムーブメントはETAと共同開発した80時間ロングパワーリザーブのパワーマティック80。マーフ38mmと同じニヴァクロンゼンマイ(=スウォッチ・グループご自慢の高耐磁性能が特徴とする新しい合金を使用)ですから精度向上に寄与しています。
 
バリエーションも豊富。ブルー、ブラック、グリーン、ホワイトMOP(白蝶貝)、さらにアイスブルーとライトグリーンという6種類のダイヤル。さらにオールゴールド(PVD)モデルが設定されています

定価:107,800円(税込、以下同じ)
実勢価格:94,800円~(楽天市場調べ、以下同じ)

ホワイトMOPは113,300円、オールゴールドは125,400です。

2年前の40mm径発売時からは22,000円上がっていますので約25%の値上げですが、定価販売の正規店でもポイント10倍等を活用すれば実質アンダー10万円では購入できますね。
発売から1年が経過し並行品も流通し始めました。
まさしくベストバイという感じで、ほとんど欠点のない時計だと思います。
ラグスポ調ですが華美ではなく収まりのいいデザイン。高い実用性、特にロングパワーリザーブが嬉しい。

続きます。