つい先日、大注目モデルとしてタートルのSBDY049を紹介したばかりですが、その翌月にそれに勝るとも劣らぬモデルが登場します(2020年2月8日発売予定)。2020年に入ってからのセイコーは私の物欲を刺激しまくりです。
セイコー プロスペックス SBDC097
とてつもなくスタイリッシュ
何はともあれ見てください、この配色。
グレーの文字盤に差し色でオレンジの秒針。
見た瞬間に思いました。「これヨットマスターじゃん!」
完全にヨットマスター ロレジウムの、今ではディスコンになったこのカラーリングですよね。こちらの秒針は赤ですけど。
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いやむしろベゼルもダイヤルもケースより濃い色なんで、ダークロジウムのグレーが近いかな?
いずれにせよなんかヨットマスターっぽい。
前回に続き断言しましょう、これは「和製ヨットマスターだ」と笑
冗談抜きでなんちゅーカッコよさ。
アンダー10万円の時計とは思えないこのラグジュアリー感。
どうやらタートルとサムライでは2018年にヨーロッパ限定で「Dawn Gray」というグレー×オレンジカラーリングのモデルが出たようです。夜明けの薄明りの空と海を表現したということでしょうか。どちらもグレーとオレンジのツートンベゼルがあきれるほど格好いいですね。
SRPD01K1/セイコー
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SRPD03K1/セイコー
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ただ本数限定モデルなので現在の入手は極めて困難です。これらも日本で正規発売してほしいものですね。
スモウの歴史と基本スペック
「SUMO」というペットネーム(愛称)を持つこちらのモデル。個人的には「スモー」かと思ってましたが「スモウ」記載の方が多く見るのでそれに合わせます。
由来はマッシブなケース形状がそっぷ型の力士を思わせるとか12時位置のインデックスが大銀杏っぽいなどと言われていますが、どちらもなるほどという感じですね。
初代SBDC001は2007年デビュー。2代目SBDC031は2015年。そして2019年に3代目のSBDC083へモデルチェンジしています。
前回紹介したタートルは歴史的モデルの復刻でしたが、このスモウはオリジナルデザイン。恐らく1968ダイバー通称MM300の廉価版としての位置づけで登場したのでしょう。現行のプロスペックスで最も標準的なダイバーズウォッチのデザインと言えるかもしれません。
上にも書きましたが特徴はマッシブなケース。
ベゼルががっつりケースに沈んでいるあたり厚みを感じさせるデザインです。
厚さは12.9mm。実はタートルとサムライは13.4mm、MM300は15.4mmとセイコーダイバーの中では相対的に薄いモデルとなっています。
横45 ㎜、縦52.6 ㎜。つまりラグはそこそこ長いのですが、途中までポリッシュ、そこから面を変えてサテンと使い分けることにより長さを感じさせない工夫がされています。
ブレスのひとコマ目(いわゆるフラッシュフィット部)がラグより短いので極細手首の私でもブレスと手首の間に隙間ができません。厚みが抑えられていることもありフィット感はまずまずです。
ムーブメントは6R35、ややロービートの21,600振動。パワーリザーブは約70時間で6R系の前作6R15の約50時間から延びています。ミドルレンジのモデルで採用されており、タートルやセイコー5の4R36より上位のムーブメント。パワーリザーブ時間と精度で優位性があります。
防水はダイバースキューバシリーズ標準である200mとなっています。
販売戦略はやっぱり不満だが価格はまあ納得
SBDY049では価格とネット流通限定という販売戦略が不満と書きました。
このSBDC097もまたネット流通限定。こんなに優れた外装を持つモデルを店舗に置かないなんて!機械逸失も甚だしい!
しかし価格についてはある程度納得です。
SBDC097は標準モデルであるSBDC083(ブラック)、081(グリーン)とは同価格。
実は先代スモウのSDBC031から083にモデルチェンジした際に値上げ+割引規制をしたため大幅に実勢価格が上昇しています。
097や083の定価は93,500円(税込、以下同じ)。031が増税前でしたが10%で計算すると66,000円。既に+27,500円です。
さらに実勢価格は3割引きだった記憶があるので46,200円、それに対しこちらは値引きなし(※)。ありゃ、既に倍ですね。
※ちなみに記事作成時点で家電量販店ではSBDC081と083は3%値引いています。キャッシュレス還元事業対応かな?
※ちなみに記事作成時点で家電量販店ではSBDC081と083は3%値引いています。キャッシュレス還元事業対応かな?
さらにネット流通限定の097は楽天やYahoo!ショッピングでの付与ポイントも概ね5倍に留まっているので実質価格は41,580円と88,825円。+47,245円、実に約210%です。
こうして文字に起こすと全く納得のいかない差ですね笑
ですが、SBDC031からSBDC083にモデルチェンジした際の変更点はまさに「正統進化」であり腕時計好きに訴えるポイントを押さえています。
まず分針と秒針が長くなりインデックスにきちんと届いています。これ、高級時計の基本だそうです。時針のデザインが変わり、分針も若干細くなりました。大銀杏と6時9時のインデックスもちょっと細くなったように見えます。ベゼルの数字のフォントも細くなっています。
さらにケースの厚さが0.4mm薄くなっているのもフィット感の向上と軽量化(セイコーダイバーの中では、ですが)をもたらしています。
これらの変更により全体にシャープな印象に変わり、高級時計っぽくなりました。その反面、旧モデルのぽてっとしたブサカワなキャラクターは失われてしまった気もしますね。
先代も値段を遥かに超える仕上げに定評がありましたが、両方お持ちの方のレビューを見るとさらに質感は向上しているようです。
この記事を書くにあたり実際にSBDC081を腕に乗せてみました。先代との比較はできませんが質感は非常にいい。
もちろんMM300の「これ見ながら酒が飲める」ケースには及びませんし高級時計と遜色ないとまでは言いませんが、率直に言って海外製のミドルレンジモデルは超えていると思います。ただよく指摘される点ですがブレスは軽い作りになっていて質感もいまひとつかな。
もちろんMM300の「これ見ながら酒が飲める」ケースには及びませんし高級時計と遜色ないとまでは言いませんが、率直に言って海外製のミドルレンジモデルは超えていると思います。ただよく指摘される点ですがブレスは軽い作りになっていて質感もいまひとつかな。
そして中身もロングパワーリザーブのムーブメント6R35へと強化。風防もサファイヤクリスタルへグレードアップ。
針がインデックスにリーチ・厚み減少・仕上げ向上・ロングパワーリザーブにサファイヤガラス化。
正直モデルチェンジとしては満点でしょう。完成度が高く、価格上昇も納得の出来といえます。
SBDC097/セイコー
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SBDC083/セイコー
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SBDC081/セイコー
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上で改めて計算して「げっ!倍かよ!」と思ったのは内緒ですが笑
まあ先代の価格を記憶の外に追いやってから実物を見ればこの値段は十分に納得がいくし、欲しい!と強烈に思います。
ただ、スモウって本来は破格のコスパでユーザーをセイコーダイバーに触れさせてその深みに引きずり込み最終的にはMM300へと誘うための入口商品だったんじゃないの?という気もしますね。その標準モデルである083がコアショップ限定の値引きなしってのはなんだかなあ。
その役割はセイコー5に任せるのかな~でもあれ100m防水の「ダイバーズデザインの普通の時計」だしな…
関連記事:セイコー5、待望の日本逆上陸!
アンダー5万円の機械式セイコーダイバーとなると、記事作成時点で家電量販店の価格ではモンスターとサムライがそこに該当し、タートルもポイント込みでの実質ならそこに含まれます。
この辺りの4R系ムーブメント搭載モデルが今後どうなるのか。モデルチェンジして値上げしそうな悪い予感でいっぱいですが、セイコーダイバーの深遠な世界の入口となるモデルは重要ですから失くしてほしくないですね。
だいぶ話が逸れましたが、このSBDC097は完成度の高い現行スモウにラグジュアリー感を加えた逸品と言えるでしょう。ああ欲しい。
こんなカラーバリエーションも同時に発売されます。美しいブルーグラデーションダイヤルのSBDC099。価格は同じ93,500円。こちらの方が一般受けしそうですね。
SBDC099/セイコー
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カラーバリエーションではなく「ブラックシリーズ」と銘打った限定としてブラックPVD&グレー×ブラックのツートンベゼル&ヴィンテージ夜光(退色)というどう考えても人気出そうなSBDC095も同じく2020年2月8日発売です。限定7,000本で99,000円。たぶん多くの方はこちらの方が気になっているのでは笑
SBDC095/セイコー
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このブラックシリーズ、MM300のSBDX033(限定600本、330,000円)とスモウデザインのソーラーSBDL065(限定3,500本、83,600円)も発売されます。
SBDX033/セイコー
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SBDL065/セイコー
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自分はソーラー興味ないけどSBDL065のデザインは格好いいなあ。これ機械式で出してくれんかなあ。一瞬でカタログ落ちしたトランスオーシャンの二の舞になるかもしれませんが…いや実勢価格が12~3万なら絶対売れると思いますけど。
2020年のセイコーの勢いは凄いですね。バーゼルでは何が飛び出すのでしょう。
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