タオル補正

下剋上イメージの先に


24th『夜明けまで強がらなくてもいい』では4期フロントを最強布陣で支え、25thでは白石麻衣卒業を1期生大集合で見送る。

この結果として生じてしまったのが2作連続での「ボーダーメン切り」です。

ボーダーメン。
敢えて定義をするならば、選抜経験があるものの選抜定着には至っていないメンバー。

24th選抜の考察でも書きましたが、その中でも格差が生じており現在最も長期間選抜から遠ざかっているのが寺田蘭世です。

『Sing Out!』時点
伊藤理々杏、佐藤楓(連続選抜) > 岩本蓮加、鈴木絢音(アンダーを1作挟んで復帰) > 寺田蘭世、樋口日奈(3作連続アンダー)

『夜明けまで強がらなくてもいい』時点
伊藤理々杏、岩本蓮加、佐藤楓、鈴木絢音(1作アンダー) > 寺田蘭世、樋口日奈(4作連続アンダー)

25th時点
岩本蓮加、樋口日奈(1作選抜) > 伊藤理々杏、阪口珠美、佐藤楓、鈴木絢音、渡辺みり愛(2作連続アンダー) > 寺田蘭世(5作連続アンダー)
我が推しである井上小百合と『セラミュ』での共演以降仲良くなった蘭世。
さゆが卒業する今、最も反骨を感じさせるメンバーでしょう。
言葉が荒くていちいち炎上するという悪いところも継いじゃってますが笑

下剋上。
彼女のイメージを一言で表すとすればこれです。

センターを務めた『ボーダー』と『ブランコ』。どちらも現状打破の強い意志を感じさせる楽曲です。
その『ブランコ』の衣装なんてもろに革命の旗を掲げたレジスタンス感が溢れてますよね。
そしてMVでは最後尾をついて行っていたはずの彼女がいつしか先頭に立つさまが描写されていました。

そのせいもあってか、どこか使いづらいメンバーである印象も否めません。ネガティブ思考でワードセンスが荒い。顔が濃いので時々ふてくされて見えるのも気になります。でもそんな彼女ももう21歳、だいぶ大人になったはず。下剋上イメージの、その先にあるものを見せてほしいです。
高いアイドル性や華奢な体形、アバンギャルドなファッションセンスなど同性に好かれる要素をいくつも持っている彼女ですから、素直にそこを見せていけばまだまだいけるはず。

同期たちはそれぞれ自分の強みを見つけてサヴァイヴしました。

新内眞衣がラジオといじられキャラ。山崎怜奈が歴史とクイズで、伊藤純奈が舞台。鈴木絢音の飛行機も。

かつて乃木恋のリアル彼氏イベントでオタのファッションチェックを行なうという鬼企画を繰り出した蘭世。定期配信でメンバーの私服コーディネイトとかやったら面白そうですし自分と登場メンバー両方にメリットがありそうです。

諦めない、固執しない


「ボーダーメン」という存在自体、かつてはほぼいなかったんです。
さゆまりと新内眞衣がずっとそう呼ばれていましたが、実際には選抜固定メンでした。

「思い出選抜」制度が廃止された11thから選抜が21人に増える17th『インフルエンサー』の前までの丸2年間、それに該当するのは中元日芽香と北野日奈子のふたりだけ。

そしてふたりは共に体調を崩し活動休止を経験します。
そんな歴史を繰り返してはいけない。

選抜固定メンが相次いで卒業。それはこの先も続くでしょう。
そう考えれば現アンダーメンバーすべてにとって今が選抜入りの最大のチャンスですが、同時に4期生が合流し最大のピンチでもあります。

4期が冠番組を持ちブーストがかかっている現状、一番目に見えやすい人気指標である握手売り上げで先輩メンバーは苦戦を強いられています。さらに研修生から5名が4期生に加わることも発表されました。

「1期生後」の乃木坂の姿が概ね固まるまでの時間はそう多くは残されていない。
恐らくこの先数シングルの間が勝負。

そこで打ちのめされるメンバーもいることでしょう。

願わくば、そんなメンバーたちも選抜を諦めず、でもそれに固執しすぎないでほしい。

グループの中でも色々な生き方があります。

そんなの社会人に限らず、ありとあらゆる集団で当たり前に行なわれていることであり誰もがそれを受け入れて人生を送っています。

そしてその先の人生はもっと長い。

斎藤ちはるという成功例だってあるわけです。

だから今、乃木坂にいるってことの価値を最大限に活用してほしいと思います。

ビジネス的な話をすれば、今以上に自分のためにお金と人が動く状況はこの先絶対に…は言い過ぎとしても99%訪れません。それはアンダーだろうが福神だろうがエースだろうが同じです。それだけ現在の「乃木坂」という名前には市場価値がある。

であればまずそのことを認め、それを最大限に活用することを考えてほしい。
だからこそ公の場でやりたいことをどんどん発言していくべきです。
冠番組でもブログでもSHOWROOMでも、誰かの目に止まることがあるかもしれません。(もちろんバックヤードでスタッフに伝えるのが最初だと思いますが)

CSでも動画配信でもなんでもいいからひとつ自分を発揮できる場を取りに行くこと。
そこで伊藤かりんや斉藤優里、それに生駒里奈など現場に入っていくのが上手そうな卒業生たちとセットで出演できたらなおいいですね。

そういう意味で『のぎ天』の存在は本当に大きかった。4期生人気に乗っかる形でもなんでも、復活してほしいものです。


続きます。

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