タオル補正
2020年1月26日に公式サイトで佐々木琴子さんの卒業が発表されました。

なんでこうなった。
他にやりようはなかったのか。

そんなやるせない思いが残ります。

どこで間違えた?


彼女が2期生として乃木坂46に合格したのは2013年3月。
まだ中学生でしたが、当初からそのビジュアルは際立っていました。

『乃木坂って、どこ?』内でのお披露目の時点では堀未央奈とツートップと言えるほどの人気だったように思います。

しかしその後、彼女が脚光を浴びる機会は数えるほどしかありませんでした。

初めて参加した楽曲はAKB48小嶋陽菜とのコラボ「こじ坂46」の『風の螺旋』(AKBのシングルに収録)。

いわゆる「ボーダー組」、西武ドームにおける3rdバスラにおいてようやく正規メンバーへの昇格が発表された研究生6名のうちのひとり。彼女たちに初めて与えられた楽曲がその『ボーダー』でした。乃木坂名義の楽曲に参加するまでの間に、既に加入から2年もの月日が経過していました。

2015年と16年には舞台『じょしらく』に出演。2018年には『けものフレンズ2』で鈴木絢音とW主演も務めました。

さゆりんご軍団では副軍団長として、悪ノリする軍団長松村沙友理を冷ややかに眺めるという役割も担います。

印象深いのは2016年11月『NOGIBINGO!』内での企画「ささきとすずき」。
運営はこのふたりをセット売りにして今後押していくんじゃないか。ファンの間にもそんな期待が広がったのを憶えています。

しかし、卒業するまでの7年間で彼女が選抜入りすることはありませんでした。


万人受けする美少女。
「ビジュアルの乃木坂」にあってなお、この視点においては歴代最強だと個人的には思います。

これほどの逸材を活かせなかった。
こんなに見ている側に悔いを残すアイドルというのも珍しいんじゃないでしょうか。

乃木坂もデビューから3年ぐらいはアンダーメンバーの卒業が相次ぎ「志半ば」「グループ内での立ち位置に限界を感じて」という印象でした。

風向きが変わったのは永島聖羅あたりからでしょうか。ファンの欲目かもしれませんが、アンダーメンバーの卒業でも「やり切った感」が出るようになってきます。

近年の川後陽菜や斉藤優里、伊藤かりんは清々しさを感じさせる姿を見せて卒業していきます。
一度も選抜入りすることのなかったかりんちゃんさえ、ラストライブでこう語りました。

 自分のアイドル人生を誇りに思っています

琴子はそう思えているのかな。

それが気がかりです。

消えていく笑顔


いつか覚醒する。

ファンは、恐らく運営もそう思い続けていました。

しかし年齢とともにその完成度を上げていくビジュアルと反比例するように、彼女から消えていったものがあります。

それは笑顔。

『乃木どこ』初登場の際はニコニコ笑っていますし、舞台やライブでも無邪気な笑顔を見せていました。感想を聞かれても判で押したように「楽しいです!」でしたが笑

前述の「ささきとすずき」でも硬い表情の鈴木絢音に対し琴子の方が圧倒的に愛想よく笑顔を振りまいていました。

それがいつしか番組内で笑顔を見せることは稀になり、ライブ中の笑顔も少なくなり、ついにカメラの前ではほとんど笑わないようになります。

握手会で暴言を吐かれてそれ以降心を閉ざしたとも言われていますが、真偽のほどはわかりません。

その握手会での対応も「真顔」「無言」「怖い」などと批判の的になります。

結果として最も目につく人気指標である握手会の完売状況において、彼女はグループ内でも低位でした。その美貌ゆえに根強くあった選抜待望論の声も徐々に小さくなりました。

副軍団長を務めたやさゆりんご軍団や2期生のメンバーとバックヤードにいる時は笑顔だったのがせめてもの救いです。


7年もいたのだから、決して居心地が悪い場所だったわけではないのでしょう。

ただ残ったのは、あれだけの美貌を持ちながら7年間一度も選抜に入れなかったという事実です。

Nobody kwows


結局、ファンサービスという部分が決定的に不足していました。
それが「できなかった」なのか「やらなかった」なのか、彼女の心の内はわかりません。

加入当初からどこか浮世離れしていた彼女。
服装にまったく構わないなど、自分に関心がないかのように見えました。

そして、なぜ他人が自分に関心を持つのか理解できないかのように。

幸か不幸か凄く綺麗な顔を持って生まれてきたために、間違った場所に連れてこられた中学生。

彼女は最初から最後までそのままだったように思います。


3月末日をもっての卒業。

最近の卒業生でこれと同じなのは川村真洋と既に結婚が決まっていたであろう衛藤美彩。
勝手な想像ですが「契約を延長しない」パターンのような気がします。

それでも花道として3月7日に念願の2期生ライブがセッティングされ、コロナウイルスの影響で開催中止となると今度はshowroomでの生配信という代替策まで準備されました。

25thシングルの1期生全員選抜に関する記事でも書きましたが、乃木坂運営は情のある采配をすると思います。

関連記事:
【乃木坂46考察】旅立ちのフィエスタを歌え ~25thシングル選抜発表に思うこと①


卒業発表した自身のブログで彼女はこう書いています。

 卒業したら加入前のように乃木坂46をファンとして応援していこうと思います。
 私は今、それがすごく楽しみです。

なんて悲しい言葉でしょう。

 私は乃木坂46にはなれなかった。

そう言っているように聞こえます。


最後に、彼女のこれからについて。

かつて『乃木坂工事中』内で将来の夢を「会社員」だと語っていました。
その後のブログで「夢がアイドルになることでそれが叶ったから次は…と考えたら会社員だった」と弁明していますしもう5年も前のことですからさすがに今は違うでしょうが笑

整ったビジュアル。無表情。そして個性のある声。

どう考えてもアナウンサーですよね。

堂々とひたすら真顔でニュースを読んでほしい。
そしてキャスターやコメンテーターからの弄りを氷対応でスルーしてほしいです笑

佐々木琴子さん、7年間お疲れさまでした。


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

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当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。