この記事はミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の内容に関するネタバレを含みます。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』とは
2020年3月、日比谷シアタークリエで行われたミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を観劇してきましたのでレポートします。非常に有名な作品ですが映画もミュージカルも観たことがなく、例によって事前情報なしの状態で行きました。
あらすじ
さびれた街の小さな花屋で働く冴えない青年シーモア(鈴木拡樹/三浦宏規)は、店主のムシュニク(岸祐二)に怒られてばかり。シーモアは同僚のオードリー(妃海風/井上小百合)に恋をしているが、彼女にはオリン(石井一孝)という歯科医のボーイフレンドがいる。
ある日、シーモアは町で奇妙な植物を手に入れる。意中のオードリーにちなんで、“オードリーⅡ”(声:デーモン閣下)と名付けたその植物を店に置くと、客の来なかった店がなんと突然、大繁盛!
しかし、“オードリーⅡ”には、人びとを魅了する不思議な力がある一方で、あるとんでもない秘密が隠されていた。“オードリーⅡ”によってシーモアの人生は一変し、一躍有名人となるのだが――。
(公式サイトより引用)
元々は1960年に公開されたアメリカのB級ホラー映画だったこの作品。
それを1982年に脚本・作詞ハワード・アッシュマン、作曲アラン・メンケンのコンビでミュージカル化します。最初は小劇場での公演でしたがこれが大ヒット。1986年にミュージカルから逆に映画化されこれもヒット。2003年にはブロードウェイで上演されるまでになります。
そう、後にディズニー映画『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』と爆発的なヒットを連発する最強コンビの出世作なのです。残念ながらアッシュマンは『美女と野獣』の製作途中に41歳の若さで早世しています。
日常が消えた街で
コロナの感染拡大状況が日々変化する中で、この舞台も3月13日が初日の予定でしたがいったん16日に、さらに20日まで延期となります。
いつ開幕できるのかわからない不安な状況が続きましたが、ようやく20日(「何とか踏みとどまっている」と言われていた頃です)に様々な対策を講じたうえで待望の初日を迎えることができました。
しかしその後も事態は動き続けます。25日に東京都が「週末の外出自粛要請」を出し、それに応じる形で28日から千秋楽までの公演が再び中止。
8日間。演者、スタッフ、関係者、そして観客の誰もがいつ突然来るかわからない「終わり」におびえながらの開催でした。
私自身、この日の観劇は凄く悩みましたし罪悪感もありました。
シアタークリエも扉が全開放され入場時にはサーモグラフィー。客席でのお喋りの声もほぼ聞こえません。休憩時間も10分延長され換気を徹底。その間劇場外への退出も可能でした。
もちろん人は演劇がなくても生きていける。
言われるまでもなく「不要不急」なのはわかっています。
でも今回のコロナ禍によって、自分がいかにそういうものに支えられていたか思い知らされました。
そういう方が多かったのでしょう。
幕が上がった瞬間の客席からは、思わず息が漏れてしまったかのような何とも言えないうめき声が聞こえました。
舞台に立てる喜びと舞台を観れる喜び。
それが舞台上からも客席からも溢れ出てしまっていて。私も最初は鳥肌立てて感動してたんですが、なんか途中からもう嬉しくて嬉しくて。
観ている間ずっと幸せでした。
今日が千秋楽になるのかもしれない。
そう思った時に伝えたいのは感謝です。
この日、当然のようにスタンディングオベーションが起きました。恐らく全公演そうだったのではないでしょうか。
あのような状況の中でモチベーションを保ち続けた演者の皆さん、開催に向けて懸命の努力を続け、今できる最善の対策を行なわれたスタッフならびに劇場関係者の皆さん。
心からの感謝と敬意を表したいと思います。
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