またまた来ましたよ、セイコーから。まったく何度目の速報やら笑

細腕さん待望のツナ缶メカニカルの小径モデルの登場です!

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ツナ缶とは


今回はツナ缶「ライク」なのでサラッと書きます。

セイコーダイバーズのアイコン、「ツナ缶」。
横から見ると台形のごっつい外胴プロテクターが特徴で、初出は1975年。

いわゆる1968ダイバーで300m空気潜水を既に実現していたセイコーにプロダイバーの方から「これじゃ350mの深海作業には足りん」という挑発的…いや切実なお手紙が。じゃあやってやろうじゃねーかということで綿密なヒアリングに基づき当時の持てる技術と新たな特許を惜しげもなくつぎ込んで、ついでに日常使用なんて概念もすっぽり捨て去って外胴プロテクターと巨大なサイズを持つ600m飽和潜水仕様の初代ツナ缶が誕生したわけです。

現行で一番わかりやすいのがクォーツですが下の写真のSBBN031です。


しかしその無骨の極みとも言うべきスタイルが逆に男心をくすぐり、一部の好事家たちの熱烈な支持を受けてきました。

かくいう私も極細の手首を持ちながらこのスタイルに痺れ、厚さ14.7 ㎜、横47.7 ㎜、縦47.7 ㎜という超絶サイズにもかかわらず(「いけるんじゃないか」と自分に言い聞かせ)、しかも基本的には興味のないクォーツにもかかわらず!SBBN015を購入寸前までいったことがあります。上のSBBN031の先代モデルですね。この時は迷っているうちにディスコンになり音速で店頭から消えました。

今にして思えばセイコーダイバーのディスコンを気にするようになったきっかけがこのSBBN015だったのかもしれません。

サラッと書くつもりがだいぶ長くなりましたが、このツナ缶に憧れつつもそのあまりに巨大なサイズに涙を呑んでいた細腕さんたちの期待に応え(ではないと思いますが笑)、近年ではこれをタウンユースにアレンジしたものを各セレクトショップやLOWERCASEなどがこぞって限定モデルとしてリリースし人気を集めてきました。

しかし。
それらはいずれもソーラー。

機械式時計マニアとしては「いいからさっさとメカニカルで出さんかい!」ってなもんです。

とはいえ外胴をかますというアイコニックな構造そのものがサイズアップの要因なのですからなかなか難しいのかと思っていました。

そしたら出ましたよ。
なんだいけるんじゃん笑


このたびセイコープロスペックスの「ストリートシリーズ」としての登場です。
英語の公式サイトだと「ストリート」が単独シリーズになっていますが日本語だと「ダイバースキューバ」の1モデルになっていますね。

カラーはサンドベージュとグレーの2色展開。「サファリルック」がテーマだそうです。

いやダイバースキューバでストリートシリーズでサファリって、海か街かアフリカかはっきりせんかい!って感じですが。

NIKE AIRMAX90のCI5646とかと合わせればばっちりですね。カラバリも完全一致です笑

基本スペックとカラーバリエーション


まず最も重要なサイズ。厚さ12.7 ㎜、横43.2 ㎜、縦44 ㎜にまとめてきました。
これなら細腕さんもニッコリです。横43mm超は決して小さくありませんが、実は重要なのは縦。ツナ缶は横と縦幅の差が極めて小さいため収まりがいいのです。これぞ本当の「ベビーツナ」ですよね。

ちなみに前述のクォーツSBBN031が厚さ14.7 ㎜、横47.7 ㎜、縦47.7 ㎜。
機械式のSBDX013に至っては厚さ17.2 ㎜、横52.4 ㎜、縦53.5 ㎜です。ちょっと何言ってんのかわからない笑
ムーブメントは入門機の4R36でパワーリザーブは約41時間。200m潜水用防水に風防はハードレックス、そしてシリコンバンドです。

デザインは様々な要素を持ち寄った感じ。まあこれまでのタウンユースツナ缶も様々なアレンジが施されていますのでその流れでしょうが、その中でも落ち着いていていいデザインだと思います。

12時位置のインデックスはツナ缶伝統の逆三角形。それ以外はファーストダイバーっぽい太めのバーインデックス。

時分針はファーストダイバー的な角ばった棒状のもの。SBDC101や107とは若干異なり、過去に一部のLOWERCASE限定で採用されていたものと同じようです。秒針は矢印の先に針が伸びたモンスター系と同じものですね。

細かいですがデイデイトが「黒地に白文字」ですね。セイコーダイバーは逆(「白地に黒」)が多いのですが、個人的にはこっちの方が好きなのでポイント高いです。
チャコールグレーの外胴はPVD加工でしょうか。
そして黒とベースカラーのツートンベゼル。ベゼルサイドも外胴と同じカラーですね。

SBDY059

ベースカラーはサンドベージュ(「コヨーテベージュ」と記載しているショップもありました)。夜光も写真では退色ベージュに見えますね。


SBDY061

ベースカラーはグレー(同じく「ライノグレー」)。こちらの夜光は普通に白です。


ちなみに発売日は公式では6月下旬、一部販売店では6月26日予定という記載になっています。

価格と今後への期待


価格は64,900円(税込、以下同じ)。
流通限定なしなので2割引きで実勢価格は51,900円。これでポイント10倍になれば実質46,710円。実質でアンダー5万円。いいとこついてますね。

もしかしたらSBDY049の値下げ解禁はこの059/061との競合を見越してのものだったのかもしれません。

 

個人的にはこのサイズで1975年の初代ツナ缶モチーフのデザインがあると嬉しいですね。

針とインデックスはオリジナルと同じドットインデックスで秒針がロリポップ。時分針は現行ではベゼルサイドはPVD加工なし。
要するに顔は先日発表された限定のSBDX035でダイヤルとバンドのカラーをブラックに変えたバージョンですね。できればデイデイトじゃなくデイトで。
ソーラーでは以前に出たSBDN043というモデルの369インデックスもバーじゃなくドットにすればかなりそのイメージに近いです。
本当は外胴もシルバー、それにメタルブレスというかつてのSBBN015デザインが欲しいですけど、メタルブレス版が出る可能性はほぼないでしょう。


それにしても今年のセイコーさんの勢いは凄い。正直「ちょっと落ち着け」と言いたいくらい笑
本当はオリンピックで大量に流入するインバウンド顧客を見込んでいたんでしょうね。そこにこれでもかと魅力的なモデルを投入しておけば自国で買うより安い海外ユーザーが飛びつくという目論見で。そう考えるとなかなかシビアです。

でも一部スイス勢が新作発表を行なわない現状において、積極果敢に魅力的な新製品をリリースし続けるセイコーは世界中の腕時計マニアの注目を集め、これまでより多くの愛好家を生み出すことになるかもしれません。

そうなることを心から願っています。