びーむ色調補正3

ついにやってきたその日


松村沙友理が言っていた通り「2ヶ月なんてあっという間」でした。

今も、そしていつか振り返った時にも間違いなく「乃木坂にとって特別な日」になるであろうその日がやってきました。

2020年10月28日。
白石麻衣卒業の日。

本来であれば5月に東京ドーム3DAYSライブをもって卒業する予定でしたがコロナ禍により叶わず、この日に無観客の配信ライブという形での開催となりました。

チケットは国内外で229,000枚売れたといいます。

個人的にはどんな方向性のライブになるのか注目していました。
想定していたのは以下の3パターン。

1.白石麻衣ワンマンショー
2.これまでの乃木坂の総決算
3.この先の乃木坂を垣間見させる

結論から言うと1.のまいやんワンマンショー。
しかも全曲参加、全曲センターでした。

セットリストは以下の通り。

Overture
01. オフショアガール
02. おいでシャンプー
03. 制服のマネキン
04. 世界で一番孤独なLover

05. ぐるぐるカーテン
06. 失いたくないから
07. バレッタ
08. 逃げ水
09. 夜明けまで強がらなくてもいい

10. 立ち直り中
11. 偶然を言い訳にして
12. でこぴん
13. まあいいか?
14. 流星ディスコティック
15. せっかちなかたつむり
16. きっかけ(ピアノ伴奏:生田絵梨花)
17. 渋谷ブルース

18. シンクロニシティ
19. インフルエンサー
20. サヨナラの意味
21. ガールズルール

EN
EN1. じゃあね。
EN2. しあわせの保護色

全体的にはまいやんの思い入れの強い初期の楽曲を押さえつつ、その前後をシングル曲で挟んだセトリという印象です。

楽天TVの配信トラブルにより開演が30分遅れる波乱のスタート。

まいやんのソロ曲『オフショアガール』で幕を開けます。

『世界で一番孤独なLover』で最初の驚きがありました。
イントロでまいやんの後ろに立つのは…筒井あやめ!ここで最年少の彼女との2ショットをもってきたところにちょっと「おおっ」と思いました。

その『セカラバ』が終わるとこの日最初のMCに。
そこで話を振られたのは星野みなみ。話しているうちに泣きそうになり「いや泣かない絶対!」と言いますがその直後に「凄くさみしい!」と言い早くも大粒の涙をこぼします。

続けて各期別のパフォーマンスに白石麻衣が参加していくセクションへ。

トップバッターの1期はデビュー曲『ぐるぐるカーテン』。

印象的だったのが後列で齋藤飛鳥と和田まあやが楽しげにじゃれる姿。
同い年のふたり。グループ内での立ち位置は違っても、やっぱり関係性は変わらないんだなあと思わせます。
グループのフロントとして(ツンの体を装いながらも)後輩たちに気を遣って盛り立てている普段の飛鳥ちゃんとは違う、安心しきった無防備な笑顔。なんだか胸が締めつけられます。

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白石麻衣のように、生駒里奈のように


そして1期生でもう1曲、『失いたくないから』。
『ぐるカー』のカップリング。この曲が披露された横浜アリーナの4期単独ライブのレポで「何者でもなかった少女たちが舞台に上がる瞬間を切り取った、特別なMV」と表現したあの曲です。

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メンバーがふたりずつまいやんに近づき抱き合う演出。樋口日奈の顔を見たところでこらえきれずまいやんも泣き出します。

そして大間奏では生田絵梨花がメッセージを伝えます。

「やっとまいやんを見送れるんだ、っていう嬉しさが今はあるかな…」

これまでまいやんがトップランナーとして背負ってきたものの重さ(そしてそれを知るゆえに感じる申し訳なさ)と、ようやくそこから彼女を解放することができるという安堵。

そのふたつが入り混じった、同期ならではのとても重い言葉に感じました。

これまで多くのメンバーの卒業を泣きじゃくりながら見送ってきた生ちゃんですが、このコメント中は落ち着いた表情で噛みしめるように言葉を紡ぎます。

そのまなざしはまるで母親のようで。

まいやん卒業発表の時の記事で私はこう書きました。

「いつからか、いつもニコニコ慈愛に満ちた笑顔でメンバーを見守る母親のような姿が目立つようになった白石麻衣。深川麻衣の卒業をきっかけに、その「聖母」という重い役割を自分が少しでも果たそうと考えたのではないか」

それと同じように、まいやんの卒業が生ちゃんに新たな決意を与えたのかもしれません。

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話し終えた生ちゃんは緊張の糸が切れたように涙ぐみます。

ふいに思い出されたのは2017年の東京ドーム、ラストの『きっかけ』の生駒里奈。

卒業する伊藤万理華と中元日芽香の周囲にメンバーを呼び集め、全員が大きな輪になったのを見届けてから大きく顔を歪めて泣き崩れた彼女。
感情を抑えて懸命に自分の役割を果たしてから、ひとり涙するその姿。

どこかずっと「大きな子供」感があった生ちゃん。かつて『NOGIBINGO!』でひめたんにあやされ寝かしつけられていたのが懐かしいですね笑
そんな彼女が白石麻衣や生駒里奈を思わせる立派な姿を見せている。

それは間違いなく成長で、とても素晴らしいことで、だからこそまいやんも安心して卒業していくことができる。

そうなんだけど。

だけど、なんでしょうこの切なさは。

時が流れてしまったことへの感慨なのか。
これからさらに大きなものを背負おうとする彼女への憐憫の情なのか。

大きな外仕事を抱え猛スピードで走り続ける生ちゃんにとって、乃木坂は心安らぐホームであってほしい。気を抜いてわがままを言える場所であってほしい。

いちファンのすごく勝手な感傷なのは重々承知していますし本人もそんなことは望んでいないでしょうが、「そこまで頑張らなくていいんだよ」って言ってしまいそうになります。

この時の生ちゃんを観ながら私はそんなことを考えていました。


続きます。

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