
ストレートを磨いた樋口日奈
前回書いた清宮レイ以外に選抜入りに対し一部で異論が出ていたのは樋口日奈でした。
理由は単純にミーグリの売り上げ。
掛橋沙耶香、北野日奈子、渡辺みり愛、金川紗耶の4人が彼女と同等以上の完売実績でした。
まあミーグリ当日の待ち行列状況レポを見る限りではそこまで大きな差はなかったりもするのですが(とはいえソース自体が少ないです)。
私自身はこの選抜入りは肯定的にとらえています。
26thシングル選抜発表時に「この1年で超選抜化が進み、ボーダーメンという概念が消滅。超選抜+4期お試し枠だけになってしまった」と書きました。
そこから今回、ひなちまの選抜入りによってボーダーメンという概念が復活したことは素直に喜ばしいと思います。
そしてミーグリの売り上げこそ遅れを取っていますが、年明けからの彼女の活動も充実していました。
年明け早々のドラマ『教場』での木村拓哉との共演。舞台『フラガール』主演。そしてショートにしてさらに綺麗になった印象。ここへきてさらに自身のビジュアルの最高値を更新するという驚異の10年選手です。
1期生全員集合の25th『しあわせの保護色』を別にすると、20th『シンクロニシティ』以来なんと3年ぶり通算5度目の選抜入り。それでも今なお毎回選抜に選ばれるたびに素直に喜びを表す彼女はとても好感が持てます。
愚直にまっすぐ、正攻法で。腐ることなく自分を磨き続け外仕事で結果を出す。
その成果として選抜に返り咲いたというのは本当に素晴らしい。
10年目にして追い風が吹くことだってある。ひなちまはそれを証明してくれました。
10年目にして追い風が吹くことだってある。ひなちまはそれを証明してくれました。
選抜の厚い壁にくじけそうになる後輩たちにとっていいお手本だと思います。(もちろん、既に選抜固定メンとなった後輩にとっても)
しかし。
今回の選抜発表後に更新された各メンバーのブログ。
アンダーメンバーのそれは重苦しい閉塞感に覆われていました。
どうすればいいかわからない
そんな叫びはかつての選抜固定時代(12th~16th)、あるいはさらに前のアンダラ黎明期(10th)を思い起こさせました。
恐らくミーグリの完売状況でくっきりと明暗が分かれたことがひとつの原因ではないでしょうか。
コロナの影響で直接ファンと接する機会はない。冠番組でスタジオに呼ばれる人数も抑えられている。そんな中でどうやって自分のファンを増やせばいいのか。そんな苦悩があるように思います。
こんな状況だからこそ、山崎怜奈を選抜に入れても良かったのではないでしょうか。
一時期かなり握手人気を上げていた彼女ですが、それでも選抜ボーダーの域から突き抜けるまでには至りませんでした。23rdあたりからは徐々にそれも降下していきます。「握手会売上での選抜入りが叶わなかったのでファンの心が折れた」とも言われています。
そしてなんと26thミーグリの完売数はゼロ。
しかしれなちさんが凄かったのはその間も自身の歩みを止めなかったことです。自ら発信し得意分野を作り、現在ではグループ屈指の売れっ子にまでなりました。
選抜経験なしでここまで売れたのも見事ですが、ミーグリ完売ゼロで選抜に入ったらこれまでの価値観がひっくり返りますよね。
彼女が選抜に入ったら「こういう形もあるんだ」と今燻ぶっているメンバーの励みにもなります。ひなちまとは違う意味でロールモデルたりうる存在です。
選抜発表のたびに書いていますが、選抜の人数を増やして色々試せばいいんですよ。
そうすればれなちさん選抜のようないい意味での「遊び」だって出てきます。
現在の乃木坂は間違いなく過渡期なんですからそれが必要なんです。
2年ちょっとの間に3期生の5人がバリバリの選抜固定メンへと成長し、それ以外に11人も試せた17th『インフルエンサー』から23rd『Sing Out!』の期間と同じです。
ましてや枠をひとつふたつ増やすのを惜しんでファン同士の対立をもたらして何になるんですか。
コロナの影響で業界全体が困難な状況にあり、メンバーそれぞれだって将来に対する不安が大きくなる現状です。運営にはそんな中で皆が希望を持てるような采配をしていただきたいものです。
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note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。
『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。
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