タオル補正
2021年4月15日、自身がMCを務める配信番組内で松村沙友理さんが卒業を発表しました。

ただただ、寂しいです。

名場面が多すぎる


松村沙友理が好きでした。

当ブログの「このサイトについて」には「推しは今も昔も井上小百合」と書いていますが、かつては「Wさゆ(※)単推し」を名乗っていました。
※もちろん、井上小百合と松村沙友理のこと

実は結成間もないころから私の推しはさゆとまっつんのふたりだったんです。

そう、あの日までは。

彼女はその強烈なキャラクターで当初から人気を集めます。

その魅力がいかんなく発揮されたのが『乃木坂って、どこ?』。

初期の『乃木どこ』は一部で「バラエティとして普通に面白い」と評されていました。実際にバナナマンきっかけで番組を観てそこから乃木坂ファンになる人が一定数いたと言われています。(このころはけっこう人力舎芸人が出演していました)

その「面白さ」に多大な貢献をしたのがまっつんでした。

番組序盤は彼女が支えたと言っても過言ではないでしょう。
(あとは高山一実と畠中清羅ですかね。せいたんは「パッチョ」「シケた空気」「メンズエッグ」というワードセンスと道を聞くとき必ずコンビニに入るくだりが面白かった)

失恋で傷心の演技で海に向かって「なんでなんよ~」と叫び
長縄では「妥協じゃないです、方向転換です!」と歴史に残る名言を吐き
HK3=日村嫌い3(白石・高山・松村)として「日村のいいとこ山手線ゲーム」で徹底したホクロいじりをしたり
生誕祭で「実家は金曜日がフライデー=揚げ物の日」と語りバナナマンに「超いいじゃねえか!」と羨ましがられたり(ちなみに土曜日はカレーの日で日曜日はお好み焼きの日だそうです)
「正座しないと寝れない」というフェイク笑もありましたが

初期だけでも枚挙にいとまがないほど多くの名場面を残してきました。

中でも強い印象を残しているのはやはり、料理関連。

最初の乃木どこ料理企画。

お題は「五目チャーハン」だったのですが、彼女が作り上げたのは食べ物とはとても思えない茶色でドロドロでグチャグチャの物体。
それなのに工程ごとに指差し確認しながら満開の笑顔で「ヨシっ!」とガッツポーズをする姿に、TVの前で私も「いやひとつも良くねーだろ!」と突っ込みながら心を鷲掴みにされたものでした。

2度目はHK3+クッキングモンスターこと生ちゃんが日村さんの好きな料理を振舞うという企画。

ここでも麻婆豆腐というお題に対し、巨大な片栗粉のダマが入った謎の物体を作り上げます。
白石麻衣卒業の記事でも書いたのですが、何をしていいかわからず呆然と佇むまっつんとそれを尻目に時短テクを使いながらテキパキと料理を作り上げるまいやんのコントラストが絶妙でした。
この時酒飲みながら録画を観ていて、ふたりが「頑張るぞ」とピースする姿に「何だこの可愛さ」と思わず声が出たのを憶えています。「だ~いじょぶです」も可愛かったな。

2回とも「とりあえずパプリカ切りま~す!」から始まったのも懐かしいですね。

ぺこ-1グランプリ(大食い対決)での生田絵梨花との対決も思い出深い。

オープニングでまっつんの「誰が一番食べるのか、ガチで決めたらええんですよ!」から始まり、満腹になった生ちゃんがいきなり立ち上がって謎のエクササイズを始めたり(少しでも体の中で下に送るため、らしい)畠中清羅が制服のチャックを開けてまで食べ続けたりと、この日も名場面満載でした。

可愛くて面白くて頭の回転が速い。
そのストロングポイントをいかんなく発揮した彼女は、間違いなく乃木坂黎明期の立役者でした。

夏の翳り


握手対応も抜群でした。
剥がしに抵抗してファンの手を離さないそのサービス精神と必殺の「さゆりんごパンチ」を武器に、個別握手会の売り上げでは一二を争う人気となります。

実際に2nd『おいでシャンプー』から5th『君の名は希望』ぐらいまでは一番人気だったのではないでしょうか。

そして6thシングル『ガールズルール』でそれまでの生生星から綺麗なお姉さん路線へと運営は舵を切り、まっつんにとっても待望の御三家フロントが誕生します。

当時はまさかこれが最初で最後になるとは思いもしませんでした。

実はこのあたりから、彼女は相対的にじりじりと握手人気を落としていきます。

『ガルル』で西野七瀬に抜かれ秋元真夏に並ばれ、その後も桜井玲香、若月佑美、衛藤美彩そして深川麻衣あたりが遜色のない速度で完売するようになります。
これ、今にして思うと「真夏ショック」ですよね。彼女の加入以降に明らかに他のメンバーの握手対応も良くなったという噂を聞いたことがあります。あからさまな「釣り師」の真夏さんが一気に人気を集めたことはきっと他のメンバーたちに大きな影響を与えたのでしょう。

これはまっつんにとって先行者利益が失われたことを意味していました。

続く7th『バレッタ』はフロントを維持しますが、8th『気づいたら片想い』では御三家の中でひとりだけ2列目。
同郷の西野七瀬がセンターにまで上り詰めるのを横目に見ながら彼女は何を思ったでしょうか。実際には生駒里奈・堀未央奈というセンター経験者を2列目に下げるという判断を運営が下せなかった結果だと思われますが。ちなみにこのシングルからかつて「触らないで~」と死守していた触角をなくしています。

9th『夏のFree&Easy』ではフロントに復帰しますが、ここから交換留学生としてSKE48の松井玲奈が参加したことにより、フロント争いはさらに激化します。

そして運命の10th『何度目の青空か?』。
記念すべき10枚目。紅白歌合戦初出場へ向けて乃木坂の代表作となるべく制作されたシングルで、彼女のポジションは2列目の向かって左端でした。


それ以前からどこか危うさのようなものが垣間見える瞬間はあったんです。

早くも最初のプリンシパルでそれは噴出していました。
観客の投票により2幕出演者を決めるシステムの舞台。そのゲネプロ(最終通し稽古)で2幕に残れなかった彼女は衝撃を受けます。なぜならこの日の投票者は観客ではなく関係者だったから。

一番人気のはずの自分が上位16人にも入れなかった。
それも身内の投票で。

映画『悲しみの忘れ方』でもこの時の映像が使われていますが、「みんな私と仕事したくないんや!」と感情を爆発させるまっつん、「そんな悲しいこと言わないでよ!」と泣きじゃくりながら叫ぶ生駒ちゃん、その横で言葉を失いふたりを見つめるななみんの姿は強烈に印象に残っています。

でも、実際に観た者としてはこの投票結果はわからなくもないんです。
投票のカギとなる自己PRがさゆりんごパンチだけ。つまり普段の自己紹介とほぼ同じでしたから。

現在の彼女のプロデュース能力からすると、考えられないぐらいの無策。
一番キツい言葉を使えば、人気に胡坐をかいた驕り。

彼女を推していた当時の自分でさえそう思ったのですから、ファンでない方からすればなおのことでしょう。

結果的にまっつんはこのプリンシパルで最後まで大苦戦することになります。

それ以外にも気になる発言がありました。

「ぶりっこをしてしまう」
どこでのコメントか忘れましたが、彼女が自身の特徴(それか短所)として述べた言葉です。

単にぶりっこ、ではなくそれを「してしまう」。
この表現を見て「嫌われたくない」という自己防衛本能が強い人なのかな、と思ったのを憶えています。

白石麻衣がモデル、橋本奈々未がドラマとグループ外へ活躍の幅を拡げる中で「自分には何もない」と語ったこともあります。
これもちょっと自己肯定感の低さを感じさせますね。

そんな危うさを抱えたまま彼女は徐々に序列を下げていきました。

そして2014年10月7日の夜。

あのスキャンダルがネット上を駆け巡ります。

勝負の10thシングル『何度目の青空か?』の発売前夜。そしてそのヒット祈願で富士山頂に立つ彼女の姿が放送されたわずか2日後のことでした。



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