アストロンとは、その歴史


アストロン。
セイコーが1969年に発売した世界初のクオーツウォッチ。
その圧倒的な精度(と後に進んだ低価格化)で機械式時計そのものを絶滅寸前まで追い込み「クオーツショック」と呼ばれるのですがそれを話し出すと長くなるので省略します。

その名が復活するのは2012年。
セイコーは新たに開発した世界初のGPSソーラーウォッチに、再び「アストロン」の名を冠します。

最先端技術と超高精度。
それこそがアストロンの特徴であり、公式サイトでも「セイコーの先進性を象徴するブランド」と表現されています。

ということでセイコーのフラッグシップのひとつであることは間違いないのですが、個人的にはそれほど興味をそそられる存在ではありませんでした笑

機械式時計マニアなのが最大の理由ですが、そもそも「デカい」。
GPSソーラーを実現するためのパーツを格納するためには47mmとか48mmの巨大なケースが必要だったのです。

しかし技術の進歩により小型化が進み、現在ではなんとアンダー40mmのモデルも発売されています。

前置きが長くなりましたが、そんな私でも気になるアストロンがリリースされました。

それがこちらの「アストロン ソーラー電波ライン」。

なんとGPSじゃないんです。
いや、現行アストロンってGPSソーラー電波時計であることこそがアイデンティティじゃなかったんかい!とは思いますが。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

見てくれこの独特の顔(誉めてます)



最大の売りはこのデザイン。

公式サイトではアストロンの全シリーズに下の同じ説明文を載せています。

「おおらかなカーブを描くケースシルエット、大きく張り出したラグ、細身のベゼルなど、<クオーツ アストロン>のデザインコードを継承しつつ、現代的な解釈を加えたメリハリのある立体形状と歪みのない美しい仕上げが特徴です」

いや、現行アストロンのすべてのモデルがこのデザインコードに則っているというのはさすがに適当過ぎるのでは笑

オリジナルのアストロンは大雑把にいえばCラインケースですね。
なのでこのSBXY003/005/007(そして限定の001)のケース形状こそが最もそれに近いと思います。

そして極端に短いインデックス、これがまたレトロ感があって秀逸。
個人的には6時位置のインダイヤルや丸みを帯びたケースと合わせてアンティークの「スピードタイマー 6139」を思い出します。
限定モデルの001を除き針とインデックスが退色ベージュ夜光なのもその印象を強めています。

なんとも特徴的で、しかもそこはかとなくオールドセイコー風味がある絶妙なデザインです。

ケース・ブレスとも大部分がサテン仕上げ(ベゼルとケースエッジのみポリッシュ)のため、マットな質感。ダイヤル上の情報量は多いものの、はっきり空間があるためにガチャガチャした感じがないのも個人的には好感が持てます。

厚さ 11.3 ㎜、横 41.3 ㎜、縦 45.3 ㎜というアストロンとしては非常にコンパクトなサイズ。特に縦径の短さが良いですね。

GPSこそないもののソーラー電波に10気圧防水にサファイヤクリスタル風防、軽量のチタンケースと実用性も上々。

カラーバリエーションは4種類。

SBXY003

ブラックダイヤルにメタルブレス。



SBXY005

ベージュダイヤルにブラックのベゼルとチャプターリング。ダークブラウンのレザーベルト。

SBXY007

ダークグリーンのダイヤルにブラックレザーベルト。



SBXY001

シルバーダイヤルにブルーのチャプターリング。メタルブレス。
セイコー創業140周年記念モデル。限定600本。



価格とまとめ


定価はメタルブレスの003が143,000円(税込、以下同じ)でレザーベルトの005/007は132,000円。実勢価格は基本3割引きで101,000円と92,400円。実質価格はポイント10倍還元で90,900円と83,160円です。
限定モデルの001は定価が143,000円の実勢は2割引きで114,400円。実質は102,600円となります。

チタンで軽くて実勢でアンダー10万。
GPS外してこの価格ってこれ完全に「ブライツキラー」じゃないですか。大丈夫ですか?笑

まあ本当はシチズン「アテッサ」の対抗商品なのでしょう。

シンプルな方が良ければ同シリーズにSBXY009~019というモデルがあります。

こちらはよりエッジのあるデザイン。
サムライのような斜めに断ち切ったラグ。ブレスの1コマ目もそれに沿う形状になっていますのでいわゆるラグスポ調というやつですね。

ちなみに横径は同じなのですが、厚さはこちらが0.7mm薄く縦径は逆に2.6mm長くなっています。



価格的にもこちらがアテッサの本命ライバルでしょうね(AT8181シリーズと同価格)。
定価で110,000円、実勢が3割引きで77,000円、ポイント10倍で実質約7万円弱という高コスパモデルです。
最後に改めてまとめると、

SBXY001~007は独特の表情がある優れたデザインとノンGPS化に伴うコンパクトサイズそして低価格が魅力。普段使いにソーラー電波時計で人とはちょっと違うデザインを探しているのであればベストマッチの1本だと思います。

逆にクセのないデザインが良い人にはさらに2万円安いSBXY009~019も準備されています。

自分が1本選ぶなら圧倒的に005です。
いいですよね~この顔。ほんと一目見た瞬間に思いましたよ「カールおじさんじゃん!」って。
ベゼルがブラックなのだけ惜しい。これもシルバーの方が絶対いいと思うんですけどね。