2019年に国内正規品が復活したセイコー5。
第1弾の「ボーイ」そして翌2020年にその「スムースベゼルバージョン」と来て、2021年新作がこちら。

セイコー5では昔からあるミリタリー調のデザイン、いわゆる「セイコーミリタリー」です。

細かな仕様違いに見えるこだわり


今回採用されたのはこちらのフィールド系のデザイン。
(逆輸入版ではもうひとつアビエーション系のデザインもあります)


まあミリタリーウォッチとしてはド定番の顔。

有名どころでいえばハミルトン「カーキフィールド メカニカル」とデザイン的にはほぼ同じですね。(機能的には「オート」なんでしょうけど顔がちょっと違います)
ちなみにクオーツですがタイメックス「キャンパー」なんかもほとんど同じ。

元々は視認性の高さを求めたデザインですが、どんなファッションにも合う万能性が魅力です。
現在でも手に入る逆輸入版セイコー5の類似モデルと比較するといくつか手が加えられています。

まずプリントだったアラビアインデックス(以下「インデックス」)がエンボス加工になり立体感が出ました。
そしてはっきりした段差をつけていたチャプターリングがなくなり、その分40mmアンダーへサイズダウン。
ムーブメントもハック機能なしの7S系からありの4R系にグレードアップしています。

ムーブメント変更+質感の向上により逆輸入版との差別化を図るという手法。これは第1弾「ボーイ」の時と同じです。

スペックは基本的にこれまでの「ボーイ」や「スムースベゼル」と同じです。10気圧防水、デイデイト表示にパワーリザーブ41時間のキャリバー4R36。
サイズは厚さ 13.2 ㎜、横 39.4 ㎜、縦 48.1 ㎜。アンダー40㎜で使い勝手の良いサイズになっています。

バリエーションは6種類。
なのですがすべて細かく仕様が異なっており少々複雑なラインナップになっています。

メタルブレス、NATOベルト、レザーベルトがそれぞれ2モデルずつ。

文字盤はメタルブレスモデルがサンレイダイヤルでそれ以外はマット、かつ表面にやや荒らし加工あり。さらにそのうち2モデルはグラデーションダイヤル。
インデックスはシルバー、ベージュ、ゴールドの3通り。ちなみに一見光りそうなベージュも夜光ではないようです。

ケースは基本サテン仕上げで、メタルモデルはケースとブレスのサイドがポリッシュ。それ以外は全面サテン。

この細かさ、こだわりを感じさせますね。
(いずれも写真を見ての判断ですので間違えていたらすみません)

まあ文章ではわかりづらいので下の写真をご覧ください。

SBSA111

ブラックダイヤル+シルバーインデックス、メタルブレス。



SBSA113

ネイビーダイヤル+シルバーインデックス、メタルブレス。

SBSA115

軽く荒らしたグレーダイヤルに同色のNATOベルト。シルバーインデックス。



SBSA117

荒らしブラックダイヤルにベージュインデックス。時分針の夜光とNATOベルトもベージュ。

SBSA119

荒らしネイビーダイヤル(恐らくグラデーションもかかっています)+ゴールドインデックス。ブラックレザーベルト。

SBSA121

ブラックPVDケースに荒らしダークブラウンのグラデーションダイヤル。インデックスと時分針夜光は117と同じベージュ。ブラックレザーベルト。



価格とまとめ


定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は26,730円。

例によってメタルブレスとNATOベルトの価格は同じなのですがブラックPVD加工の121だけ高く設定されており、定価34,100円で実勢同じの実質30,690円となっています。


結論としては、いい時計だと思います。

上でも書いたハミルトン「カーキ」に思いっきりぶつけてきたなあとは思いますが笑
まあユーザーにとって選択肢が増えるというのはいいことです。こちらの方が約2万円安いですし。

安心安全の国内正規セイコー5で使い勝手のいいサイズ感。そしてどんなファッションにも合うミリタリーフィールドウォッチのデザイン。もちろん職種やTPOによりますが、メタルモデルはスーツにもさほど違和感なくつけられます。

初めての機械式時計にも、セカンドウォッチにもお勧めです。
お若いビジネスマンのファーストウォッチならメタルモデルが良いでしょうし、学生さんがNATOモデルを選んでおいてお仕事を始めた後は(オン用に別の時計を買って)こちらは休日のセカンドウォッチとして使うなんていうのもありですね。

敢えて要望を書くと、できることならアンティークミリタリーっぽさが強まる38mmから35mmのサイズにしてほしかったですね。

それとミリタリーデザインの基本からすれば立体感のあるアラビアインデックスは蛇足なのでしょう。視認性を求めてマットなブラックダイヤルに真っ白いインデックスが本来の姿。特にシルバーはブラックアウトとまではいかなくても角度によっては見づらいのでは?と思います。

ただ個人的にはこれはこれであり。
これによって逆輸入版(やカーキ)との差別化がなされているわけですし、結果的にメタルモデルがスーツと合わせやすくなっています。
そもそもシルバーインデックス以外のバリエーションも準備されていますしね。
どうしても嫌なら117かそれこそカーキを買えばいいんですから笑

個人的に1本選ぶならその117ですね。
カラーリングといい荒らしダイヤルや全面サテン仕上げによる無骨さといい、ど真ん中のフィールドウォッチな佇まいが素直に格好いいです。