びーむ色調補正3

3度目の正直


本来は2020年5月に白石麻衣卒コンとして行なわれる予定でした。
2021年9月開催と発表されるも直前にまた延期。

そして3度目の正直で立つ、2度目の東京ドーム。

セットリストはこちらです。

Overture
01. ごめんねFingers crossed
02. ジコチューで行こう!
03. 太陽ノック(センター:生田絵梨花)
04. おいでシャンプー(センター:山下美月)
05. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)

06. ざぶんざざぶん
07. ファンタスティック3食パン
08. 自惚れビーチ
09. ひと夏の長さより…(センター:秋元真夏、賀喜遥香)
10. 何度目の青空か?
11. 日常
12. 裸足でSummer
13. 空扉

<期別コーナー>
14. ぐるぐるカーテン
15. ゆっくりと咲く花
16. 毎日がBrand new day
17. I see…

18. Route 246
19. 僕は僕を好きになる
20. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)

21. きっかけ
22. Sing Out!
23. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)
24. ガールズルール(センター:山下美月)
25. 君に叱られた
26. 他人のそら似

EN1. 最後のTight Hug
EN2. 僕だけの光
EN3. ダンケシェーン
EN4. 乃木坂の詩

印象に残ったシーンを挙げていきます。

まず思ったのが「最初から凄い走るな~」でした。

齋藤飛鳥の「やっぱすごいかも東京ドーム」というコメント。これについては後でまた触れます。
秋元真夏の「バトン渡した感じもある」という言葉にはちょっとドキッとしました。

誕生日当日だった掛橋沙耶香。バースデーケーキでお祝いされて挙動不審になるのもロウソクに「ふ~」する姿も可愛い。

『ファンタスティック3食パン』では「今日は罰ゲームやらないのね」と思いました笑

『自惚れビーチ』、アカペラのオープニングで楽しそうなメンバーたちの中ひとり緊張した面持ちの鈴木絢音

『ひと夏の長さより…』は(センターである)松村沙友理の卒業を機に楽曲の良さが多くのファンに認識されてスタンダードになった感じ。あとこのところの賀喜遥香は本当に一段と可愛い。

氷のような悲しみをたたえたメンバーたち、そこからサビで北野日奈子が激情を炸裂させる『日常』も見事。

『空扉』で生田絵梨花とおでこをくっつけて嬉しそうな遠藤さくら
そしてカメラを見つけたのにタイミングを失ってアピールできないのが可愛い佐藤楓

鈴木絢音がMCで「数年後にまた戻ってこれたら」とコメント。同期がどんどん卒業していく中でこの前向きな発言は嬉しいですね。

期別コーナーに入り、1期『ぐるぐるカーテン』で和田まあやと顔を見合わせた瞬間に涙ぐむ樋口日奈
『ゆっくりと咲く花』で登場した2期生がたった4人であることに気づいた時にこみあげる寂しさ。四方からセンターステージに歩み寄り「2」のポーズで全員泣き、一瞬後に鈴木絢音は笑ってみせます。
次の『毎日がBrand new day』で出て来た岩本蓮加は泣いていました。恐らく2期生たちの姿に感極まっていたのしょう。

『僕は僕を好きになる』で山下美月が登場した瞬間の眩いスター感。

終盤のMCでは1期生が10年の重さを感じさせる言葉を発します。
生田絵梨花の「どれもひとりではかなえられなかった夢」。
齋藤飛鳥は「人生そのもの」。

そこから円陣を組み、『きっかけ』。
ドームでこの曲をやることの意味。花道を歩きながらAフレを歌い出した齋藤飛鳥の声が震えていたのは緊張のためだけではないでしょう。

短くソロ歌唱をつないでいく演出。
ひとりひとりが乃木坂であること。歌い継いでいくことへの意思表示。その両方を感じさせました。

完全に余談ですが、なぜか私はDフレ前に残りは生田絵梨花だけと思い込み「Dフレ全部生ちゃんか!」と思っていました。そしてその一瞬後に「おお!俺たちにはまだ久保史緒里がいた!」さらに生ちゃんの圧倒的貫録の歌唱の前に「この人は桁が違う」と激しく感情が揺れ動きました笑

『ガールズルール』の煽り一発でノドを壊す山下美月。そして久保史緒里にキスする遠藤さくら

『君に叱られた』のイントロに起きたどよめき。フルサイズなのも良かった。

アンコールはこれが初披露となる生田絵梨花の卒業曲『最後のTight Hug』から。
それが終わり次の『僕だけの光』でひとりひっそりと泣く秋元真夏

生田絵梨花高山一実と3人で抱き合い「こんなに楽しいんだから生ちゃんずっといればいいのにねえ」と冗談めかして本音を言う齋藤飛鳥

『ダンケシェーン』のラスト「やっぱかずみんだな!」に(予想できたであろうに笑)異様に喜ぶ高山一実

そのかずみんが『乃木坂の詩』の後に語った「サイリウムが最初はただのガラスの棒、その前は割りばしだった…」というコメントに、彼女たちが上ってきた坂道の途方もない長さが偲ばれます。

この日のビジュアル仕上がってるメンは岩本蓮加
観ていて「凄みすら感じる美しさ」と感じましたが、その後に明かされた通り体調不良をおしての出演でした(それを私は「凄み」と受け取ってしまったのだと思います)。どうか無理をせずお大事になさってください。

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区切りではない自然体のドーム


全体の印象を率直に言えば、4年前の東京ドーム公演と比べて焦点がぼやけていた感が否めません。

でも、それは当たり前のことだとも思います。

そもそも東京ドームこそ4年ぶりですが、2018年の全ツはスタジアムツアー(野球場やサッカー場)で2019年はドームツアー(東京のみ神宮)。

つまりいわゆる新4期の5人を除けば全員がドームでのライブは経験しているのです。

やっぱり「到達点」という感覚があった4年前。
当時は燃え尽きによるその後の大量卒業がファンの間で懸念されていました。(実際はそうでもありませんでしたが)

前回はセットリストも集大成という印象の強いものでした。
それが端的に表れていたのがアンダーコーナー。

ひとりひとり名前を呼ばれて登場するアンダーメンバーたち。
そして齋藤飛鳥や衛藤美彩、伊藤万理華や井上小百合といった「アンダーレジェンド」までステージに上がります。

そこから6曲連続でアンダー曲を披露。
温泉トリオのセンター曲を4曲続けて黎明期の立役者に敬意を表し(伊藤万理華と中元日芽香のラストステージということもありました)つつ、残りの2曲は直近アンダー曲である『アンダー』『My rule』。
これもアンダーメンバーの苦闘を「過去の美談」ではなく現在進行形のものとして提示する意図が感じられます。

 アンダーはもうひとつの乃木坂の歴史である

それを明確に打ち出す演出でした。


それに対しこの日。

期別コーナーこそあったものの、明確なユニットコーナーもアンダーコーナーもなく2ブロック目がそれらをミックスした形。(もちろん最新アンダー曲センターの寺田蘭世が不参加という事情もあったでしょうが)

現在グループとして進めている各期そして選抜とアンダーの垣根を低くする「融合」。
それを色濃く反映した内容だったと思います。そしてそれ自体は卒業者が相次ぐ中で乃木坂の空気感を守っていくための重要なトライです。

ただ結果としてこの日のセトリは真夏の全国ツアーの延長線上のもの。
福岡公演2DAYSをともに視聴していたこともあり個人的には物足りない印象が残りました。ましてその両日が結成10周年と大園桃子卒コンという特別なライブだっただけに余計に。

…とここまでやや否定的なことを書いてきましたが、それでも私はこの日のライブは大きな意味を持つものであったと考えています。

鍵となるのは冒頭で述べた飛鳥ちゃんの「やっぱすごいかも東京ドーム」。

ここから想像するにやはりメンバーにとっても東京ドームのシンボリックな意義は「ある」。
(もちろん東京での大会場として乃木坂には「聖地」神宮球場があり東京ドームを使う機会が少ないというのも影響しているでしょうが)

であれば5期生加入直前というこのタイミングで現在のメンバーたちがそれを経験しておくことには計り知れない価値があるのではないでしょうか。

彼女たちとって、再び東京ドームに立つというのが特別なことでなくなる。
言い換えれば東京ドームが「悲願」ではなく現状と地続きの「未来」になる。

これ凄く大事なことだと思うんですよね。

すでにいくつもの坂を上った乃木坂。
メンバーの活動歴も年齢層も幅広くなった現状では、初の東京ドームのように全員が同じ熱量で追い求められる目標はもうない。

それでもそれぞれが「前回との差」で自分の成長を感じることができる。

それを今回一番実感したのは3期生たちでしょう。
前回は19th『いつかできるから今日できる』の時ですから、まだ大園桃子と与田祐希しか選抜を経験していないタイミングでした。
4年前は先輩たちに手を引かれてよちよち歩きでその場所に立った彼女たちが、今回は堂々たるグループの主力として帰ってきた。

きっと深い感慨があったことと思います。

そして次は4期生たちが同じように感じるはずです。


その意味で、2021年の東京ドームは未来へとつながるものでした。


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。