前の記事では5期生のお見立て会について書きました。
あらかじめ語られるトラジディー
楽しかった46時間TVのフィナーレ、スペシャルライブ。
その最終盤で行なわれた29thシングルセンター発表。
空虚なキャッチコピーの後に表示された「中西アルノ」の文字。
それはあらかじめ予想された悲劇でした。
既に書いたように、私は『乃木坂工事中』で29thが5期生抜擢単独センターと発表された時点で中西さんであることを確信していました。
そこからずっと耐ショック姿勢を固めてきたので「あ~はいはいそうだろうと思ってましたよ」という感じ(もちろん落胆はしましたが)。
ただ直後の歌披露は、まるで悪い夢を見ているようでした。
サビ前まではほとんど中西さんのソロ歌唱。1番のラストまでほとんど歌いっぱなし。
彼女にだけフォーカスした振り付けとカメラワーク。
それ以外のメンバーでカメラに抜かれるのは齋藤飛鳥と山下美月ぐらい。
与田祐希、遠藤さくら、賀喜遥香ですらほとんど映りません。
「もう決まったことだから仕方がない」と中西さんのセンターを受け入れようと構えていたところにあの一本かぶりの歌割と演出。
そりゃねえだろ
乃木坂は中西アルノのバックダンサーじゃねえぞ
さすがに顔から血の気が引く思いでした。
事前リークを知っていたファンの方で私と同じ感想を抱いた人も多いのではないでしょうか。
この後からの大荒れは29thシングルについての記事で別途扱うとして、46時間TVの記事として書いておきたいことがあります。
それは現在の乃木坂の顔であるメンバーたちの電視台。
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乃木坂を甘く見るな
齋藤飛鳥のタップダンス。
山下美月の殺陣。
賀喜遥香は46時間でメンバー全員のイラスト完成。
遠藤さくらのハウスダンス。
そして与田祐希の『逃げ水』ギター弾き語り。
どれも生披露でした。
表題曲センター経験者。
既にグループ内で確固たる地位を確立し、もはや何かを証明する必要のない彼女たち。
そんな5人が、奇しくも全員「チャレンジングな課題を」「生披露する」ことを選んだその意味。
いや、これはきっと「奇しくも」ではない。
メンバーのコメントからすると46時間TVの準備期間は2~3週間。(発表は1ヶ月前でした)
29thシングル選抜発表は一説によれば1月8日と言われていますから、中西さんの抜擢センターを知ってから電視台で何をやるのか決めたと考えるのが自然でしょう。恐らくはあの一本かぶりの歌割とダンスフォーメーションも知った上で。
そう思うと、彼女たち5人の電視台にはこんなメッセージが込められているように思えてなりません。
乃木坂を甘く見るなよ
その真ん中に立つってのは、そんな簡単なことじゃねえぞ
誰に対して?
中西アルノに。
秋元康に。
今野さんに。
今回の決定に関わった大人たちに。
そしてそこにはきっと、我々ファンに対するメッセージも込められていたのではないでしょうか。
元々は電視台でチャレンジングな課題に挑むメンバーはそれほど多くありません。
前回で言えば生田絵梨花、渡辺みり愛、金川紗耶ぐらいでしょうか。前々回はほぼゼロです。
それなのに今回、センター経験者が揃ってその選択をした。
さらに言えば、乃木坂愛では人後に落ちない久保史緒里が「乃木坂のピアノの文化を終わらせちゃいけない」とピアノの生演奏。(個人的には『羽根の記憶』という選曲にも「継承」の意志を感じました)
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筒井あやめは書道パフォーマンス生披露。
そしてキャプテン秋元真夏も事前収録でしたが一輪車での演技。
つまり『Actually…』のフロントと2列目のほぼ全員が何らかのチャレンジをしていたのです。
(そんな中、副キャプテン梅澤美波が唯一ただの食べロケというのがなんか逆に面白かった笑)
久保ちゃんは「もうちょっと自分を追い込みたい」と譜面の難易度を上げ、飛鳥ちゃんはタップダンス披露後に倒れこみながら「チャレンジするのが乃木坂」と言い放ちました。
私にはそれらが単なる偶然とは思えません。
恐らくメンバーたちも予期していたのではないでしょうか。
今回のセンターとフォーメーションが大きな論争を巻き起こし「乃木坂終わった」というような意見が出ることを。
そしてファンからも「こんなの乃木坂じゃない」という声が(これまでの乃木坂を大切に思うあまりに)上がることも。
だから彼女たちは、乃木坂を愛するファンに向けてこう言いたかったのだと思います。
乃木坂を甘く見るなよ
こんぐらいで終わるわけねえだろ
なんて男前。
そしてもうひとつ、鈴木絢音の電視台。
事前の予告では「狂気的な彼女」というタイトルが明かされていました。
実際に電視台が始まった時に画面に表示された文字は
「真っ白いものを汚したい」。
この時点で思いました。まんま欅じゃん。
欅坂46のファーストアルバム『真っ白なものは汚したくなる』を直接的に想起させるサブタイトル。
控えめな音量でBGM(これも自作)が流れる中、真っ白な服を纏った絢音ちゃんが真っ白な壁と向き合います。
そして無言のままそこに色とりどりのペンキをぶちまけて汚していきます。
ただひたすらに。
ほとんどカメラに背を向けたまま。
美しくて不穏な静けさ、とでも表現すればいいのでしょうか。
鈴木絢音にしか出せない空気でその場が満たされます。
そしてそれは突然に終わりました。
満足したのか、ペンキが尽きたのか。私には「飽きた」ように見えました。
その後にMCのメンバーと会話をしながら「実は…」と真っ白に見えた壁に貼られていたシールをはがしていきます。
そこに現れたのは
Effort Thanks Smile
言わずと知れた、乃木坂の基本精神でした。
ひとりだけにフォーカスした演出が欅坂的、もっと言えば『不協和音』以降の瓦解への道を進み始めた欅坂を思わせる『Actually…』。
その初披露を観た後に私が思い出したのは、絢音ちゃんがこの電視台につけた「真っ白いものを汚したい」というサブタイトルでした。
本人は「真っ白なものを汚してみたかったの~」とケラケラ笑いながら語っていましたが、こちらはどうしても勘ぐってしまいます。
不遇の2期と言われてきた。彼女自身も「実は29thが初めての連続選抜」。
そして抜擢センターとして強烈な反感を買った堀未央奈を同期として友人としてずっと見てきました。
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そこへ今回発表された堀未央奈以来となる、単独での新人抜擢センター。
それに対し鈴木絢音が何も思わないはずがないし、ましてや鋭い言語感覚を持つ彼女が何の考えもなくこの言葉をチョイスしたとはちょっと考えにくい。
もちろん真っ白いもの=乃木坂です。
たとえ表面的にはどんなに汚されたとしても
その下にはちゃんと「努力、感謝、笑顔」がある
乃木坂の10年間の歴史をなめるなよ
私たちは汚されたりなんかしない
鈴木絢音はそう言いたかったのではないでしょうか。
そう考えるとなんだか「狂気的な彼女」も「欅的な彼女」のダブルミーニングな気がしてきました…まあこれはさすがに考えすぎですね笑
◇
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コメント
コメント一覧 (3)
そこで思ったのですが、歌詞に英語の要素がすごく増えているように感じます。これがここ数年の傾向なのか、29thだけが特異点的な扱いなのか、それはどうなんでしょうか?
乃木坂というグループのカラーから見て、英語の歌詞はあまり相応しいものに思えません。日本語の綺麗さや美しさを清楚で謙虚なアイドルが歌い上げる、そこに乃木坂の一つの良さがあったような気がします。
個人的に曲調などは今までも色々なジャンルのものを扱ってきたのでそれほど気にしていません。そもそも制服のマネキンの時代から今の定義での乃木坂らしくない要素はあったので。
海外を見据えるにしても、英語歌詞にした程度で通用する程甘い訳もありませんし、そもそも今の日本の売れ筋アーティストやアイドルでも英語歌詞はそんなに見られません。
では一体乃木坂運営は何処を、何を見据えているのでしょうか?
SoL
がしました
>>空虚なキャッチコピー
「10年目の挑戦」に対して「今までの乃木坂と違う」は自然な感想ですが現代人は堪え性がないというか。「かつてない歌声」に怒ってる人もいましたがそれは「これまでのメンバーより上」という意味ではないかと。日本語を理解できない現代人も増えていますね。
>>まるで悪い夢
初披露時このトリップ感は刺激的でした。各歌番組でカット割も変わってメンバー個別の動きに目がいくようになれば「欅っぽい」「アルノとそれ以外」なんて表現がどれだけ陳腐で表層的な感想であるか伝わったことでしょう。
>>既にグループ内で確固たる地位を確立
そうなんですよね。すでに27th→28thでフロント5人が固定。安定と停滞は紙一重。今回は与田、遠藤、賀喜を2列目にできました。その5人がチャレンジを決意した理由がもしも仰る通りならばまさに運営の期待通りでしょう。安定に対して刺激を与えることができました。
>>誰に対して?中西アルノに。秋元康に。今野さんに。今回の決定に関わった大人たちに。
メンバーが今更個人を嫌うなんてあり得ないんですよね。必死にダンスを覚えて初披露をやりきった後輩の姿を見て「この子を守ろう」とより強く思ったことでしょう。それがまさかファンを名乗る暴漢に活動自粛まで追い込まれることになろうとは。メンバーの受けたショックは計り知れません。
>>乃木坂を甘く見るなよ
マネキン、ガルル、命、インフル。乃木坂らしくない楽曲ほどライブの鉄板曲となった歴史が証明しています。今回の「Actually…」もキラーチューンに進化させられるのが乃木坂なんですよね。
今回も冷静な分析と溢れる愛を堪能できました!次回更新も楽しみにしています!やっぱ乃木坂だな!
SoL
がしました
平手欅を彷彿させるようなメンバーのバックダンサー化(これは乃木坂ファンへの明らかな挑発であり、炎上話題作りのためにわざとやっているのは間違いない)。
新人の抜擢センターはいつものことですが、お披露目さえしていないのにセンターに抜擢(これも「過去最速」みたいな話題作り)
「かつてない歌声」と歌声で魅了した直前に卒業した生田への挑戦とも取れるこれまたヲタの炎上を狙ったメッセージ。すべてとにかくやることが幼稚。
だいたい炎上する話題を作ってファンを怒らせたところで乃木坂の運営にとって一体何のプラスがあるのか。
仮に話題になっていたとして、新規ファンが増えるのだろうか。増えるわけがない。おそらく平手欅のサイレントマジョリティーの二匹目のドジョウ狙いなのだろう。
秋元康と乃木坂運営にはそれ以外の方法が考えつかないのだろう、としか思えないワンパターン。
そして「最速の抜擢によるセンター」ということにこだわったことが大規模な炎上を招いたと言ってよい。
これまでのように新人センターをある程度時間をおいてから抜擢しておけば、様々な角度から掘り起こしも終わっており今回のようなことになっていなかっただろう。
そして、標的になった二人もここまで深く傷つくようなこともなかったはずである。この二人は過去様々な炎上があった中でも最悪とも言えるような中身(ほぼ人格否定)で誹謗中傷されている。
そして、ファンが追い詰めたというような責任逃れを運営が必死になってするだろうが、完全な責任逃れの言い訳である。
作られた炎上、話題作りの犠牲者である。
面白半分にどうやったら炎上するのかを考え実行した運営及び秋元康の責任は大変大きいと思っています。
一体何様のつもりなんだ、と怒りを禁じえません。
SoL
がしました