
ここまでの記事ではDAY1/2それぞれの印象に残ったシーンを纏めました。
当記事では2日間を通じての雑感を書きます。
グループの力、卒業生の輝き
まず最初に、正直個人的に今回は埋まらないと予想していました。
もちろんその最大の理由はコロナの影響。ただ中西アルノと岡本姫奈の一連の騒動を嫌気するファンも一定数いるのではないかと。
しかし実際にはステージバック席の解放こそなかったものの、日産スタジアムの上の方まで見事に埋まって7万人×2日間の延べ14万人。
デビューから10年以上経ってこれだけの観客動員力を維持しているというのは本当にもの凄いことだと思います。
卒業生の出演も良かった。
これまで基本的に卒業生を登場させないできた乃木坂運営。
(近年での例外は2019年桜井玲香卒コンの最後の最後で花束を渡しに出てきた若月佑美、そして2021年松村沙友理卒コンでのさゆりんご軍団ライブで中田花奈、伊藤かりん、佐々木琴子が出演したぐらいでしょうか)
今回の卒業生登場は会場のボルテージをMAXに引き上げ、祝祭感を醸し出しまくりました。
そして何より「ちゃんとみんなスター」なのが凄く良かった。
こういうレジェンド登場系の企画って、やっぱり「変わってしまって」いてガッカリすることがあるじゃないですか。
もちろん今回出演したメンバーは卒業からまだ数年ですので「老い」の心配をしていたわけではありません。それでも「(現役時とはメイクや髪色を替えたので)ケバくなった」とか言い出すオタがいるのってあるあるだと思うんですよ。
でも、全然そんなことなかった。
「まだまだ現役でいける」というのともちょっと違う、「現役メンバーとは違う輝きを放っている」という印象。
「アイドル」ではなく「めちゃめちゃ色白で細くて綺麗なお姉さんたち」。発光してんじゃない?ってぐらい。
グループを立ち上げからここまで大きくして、ひとつの時代を築いて、身を引いた。
そして今とびきり素敵な女性としてステージに立っている。
それはなんだかとても美しいことでした。
コール問題についても軽く触れておきます。
気持ちは凄いわかるけど、まいやんの煽りに雄叫びが上がった瞬間は正直「そうだよな~ここまで2年以上、辛かったよな~わかるよ~」と思ってちょっとウルっときましたけど。
コールしたのは非常によろしくない。
影ナレで「一瞬思わず声が漏れてしまう」のはOK、「自ら意図して継続的に声を出す(=コール)」はNGと明確な線が引かれていましたからね。まあ雄叫び(=レスポンス)は極めて黒寄りのグレーかもしれませんが。
その線引きが実際の感染防止にどれほど有効かはさておき、せっかくここまで我慢してきたんだし。批判の矛先は結局、運営やメンバーに向くわけですから。
もう少しの辛抱、と信じたいですね。
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背負うふたり
遠藤さくらと久保史緒里。
今回のライブではこのふたりにかかる負担の大きさが気になりました。
もうこのところずっと、もしかしたら26th『僕は僕を好きになる』の選抜発表あたりからその状態なんですけどね。
遠藤さくらが背負わされたのは、卒業生の影。
かつて西野七瀬に「乃木坂感めっちゃある」と言われた時からそれは始まっていましたが、今回のバスラは特に顕著でした。
DAY1の中盤、ひとりで登場したさくちゃん。
床スクリーンの映像に合わせて舞う、西野七瀬が2017年東京ドームでやったのと同じ演出から『命は美しい』。
そしてDAY2。
前日にオリジン生駒里奈が披露したその残像が残る中での『制服のマネキン』。
合間のVでは彼女の「先輩のポジションに入るプレッシャーって本当に凄くて」という発言がフィーチャーされていたにもかかわらず、です。
逆境でこそ光り輝く遠藤さくら。事実『命』も『マネキン』も素晴らしかった。
それでも私はいたたまれない気持ちで観ていました。
西野七瀬だけでなく生駒里奈まで背負わせるのか。
それはあまりに酷ではないか。
もちろん運営も彼女の負担は考慮しているので今回は岩本蓮加や筒井あやめをセンターに起用したのだと思います。5期生の中からもエース格に成長し過去表題曲のセンターを務めるメンバーが現れるのも間違いないでしょう。
それまでの間は露骨な「背負わせる」演出を控えめにして、さくちゃんに負担をかけ過ぎないようにしてほしいです。
そして久保史緒里。
彼女の場合は「背負ってしまいすぎ」のような気もしますが。
困った時の久保史緒里という感じで、歌でもトークでもことあるごとに登場し毎回頑張っちゃう久保ちゃん。個人としてモデルもラジオも演技仕事もあります。
既に生田絵梨花という巨人の抜けた跡を少しでも埋めようと奮闘してくれている彼女。
「乃木坂のピアノ文化を絶やしちゃいけない」と46時間TVでの弾き語りチャレンジもありました。
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そして今回、久保ちゃんは『日常』のセンターを務めました。
賛否でいえば恐らく「賛」の方が圧倒的に多いと思います。2019年11月の「3・4期生ライブ」も同曲のセンターでした。
でも個人的にはこれは正直違うかなと。
もちろん北野日奈子との関係性もありますし、そもそもこの曲のオリメンです。そして何より彼女自身にとっても「復活」の特別な曲であることは重々承知しています。
でも思うんです。だからこそ自分のオリジナルポジションで歌ってもよかったんじゃないでしょうか。
既に乃木坂のために獅子奮迅の働きをしている久保史緒里。
本当に余計なお世話以外の何物でもありませんが「この上さらに北野日奈子の想いまで背負わなくてもいいんだよ」と思ってしまったんです。
うまく伝わるかわかりませんが、久保ちゃんの思いが「乃木坂を守る」ことに向きすぎなければいいな、と。
彼女の乃木坂愛は本当に嬉しいしずっとグループにいてほしい。それが大前提です。
ですが舞台『夜は短し歩けよ乙女』で見せたもの凄いポテンシャルを、乃木坂を守るため「だけ」に使ってはいけない。久保ちゃん自身のためにも使ってほしい。
そう思うんです。
ましてや他メンバーのファンから「あいつ出過ぎ」みたいな目で見られるようなことは、決してあってはならないと思います。(これはさくちゃんも同じですね)
続きます。
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