「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」の第3弾は10~20万円のゾーンです。昨年までは10~30万円でひとくくりだったのですが、毎年このゾーンに取り上げたい時計が多いので今年から分けてみました。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。
価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。
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10~20万円部門

カーキ アビエーション パイロット パイオニア/ハミルトン
Ref. H76205530
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38mm
リーズナブルな価格と取扱店舗の多さから、輸入時計の入門編として親しまれているハミルトン。
アメリカの腕時計メーカーといえばまずここが挙がるのですが、現在はスウォッチグループ傘下で「SWISS MADE」ですね。
こちらは「カーキ アビエーション パイロット パイオニア」シリーズ。すなわちミリタリーパイロットウォッチにカテゴライズされるモデルです。
非常にクラシカルな印象を与えるデザインですが、公式サイトではこう説明されています。
「その独特なデザインは、ハミルトンのアビエーションとミリタリーの歴史へのトリビュートです」
「トリビュート」と言っていますが、まあ要するに復刻デザインではないということですね。
ただこれ、かっこいいか悪いかでいえば圧倒的にかっこいい。
インスパイア元はモデル23という縦目クロノグラフの軍用懐中時計。
そのオリジナルに由来する意匠はコブラ針やタマネギ型のビッグクラウン(リューズ)、そしてダイヤル外周のレイルウェイトラック。
付け足された要素がカウントダウンベゼル、荒らした文字盤、退色ベージュの針とインデックス。
インスパイア元はあるものの「そこに色々とクラシカルでかっちょいい要素を加えてみました」というデザイン。
80時間というロングパワーリザーブのH-10ムーブメントに10気圧防水、サファイヤクリスタル風防と実用性も十二分です。
定価:125,400円(税込、以下同じ)
実勢価格:125,400円(楽天市場調べ、以下同じ)
ハミルトンは並行品が安く買える印象があったのですが、記事作成時点ではすべて定価でした。また売り切れの店舗も多かったですね。
バリエーションはこれ1種類なのですが、同コンセプトで横幅43mmのモデルも出ています。
基本は一緒なのですが、面白いことに43mm版は6時位置にスモールセコンド(秒針)のあるさらにクラシカルな意匠。
そして秒針の位置が違う=ムーブメントも別ということでこちらはETA製の手巻きキャリバー6498-1を搭載。パワーリザーブは50時間となっています。
ブロンズケースのバリエーションもあり、定価はノーマルが159,500円でブロンズは192,500円です。
まあ正直デザインとしてはスモセコありの方がいいですね。ただ38mmというサイズ、自動巻きでパワーリザーブも長いこと、さらに34,000円の価格差を考えるとベストバイはH76205530でしょう。
ブラック回転ベゼル+アラビアインデックスの3針というデザインは個人的に好きなのですが、結構珍しいです。
パッと思い出せるのはSinn「104」のアラビアインデックスモデルやタグ・ホイヤー「オータヴィア」あたり。
それにコブラ針まで加わったこのモデルはかなり貴重だと思います。
様々なバリエーションを展開するハミルトンの遊び心というか自由さ。
アーカイブデザインの復刻にこだわりすぎなかったことで「こんなのあったらいいな」というデザインに仕上がっています。
個人的には文字盤は荒らさずに普通にマットな仕上げが好みです。あとは38mmで80時間パワーリザーブのままでスモセコであれば最高ですが、そういうムーブメントがなさそうなのでまあ無理でしょう笑
この時計は忠実な復刻でないところがむしろ個性になっていますが、比較対象は数多あるその「忠実な」時計たち。
ハミルトンでいえば1970年代に英国空軍に採用されたモデルの復刻デザインH76419531なんていう選択肢もあります。
人気の高い「ダーティダース」系デザイン(簡単に言うとIWC「マーク」シリーズのデザインです)の時計なんてクオーツまで含めれば本当に山ほどありますね。
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