タオル補正
2022年11月4日、公式ブログで齋藤飛鳥さんが卒業を発表しました。

もう何度目かはわかりませんが、それでもやはり「来るべき時が来た」と思いました。

まずはその足跡を振り返ります。

2011-2014


1998年8月生まれの1期生最年少。同学年は和田まあや。

当初の印象は「幼女」。

川後陽菜につけられたあだ名が「ロリ手羽先」でしたが、まさにそんな感じ。
応援するのもはばかれるぐらい幼かったので、個人的には正直まったく興味がありませんでした笑

そんな中でも強く記憶に残っているのが2012年9月に行なわれた最初の『16人のプリンシパル』。

私が行った日の投票で彼女は5位と大健闘したのですが、その時の自己PRが秀逸でした。

細かい言い回しは憶えていませんが「私は一番小顔で一番若くて未来しかない!」みたいな内容を、お姉さん組への若干の毒を交えながら満面の笑みで語っていました笑

当時「中学2年生があんな台本思いつくはずがない!背後に優秀なブレーンがいるに違いない!」と驚愕したのを憶えています。

まあ後に飛鳥の得意技となる「笑顔で毒舌」の原型ですから、本人発信だったんでしょう。

あとはその少し後ぐらいに『乃木坂って、どこ?』のハロウィン仮装企画では幼稚園児のコスプレ。「セクシーな一言」というお題に対して「たまごボーロ」も強烈でしたね。

私が次に彼女の存在を強く意識したのは約2年後、アンダーライブ2ndシーズンでのこと。

既に1stシーズンで会場人気が爆発しており彼女の覚醒はアンダーファンの間では周知の事実だったようですが、個人的に飛鳥の評価が爆発的に上がったのはここでした。

10thアンダー曲『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』でセンター井上小百合の両サイドを伊藤万理華と共に固めた飛鳥。
お顔も声も可愛くて、しかも踊れるこの3人のフロントは超強力。

しかし。
ご存知の方も多いでしょうが、アンダラ2ndシーズンは想像を遥かに超える過酷な日々でした。

(この伝説の日々を題材にした小説をnoteで公開しています。
有料記事ですが全14話中の第4話までは無料で読めますので、よろしければこちらもどうぞ)


15日18公演という超ハードスケジュールに離脱者が続出。
ついにセンター井上小百合までが故障で欠場を発表。
それと時を同じくして件のスキャンダルが報道されます。

当時高校1年生だった彼女にとって、あの壮絶な毎日は到底受け止め切れるものではなかったでしょう。

2ndシーズンの期間中や有明でのファイナルが発表された全国握手会、そしてその有明でのアンコール。顔を真っ赤にしてぐちゃぐちゃに泣き崩れる彼女の姿を何度も見ました

まだ幼さを残したその顔で、それでもグループを守りたいと懸命に足掻く姿は心を打つものでした。

ちなみにかの有名な「どうせお前らクリスマス過ごす相手いねえだろ?」(文字にすると激辛ですが最高に愛らしい敬礼ポーズつきです)が発せられたのは、2ndシーズンのゴール地点であるこの年末の有明コロシアムでのことです。

そういえば(凄く蛇足なのですが)2ndシーズン直前の全国握手会で「井上小百合×齋藤飛鳥×中元日芽香」というアンダラ推し垂涎の超絶レーンが組まれ、西野七瀬や白石麻衣に匹敵するほどの並びになったこともありました。



2015-2022


続く11thシングルで選抜入り。

ちなみにアイドルらしい前髪ぱっつんだった髪型をいわゆる「今野分け」に変えたのもこのタイミングでした。
結果的に…いや今野さんの思惑通りに笑、そのビジュアルが急速に完成されつつあることがファンの目にも明らかになります。

そこからはまさに「ライジングスター」。一気に階段を上っていきます。

『羽根の記憶』MVで鮮烈な美しさを放ち、まさに「未来がここにある」と観る者に思わせ。
同時期の『乃木坂工事中』で「ラジオ体操をしたことがない」ということで音だけを頼りに面白可愛い体操をしてみたり。

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そして彼女の人気を決定的にしたのが2016年2月、同番組の2期生バレンタイン企画

2期生から1期生にバレンタインのプレゼントを贈るのですが、まずは「この子からはもらえるんじゃないか」と思っている1期生が立候補しなければならないという鬼のフォーマット。

そこで主役になったのが飛鳥でした。

開始早々に北野日奈子と伊藤純奈に連続で振られ、涙。
「ちょっと休憩します」と引き下がるも番組後半で相楽伊織に再度挑戦。
しかしここでもあえなく玉砕し「もういいよ」と言い残してまた涙。

その哀愁漂う姿と可愛い泣き顔に多くのファンが心を鷲掴みにされ、大反響を呼びました。

さらに2016年4月『乃木坂工事中』での「齋藤飛鳥・独り立ち計画 初めての○○」。
要するに飛鳥ちゃんのひとりでできるもん企画。「朝ご飯をお母さんに食べさせてもらっている」という衝撃のカミングアウトもありました。

完全に彼女ひとりをフィーチャーしたこの日の放送を観ながら私は「ああこれもうフルスイングで飛鳥ちゃん売り出すのね、うんうんそれ凄くいいと思うよ」と思っていました笑

そして迎えた2016年7月に発売された15thシングル『裸足でSummer』。

満を持して。全箱推し待望の。
齋藤飛鳥、初センター。

そしてそれは紛れもなく、1期2期の世界におけるラストピースがはまった瞬間でもありました。

選抜発表の『乃木坂工事中』では「今いい調子で乃木坂来てるのに私のせいで売れなくなっちゃう」とベソベソ泣いていました。(実際には前作に比べ売り上げは伸びた)

しかしMVでは頭に羽根飾りをつけ土色の海で踊る彼女はまたも我々に鮮烈な美しさを見せつけます。

その年の真夏の全国ツアーでは高校3年生、弱冠18歳にして座長。

ファイナルは4thバスラも兼ねて全曲披露を行なった神宮球場3DAYS。
3日目本編ラスト、乃木坂ライブの名場面と言えば誰もが思い出すあの「じんぐ~う!」です。

こうして2016年の夏は終わり、「最年少愛でられキャラ」だった彼女はいつしか押しも押されもせぬ「乃木坂の主要メンバー」になっていました。

自分を「嫁」と呼んで慕った飛鳥の独り立ちを見届けて安心したかのように、橋本奈々未が卒業を発表したのはこの年の10月のことでした。

そのななみんの卒業シングル、16th『サヨナラの意味』こそ2列目中央に下がりますが、次作『インフルエンサー』以降はすべてフロント。

翌2017年は既に先輩の風格を漂わせはじめ、客前での『逃げ水』初披露となる「お台場みんなの夢大陸」時にはもう与田祐希の首を絞めていました。

同年の舞台『あさひなぐ』でも主演。
18thシングル『いつかできるから今日できる』では映画版主人公を演じた西野七瀬とのWセンター。

2018年の21st『ジコチューで行こう!』そして2019年の23rd『Sing Out!』では単独センター。
西野七瀬卒業シングルである22nd『帰り道は遠回りしたくなる』の前後でセンターを任されたのですから、どこからどう見ても「託された」形です。

なーちゃんの卒業と時を同じくして白石麻衣と生田絵梨花のふたりはどこか一線から退いた「別格」扱いになり、それ以外の1期生福神常連組も自身のゴールを見据えた活動という印象が強くなります。

そんな中で飛鳥はグループの顔としてライブでも常に獅子奮迅の活躍を見せ、CMにも皆勤賞。

そして遠藤さくら、山下美月、賀喜遥香、中西アルノと新センターを支え続けました。

まさに最後の最後まで最前線に立ち続けた飛鳥。

 尊敬に値する

そんな平凡な言葉しか思いつきませんが、本当に見事な11年間でした。


続きます。

note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

『アンダラ伝説』¥300
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

マガジン「2019年の乃木坂46」¥200
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。