タオル補正
2024年2月19日、『乃木坂工事中』内で35thシングルの選抜メンバーが発表されました。

2度やることじゃないのでは。

というのが、私の偽らざる気持ちです。

『保護色』と同じ


今作のセンターはこのシングルをもって卒業する山下美月。
彼女の貢献度を考えれば卒業センターは極めて妥当。

しかし物議を醸したのが「3期生全員選抜」だったこと

同じような状況だったのが白石麻衣の卒業シングルであり、ちょうど10枚前になる25th『しあわせの保護色』。
この時は1期生全員選抜かつ全員福神。つまりフロントと2列目が全員1期生だったわけです。

これも賛否両論でした。
個人的には当時からポジティブに評価していましたし、今でもそれは変わりません。

そんな私でも今回のこれは素直に肯定できないですね。

「1期生と3期生を同じ扱いするのは違うのでは」とか「当時の1期はその多くが選抜固定メンだった」とか「これやるつもりならここ数作の思い出選抜枠を3期に使ったのはどうなのか」とかいろいろ思うところはあるのですが。

最大の理由は『保護色』期間には、どうしても「停滞」というイメージがつきまとうことです。

エンタテインメントの灯が消えてしまった2020年。
全部コロナのせいなのも、業界全体(というか世界中)が同じだったこともわかってます。
大大大功労者である白石麻衣の卒業シングルに対して使う言葉ではないのもわかっています。

それでもやっぱりあの時期は前に進んでいる感覚がありませんでした。

ちょうどコロナ禍が始まったまさにそのタイミングだった8thバスラでの初披露、そして1ヶ月後に発売。

そこから次作『僕は僕を好きになる』までに空いた期間は実に10ヶ月。
恐らく既定路線であったろう山下美月の、3期生初の単独センターは翌年に持ち越され、2020年は表面的には「白石麻衣が卒業しただけの年」になってしまいました。
(あくまでも「表面的には」です。実際は多くの種がまかれた年でした)

そしてあそこまで「お疲れさま、1期生」な感じを出してしまうと他に使い道がないのでしょう、白石麻衣卒業後のライブではほとんど披露されていません。
…と書いていたら先日の12thバスラDAY3のラストで披露されたようなのですが笑

あの時期の停滞感、そして楽曲としての使い勝手の悪さ。

そんなネガティブなイメージが残ってしまっている『保護色』と重なる采配を、わざわざやる必要はなかったんじゃないでしょうか。

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最大限の敬意


まあでも、運営はそういった声が上がるのも承知で3期全員選抜を選択したのでしょう。

たびたび感じることですが、運営は3期が好き。
そして、申し訳なさのようなものも感じているのではないでしょうか。

それはなんか、わかる気がするんです。部外者ではありますが笑

「期別売り」の第1世代そして「トップアイドルとしての乃木坂」に初めて加入してきた世代でもあります。

スタッフでさえ手探りだったであろうあの頃。
期別売りに対する反感(リソースを割かれる)も、今では想像もできないほど強かった。
それでも必死にくらいつき、新たな風を吹き込み、新規のファンを連れてきた彼女たち

乃木坂をミリオンセラーへ、ドームへと押し上げたラストピース。
さらに1期生の去った世界で乃木坂を体現するブリッジとなりました。

乃木坂という「優しい世界」を引き継ぎ、未来へとつなぐ。
加入してまだ2年の5期生たちでさえそう公言するほど、グループのカルチャーとして根付いた「継続の意志」

それを形作ったのも3期生です。

そんな乃木坂にとって非常に大切な役割を果たした彼女たち。
なのに「3期生の時代」は、なかった。

いや、これは語弊がありますね。
今後「4期生の時代」も「5期生の時代」も訪れないでしょう。
そもそもそんな「ひとつの期がすべてを背負う」状況を生まないように、計画的に「のりしろのある」世代交代を進めているのですから。

それでもいまだに梅澤美波が「3期生はみんな自信がない」と語るほど自分たちを認められない彼女たちに対し、運営はどこか申し訳なさのようなものを感じている。

だからこそ最大限の敬意を込めて「白石麻衣卒業時と同じ布陣」という判断をしたのではないでしょうか。

『保護色』選抜発表時の記事に書いた言葉を、改めてここで記しておきます。

 今回不満に思っておられるファンの方もいつか自分の推しが卒業する時に気づくだろう。

 時に情に流される判断をする、そんな運営でよかったと


続きます。


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