
それは予想外の嬉しいニュースでした。
突如発表された5期生版『セラミュ』。
2024年4月、IMM THEATERにおけるTeamSTAR公演を2回観劇してきましたのでレポします。
大英断
乃木坂46「5期生」版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』。
2018年と2019年に上演されたものの再演。
まず何より、5期生に『セラミュ』を演じさせたという英断に拍手を送りたいです。
そもそも5期生は11人。セーラー戦士5人のダブルキャスト自体が不可能でした。
しかし。
経緯や内情は存じ上げませんが、発表の時系列から推測するに奥田いろはが『ロミオ&ジュリエット』のオーディションに合格した(素晴らしい偉業!)のが最初なのでしょう。
そこで「いろはが離脱する期間があるのか…え、ってことはセーラー戦士5人をダブルキャストで5期生版『セラミュ』できるじゃん!」と思いついた誰か、そしてゴーを出した誰かの超ファインプレー、大英断。
そこからキャストとスタッフと会場のスケジュールを押さえ開催にこぎつけた運営の苦労も相当なものだったでしょう。
そして何より新参者とスタ誕ライブと年末進行とアンダラとバスラと美月卒コンに冠番組まである5期生たちの頑張りは本当に想像を絶するものだったと思います。
全体の振り返りは次の記事に譲るとして、ここではTeamSTAR、5人の演技についての個人的な感想を。
川﨑桜:セーラーヴィーナス/愛野美奈子
さくたんはさくたんでした笑
ただかつての西野七瀬も「何を演じても西野七瀬」でしたしそれこそ木村拓哉さんもそう言われるので、逆に演者として武器になるかもしれません。
それにしても相変わらず抜群に華があります。「美の化身」にふさわしい。
『超・乃木坂スター誕生!』のコント「千葉魂」で「クイーンって、呼んでくれぇ~泣」のさくたんがクイーン・セレニティの前で「クイーン!」と跪いているのはなんか面白かった笑
冨里奈央:セーラージュピター/木野まこと
初登場シーンの最初の台詞「危ないよ、気をつけな」で野太い声を出して客席をどよめかせます。
この発声一発で自分の演じる、演じたい木野まこと像を観る者に伝えたのはお見事。
自身のトレードマークである満面の笑みは封印して、凛々しい表情のまま頬と口元を緩める笑い方をしていたのも印象的でした。
一ノ瀬美空:セーラーマーズ/火野レイ
ずっと真顔。そして素晴らしく綺麗な立ち姿。
高い集中力で火野レイとしての自分をキープしているのが好感持てました。
いわゆる憑依型っぽく、俳優としての可能性を感じます。
普段は笑顔の印象が強く「可愛い系」に見える彼女ですが、実に整った顔立ちなのも良くわかりました。
中西アルノ:セーラーマーキュリー/水野亜美
さすがの歌唱力。特に複数人で歌う際に周りと合わせる能力が非常に高い。
逆に演技にはやや迷いがあったように見えました。水野亜美というキャラクターの要素のうちどこか(例えば「理知的」とか)をもっと前に出した方が観客に伝わりやすかった気が。
菅原咲月:セーラームーン/月野うさぎ
素晴らしかったですね。
菅原咲月であり、同時に月野うさぎ。
先達・井上小百合は演じる際に自分とその役柄の共通点を見出し「だからこの役は私!」というアプローチをするそうですが、それと同じものを感じました。
『超・乃木坂スター誕生!』の「さつまいろ鎌倉ロケ」で見せたような「楽しそうに笑って踊ってお調子者」な姿が覚醒前のうさぎちゃんと大いに重なります。
だからこそその後の演技に、自分の運命に翻弄されながらもそれに立ち向かう姿に説得力があるのです。
「おっちょこちょいの女子中学生」が「世界を救うスーパーヒーロー」になるという振り幅MAXでありながら、そのどちらも紛れもなくひとりの女の子であると観客に思わせる説得力。
彼女自身はブログでそれを「嘘がない」と表現していましたが、奇しくも月野うさぎを演じた時の井上小百合も同じ言葉を使っていました。
そしてやや蛇足になりますが舞台上で月野うさぎでない瞬間がないのも凄い。
なおなおやみっくもそれは同じなのですが、さっちゃんは自分にスポットライトが当たっていない時の演技が実に細やかで質量ともに図抜けていました。(他のキャストはそれをやらない演技指導が出ていたのかもしれませんが)
間違いなく彼女には演技の才能があると思います。
続きます。
『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。
「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。
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『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。
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伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
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