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前の記事では掛橋沙耶香の乃木坂人生を振り返りました

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当記事では卒業セレモニーについて。

「まだまだアイドルやれちゃうな」


『大切なご報告』と題したそのブログで語られたのは、加入からちょうど6年となる2024年8月19日で卒業すること、そしてその日に公式Youtubeで「掛橋沙耶香 卒業セレモニー」が公開されることでした。

ブログの挨拶だけでそのまま卒業することもできたはず。
大きな怪我を負った顔について大衆の目-その一部には好奇の目も含まれるでしょう-に晒すことの怖さもあったに違いありません。

それでも掛橋沙耶香はファンの前にその姿を現してくれました

「勘がいい子」だからファンの気持ちを汲んでくれた。
「さよなら」と「ありがとう」を言う機会をくれた。私にはそう思えます。

そして卒業の日。

オープニングはオルゴールの『乃木坂の詩』。
4期生の輪が広がり、中央にいた彼女が振り返ります。

髪が長くなりおでこも出してめちゃめちゃ痩せて(実は「かなり追いこんだダイエットをした」らしい)、何よりすっかり大人の女性になった掛ちゃん。

 乃木坂46、4期生の掛橋沙耶香です。
 本日をもちまして、乃木坂46を卒業します。

ずっと見たかった彼女が、ずっと言わずにいてほしかった言葉を口にしている

感情の整理がつかないまま流れ出す『4番目の光』。
そこから続く4期生楽曲の数々。どの曲もWセンターのような演出が加えられています。

そして掛ちゃんだけでなく、登場してくる4期生全員がすっかり綺麗な大人のお姉さんになっていたことに気づかされます。

そのなんと切ないことか。
当時あんなに「完成度が高い」と思っていた筒井あやめが、本当はまだあどけなかったんだ。そう思うと痛切に時の流れを感じます。

正直この日の全てが印象深かったのですが、ここではMCについて触れます。

かきさくあやめんまゆたん掛ちゃんというメンバーでのMCで「この5人、何の5人かわかってますか?」。(正解は『I see…』のフロント)

私はこの並びを見て「強いなあ」と思いました

4期生が最も勢いがあった頃。
一部の期推しのファンが「この期だけでデビューしても売れた」とか言い出すは毎回のお約束ですが、4期生が最もそう感じさせたあの頃。
しかし悲しいかな、それはコロナ禍の真っ只中でした。

いわゆる新4期の5人とのMC。
思い出を語る佐藤璃果を「泣く?」といじったり。
黒見明香に「彼女っぽく見える自撮り」をディレクションしたという裏話が出たり。
好きな寿司ネタは「イカ」だと発表したり。

なんだか相変わらず掴みどころがなくてちょっと悪ガキな掛橋沙耶香

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最後に、ドレスに着替えた彼女は我々にこう語りました。

「まだまだアイドルやれちゃうな」「そう感じたことが本望だと思って卒業を決めました」

この言葉の解釈は難しいのですが。

私が思うに
「憧れだけで岡山から上京してきた自分が、4年間ひたすら目の前のことに精一杯だった自分が、2年もブランクがあってもこの場所ならまだまだアイドルがやれるとまで思えるようになった=ちゃんとアイドルになれていたことに気づいた」。

だから「本望」。

別にアイドルを極めたとかやり切ったとは違う意味で、自分はちゃんとアイドルだったと確信できた。

だから「さよなら」。

正直、「そんな悲しいこと言わないでくれよ」と思いました。

でも、あんな事故があって乃木坂に恨みや怒りを抱いていてもおかしくない彼女が「一点の曇りもなく晴れやかな気持ちで卒業を迎えられています」と言ってくれるのだから。

我々ファンにできるのは「さよなら」と「ありがとう」を伝えながら見送ることだけです。

 ひとつだけわがままを言うのであれば
 私がいなくなってからもこの曲を歌い継いでほしい

もちろん『図書室の君へ』。
彼女の後ろに駆け出してくる「4期生制服の」メンバーたち。

 ああ、俺が好きだった4期生だ

反射的にそう思いました。

本当は口が裂けても過去形になんかしたくない。

でもやっぱり、時は流れた
あの頃とは何もかも違ってしまったのは事実です。北川悠理も早川聖来も清宮レイもいません。

それでもなお、確かに変わらないものもある
4期生の「グループとしての強さ」。
そして穏やかで控えめでしなやかな、彼女たちならではの「乃木坂感」。
今ではそこに強さが加わっているけれど、それでもどこか揺らぎがある。

4期生だけの活動が減り見えにくくなってはいたけれど、彼女たちは今も変わらず4期生ならではの魅力を持ち続けている。

過ぎ去ったものへの悲しみと、大切なものがまだそこにある幸せ

その両方を感じられる素敵な卒業セレモニーでした。


続きます。

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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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