タオル補正
前の記事では加入から21stシングルでの初選抜、そして同作に収録された最初で最後のセンター曲『空扉』までを振り返りました。

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きっと梅ちゃんは覚悟を決めた


続く22nd『帰り道は遠回りしたくなる』。

ここでも3期生の勢いは止まらず、フロント6人のうち3人を占めます。
山下美月、与田祐希の3期2強とともにそこに立ったのが梅澤美波でした。

前作21stでの梅ちゃんの握手完売速度は最速タイ。ただし舞台出演のためMAX30部設定のところ20部でした。
その彼女が既に免除されている秋元衛藤桜井若月松村といった面々を差し置いてフロントに立つ。しかもひとつの時代の終わりを示す、西野七瀬卒業シングルで。

これもまた、先輩メンバーのファンから反感を買いかねない采配でした。

もちろん反感を恐れていたら前に進めません。運営としてはむしろ「ひとつの時代の終わり」だからこそ3期生をフロントに置きたかったのでしょう。
そしてもうひとつ、本来ここは久保史緒里のためのポジションだったように思います。
ですが久保ちゃんは21stで活動休止し、22ndでは復帰したもののアンダーからのスタートとなっていました。(そしてここで『日常』のオリメンになるという得難い経験をするのです)

いずれにせよ、表面的には梅ちゃんに対する優遇が続いているように見えました。

年が明けて、2019年2月の7thバスラ。
ここで彼女に対するアンチの攻撃は頂点に達します

まだ全曲披露であったこの年。

原則として楽曲のオリジナルメンバーはオリジナルポジションに立ち、卒業生-DAY4のみフル出演だった西野七瀬を含む-のポジションは後輩、特に3期生が埋めていました。

そして梅澤美波が務めたのは、橋本奈々未の代役でした

あまりにも潔い芸能界引退により伝説化し、ある意味アンタッチャブルな存在だったななみん。
ましてその伝説の卒コンからたったの2年。その残像が多くのファンの脳裏にまだ色濃く残っている状態でした。

正直、反感を買うのも無理はなかった。

しかし、この時会場にいた私は違う感想を抱いていました。

当時の記事でこんなことを書いています。

 橋本奈々未の代わりというプレッシャーはいかばかりであったか。
 まして『急斜面』では御三家、『孤独な青空』ではセンターとしてのパフォーマンス。

 だが梅澤は『急斜面』でその瞳を潤ませながらも強く前を見つめていた。

 きっと彼女は覚悟を決めたのだ。

 自分が決して橋本の代わりにはなれないことも、それを快く思わないファンが一定数いることもすべて理解したうえで、それでもそこに立つことを

 実際にこの日のライブ後、彼女の起用に対する否定的なコメントがネット上に見られたという。だがその多くは現場にいなかった者の声だったとも言われる。

 その場にいた者にはちゃんと伝わっていた
 その姿の気高さが

(『2019年の乃木坂46』収録 「【ライブレポ】あなた達になら任せられる~2019.02.22 7th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY2@京セラドーム大阪」)


卒業した先輩のポジションを埋めた梅ちゃんをはじめとする3期生たち。
身体を震わせ目を潤ませながらもその場所に立つ彼女たちの姿は心を揺さぶるものでした。

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この時期に梅ちゃんに向けられた反感が和らいでいくのにはそれなりの時間がかかったように思います。

個人的に良かったと思うのは「アンチと戦わなかった」こと。

自身が大の乃木坂ファンだった彼女には「1期2期の世界こそ至高」と考える一部ファンの気持ちが理解できたのではないでしょうか。

でも、もっと大切なのは先輩たちから託されたグループの未来を守ること。

そう心を定めて行動で語ろうとした。
そして、その想いは多くのファンに通じた。

だからこそこの年の夏に初代キャプテン桜井玲香が卒業を発表した時、後任として梅ちゃんを予想する声が多かったのだと思います。

副キャプテン就任は意外と遅く2021年11月。加入から5年が過ぎた頃でした。
さらに1年ちょっと後の2023年2月の11thバスラ、秋元真夏の卒業をもって3代目キャプテンとなります。

そこから丸3年。
大エース齋藤飛鳥を見送り、同期のセンター経験者山下美月、与田祐希、久保史緒里を見送り、4期5期そして6期のセンターたちを励まし支え続けました。

私は齋藤飛鳥卒コンの記事で白石麻衣卒業後の3年半を「飛鳥真夏体制」と評しました。
であればそこから梅ちゃんの卒業までの3年間は「梅澤美波とかきさくの時代」だったと言うべきでしょう。

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4期WエースからグループのWエースへと成長した賀喜遥香と遠藤さくら。
そのふたりがフロントでセンターを支え、2列目から梅ちゃんが睨みを利かせれば大丈夫。
そんな安心感がありました。

オリジナルメンバーが去り、銀河系軍団5期生が躍動する中で「乃木坂であり続ける」ことのなんたるかを示し続けたのはこの3人(そしてもちろん、久保史緒里)だと思います。

37thシングル『歩道橋』は、その時代の集大成あるいは結晶ともいうべき美しい作品でした。

 「バズり」にも「Z世代人気」にも一切色目を使わない、「ただ単に」いい曲。
 でも、これこそ乃木坂ですよね。歌詞も含めて良い意味で時代性がない=エバーグリーン。

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もうひとつの集大成が『君ばかり』ですが、これについて話すと長くなるのでまた別の機会に。


続きます。



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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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