ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ: 腕時計

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」の第2弾は5~10万円のゾーンです。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

5~10万円部門




1959 初代アルピニスト 現代デザイン/セイコー

Ref. SBDC147
自動巻き。20気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径38mm

2020年に復活した機械式アルピニスト。その2021年新作は1959年のオリジナルモデル復刻デザイン。

 

詳細は上のリンク先記事をご覧いただければと思いますが、この時計の魅力はなんといっても「レトロなのに新鮮という不思議な魅力のあるデザイン」

ビッグサイズのくさび型インデックスが実にレトロ。写真で見ると正直古臭さを覚えるのですが、実物は全然そんなことなく「ドレスウォッチ然としたスポーツウォッチ」という風情。

70時間パワーリザーブの6R35ムーブメントに20気圧防水、サファイヤクリスタル風防と高い実用性を兼ね備えています。しかも6R35搭載機としてはかなり安い部類の価格設定。

上のリンク先の記事でも書いていますが正直これ、万能時計だと思います

定価:82,500円(税込、以下同じ)
実勢価格:81,800円~(楽天市場調べ、以下同じ)

基本的には定価販売です。実は1店舗凄くお安い値段をつけている(66,000円!)ところがあるのですが残り1個だったので勝手ながら省かせていただきました。

2022年に発売されたブルーダイヤルのSBDC159もかなり好き。ピンクゴールドの秒針が良い差し色になっていますね。
さて、ベストバイはこちらなのですが既に記事にしている時計ですのでアンダー5万円部門と同様に「次点」も発表します。

5~10万円部門・次点




PRX オートマティック/ティソ

Ref. T1374071104100
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSベルト。ケース径40mm

リーズナブルな価格と「お値段以上」の価値が売りのティソ。モットーは「ゴールドバリュー、シルバープライス」だそうです。

そのティソがやってくれました。
モーリス・ラクロア「アイコン」が切り拓いた新たな地平「本当に手が届くラグスポ」を、ついにアンダー10万円の域にまで到達させたのです。

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こちらのモデル、一応は1970年代のアーカイブからの復刻デザイン。
ですがまあ採用されている「エンボスド・チェッカード・ダイアルパターン」もロイヤルオークのタペストリーダイヤルとの違いが良くわからないですから、素直に昨今のラグスポ調ブームに乗った形でしょう。

とにかくアンダー10万円で出したのは本当に素晴らしい。

プレーンで細身のベゼルそして完全に八角形ではないケースということで、ラグスポ調の中ではややドレス系のデザイン
基本的にはサテンでベゼルと斜面部分がポリッシュ。ブレスはやや素っ気ない笑ワンピース構造。

サイズは厚さ10.9 ㎜、横40 ㎜、縦39.5 ㎜。この薄さは評価できますね。欲を言えば横幅はもうひと回り小さく、36ないし38mmを望みたかったところですが。

ムーブメントはETAと共同開発した80時間ロングパワーリザーブのパワーマティック80搭載。さらに10気圧防水とサファイヤクリスタル風防と高い実用性も売りです。

定価:85,800円
実勢価格:85,800円

 

バリエーションは3種類。ブルーダイヤル、ブラックダイヤル、シルバーダイヤルにゴールドインデックス&ベゼルというコンビモデル。

直接の比較対象は価格帯こそ違いますが上でも触れたモーリス・ラクロア「アイコン」でしょう。

その実勢価格が並行新品で14万円強ぐらいまで下がってきているので差額は5~6万円というところ。

そのリーズナブルな価格とロングパワーリザーブ(あちらは38時間と短い)に優位性があります。特に後者はセカンドウォッチとして使用するユーザーにとっては大きなメリットですね。

コスパ重視の方、そしてアイコンのデザインを「若すぎる」と感じる方はこちらをチョイスされると良いのではないでしょうか。

続きます。

2022年も既に半分が経過してしまいましたが、臆面もなく今年もこの企画をやります。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」

2020年版はこちら。


2019年版はこちらです。


対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

それでは価格の安い方から順に発表します。

アンダー5万円部門


GM-2100-1AJF/カシオ

クオーツ。20気圧防水。SS&樹脂ケース+樹脂バンド。ケース径44.4mm

言わずと知れた人気者、メタルカシオーク。

2019年にリリースされたG-SHOCKのGA-2100シリーズは、その特徴的な八角形ベゼルがロイヤルオークを思わせるということで「カシオーク」と呼ばれ人気を博しました。
そのベゼルカバーをステンレスにした「メタルカバード」モデルがこちらのGM-2100シリーズ、通称「メタルカシオーク」です。

こちらの時計については以前に記事にしていますのでその魅力の詳細はこちらをご覧ください。

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一言でいうならば、カシオークのメタル化というユーザー待望の新製品をこの価格でチープにならずに仕上げたその「まとめ上げ方」が非常に優れています。

便宜上一本選ぶ必要があるため(※)ベストバイという観点から最もプレーンなシルバーダイヤル・ブラックベルトのモデルにしました。
※カシオさんのシリーズ名は非メタルを含む「GA-2100シリーズ」なため
定価:26,400円(税込、以下同じ)
実勢価格:19,980円~(楽天市場調べ、以下同じ)

発売当初は売り切れ続出でしたが現在は普通に買えるようですね。(実店舗では今でも全モデル揃っているのを見るのは珍しいですが)
それにしても2万円という実勢価格は、安い

既に様々なバリエーションが存在しますし、GM-S2100というスモールサイズ(横40.4mm)のモデルも発売されています。
さて、ベストバイはこちらなのですが既に記事にしている時計ですので「次点」も発表します。

アンダー5万円部門・次点


レコードレーベル・ツノクロノ/シチズン

Ref. AN3660-81A
クオーツ。5気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径38mm

実は「ド本命」ともいえるメタルカシオークとこちらとで最後まで迷いました

1970年代に販売されたシチズン初の本格クロノグラフ「チャレンジタイマー」。
公式サイトによれば「ケースの12時側に配置されたプッシュボタンがツノのように見えることで、「ツノクロノ」の愛称で呼ばれてきたアイコンモデル」。

そんなオリジナルのデザインをクオーツとして手ごろな価格で復刻したモデルです。

余談ですがセイコーにも同じく1970年代に「ツノクロノ」と呼ばれる「スピードタイマー」を出していたので、東京オリンピック開催に合わせて復刻されないか秘かに期待していました。
そして確かに「スピードタイマー」を冠するコレクションは発表されたのですが…まあ現在のセイコーさんにこんな奇抜なデザインのためにムーブメントを新規開発する甲斐性などあろうはずもなく笑、3時側にボタンが配置されたごく普通のクロノグラフでした。

話をシチズンに戻しましょう。

こちらのモデルの最大の特徴は「第一印象での再現性の高さ」

実は(機械式からクオーツになったこともあり)細かな部分は色々変わっているにもかかわらず、オリジナルのデザイン上の特徴である「ツノ」と「ポテっとしたケースデザイン」さらに横幅38mmというサイズ感を踏襲しているため、一見しての再現度が実に高く感じられます。

なんというか、実に「それっぽい」。そして「機械式じゃないのは残念だけど、この値段ならいいか」と思わせる価格設定も絶妙。

 

バリエーションはパンダダイヤルとネイビーダイヤルの2種類。それ以外にもセレクトショップとのコラボモデルがリリースされています。

個人的には圧倒的にパンダのAN3660-81Aが好みですね。

定価:26,400円
実勢価格:26,400円

このどこかレトロフューチャー感のある時計と今を時めくメタルカシオークの定価が同じというのも面白い。

ちなみに記事作成時点ではパンダダイヤルは品切れで中古もプレミアム価格でした。
ディスコンのアナウンスはされていませんのでいずれ入荷されると思いますが、見つけたら早めに決断した方が良いかもしれません。

2022年にはスターウォーズとのコラボモデルもリリースされます(9月発売予定)。



シリーズエイトとは


かつてシチズンが展開していた「シリーズエイト」。

あるサイトによれば「全てのパーツを美しく仕上げる為の8ピースの構造のケース。シリーズ8という名前もその構造に由来」とのことです。

その複雑なケース形状が最大の特徴。

私が時計沼にはまったのが2013年頃でしたのでまだ現行でした。

凄く攻めたデザインで好きだったんですけど、とにかくデカい。
正確な数値は見つかりませんでしたが幅45mmオーバーとかだったと記憶しています。

厚さもなかなか(ケースをレイヤードしているためでしょうか?)で全体として「コロンとした印象なのにソリッドな質感」という独特な個性がありました。

位置づけとしては最高級機「ザ・シチズン」とはベクトルの違うスポーティなミドルハイ機というところ。セイコーでいえば「グランドセイコー」に対する「ブライツ・アナンタ」のようなものです。余談ですがアナンタもいろいろ面白いモデルがあって好きでした。

その攻めすぎたデザインが原因でしょうか。スタートが2008年で2013年にディスコンですから、先代はわずか5年という短命に終わりました。

現在探してみても圧倒的に中古のタマが少ない。
たぶん売れなかったんだろうな…と思わせます笑

しかし2021年、8年ぶりの復活。
しかも当時と同じエコ・ドライブではなく今回は機械式。

こりゃ気になると某家電量販店で実物を見てきました。

武骨+ドレス系×質感



第1弾としてリリースされたのは「870」「830」「831」の3種類、計8モデル。
私のお目当ては最も廉価な831だったのですが…正直、圧倒的に870がいい。

ということで当記事では主に870を取り上げます。

870を一言で表現するならば、高い実用性を備えた和製「本当に手が届くラグスポ」。

パテック・フィリップ「ノーチラス」やオーデマ・ピゲ「ロイヤルオーク」が既に神格化笑された昨今、「本当に手が届くラグスポ」として登場し絶大な支持を集めたモーリス・ラクロアの「アイコン」。

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その大ヒットに触発されたか様々なメーカーが以前よりも堂々と「ラグスポ調」のモデルを発売するようになりました。個人的には正直「タガが外れた」ような印象を受けますが笑

このシリーズエイトも八角形を意識させるケース、それと一体化したラグというラグスポの特徴を備えています。

ベゼル、ケースからブレスまでほぼ全面サテン(斜面のみポリッシュ)で仕上げられた無骨さ。直線的なケースに丸いベゼルの対比。しかも2体構造のツートンベゼルのため、より「円」が強調されています。

個人的に非常に良いと感じたのが文字盤。
公式サイトでトップに掲載されている=メーカー一押しであろうブラックダイヤルモデル。

これが指を乗せたら沈んでいきそうな「ぬめっ」とした艶のある黒なんです。
瞬間的に思いました「GSっぽい」と。

ラグスポ調でありがちなのがロイヤルオークのイメージを踏襲するパターンの刻まれたダイヤルと細めの針。
しかしシチズンはそちらに走らずに、艶のあるダイヤルに太い針とインデックスというドレス系のデザインを合わせてきました。とても好感が持てますね。



直線で構成され無骨ながら質感の高いケース、ラグ、ブレス。
そこに円を強調したベゼルとドレス系の顔。

実に絶妙なデザインだと思います。
ちなみに事前に写真を見ていた時は正直ブラックモデルのツートンベゼルを「やっちまったな…」と思っていましたが、現物を見ると意外と気にならないというかむしろ悪くない。色味が黒ではなくグレーであり、かつ強めのサテンが当たっているのであまりコントラストが強くないですね。

ブレスの装着感も良好でした。

サイズは厚さ 10.9 ㎜、横 40.8 ㎜。縦はデータなし。
横幅40mmオーバーですがベゼルが太いため大きく見えません。ラグもかなり短く切られているのでむしろ締まったサイズ感と感じます。

スペックはパワーリザーブ50時間、日差−5~+10秒という高精度のキャリバー0950。さらに耐磁2種(強化耐磁)に10気圧防水。

この時計の最大のストロングポイントが外装なのは疑いの余地がありませんが、実用性の面でもかなり優秀です。

バリエーションは3種類。

NA1004-87E

ブラック文字盤、シルバーとグレーのツートンベゼル。



NA1000-88A

オールシルバー。



NA1005-17L

ブルー文字盤、シルバーとブルーのミックスベゼル、ブルーのウレタンベルト。


価格とまとめ


定価220,000円(税込、以下同じ)。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は198,000円。
ウレタンベルトのモデルは定価209,000円で実勢同じの実質188,100円となっています。

結論としては、いい時計だと思います。

いや正直、すごく気に入りました笑
タイトルにも書いた通り、アイコン同様に「本当に手が届くラグスポ」であり、かつ顔とダイヤルの質感はグランドセイコーを思わせるドレッシーさ。

こういう言い方はシチズンさんが嫌がるでしょうけど、まさに「アイコンとGSのハイブリッド」

アイコンの対抗馬になりうる存在です。
若いデザインのあちらに対し、こちらはスポーティでありながら落ち着きも感じさせます。もちろんオンオフ問わず使えるでしょう。

アイコンの実勢価格がこなれてきたのでシリーズエイトももう一声安ければなとは思いますが、実用性ではこちらが優位にあります。

敢えて不満を書くならば、シリーズエイト8年ぶりに復活!の割にはほとんど先代との共通点が見られないことですね。せっかく名前を引き継ぐならもう少しデザインコードも残せばよかったのに…とはちょっと思います。

個人的に1本選ぶならやはりブラックダイヤルのNA1004-87E。
いや本当に艶感のあるダイヤルが良いので、気になった方はぜひ一度現物を手に取っていただきたいです。



最後に同時に発表された他のラインナップも紹介します。

「830」はリューズガードありのオクタゴンケースで、ベゼルもそのケースより内側に収まっているため八角形を強調したデザイン。
そして白蝶貝の上に格子柄のプレートを重ねるという攻めまくったダイヤル。

サイズは厚さ 11.7 ㎜、横 40.0 ㎜。
スペックは870と同じです。

定価190,000円。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は178,200円。
グレーPVD加工モデルは定価209,000円で実勢同じの実質188,100円となっています。

サイズは厚さ 10.1 ㎜、横 40.0 ㎜。
パワーリザーブ42時間、日差−10~+20秒のキャリバー9051にダウングレードしている分、安くなっています。耐磁と防水性能は同じなのが嬉しいところ。

定価132,000円。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は118,000円です。



カシオークとは


2019年8月にリリースされたG-SHOCKのGA-2100シリーズ。

その最大の特徴は八角形のベゼル。

公式サイトによれば「初代モデル“DW-5000C”のコンセプトを受け継ぎ、更なる薄型化を果たしたデジタル・アナログコンビネーションモデルです」。

確かにDW-5000Cやその流れをくむ5600シリーズもよくよく見れば八角形なのですが、イメージ的には四角。それに対しこちらのベゼルは正八角形に近い形状です。

オクタゴンベゼルとくれば時計好きが想像するのはもちろん、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク。ということで「カシオーク」と呼ばれ大ヒットモデルとなりました。本家は価格が数百倍ですが笑
「オーク」ならば当然メタルモデルへの期待は膨らむばかり。
事実、メタル化するサードパーティ製のカスタムパーツが流通していたりします。

そして2021年8月、満を持して「メタルカシオーク」がリリースされました。
「フルメタル」ではなく、ベゼルカバーにステンレスを用いた「メタルカバード」です。
(個人的には「カシオークメタル」の方が語呂が好きなんですがほとんどのサイトが「メタルカシオーク」と表記しているのでそれに合わせます)

標準サイズのGM-2100とスモールサイズのGM-S2100の2サイズ展開です。
(紛らわしいので以下「ノーマル」「スモール」と表記します)

極めて優れたデザイン


 

そのメタルカシオーク。
これがまためちゃめちゃ格好いい。

社外カスタムパーツはまあ素直にというか安易にというか、ロイヤルオークっぽくしようとするんですよ。八角形の各頂点にビスが打ってあったりオーク調のブレスだったりと。

やっちゃいたい気持ちはすごく分かるしそれなりに雰囲気出るだろうとは思うんですけど、それって極論すればロイヤルオーク風のガワにG-SHOCKをポンしたオマージュウォッチじゃないですか。
私の感覚としてはオマージュウォッチが中身はセイコーとかMIYOTAを搭載してます、っていうのと何も変わりません。(いやまあ機能面では確かにG-SHOCKなのでしょうが)

それに対して本家CASIOが出すのはもちろんそんなもんじゃない。

GA-2100という新たなアイコンにいかにメタルパーツを組み合わせればかっちょいいか、それを突き詰めたデザイン。
そこに「ロイヤルオークに似せよう」という意志は微塵も感じられません。

どうしても素材の特性上「のっぺり」した印象を与える樹脂製モデル。
それに対しこちらのメタルはなかなか見事に立体感を出しています。
ベゼル表面が円周状のサテン、ケース&ラグの表面がポリッシュ、そして側面は線状のサテン。この加工の組み合わせに痺れますね。

ちなみにですがロイヤルオークは表面・側面とも縦目のサテンで、ベゼル・ケース&ラグ・ブレスの「斜面」だけポリッシュと思われます。

ノーマルはそれだけでなくダイヤル表面とインデックスにもかなり強めに縦目のサテン。
さらにラバーベルトには徐々に小さくなるチェッカーパターン。
無骨さを強調するために凝ったディテールが加えられているというのが個人的に好みです。

いや、なんというか実によく練られたデザイン(って言うと偉そうですが)。

それに対しスモールは文字盤は恐らくサンレイ仕上げ、インデックスはミラー仕上げ、ベルトはプレーンと全体に「ツルっとした」印象。
ノーマルの無骨なディテールが採用されていないため、メーカー側の分類通りややレディース寄りと感じます。サイズ的にはユニセックスだと思うんですけどね。

もうひとつ特筆したいのが、こちらは「細腕さんでもギリいけるG-SHOCK」なこと。

G-SHOCKって基本的に巨大な時計で細腕さんお断りなんですよ。
私がこれまで記事にしてこなかったのもそれが大きな理由のひとつです。

実際にメガヒットしたフルメタルG-SHOCK、GMW-B5000Dは買う気満々で腕に乗せてみたんですが、腕とブレスの間にどうにもならない隙間が空いてしまい購入を断念しました。
メタルカシオークのサイズはノーマルが厚さ 11.8 ㎜、横 44.4 ㎜、縦 49.3 ㎜。スモールが厚さ 11 ㎜、横 40.4 ㎜、縦 45.9 ㎜。

私は極細手首なんですが、ノーマルでもギリギリいける感じでした。

実は49.3 mmという縦径はGMW-B5000と全く同じ。
ですがベルトの素材や切込みが入っていることによりギュッと曲げられるので手首にフィットするのでしょう。

共通スペックとしては耐衝撃構造、20気圧防水、ワールドタイム、クオーツ。

第1弾ではノーマルが4種、スモールが3種の計7つのバリエーションが発売されました。

GM-2100-1AJF

シルバーダイヤル&ベゼルにブラックベルトのプレーンモデル。

GM-2100B-3AJF

カーキダイヤル&ダークグレーIP加工ベゼル、カーキベルト。



GM-2100B-4AJF

レッドダイヤル&ダークグレーIP加工ベゼル、ブラックベルト。


GM-2100N-2AJF

ダイヤル&IP加工ベゼル、ベルトまですべてネイビー。



GM-S2100B-8AJF

ダイヤル&IP加工ベゼル、ベルトまですべてダークグレー。



GM-S2100-3AJF

カーキダイヤルにシルバーベゼル、カーキベルト。



GM-S2100PG-1A4JF

ピンクゴールドダイヤル&IP加工ベゼルにブラックベルト。



価格とまとめ


ノーマルのIP加工ありは定価28,600円(税込、以下同じ)、なしが26,400円。
スモールは同じくIP加工ありは26,400円、なしが24,200円。

G-SHOCKはいわゆる時計屋さん以外でも取り扱われており実勢価格は結構ばらつきがありますが、だいたい1割引きでポイント10倍還元。実質価格は上から23,166円、21,384円、19,602円となります。

結論としては「まあそりゃどう考えても売れるでしょうね」
樹脂モデルのG-SHOCKに興味がなかった層にも訴求する魅力ある商品だと思います。

G-SHOCKでこの価格で、チープに見えないところが素晴らしい。
やはり何といっても2100シリーズの基本デザインが非常に優れているのだと思います。
そこに加えられた金属の光沢の使い方も上手い。基本的にワントーンでまとめているのも好感が持てます。


弱点としてはソーラーじゃなく電池式なことですね。
あとはやや視認性に難ありという口コミも散見されました。これはワントーンの弊害なのでデザインと実用性のどちらを取るかという話になるのですが。

個人的には、ノーマルの方のデザインが好きなんですがサイズはスモールの方が合っているのでそこがちと残念。

G-SHOCKなので今後も様々なバリエーション展開が期待できます。
まずはGM-2100-1AJFをブラックダイヤルにした至極プレーンなモデルを出してほしいところです。

もっと言えばそれがスモールのサイズでなおかつノーマルの無骨ディテール(縦目サテン、チェッカーベルト)だったら最高。たぶん買っちゃいます。



以前に記事にしたセイコー5の2021年新作「ミリタリー」。

その中で「今回採用されたのはこちらのフィールド系のデザイン。(逆輸入版ではもうひとつアビエーション系のデザインもあります)」と書いたら、すかさずそれ=アビエーションも出ました。

2021年10月に第1弾、記事作成時点では第2弾(恐らく2021年12月)まで発売されているのですが、この記事では主に前者を扱います。

SBSA111他のフィールド系デザイン(以下「フィールド」)の記事はこちら。
 

洗練された無骨


「アビエーション」=航空。要するに飛行機乗りの時計ですね。

今回取り上げるモデルは内周に時表示、外周が分表示というダイヤルが特徴。
「フィールド」同様にミリタリーウォッチとしてはド定番の顔です。

ハミルトンでいえば「カーキアビエーション パイロットデイデイトオート」。
ただあちらの類似デザインは46mmのビッグサイズ。

ややマイナーなメーカーですがLACOのフラッグシップ「ファーロ」あたりがもろにこのデザインです。

現在でも手に入る逆輸入版セイコー5の類似モデルと比較するといくつか手が加えられています。

アルファ針というか菱形(若干左右非対称)のぺらっとした感じの針が力強いものに替わり、ベルトも肉厚になり裏面は差し色のレザー。

文字盤表面にはこれまた力強いブラスト仕上げが加えられており、インデックスのプリントも厚めに盛られている印象。
写真ではケースの仕上げも向上しているように見えます(サテンの筋がはっきり見える)。

そしてムーブメントもハック機能なしの7S系からありの4R系にグレードアップ。

全体に素軽い印象の逆輸入版に対し、国内正規は細部をアップデートし完成度を高めています。
「ボーイ」や「フィールド」といった先行モデル同様に「ムーブメント変更+質感の向上により逆輸入版との差別化を図るという手法」ですね。

スペックは基本的にこれまでの「ボーイ」や「スムースベゼル」と同じです。10気圧防水、デイデイト表示にパワーリザーブ41時間のキャリバー4R36。
サイズは「フィールド」と同じ厚さ 13.2 ㎜、横 39.4 ㎜、縦 48.1 ㎜。同一ケースなのでしょう。横37 mmだった逆輸入版からサイズアップしてしまったのは少し残念。

第1弾のバリエーションは3種類。

ケースは基本全面サテン仕上げ。メタルブレスのSBSA139はケースとブレスのサイドがポリッシュ。

SBSA139

ブラックダイヤル+クリームインデックス、メタルブレス。


出典:セイコー公式サイト

SBSA141

カーキダイヤル+ホワイトインデックス、表がカーキで裏がオレンジのナイロンベルト。



SBSA143

PVD加工のブラックケースにブラックダイヤル+オレンジのインデックスと針。表がブラックで裏がオレンジのナイロンベルト。


価格とまとめ


定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は26,730円。
139と141は定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。141は公式以外のオンラインショップならポイント10倍還元で実質価格は26,730円。

ブラックPVD加工の143は定価34,100円で実勢同じの実質30,690円となっています。

結論としては、素直にまとめると「フィールド」とほぼ同じなんですよ。

安心安全の国内正規セイコー5で使い勝手のいいサイズ感。そして様々なファッションに合わせやすいミリタリーデザイン。初めての機械式時計にも、セカンドウォッチにもお勧め。

敢えての要望も同じ。できることならアンティークミリタリーっぽさが強まる38mmから35mmのサイズにしてほしかったですね。ハミルトン同様に「ビッグ・パイロットウォッチ」然とした46mmという手もありますがまあコスト的にも日本人の標準的な手首サイズ的にも小径が正解でしょう。

違いとしてはこのアビエーションはさすがにミリタリー感強すぎるダイヤルなので、オンには向かないことぐらいですね。

第2弾は4種類エントリーされ、針の夜光は白で(SRPH21KCはアイボリー)ダイヤルはブラスト加工なしのマット仕上げのようです。ミラネーゼブレスがなかなかいいですね。



SRPH21KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH23KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH25KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH31KC 出典:セイコー公式サイト

ナイロンベルトのSRPH31KCは定価29,700円。直営店オンリーなので実勢実質同じ。
以下同様にミラネーゼブレスの21KCと23KCは34,100円、ミラネーゼ&PVDの25KCは38,500円です。

個人的に7モデルの中から1本選ぶならSRPH23KCですね。


ということで基本的にはいい時計です。

ですけども。

上でチラッと書いていますが第1弾3モデルのうち最もプレーンな139、そして第2弾は4モデルすべてが全国に4店舗しかないセイコー直営店限定なんですよ。オンラインで買えるのも公式サイトのみ。

ナンバリングもSBSAxxxから第2弾ではSRPHxxxxに変わっちゃいました。

相変わらずセイコーさんの販売戦略はなんだかよくわからないな~笑

無礼を承知でいえば出し惜しみするような時計じゃないと思うんですよね。
デザインも価格帯も多くの人の目に触れて多くの人に手に取ってもらってなんぼでしょ。

これ見るためにわざわざセイコー直営店まで出向かなきゃならないというのはちょっとハードルが高いんじゃないでしょうか。

ファッションビル内の時計屋さんで、セイコー5がずらりと並んだ中での1本とか、それこそハミルトンを扱っているお店で比較対象として売るか。

そのどちらかが正しいと思いますがいかがでしょう。

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