ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ: 乃木坂46

びーむ色調補正3
前の記事では赤青コーナーまでを書きましたので、当記事ではその続きを。

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冷静に考えるととんでもない


期別コーナーからはいよいよ6期生が登場します。

新人が初めて先輩と同じライブに参加するのはバスラ。
3期はさいたまスーパーアリーナ、4期は大阪ドーム、新4期はナゴヤドーム、5期は日産スタジアム、そして6期は味の素スタジアム

こうして改めて文字にして並べると凄まじいな、このグループ。

3期4期は小動物のように震えていた記憶が。
それに対し5期はもちろん緊張していましたが、比較的落ち着いていた印象があります。

井上和に至っては『絶望の一秒前』で早くも「キメ顔グランプリ」にエントリーされ掛橋沙耶香に「なんであの時あんな風に笑ってたんだろうって、ふとした時に思い出すくらい惹きつけられました」と言わしめました。(個人的には実に掛ちゃんっぽいこの言い回しも好き)

この日の6期生もしっかりと自分たちの持ち曲『タイムリミット片想い』をパフォーマンスします。

各期が期別曲を披露し、その流れからの『設定温度』。
先輩から順に歌っていき最後は全メンバーが並ぶという演出。2017年全ツの神宮をはじめとする過去のシーンが甦ります。

この曲以降、6期生たちは先輩に「混ざり」ます
これはグループ史上初の出来事でした。

これまでは自分たちだけで1曲披露+先輩たちの「後ろ」または「はじっこ」で一緒に踊るパターンだったと記憶しています。
3期4期はアンコールに参加。
5期はオープニングからの数曲と本編ラスト、そしてアンコールだったはずです。

この日の6期は本編最終ブロックすべてとアンコールに参加。
そして(『6期生ドキュメンタリー』内でちらっと見せていた通り)「はじっこ」ではなくフォーメーションの中に入ってパフォーマンスしました。

矢田萌華に至っては『ぐるぐるカーテン』(デビュー曲!)のセンター。

単純な過去の踏襲ではない、運営が近年見せている「リファイン」。これもそのひとつでしょう。

そして6期生は全体として非常に落ち着いて見えました

38thシングル選抜発表の記事で私は『タイムリミット片想い』MVに次のような感想を書いています。

 あの頃の4期生たちを思い出させる「儚くて華奢でどこか奥ゆかしい」印象でありながら、4期のような「素人くささ」は感じさせない。

 私がこのMVを観て覚えたのは、過去のパターンを踏まえつつそこから少しずらしてきたような不思議な感覚でした。

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この日に感じたのもこれとほぼ同じ感覚。

「体温低そう」で乃木坂的なのに「ステージ度胸がある」。
このなんだか「少し不思議」なところが現時点での6期生の魅力だと思います。


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この日、印象に残ったシーンをふたつ挙げておきます。

『命は美しい』のセンターが菅原咲月だと判明した時に客席から上がった何ともいえないどよめき。そしてそれに応えて一瞬頬を緩めた彼女。

これまでずっとバッキバキの表情でパフォーマンスしてきた『ごめんねFingers crossed』を、うっすらと笑みを浮かべながら踊った遠藤さくら

さくちゃんの中で何か思うところがあったのか、楽曲の解釈が変わったのか、それとも単にこの日のライブが楽しすぎたのか。それは判然としませんが、間違いなく魅力的な表情でした。

そしてビジュアル仕上がってんなあメンはちょっとひとりに絞れないのですが、印象度でいえば矢田萌華

とにかく「ライブ映え」する。
個人的にはどこか西野七瀬を、遠藤さくらを思わせました。

もちろんそんな大エースふたりと並べるのはいくらなんでも気が早すぎます。
ただ「普段から可愛いけど、ライブになるとやたらと可愛い」というスペシャリティは非常に貴重。

これをオーディション時点で見抜く運営が凄いのか。そもそも見抜けるものなのか?と思いながら観ていました。


続きます。



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びーむ色調補正3
13thバスラはグループ初となる味の素スタジアム。

DAY2を現地で観て来ましたので、その雑感です。

詰め込んだ53曲


セットリストはこちら。

Overture
01. 太陽ノック(センター:中西アルノ)
02. ⾛れ!Bicycle(センター:筒井あやめ)
03. 君に叱られた
04. チートデイ
05. ジコチューで⾏こう!(センター:池田瑛紗)
06. ネーブルオレンジ

【46分メドレー】
07-1. おいでシャンプー(センター:遠藤さくら)
07-2. 涙がまだ悲しみだった頃(センター:伊藤理々杏)
07-3. 制服のマネキン(センター:井上和)
07-4. 世界で⼀番 孤独なLover(センター:梅澤美波)
07-5. バレッタ(センター:田村真佑)
07-6. 孤独兄弟(遠藤さくら、賀喜遥香)
07-7. ここにいる理由(センター:池田瑛紗)
07-8. 夏のFree & Easy(センター:冨里奈央)
07-9. 傾斜する(センター:弓木奈於)
07-10. 命は美しい(センター:菅原咲月)
07-11. 今、話したい誰かがいる(中西、久保、林)
07-12. 裸⾜でSummer(センター:久保史緒里)
07-13. ⾵船は⽣きている(センター:岡本姫奈)
07-14. Rewindあの日(井上、池田、一ノ瀬)
07-15. 逃げ水(センター:筒井あやめ&川﨑桜)
07-16. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
07-17. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:五百城茉央)
07-18. 夜明けまで強がらなくてもいい
07-19. Wilderness world(センター:金川紗耶)
07-20. 僕は僕を好きになる(センター:一ノ瀬美空)
07-21. 錆びたコンパス(センター:柴田柚菜)
07-22. 好きというのはロックだぜ!
07-23. ⼈は夢を⼆度⾒る(センター:久保史緒里)
07-24. 踏んでしまった
07-25. チャンスは平等(センター:梅澤美波&久保史緒里)
07-26. 歩道橋

<Red&Blueコーナー>
08. Actually. . . 
09. ごめんねFingers crossed
10. おひとりさま天国
11. I see. . . 
12. インフルエンサー(センター:井上和&中西アルノ)
13. 君の名は希望

<期別曲コーナー>
14. タイムリミット⽚想い
15. バンドエイド剥がすような別れ方
16. ジャンピングジョーカーフラッシュ
17. 三番⽬の⾵

18. 設定温度
19. ぐるぐるカーテン(センター:矢田萌華)
20. ガールズルール(センター:梅澤美波)
21. Sing Out!(センター:久保史緒里)
22. Monopoly
23. 他⼈のそら似

EN
EN1. ハウス!
EN2. ダンケシェーン
EN3. そんなバカな…
EN4. 空扉
EN5. 乃⽊坂の詩

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オープニングからブチ上げ夏曲5連発、そして最新シングル『ネーブルオレンジ』。

そこから新たな取り組みである「46分メドレー」へ。

個人的には、これ良かった。

もはや不可能となった全曲披露。
じゃあどうするか。「全ツと変わらないじゃん」とファンに言わせないために何ができるのか

そこを真面目に考えて出てきたアイディアなのだと思います。

単なるメドレーではなく、メンバーもどんどん入れ替わる。
それにより観客を飽きさせないし曲間の繋ぎも最小限の時間で済むため最大限の曲数をパフォーマンスできる。

この日も53曲を披露。2日間でシングル全38曲も網羅していますので、ひとつの正解を出したと言えるのではないでしょうか。

ただセトリ的には齋藤飛鳥卒業後の「3期生以降の楽曲中心のセトリ」とあまり変わり映えしなかった印象。
「久しぶりに観たなこの曲!」みたいのがなかった気がしますね。DAY1では『人間という楽器』をやったらしいのですが。
まあ53曲ではそもそもレア曲まで手が回らない気がします。

ちょっと思ったんですが、バスラとは別に3年に1回ぐらい「ここ3年で1度もセトリに入っていない曲ライブ」やってくれないかな
まあ振りが入っていない曲が多くなるのでメンバーの負担がかなり大きそうなのと、さすがに若干動員にマイナスの影響がありそうなので現実的ではないでしょうけど。
個人的にはめちゃめちゃ観たいです。

話を13thバスラに戻します。

メドレーに続いては「かきなぎ」赤チームと「さくアル」青チームに分かれて、最後は合わさって紫になる「Red&Blueコーナー」。

この赤と青が合わさって紫(=乃木坂カラー)になる、というモチーフはそれこそ何度も繰り返されてきました。

恐らく初出は2016年5月発売の2ndアルバム『それぞれの椅子』。
そのジャケットアートワークは赤と青の衣装に分かれたメンバーが並ぶというものでした。

その年の全ツでは今回と同じように赤チームと青チームに分かれて曲を披露し、最後にひとつに合わさってアルバムリード曲の『きっかけ』。

Redは「陽」、Blueは「陰」のイメージ。この時は前者を率いたのが白石麻衣で後者は西野七瀬でした。

今回の「Red&Blue」は丸々それを踏襲した形。
このあたり運営から古参オタへの「俺たちもあの頃の乃木坂を忘れてないぜ!」というメッセージのように感じる、は言い過ぎですが作り手側のこれまでの歴史に対するリスペクトを感じました。

新たな取り組みである「46分メドレー」、過去とのブリッジ「Red&Blueコーナー」。

「今も大事だけど過去も愛する」、実に乃木坂な構成でした。


続きます。

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タオル補正
2025年2月28日、公式ブログで中村麗乃さんが卒業を発表しました。

はじめ「ちょこれーの」のち「れのリカ」


2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。
同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「ジャイアント・ベイビー」

とにかく幼かった。

中学生にして既に未亡人のような雰囲気を漂わせていた久保史緒里。
どこか年齢不詳で実際にビジュアルイメージは卒業まで基本変わらなかった阪口珠美。
(どちらも悪口ではありません)

同い年のふたりと比べると新・中3トリオの中でもひときわ幼く見えました

既に長身で小顔という抜群のスタイルだっただけに、そのフワフワポワポワしたあどけない表情はかえってアンバランスさを際立たせていました。今だから言えますが、個人的にはどこか「居心地の悪さ」さえ感じたものです。

改めて観返すと2017年7月の神宮ライブの時点で童顔ではあるものの既に髪型やメイクは洗練されてきていましたし、2018年の6thバスラ「シンクロニシティライブ」ではかなり締まった顔つきになっていたのですが。(実際に私がそれに気づくのはさらに1年ぐらいを要しましたが…)

そして、握手人気では当初から大苦戦します。

少しずつ完売部数を上げていきますが、同期の中でも下位から抜け出せずにいるうちに4期生が加入。そこからはさらに苦戦を強いられ、追い打ちをかけるようにコロナ禍。
25thシングルからしばらくの間は「完売ゼロ」という状況が続きました。

冠番組でもなかなか目立った活躍ができませんでした。

弟さんが高山一実のファンで全国握手会の鍵開けをして「れののおとうとです」と名乗るエピソードは可愛かったのですけれど。

2018年1月放送の『乃木坂工事中』における「第2回 頭NO王決定戦」でれのちゃんは2代目頭NO王の栄冠を手にしてしまいます。

まだ若かった(当時高校1年生)彼女にはそれを「キャラ」として受け入れることが難しく本気で嫌がります。
まあ、そりゃそうですよね。キャラにまで昇華させた和田まあやと弓木奈於が偉大なだけです。

自分でそれをネタにできるようになったのは3年近く経過した『ノギザカスキッツ ACT2』あたりからでしょうか。

握手人気で出遅れ、冠番組でも見せ場を作れなかったれのちゃん。

それでも運営は彼女のポテンシャルを信じ「何かひとつきっかけを掴めば」と思っていた節があります。

何かひとつ。

例えば、「歌メン」として。

2019年末の3期4期ライブでの『私のために 誰かのために』。
彼女は久保史緒里、遠藤さくら、賀喜遥香というエース級と並んで歌唱メンバーに選ばれます。

そして翌2020年2月、ナゴヤドームでの8thバスラでも同曲を歌いました。
今改めて観ると緊張ゆえか硬い歌唱でしたが、それでも運営が彼女のポテンシャルを高く評価していることがファンにも伝わりました。

アンダー曲でのポジションもそうです。

史上最少人数のアンダラであった23rdアンダー曲『滑走路』ではアンダーフロント抜擢。
28th『マシンガンレイン』でもフロント。どちらも反骨のセンター寺田蘭世の隣だったというのも面白い巡り合わせですね。

そして31stシングルのアンダー楽曲『悪い成分』で初のアンダーセンターを務めます。
握手・ミーグリ人気でずっと苦戦していた割にはアンダーでのポジションは悪くなかったという印象。これも「目につく場所に置けばきっと」という運営の期待ではないでしょうか。

そして舞台

スタイルの良さと大きな目という舞台映えするビジュアルと歌唱力。そんな彼女のストロングポイントを最大限に活かせる場所がここでした。

2019年1月に『逆転裁判〜逆転のGOLD MEDAL〜』のヒロイン役として初めてグループ外舞台に出演。
以降、コロナ禍による公演中止や延期にたびたび見舞われながらも継続的に舞台出演を続けます。

それが実を結んだのは2023年1月のこと。

オーディションでミュージカル『Endless SHOCK』のヒロイン、リカ役という特大の外仕事を掴んだことが発表されたのです。

KinKi Kidsの堂本光一さん主演。
初演から21年間、全日程即日完売。「もっともチケット入手が困難な舞台」とも言われるお化け舞台。
実に53日間55公演。しかも帝国劇場。

この作品で彼女はふたつの夢を叶えます。

ひとつは帝国劇場のステージに立つこと。
もうひとつは憧れの神田沙也加さんと同じ役を演じることでした。

そして33rdシングル『おひとりさま天国』で加入7年目にして初の選抜入りも果たします。

こうしてれのちゃんはグループ在籍中に自身の夢を叶え、未来への道を大きく切り拓いたのです。

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床に落ちて転がるハートのサイコロみたいな


彼女の道行きを振り返って思うこと。
それは「乃木坂は夢への最短距離だ」ということ。

(以下の内容をご本人や彼女のファンの方に納得いただける自信はありませんが…)

時々議論される大人数アイドルグループに所属することの是非。

そこで「非」の理由としてよく言われるのが「アイドルで身に付くスキルは卒業後のキャリアで役に立たない」。だから「将来の夢がある人間がアイドルを続けるのは時間の無駄である」。

これはまあ、わかります。
アイドル時代に行っていたことの多くを卒業後には行わなくなりますから。

そもそも本業ともいえる「歌って踊ること」を続けるメンバーは極めて稀ですし、その数少ない例である「ミュージカル俳優」においてもアイドル時代とは違うものが求められます。(れのちゃんも『Endless SHOCK』の時に「ジャンルが違う(ので苦労した)」という趣旨の発言をしています)

それでも。

中村麗乃が弱冠21歳にして『Endless SHOCK』のヒロイン役を射止めたのは、やっぱり「乃木坂だったから」だと思うんですよね。

別に乃木坂の肩書があったからオーディションに合格したというつもりは微塵もありません。
むしろ「中村麗乃だったから」こそできたこと。れのちゃん自身のポテンシャルとグループ内の序列では苦戦が続いていても腐らずに自分の武器を磨いた努力があったからだというのが大前提です。

でも彼女がひとりの女優として個人的にどこかの事務所や劇団に所属して活動していたら。
21歳の時点でその場所にたどり着けた確率は極めて低い、というかほとんどゼロだったのではないでしょうか。

やっぱり「乃木坂46」という環境があったから

憧れの先輩、切磋琢磨する同期、刺激をくれる後輩。
スタジアムクラスのステージに立つという経験。
初の外舞台からヒロイン役をもらえる看板の信頼度。
彼女の適性を信じオーディションの情報を伝えてくれるスタッフさん。
恐らくは高いレベルのレッスンを受けられるコネクション。
そして生活のためにアルバイトをしなくてもいい収入。(これ大事)

決して「舞台俳優として必要なこと」だけに集中できる環境ではないけれど「舞台俳優としての道を拓くための最短距離」だったと言ってもいいのではないでしょうか。

グループ内の序列とかミーグリ人気とか色々悩んだり苦しむこともあるけれど。
全部が全部、自分の将来のためになるというわけでもないだろうけれど。

それでもなお、「乃木坂46にいる」そのことが、夢への最短距離である。

乃木坂がそういう場所であることをファンに対し、そして後輩たちに対して証明してくれた
この点で彼女の功績は極めて大きいと思います。


最後に、これからのれのちゃんについて。

考えるまでもなく、舞台俳優でしょう。
いつの日か生田絵梨花と共演する姿を観たいですね。

場所はもちろん、新しくなった帝国劇場で

中村麗乃さん、8年半お疲れさまでした。



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タオル補正
2025年3月7日、公式ブログで佐藤楓さんが卒業を発表しました。

まずは彼女の乃木坂人生を振り返りましょう。

憧れの背中を追いかけて


2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。応募動機は「憧れの乃木坂メンバーに会えるかと思って」。
同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「地味めスポーツ女子」

タレント性の高いメンバーが多かった3期生の中では正直あまり目立っていなかったように思います。
それゆえかスタート当初、彼女は握手人気で出遅れました。
それでも徐々に人気を上げ、21stシングルで初めて30部フル完売。
その勢いのまま22ndで同期の伊藤理々杏と共に初選抜を勝ち取ります。

その『帰り道は遠回りしたくなる』は「憧れの人」西野七瀬の卒業シングルでした。
最後の最後で「間に合った」。いちファンに過ぎない私ですが今改めて「本当に良かったなあ」と思います。

同シングルでも4次で30部フル完売し23rdでは連続選抜。このまま選抜常連へとステップアップするかと思われました。

しかし。
この2作連続で選抜されたでんちゃんと理々杏のふたりはヘイトを集めてしまいました。

ただそれも無理はないのです。
さほど差のない完売速度だった「アンダラのスター」たち、樋口日奈や斉藤優里そして2期生アンダーセンター経験者を差し置いての選抜でしたから。

それと時を同じくして4期生たちが握手会に参加し始め、2期3期の何人かが完売速度を落としたりフル完売できなくなります。

でんちゃんもその影響を免れることはできませんでした。
23rdはフル完売を逃し、24thと25thではフル完売に戻す粘りを見せますがそれでも徐々に完売速度を落としていきます。

このあたり、やはり3期生は本当に苦しかった。

レジェンドたちの握手免除による「ファン流し」の恩恵は確かに受けましたが、4期生加入までの期間は2年間しかありませんでした。4期と5期の間は3年強、5期と6期も3年です。(ちなみにグループ史上最短は1期と2期の間の1年7ヶ月)
「最初から超人気だったメンバー」以外が自分の支持基盤を確固たるものとするには少々時間が足りなかったように思います。

そしてこのタイミングでコロナ禍。
握手会はオンラインミーグリへと変わり、何度も書いてきたようにミーグリ人気は二極化します。

26thシングル以降、でんちゃんはフル完売できなくなりました。

「あざといこととか一切できない」彼女にとって、画面越しの瞬発力勝負であるミーグリはあまり相性が良くなかったのかもしれません。
皮肉にも、彼女のビジュアルが完成の域に達したのはちょうどこの頃だったと個人的には思っています。

29thシングル収録の『届かなくたって…』では初のアンダーセンター。
「アルノ事変」でグループに猛烈な逆風が吹く中でのアンダラ座長を任されたでんちゃん。
アンコール、急遽アカペラで歌われた『きっかけ』
アンダラの歴史に残る名シーンでした。

関連記事:


続く30th『好きというのはロックだぜ!』で3年3ヶ月ぶりの選抜復帰。
それ以降は3期生全員選抜だった35th『チャンスは平等』で選抜入りした以外はすべてアンダーでした。

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飾らない美しさ


2017年7月『乃木坂工事中』の「内輪ウケものまね大賞」で梅澤美波がやった「感情の起伏が平坦すぎて棒読みになってしまう佐藤楓」。

そこで生まれたのが後に彼女の代名詞となる「ヤラカシタ ヤラカシタ」

「棒読み」「こぼし」
このふたつの要素を含み、一言で彼女の愛すべきキャラクターを表現する秀逸なフレーズですね。

『乃木坂工事中』全ツ密着企画では「全国こぼしツアー」が毎年の風物詩に。
『ノギザカスキッツ』での「AI den」。
最終的にそれは「楓さん正そう軍団」へと繋がります。

あんな綺麗な顔立ちでスポーツも勉強もできるのに、気取ったところがひとつもなくて親しみやすい。
『乃木坂お試し中』でもMCの鈴木拓さんからいつも強めにいじられていたのも厚い信頼の証しですよね。

自身が中高6年間部活でやったバドミントンや、いとこが選手だったことからマニアになった駅伝。(ちなみに2020年度青山学院大学主将の神林勇太さん)
そして『オールスター感謝祭』でのミニマラソンからついには『SASUKE』出場まで、スポーツ関連の外仕事での活躍も目立ちました。


個人的に印象に残っているシーンがふたつあります。

2019年2月、7thバスラの『口約束』
秋元真夏、桜井玲香、中田花奈、若月佑美の「女子校カルテット」のユニット曲。
若の卒業により空いたポジションを埋めたのがでんちゃんでした。

この時の3期生はまだお披露目会から2年ちょっと。
そんな彼女たちが卒業した先輩のポジションを埋めることに一部のファンは過敏に反応しました。
梅澤美波をして「あの頃が一番辛かった」と言わしめるほどに。
(梅ちゃんはこの時に橋本奈々未ポジを埋め、猛烈なバッシングを受けたと言われています)

ましてそもそもプライベートでの関係性から生まれたユニットである女子校カルテット。
怖かったでしょう。

互いに目を合わせながら歌う最後のサビで大粒の涙をこぼしたでんちゃん
曲が終わり「頑張ったね」と言わんばかりに優しく彼女に寄り添った先輩3人。

まさにこれぞ乃木坂というべき、愛に溢れたシーンでした。

先日行われた卒業セレモニーでは岩本蓮加、吉田綾乃クリスティーという同期ふたりとこの曲を歌いました。

彼女にとっても特別な思い出だったのです。

もうひとつは2020年6月、コロナ禍真っ只中での46時間TV。
電視台で奥華子さんの『変わらないもの』を歌った大園桃子を見守ったでんちゃんは涙を流しながらこうつぶやきます。

 桃子には幸せでいてほしい

他人の幸せを願って涙を流せる彼女は本当に素敵でした


卒業発表のブログは素晴らしく彼女の人柄をしのばせるものでした。

先輩に、後輩に、同期に。
そして自分を応援してくれたファンに。

全方位への愛と感謝を伝えるまっすぐな言葉が並んでいます。

決して飾らずどこまでも優しい、私たちの見てきた佐藤楓そのものでした。


最後に、これからのでんちゃんについて。

これを書いている時点では将来についての言及はありませんが、思うことはただひとつ。

彼女の言葉を借りれば

 でんちゃんには幸せでいてほしい

って感じです。

佐藤楓さん、8年半お疲れさまでした。



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前の記事では鈴木佑捺さんまでの6人について書きました。

関連記事:


当記事ではその続きから。

※当記事公開時点では既に『乃木坂工事中』の6期生紹介がオンエアされていますが、あくまでも初披露の会までの感想です

全員きちんとやり遂げた


瀬戸口心月(せとぐち・みつき)さん。

登場シーンで既に客席からかなり多くの声援が飛び、注目度の高さを感じさせた彼女。

そのビジュアルは驚愕の完成度でした。いわゆる「いついかなる時も可愛い」ってやつです。まさに「AI美少女」(めちゃめちゃ褒め言葉です)。

鹿児島出身の彼女。「この木、なんの木~?」のイントネーションにどうしても大園桃子を思い出してしまいます。

特技はチアダンス。
鹿児島実業のチアユニフォーム、そしてポニーテールの驚愕の可愛さに再び客席がどよめきます。
『他人のそら似』という選曲がなんとも渋い。
良く通る声とハキハキした喋り方も好感度高いですね。

長嶋凛桜(ながしま・りお)さん。

自己紹介ではペンライト芸が小津さんとかぶってしまいましたが、特技披露ではフラダンスというオリジナリティ溢れるもの。北海道出身でフラという意外性
「菅原さんのために簡単な振りをお教えします」で手を90度に開くだけの「ヤシの木」。

彼女もずっとニコニコしていましたね。

増田三莉音(ますだ・みりね)さん。

パンツスタイルで登場したサンリオちゃん。
自己紹介では「エアタイピング」という謎の技を披露。「カタカタカタ…」とタイピングの音も当てるのが独特

反復横跳びをして「どうですか?早いですよね?」から川田裕美アナを彷彿とさせるスキップ。なかなかのキャラクター。

特技はシェフの格好で登場してまさかの「片手で卵割り」。やはり独特。
なんというか、大物感ありますね笑

MVの時点では初期の掛橋沙耶香に似ていると思いましたが、この日は生田絵梨花や岩本蓮加(いずれも初期)に通じるものを感じました。

森平麗心(もりひら・うるみ)さん。

個人的にMV時点では元モーニング娘。の安倍なつみさんっぽさを感じました。それほど顔が似ているわけではないのになんでだろう?同意見の方おられますかね。

自己紹介では緊張のあまり泣き出した彼女。
しかし「あだ名をつけてください」で「うるみん大統領」等のエキセントリックな候補を挙げながら一番無難な「うるみん」をセレクトし6期生がずっこけるという団体芸を披露。

特技はバレエ。ポニーテールが可愛く、笑顔もキュートでした。

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矢田萌華(やだ・もえか)さん。

プロフィール動画はトップバッターで期別曲はセンターと、ゴリゴリに「スピアヘッド」を担わされてきた彼女。

個人的な第一印象は「雪女」
いや、これもめちゃめちゃ褒めてます。雪女って、美しさと畏怖の両方の要素を含んでいるじゃないですか。彼女にはそれがあると思います。

映像が公開されるにつれ、高山一実に似ているとか堀未央奈だとか斉藤京子だとかいろいろ言われていましたが、私は戸田恵梨香さん似だと思っていました。
そして登場した矢田さん。その横顔はなんと超初期型の与田祐希にそっくりでした。「いや別に…」みたいにすっとぼけた表情をするともう瓜二つ。

自己紹介では「もたもたしているのでもたもたのもったんと呼ばれていました」。
そして「今日はテキパキとなまはげをします」から、もたもたツノをつけてラムちゃんスタイル。これはスタ誕で『ラムのラブソング』を歌う前振りですよね?

そしてノックして引き戸を締めるか迷ってから「悪ぃごはいねえがぁ~!」。
さらに客席を見渡しての「この中に矢田萌華を推してくれる人、いねえがぁ~!?」。
とどめに「最終目標は皆さんの心をMonopolyすることです」。

素晴らしい。パーフェクトな構成だと思います。
県内トップの進学校在学中と噂される矢田さん。
「めちゃめちゃ勉強できる変人(生田絵梨花や北川悠理のような)」ではなく「めちゃめちゃ勉強ができてシュッとした見た目だけど面白いことが好き」に見えます。

特技では髪をまとめドイツ国旗カラーの浴衣を着て登場し「西馬音内盆踊り」。
こちらは一転、凛とした空気を纏いました。

いや~、雰囲気あるなあ
運営がスピアヘッドとして使いたくなるのは凄くわかります。


全体的に6期生は3年前の5期生同様に肝が据わった感じ。

泣き出したのも森平さんぐらいでしたし、彼女を含め全員が「準備してきたことを観客の前できちんとやる」ことができていたように思います。

そして初の楽曲披露。

センターは『おひとりさま天国』瀬戸口さん、『制服のマネキン』森平さん、『インフルエンサー』は大越さんと小津さん、『歩道橋』は矢田さんでした。
そして最後は『タイムリミット片想い』をフルコーラスで披露。

ここではふたりだけ触れておきます。

海邉さん
ライブで歌い踊る姿は、優しい顔立ちや高身長と相まってKARAのジヨンさんっぽかったです。

そして森平さん
センターを務めた『制服のマネキン』での「感情をどこかに置いてきたような」目
生駒里奈とも齋藤飛鳥とも違うそのアプローチをこの年齢とキャリアでできるのはもの凄い。素晴らしく印象に残りました。


ということで6期生初披露の会、楽しかった!

早く6期生ライブやってくれないかな~

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