ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > ライブレポ

びーむ色調補正3
前の記事では鈴木佑捺さんまでの6人について書きました。

関連記事:


当記事ではその続きから。

※当記事公開時点では既に『乃木坂工事中』の6期生紹介がオンエアされていますが、あくまでも初披露の会までの感想です

全員きちんとやり遂げた


瀬戸口心月(せとぐち・みつき)さん。

登場シーンで既に客席からかなり多くの声援が飛び、注目度の高さを感じさせた彼女。

そのビジュアルは驚愕の完成度でした。いわゆる「いついかなる時も可愛い」ってやつです。まさに「AI美少女」(めちゃめちゃ褒め言葉です)。

鹿児島出身の彼女。「この木、なんの木~?」のイントネーションにどうしても大園桃子を思い出してしまいます。

特技はチアダンス。
鹿児島実業のチアユニフォーム、そしてポニーテールの驚愕の可愛さに再び客席がどよめきます。
『他人のそら似』という選曲がなんとも渋い。
良く通る声とハキハキした喋り方も好感度高いですね。

長嶋凛桜(ながしま・りお)さん。

自己紹介ではペンライト芸が小津さんとかぶってしまいましたが、特技披露ではフラダンスというオリジナリティ溢れるもの。北海道出身でフラという意外性
「菅原さんのために簡単な振りをお教えします」で手を90度に開くだけの「ヤシの木」。

彼女もずっとニコニコしていましたね。

増田三莉音(ますだ・みりね)さん。

パンツスタイルで登場したサンリオちゃん。
自己紹介では「エアタイピング」という謎の技を披露。「カタカタカタ…」とタイピングの音も当てるのが独特

反復横跳びをして「どうですか?早いですよね?」から川田裕美アナを彷彿とさせるスキップ。なかなかのキャラクター。

特技はシェフの格好で登場してまさかの「片手で卵割り」。やはり独特。
なんというか、大物感ありますね笑

MVの時点では初期の掛橋沙耶香に似ていると思いましたが、この日は生田絵梨花や岩本蓮加(いずれも初期)に通じるものを感じました。

森平麗心(もりひら・うるみ)さん。

個人的にMV時点では元モーニング娘。の安倍なつみさんっぽさを感じました。それほど顔が似ているわけではないのになんでだろう?同意見の方おられますかね。

自己紹介では緊張のあまり泣き出した彼女。
しかし「あだ名をつけてください」で「うるみん大統領」等のエキセントリックな候補を挙げながら一番無難な「うるみん」をセレクトし6期生がずっこけるという団体芸を披露。

特技はバレエ。ポニーテールが可愛く、笑顔もキュートでした。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得ておりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

矢田萌華(やだ・もえか)さん。

プロフィール動画はトップバッターで期別曲はセンターと、ゴリゴリに「スピアヘッド」を担わされてきた彼女。

個人的な第一印象は「雪女」
いや、これもめちゃめちゃ褒めてます。雪女って、美しさと畏怖の両方の要素を含んでいるじゃないですか。彼女にはそれがあると思います。

映像が公開されるにつれ、高山一実に似ているとか堀未央奈だとか斉藤京子だとかいろいろ言われていましたが、私は戸田恵梨香さん似だと思っていました。
そして登場した矢田さん。その横顔はなんと超初期型の与田祐希にそっくりでした。「いや別に…」みたいにすっとぼけた表情をするともう瓜二つ。

自己紹介では「もたもたしているのでもたもたのもったんと呼ばれていました」。
そして「今日はテキパキとなまはげをします」から、もたもたツノをつけてラムちゃんスタイル。これはスタ誕で『ラムのラブソング』を歌う前振りですよね?

そしてノックして引き戸を締めるか迷ってから「悪ぃごはいねえがぁ~!」。
さらに客席を見渡しての「この中に矢田萌華を推してくれる人、いねえがぁ~!?」。
とどめに「最終目標は皆さんの心をMonopolyすることです」。

素晴らしい。パーフェクトな構成だと思います。
県内トップの進学校在学中と噂される矢田さん。
「めちゃめちゃ勉強できる変人(生田絵梨花や北川悠理のような)」ではなく「めちゃめちゃ勉強ができてシュッとした見た目だけど面白いことが好き」に見えます。

特技では髪をまとめドイツ国旗カラーの浴衣を着て登場し「西馬音内盆踊り」。
こちらは一転、凛とした空気を纏いました。

いや~、雰囲気あるなあ
運営がスピアヘッドとして使いたくなるのは凄くわかります。


全体的に6期生は3年前の5期生同様に肝が据わった感じ。

泣き出したのも森平さんぐらいでしたし、彼女を含め全員が「準備してきたことを観客の前できちんとやる」ことができていたように思います。

そして初の楽曲披露。

センターは『おひとりさま天国』瀬戸口さん、『制服のマネキン』森平さん、『インフルエンサー』は大越さんと小津さん、『歩道橋』は矢田さんでした。
そして最後は『タイムリミット片想い』をフルコーラスで披露。

ここではふたりだけ触れておきます。

海邉さん
ライブで歌い踊る姿は、優しい顔立ちや高身長と相まってKARAのジヨンさんっぽかったです。

そして森平さん
センターを務めた『制服のマネキン』での「感情をどこかに置いてきたような」目
生駒里奈とも齋藤飛鳥とも違うそのアプローチをこの年齢とキャリアでできるのはもの凄い。素晴らしく印象に残りました。


ということで6期生初披露の会、楽しかった!

早く単独ライブやってくれないかな~

『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。


 


びーむ色調補正3
待ってましたの6期生初披露の会

個人的に過去のお見立て会はすべてスルーしてきましたが、5期生の時は46時間TVの中で無料だったこともあり観ています。(そしてもちろん、29thシングル選抜発表で大荒れが予想されていたので)

関連記事:


しかし今回はふと思い立って配信で観ることに決めました。

※当記事公開時点では既に『乃木坂工事中』の6期生紹介がオンエアされていますが、あくまでも初披露の会までの感想です

この日まで焦らされた


まずはこの日に至るまでの流れをざっとおさらいします。

6期生11人が加入すると発表されたのは2月5日のことでした。
翌6日から公式Youtubeチャンネル『乃木坂配信中』で毎日11時にひとりずつプロフィール動画を公開。

全員公開後の2月20日に全員で踊る「6期生オープニングムービー」公開。と同時に4月6日にぴあアリーナMMで「初披露の会」が開催されることも発表されます。
25日からは新たな写真と手書きプロフィールを順次公開。

この時点で個別と全国両方のミーグリ募集が開始されます。
しかしあまりにも情報がないためファンの動きは正直鈍かったように思います。

3月22日に6期生楽曲『タイムリミット片想い』MV公開。

ここでようやく「まともに動いている6期生」の姿が公開されます。
5期生の時はプロフィール動画初日からお見立て会まで3週間で、しかもその間に個別ドキュメンタリーの予告編(本編は29thシングル特典映像)が公開されていましたので、それと比べるとかなり焦らされた状態でした。

そして迎えたこの日。

司会進行は梅澤美波と菅原咲月。

まずは50音順にひとりずつ入場してきます。
全員が揃ってから順に1分間自己紹介。そして特技披露からミニライブという流れでした。

愛宕心響(あたご・ここね)さん。

空手歴2年いや短いな笑
「ほっぺが赤くなっちゃった!」はマギー審司さんの「耳がでっかくなっちゃった!」みたいでしたし「唐揚げが好きでゲラだから「からあゲラ子」と呼んでください」というのもなかなかキャラが立っていますね。

しかし特技の生け花や話し方からはそこはかとなく「かしこ」っぽい雰囲気も伝わってきました。実際のところはどうなんでしょう。

大越ひなの(おおこし・ひなの)さん。

寸劇の「中腰?いいえ、大越です」は面白かった。そもそも「教科書をセリフっぽく言う同好会」ってなんだ誰が創設したんだ笑

書道パフォーマンスで「舞」と書いて「100点中6点」と悔しそうな表情。
過去の最年長メンバーはふわふわ系が多かったのですが、彼女はしっかりしている印象でした。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得ておりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

小津玲奈(おづ・れいな)さん。

登場した瞬間のどよめき。率直に言って「これまでの動画の印象より可愛かった」からでしょう。
ずっとニコニコしているのも好感。

自己PRでは折しも『ウィキッド』公開中ということで自分の苗字と「オズの魔法使い」をかけて「魔法をかけちゃうぞ」。(これ川後陽菜のキャッチコピーでしたね)
「おづ…ジャ~~~ン!」という謎過ぎるリズムとフレーズの魔法なのが面白かった。

特技は創作ダンス。凄え身体動くなあ。後ろ足を上げた時の綺麗さ、安定感が印象に残りました。

海邉朱莉(かいべ・あかり)さん。

登場シーンではおどおどしながらのWピース。

プロフィール動画の時点から元櫻坂46の上村莉菜さんに似ていると言われていて私もそう思っていました。
自己紹介の佇まいとボディパーカッションの感じでは同じく元櫻坂46の小林由依の超初期を思い出しました。彼女も音楽系特技を前面に出していましたし(いやそれを言ったらうえむーもトランペット…)。深川麻衣っぽさも感じました。

特技は平原綾香さんの『Jupiter』歌唱。
歌っている時とそうでない時の表情の落差がかなり良かった。歌いたい乃木坂の曲が『光合成希望』というのもなかなかいいチョイス。

川端晃菜(かわばた・ひな)さん。

今回の最年少。「生まれも育ちも乃木坂」というキャッチコピーはなかなか強烈。
まさか『サヨナラの意味』MVの「棘人」を真似して遊んでいたとは!
なんというか全体的に驚愕です。

特技はジャグリングしながら乃木坂の全シングルを順に言う、なのですが途中で「もう10枚目まで来ました、どんどん行こ~」的なブリッジまで挟むのが面白かった。

鈴木佑捺(すずき・ゆうな)さん。

MVまでの個人的な印象は「黒木華さんそっくりだな」。
「和でおしとやかで控えめで守ってあげたい系」な性格を想像していたのですが、登場シーンから巫女さん姿でどよめかせます。
いや、和ではあるんですが、いきなりコスチューム装着で来るタイプとは思っていなかった。

自己紹介でも開口一番「ヤッホー!」。
こちらの勝手な想像を清々しく裏切る堂々たる立ち居振る舞い。いや、堂々とし過ぎではないか笑

特技は乃木坂楽曲イントロクイズ。憧れの梅澤美波と対戦。「わかった人は挙手」で梅ちゃんより高く手を挙げようとしてふたりでわちゃわちゃする姿が可愛く、その身長差と相まって観る者に大園桃子を思い起こさせました。実際、目を伏せている時の鈴木さんはかなり桃子に似ていると思います。


続きます。

『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。


 


びーむ色調補正3
前の記事では座長・冨里奈央について書きました。

関連記事:


当記事では副キャプテン・菅原咲月について。

それでも力になりたい


千秋楽の座長挨拶で冨里奈央は「プレッシャーとか責任とかで押しつぶされそうになった時に、いつも必ず誰かがそばにいてくれた」と語りました。だから自分も挫けずにいられたと。

同じ言葉を我々はこれまで何度も耳にしてきました。

座長としてアンダラ横浜アリーナ2DAYSを控えた松尾美佑は「乃木坂はひとりにしてくれない場所」。
齋藤飛鳥も自身の卒コンで「いつかどこかで誰かが助けてくれる、だってそれが乃木坂だもん」。

今回、「ひとりにされなかった」メンバーがなおなお以外にもうひとりいました。

それは菅原咲月

37thアンダラのさっちゃんは本当に苦しい立場でした。

2024年12月の「乃木坂46 大感謝祭2024」で発表された彼女の副キャプテン就任。

まだお披露目から2年10ヶ月後輩も加入する前の段階グループで3番目に若いメンバーです。

これがいかに異例のことであるか、他の期に当てはめるとよくわかります。

4期生でいえば『君に叱られた』の頃に柴田柚菜が副キャプテンになるようなもの。
3期生は2年違いで既に4期生が加入していましたのでちょっと状況が違うのですが、時期としては秋元真夏がキャプテン就任してすぐの頃の阪口珠美
2期生はさらに極端で最初の紅白出場というか初の46時間TVの頃(『ハルジオンが咲く頃』の選抜発表ぐらいの伊藤純奈です。

実際に梅澤美波が副キャプテンに就任したのはまさに上で書いた『君に叱られた』期間中でした。

そこから秋元真夏を齋藤飛鳥を山下美月を送り出し「私たちが乃木坂46です」と宣言した。
個人的にはこれをゆんちゃんがやっている姿は全くイメージできない。というか、4期の誰であっても考えられない。

菅原咲月はそんな極めて早いタイミングで副キャプテンに任命されたのです。
彼女が感じているプレッシャーはいかばかりか。我々には想像することしかできません。

しかもそれがグループ内に発表されたのは37th選抜発表と同じタイミングでした。
副キャプテンになる不安と選抜から外れた悔しさ。それが同時に襲いかかる言いようのない感情を味わったことでしょう。

そして悪意はなくとも一部のファンから「でも君はいずれ選抜固定なんでしょ?」という目が向けられるであろう(そしてそれは無理もないであろう)ことも分かっていたでしょう。

迷いや悩みや不安。そんなマイナスの感情もライブにぶつけて昇華したい。
でも、もしかしたらその日の客席はアウェイかもしれない

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得ておりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

そんな中で始まった今回のアンダラ。

DAY1のソロ歌唱コーナーで『何もできずにそばにいる』を選び、その理由を「この曲の歌詞に何度も救われてきたから、これからは自分が乃木坂の力になりたい」と語ったさっちゃん。

正直、個人的には「そこまで抱え込まないでほしい」と感じました。
副キャプテンだけど、まだ下から3番目の年少メンバーなんだから。

そして千秋楽。

序盤は素晴らしくしなやかなダンスをしていた彼女が本編ラスト前のブチ上げコーナーでは髪を振り乱して一心不乱に踊ります。
「ライブ映えする」という自身の長所を堂々と観る者に印象づけました。

それでも最後の『乃木坂の詩』前のMCでとうとう溢れ出した感情

副キャプテン就任から複雑な思いを抱えて色んなことを考えてプレッシャーを感じて苦しかったこと、それでも「このライブでは自分の立場とかを気にせずにいることができた」と。

そんな彼女にこう語りかけたのは吉田綾乃クリスティー。
「せめてここにいる時ぐらいはその重圧から解放されてほしい」。

言葉に詰まり涙を流すさっちゃん
その身体を隣でずっと優しくさするあやてぃー
ふたりの様子を微笑みながら見つめるメンバーたち

乃木坂の暖かさに満ちた素敵なシーンでした。


菅原咲月が最後に涙を流せたこと。
おかしな表現かもしれませんが、これは本当に「良かった」。

年末から何度も梅澤美波の隣に立っていたさっちゃん。
2025年はきっとさらにその機会が増えるでしょう。
彼女がいちプレイヤーとしていられる場面はこの先どれほどあるのだろうとか考えると胸が苦しくなります。

それでも。

キャプテンや副キャプテンの重圧を知ることはできなくても。
選抜聖域と見られることの苦しさを知ることはできなくても。

「それでも力になりたい」と思ってくれる人が乃木坂にはいる

さっちゃんはこの日、改めてそのことを実感できたのではないでしょうか。


『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。


 


びーむ色調補正3
前の記事ではこの日のライブがそれぞれの良さを存分に発揮するものだったことと、それを支えた3期生について書きました。

関連記事:


当記事では座長・冨里奈央について。

「私はアイドルになってよかったです」


前作『チートデイ』で、冨里奈央は最も目につく人気指標であるミーグリ完売状況において堂々の3次完売(しかも4作連続)を叩き出します。
彼女より完売速度が速かったのは一ノ瀬美空と井上和のふたりしかいませんでした。(それ以外にいわゆる「免除メン」がいるわけですが)

それでも選抜には入れなかった。

ボーダーラインに並んだ時、押し出されるのは自分なんだ

そう感じてしまったとしても無理はないでしょう。

そして彼女は今回の座長に指名されます。
心中に期するものとプレッシャーの両方があったのは想像に難くありません。

迎えたアンダラ3DAYS。
そのセトリは座長・冨里奈央に「寄り添った」ものでした。

ベースとなるアンダー曲は要所で使われていますし、個人にスポットを当てるソロ歌唱コーナーもアンダラならでは。
それでも終演後真っ先に感じたのは「アンダラでこんなに表題曲や期別曲をやるのは珍しい」でした。

まず本編ラストを期別曲『考えないようにする』(=なおなおにとってとても大切な楽曲)で締めたというのが異例。

さらに。
グループの歴史においてかなりアイコニックな楽曲を、彼女をセンターに据えてパフォーマンスしたのです。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得ておりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

初代センター生駒里奈の代名詞にして初東京ドームのオープニング曲に選ばれた『制服のマネキン』
レコ大連覇達成したグループの代表曲のひとつ『シンクロニシティ』
アイコン西野七瀬の卒業ソングにしてグループ史上最高売り上げ『帰り道は遠回りしたくなる』

そしてソロ歌唱コーナーで選んだのは史上最強選抜のひとつ『今、話したい誰かがいる』

「全曲センター」の卒コンを別にすれば、このすべてをひとつのライブでセンターを務めたメンバーって恐らくいない。
いたとしても遠藤さくらぐらいでしょう。それもバスラで複数の日に跨ってではないかと。

このセトリになった経緯はわかりませんが、いずれにせよ最終的にゴーを出した運営は冨里奈央に期待しているのでしょう。あるいは彼女には「運営に期待させるだけの何かがある」と言うべきか。

そしてなおなおは「違和感なく」やってのけました。

やはり彼女には乃木坂感がある
なおなおのそれは「儚さ」そして誤解を恐れずに言えば「どこか不幸の影があること」。

あのくるっとした瞳を潤ませて上目遣いでこちらを見るのがシグネチャームーブ。
『超・乃木坂スター誕生!』で奥田いろはが自作曲『恋々』のMVで多用したあれです。

でも乃木坂感は儚さだけではありません。「儚さの中にある強さ」こそが真骨頂。

今回のアンダラで冨里奈央はその萌芽を見せてくれました。

私がこの日の彼女から感じていたのは深川麻衣の面影
「聖母」まいまい。間違いなく乃木坂46という優しい世界の源流のひとつ

アンコールでの『帰り道は遠回りしたくなる』。
なおなおがカメラを手にメンバーたちの写真を撮っていくというセンチメンタル全開の演出。(センターがマイクを持たないというのも斬新!)

そしてラスサビ。

 風のように 風のように
 思うままに 生きてみよう

そう歌うメンバーたちを背に彼女が見せたのは、

「強くなりたい」

そんな意志を込めた未来へのまなざし

私の頭をよぎったのは『ハルジオンが咲く頃』のジャケット写真。
自らの卒業センター曲での優しく穏やかな、でも強い意志を湛えたあのまいまいの表情とどこか重なるものでした。


続きます。

『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。


 


びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

関連記事:


当記事ではなぜこの日のライブがあれほど素晴らしかったのか考察してみます。

目の前のことを精一杯


ライブから10日ほど考え続けてたどり着いた結論は「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」でした。

めちゃめちゃ普通ですいません笑

でも37thアンダラ自体、特別な事情のない「普通の」ものでしたよね。

やっぱりシチュエーションって大事、というか観ている我々は往々にしてそれに引っ張られるじゃないですか。
後に「伝説」と呼ばれるようなライブってやっぱりそれも込みという部分が大きいわけで。

例えば2014年のアンダラ2ndシーズンはシチュエーションとメンバーの想いとファンの想いが(そして恐らくスタッフさんの想いも)全部揃った奇跡的な状況でした。まあこれも今だから言えることで当時は「悪夢のような」状況でしたけれど。

2015年日本武道館は「最初に描いた夢の実現」、アンダーレジェンド集結。
2017年東京体育館は「最少最弱」、ダブルダブルアンコール。
2018年武蔵野の森は「久保史緒里復活と川後陽菜卒業」、アンセム『日常』の誕生。
2024年有明(35th)は「筒井あやめ座長と盟友清宮レイ卒業の一期一会」、最初と最後の『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。

関連記事:



いずれもなんらかの「事情」がありました。
だからこそメンバーも己を燃やしたしファンも燃え上がったという側面があったのは間違いないでしょう。

翻って今回。
特段の事情は「なかった」

もちろんミーグリ完売実績では上位でありながらまたも選抜から外れた冨里奈央と菅原咲月のふたりをはじめ、それぞれのメンバーには思うところがあったでしょう。

とはいえアンダーメンバー誰かの卒業が発表されていたわけでも、グループに猛烈な逆風が吹いていたわけでもありません。

いわば「いつもの」「恒例の」アンダーライブだったのです。

それなのになぜ、あんなにも私の気持ちは揺り動かされたのか。

それはきっと「目の前のお客さん(配信視聴者含む)に最高のライブを届けたい」だから「自分にできることを精一杯やる」というメンバーの気持ちと、それにバチッとはまった選曲であり演出でありパフォーマンスだったから。

すなわち「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」。

柴田柚菜の『Wilderness world』。

彼女の歌唱力を活かす。そこにとどまらず「伸びやかな歌声」というストロングポイントを使い切るにはどうするかを考えた。
そこで「フェイクを任せる」しかも「スタンドマイクで強調する」という演出が加えられ、ゆんちゃんはそれを実に堂々とやってのけました。

『狼に口笛を』のメガホン伊藤理々杏

でっかい瞳に小さな身体、そしてツインテール。2.5次元的…というかもはや2次元。
いい意味で「漫画チック」で「デフォルメされた存在」である彼女がメガホン片手に踊り歌う姿の何とも非日常な感じ。そして床に置いたり拾い上げたりする姿の愛くるしさ
ちゃんと顔が見えるように左上に向けた状態をキープしているのもさすが。
こういう飛び道具が使えるのももちろんベースの歌唱力があるからです。

そして「他の期がセンターをやる期別曲コーナー」もセンターの持ち味が発揮されていました。

岡本姫奈と『Out of the blue』の「陽×陽」。
35thアンダラでもユニットコーナーでやっていたので好きな曲なのでしょう。
ライブを本当に楽しめている様子の彼女と実に良くマッチしていました。

佐藤璃果の『自分じゃない感じ』。
「アイドルとしての自分」にこだわる彼女にオリジナルの山下美月の姿が透けて見えます。

佐藤楓の『心にもないこと』。長い手足でしなやかに大きく踊るのが彼女ならでは。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得ておりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

女帝にして帝劇女優


そしてもうひとつ。

私はライブ中ずっと漠然と「クオリティ高いなあ」と感じていました。

それはやっぱり3期生がしっかりと支えていたからだと思うんですよね。

個人的に「前回の」=比較対象となるアンダーライブは35th。

どちらがいいとか悪いとかではなく、それぞれの素晴らしさがありました。

35thは山下美月卒業に伴う3期全員選抜という特殊事情。それにより生じた初の4期5期だけでのアンダラ。
センターはエリートコースを歩んでいたため初めてのアンダラ参加となった筒井あやめ。
結果として刹那感、青春感が炸裂した感動的なライブになりました。

それに対し今回の37thは完成度…という言葉は少し違う気がしますがパッケージとして素晴らしかった。
がむしゃらな人(5期生)も実力を見せつける人(3、4期生)もそれぞれがやるべきことをやっていたことがその理由でしょう。

特に感じたのが3期生の「底支え力」
堂々たる貫録でビシッとライブを締め、後輩の座長を支えていました。
かつて中田花奈や樋口日奈が。そして伊藤かりんや伊藤純奈、渡辺みり愛がそうしていたように。

とりわけ強い印象を残したのは中村麗乃
千秋楽を観た人の多くが「今日のMVPだ」と思ったのではないでしょうか。

『悪い成分』でレーザーをかきわけて登場する彼女。
まさに「女帝感」。客席の8割以上がこの言葉を思い浮かべたに違いありません。
こんな日常生活に存在しない単語を瞬時に思わせる彼女の凄味。幕張メッセを「ドミネイト」していました。

そして千秋楽のソロ歌唱コーナー。

この日の彼女はデコ出しの髪型と薄めの眉。
私には「アイドルメイクではない」ように見えました。
もっとストレートに言えば「帝劇女優として出てきたな」と。

選んだのは『歳月の轍』。

生田絵梨花の卒業ソング。
グループにおける立ち位置は違うけれど、それでも「在籍中に帝国劇場に立った」共通点を持つ偉大な先輩への憧れとシンパシー。

「中村麗乃(乃木坂46)」ではなく「中村麗乃」として単独で『MUSIC FAIR』に出演するところまで来たれのちゃんの矜持

 8年半経って、こんな私になれましたよ

彼女はそう伝えているようでした。

力みも気負いも一切なく、ただ感謝と共に。


続きます。

『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


Kindle本が読み放題になる Kindle Unlimited の新規登録は こちら から。 
初めてご利用の方は30日間の無料体験が可能。期間終了後は月額980円です。


 


このページのトップヘ