ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > ライブレポ

びーむ色調補正3
いいものを観た

この日現地参戦した私が、終わった瞬間にしみじみ思ったことです。

もはや卑怯


セットリストはこちら。

Overture
01. ジャンピングジョーカーフラッシュ
02. バンドエイド剥がすような別れ方
03. 自惚れビーチ(センター:冨里奈央)
04. 思い出が止まらなくなる
05. 13日の金曜日(センター:筒井あやめ)
06. 錆びたコンパス(センター:筒井あやめ)
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:小川彩)
08. 嫉妬の権利(センター:柴田柚菜)
09. 不等号(センター:金川紗耶)
10. 狼に口笛を(センター:黒見明香)

<ユニットコーナー>
11. ブランコ(センター:小川彩)
12. 羽根の記憶(センター:林瑠奈)
13. その女(センター:金川紗耶)
14. Against(センター:清宮レイ)

15. ハウス!
16. 扇風機

<企画コーナー>
「あーやと遊ぼう」

17. 日常(センター:筒井あやめ)
18. Hard to say(センター:菅原咲月、冨里奈央)
19. さざ波は戻らない(センター:林瑠奈)
20. 踏んでしまった
21. Actually. . . 
22. 夜明けまで強がらなくてもいい(センター:筒井あやめ)
23. 車道側

EN
EN1. ざぶんざざぶん
EN2. 太陽ノック
EN3. 左胸の勇気(センター:筒井あやめ)

WEN
WEN1. ジャンピングジョーカーフラッシュ


Overtureに続いて流れて来たのはド派手なイントロ。

『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。
もうこの瞬間に客席はあっさり沸点越えしてました。

期待感でパンパンに膨れ上がったところにニトログリセリンを放り込むようなものですからね。完全に出来上がりきった客席。2014年の有明コロシアムみたいだ。

そして息もつかせず『バンドエイド剝がすような別れ方』。

現在の乃木坂ブチ上げ曲で5本の指に入るであろう両曲のオリジナルセンターが揃い踏みした今回のアンダラ。そりゃセトリに入れるでしょうよ。

でもド頭で2曲続けるか!しかもフルで。
もはや卑怯だ笑

しかしそれ以外はいつものアンダラ同様に、アンダー楽曲中心の構成。
例外はユニットコーナーとトロッコ曲と『Actually...』『夜明けまで強がらなくてもいい』ぐらいですね。

新旧アンダラのアンセム『錆びたコンパス』『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』。
2期生全員アンダーだった『嫉妬の権利』。
中元日芽香の想い『不等号』。
初期アンダラの鉄板曲『13日の金曜日』『狼に口笛を』。

アンダラが初めてなファンにも、そしてもちろん初参加となる筒井あやめと菅原咲月にも「これがアンダラだよ」と伝えるような選曲です。

ユニットコーナーでアンダー楽曲史に残る名曲『ブランコ』が入ったのもセトリを締めた要因でしょう。
それをまた小川彩という、最年少でありながらもはやひとつの磁場になっているメンバーのセンターでやるというのが素晴らしい。

この日のハイライトのひとつ、清宮レイ渾身の『Against』。こちらについては彼女の卒業の記事で書くつもりです。

企画コーナーで一度完全に緩めた空気を一気に引きずり戻す『日常』。

どこまでいっても北野日奈子のものであるはずのこの曲を、自分のものの「ように」してみせた筒井あやめ。11thバスラ4期生ライブで『思い出ファースト』のセンターを務めた時にも感じた、彼女のスペシャリティ。
最後の薄ら笑いのド迫力

そこから近年のアンダー楽曲を連ね、超速の『踏んでしまった』。
畳み掛ける『Actually…』。オリジナルの清宮レイによる最後の英語台詞

「私にとってとても大切な曲」ここまできて何をやるのかと思えば『夜明けまで強がらなくてもいい』。

筒井あやめの座長挨拶。
そして本編ラストはみんな待ってた『車道側』

アンコールはあやレイファイナル
そしてWアンコールでは私服姿の奥田いろはも加わって2度目の『ジャンフラ』。

大満足の素晴らしいセトリでした。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンはやっぱり、筒井あやめ
デコ出しで美形お姉さんっぷりが強調されていた金川紗耶林瑠奈のふたりも印象に残りました。フレッシュなフロント3人との対比という面でも非常に良かった。

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梅澤美波は今回のアンダラを観て「未来の乃木坂を見てるみたい」と語ったそうです。

それもそのはず。

山下美月が卒業し、いよいよ4期Wエース「かきさく」=賀喜遥香と遠藤さくらが乃木坂の先頭に立ちました。
これから4期5期の時代が始まります。すなわちある意味「4期5期ライブ」でもあったこの日のメンバーが中心となる未来がもうすぐそこまで来ているということです。

しかもこの日の最年長は金川紗耶と佐藤璃果の2001年組ですからかきさくと同い年。
つまりこの日のアンダラはさらにその先の、やがて来る「かきさく後」の世界を垣間見せるものだったのです。

もちろんここに井上和をはじめとした5期生選抜組5人が加わります。その頃には6期生からも何人か「センター級」「エース格」が生まれていることでしょう。

それでもその時に筒井あやめがひとつの柱として存在してくれたら
中学生にしてかきさくとともに抜擢フロントを経験し、ふたりの苦悩とその後のエースへの歩みをそばで見てきた彼女がいてくれたならなんと心強いことか。ましてや彼女は和ちゃんと同い年なのです。

ここではあやめんにフォーカスを当てて書いていますが、もちろん彼女以外でもかきさく後に「4期生ここにあり」と感じさせてくれるメンバーがいることを願っています。

余談ですが個人的には岩本蓮加もしれっとその頃まで在籍していてほしい。
彼女は2003年組(あやめんのひとつ上の代)のしかも早生まれなので3年後の夏でもまだ23歳ですからね。


続きます。

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びーむ色調補正3
「銀河系軍団」

サッカースペイン1部リーグの超名門、レアル・マドリー。
強大な資金力を背景に綺羅星のごときスター選手(各国代表のそれも主力選手)ばかりを集めた超豪華布陣を指して使われたものです。

この日のライブを観て私の頭をよぎったのはその言葉でした。

似ていないはずなのに


既にアリーナクラスでの期別ライブを経験している5期生たちが行なう、少人数の箱でのライブ。3期や4期にはなかったパターンです。

小箱。そして味も素っ気もないステージセット。
すなわち初期アンダラや3期初単独と似たシチュエーション。

熱量やがむしゃらさがダイレクトに客席に伝わる。
それこそが小箱の良さであり、先達もそうやって観る者の心を動かしてきました。

ただ5期生の場合、そうはいきません。

誤解を恐れずに言えば、「がむしゃらさ」「必死さ」は拙さとセットになった時にその威力を発揮します。

しかし今年のバスラ5期ライブの記事でも書きましたが、素質に恵まれた「持てる者」であるゆえに彼女たちの想いや努力は見えにくい。

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さらに表題センター経験者2人、福神経験者7人、選抜経験者8人、アンダーセンター経験者1人。
この数字だけ見ても、もはや「新人」ではなく「堂々たる戦力」
むしろこれまで彼女たちは先輩たちと並んでも拙さを感じさせまいと懸命に努力してきたはずです。

そう考えると、決して5期生と相性がいいとは思えないこの舞台設定。

そこで彼女たちは何を見せてくれるのか。

この日、私はそこに注目していました。

オープニング直後のMCで早くもその答えが判明します。

井上和がこう言い放ったのです。

 5期生11人で作る「乃木坂46のライブ」見届けてください

凄いこと言うなあ。

新人ライブとか期別ライブとかそんなくくりじゃない、いわゆる「本体のライブ」「全体ライブ」と思って観てくれと言っているんです。

そして彼女たちはその言葉通りにやってのけました。

5期生が見せたのは「クラス感」
小箱だろうが味も素っ気もないステージセットだろうが委細構わず捻じ伏せる、そのダダもれのスター性。

まさに「銀河系軍団」

例えるなら飾り気のない映画館のスクリーンの前で舞台挨拶をしてもスター性を見せつける俳優のように。

そしてそれは、今では考えられないぐらい安っぽい衣装とステージセットでもそのビジュアルの説得力で「クラス感」を感じさせたかつての1期生たちの姿とも重なります。

それは千秋楽Wアンコールの選曲にも表れていました。

櫻坂と日向坂はそれぞれ欅坂とけやき坂の、つまりルーツとなるグループの楽曲をもってきて「継承というストーリー」をラストで強烈に印象づけました。

では乃木坂は何を?

『君の名は希望』も『乃木坂の詩』もこの日既にやった。
『左胸の勇気』もアンダラでやった。『きっかけ』?それも『MUSIC BLOOD』でやっている。

選ばれたのは『I see…』でした。

ストーリーも何もない、ただ「楽しく笑顔で終わる」Wアンコール

それは実に乃木坂46的で。

「作られたシナリオ」と「仕込まれたサプライズ」のダイナミズムが売りだったAKB48に対するアンチテーゼとしての乃木坂46を、「物語がないのが物語」「物語なんて後から勝手についてくる」という乃木坂イズムを強く感じさせるものでした。

正直、5期生を観ながらこんなにも1期生を思い出すとは考えてもみませんでした。

これ以上は蛇足かとも思いますがもうひとつ。
『考えないようにする』のパフォーマンスを観ながら私がメモしたのは「乃木坂的な美しさ」

伝家の宝刀、杉山楽曲
そして『シンクロニシティ』以降の乃木坂の特徴のひとつでもある、指先までしなやかな腕の振りを特徴とする「舞う」ダンス。振り付けもSeishiroさんですね。

それを束ねるセンター冨里奈央の儚さ

MVのどこかソフトフォーカスで木漏れ日のような光の処理がされた映像も、過去楽曲で何度も見た表現。
そして『バンドエイド剥がすような別れ方』で「敢えてやらなかった」であろう手法でもあります。

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上の記事では『バンドエイド』を「乃木坂感が、あるけどない」と評しましたが、この日の5期生はその「乃木坂感」を早くも引き出しのひとつとして纏い始めているように感じました。

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いついかなる時も可愛い


最後に、この日何度も繰り返し思ったことを書きます。

 小川彩は、破格だなあ

最初のMCを彼女が仕切り出した。そのことにまず驚きました。

だって、それができるメンバーはいっぱいいるじゃないですか。
菅原咲月や中西アルノ、井上和。たぶん一ノ瀬美空も。
なのに敢えて最年少の彼女にやらせて、それをごく自然にこなしている。

もうこの時点で私は「破格だなあ」と感じていました。

そしてこの日も小川彩は、いつものように自身の魅力と能力を我々に見せてくれました。

いついかなる時も可愛いそのビジュアル
独特なざらつきのある優れた声質とアタックのある歌唱
どこか阪口珠美を思わせる、その滑らかなダンス

別にこの銀河系軍団の中でもさらに抜けた存在だとか言うつもりはないんです。
そこはまだ、正直わからない。ですが個人的にはその可能性すらあるスケール感を感じています。

よく齋藤飛鳥と比較される彼女ですが、私はむしろ生田絵梨花に通じるものを感じます

『君の名は希望』のピアノ伴奏や『無表情』に引きずられているかもしれません。
でもその底知れなさ、そして影の努力をおくびにも出さずにただステージ上で見せるものだけで勝負しようという矜持

やっぱり、生田絵梨花だと思うんですよね。


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びーむ色調補正3
この先2度とないであろう、キャパ900という小箱での5期生ライブ。
当然のごとくチケットは全落でしたので最終日を配信で観ました。

「新参者」なんて言わせない


セットリストはこちら。

Overture

01. 絶望の一秒前
02. 制服のマネキン(センター:中西アルノ)
03. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
04. 裸足でSummer(センター:五百城茉央)

<ユニットコーナー>
05. 銭湯ラプソディー(池田、岡本、川﨑、菅原、冨里)
06. 革命の馬(五百城、井上、奥田、中西)
07. 無表情(一ノ瀬、小川)

<おひとりさまコーナー>
08. 羽根の記憶(五百城)
09. マシンガンレイン(中西)

10. いつの日にか、あの歌を…
11. 初恋の人を今でも
12. 君の名は希望

13. 心にもないこと
14. 考えないようにする
15. インフルエンサー(センター:一ノ瀬美空、井上和)
16. Actually…
17. 17分間
18. バンドエイド剥がすような別れ方
19. おひとりさま天国

EN
EN1. ロマンスのスタート
EN2. Sing Out!(センター:菅原咲月)
EN3. 人は夢を二度見る(センター:岡本姫奈、奥田いろは)
EN4. 乃木坂の詩

WEN
WEN1. I see…


オープニングからブチ上げ曲を続け、ユニットコーナーを挟んでバラードコーナーでクールダウン。そこから本編ラストに向けて一気に盛り上げていく。
後述するオープニングでの井上和の宣言通り、この日のライブはいわゆる全体ライブのフォーマットでした。

基本生歌(一部被せかも)。そして5期生曲全部フルコーラスなのが良いですね。

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは井上和のアカペラが鳥肌ものの『絶望の一秒前』。
ラストで彼女は薄く笑ってみせます。

そして

 5期生11人で作る「乃木坂46のライブ」見届けてください

ある意味「新参者」のコンセプト全否定笑

そこから畳み掛ける『制服のマネキン』。
言わずと知れた乃木坂の代名詞のひとつ。中西アルノセンターは少し意外。
しっかりウインクを決める菅原咲月。この後も数えきれないくらい決めるのですが。
大間奏の巻き取る振りの回転が異様に早い一ノ瀬美空

『裸足でSummer』サビ前、五百城茉央の「いっくで~!」という煽り。

井上和のMCでの「表情に注目してほしい」「配信なんで良く見えるじゃないですか」という発言。これ凄い自信だよなあ。
小川彩に褒められて「何急に~?」と照れる五百城茉央。「私も褒めてほしい」と拗ねる一ノ瀬美空

ユニットコーナーは何と驚きの『銭湯ラプソディ―』から。楽しそうな川﨑桜

『革命の馬』。白に柄という大胆なライダースを着こなしてしまう井上和。個人的にはこれ見覚えがないのですが、既存衣装でしたっけ?

『無表情』。令和版からあげ姉妹のビジュアルの強さよ!
しっかりガニ股をするのが可愛い小川彩。ここぞとばかりにキスを強要する一ノ瀬美空

おひとりさま(ソロ)コーナー。
五百城茉央の『羽根の記憶』。
かなり力んでリズムも走っていたので本人は終わった後で納得いっていない表情を浮かべていましたが、とりわけファルセットの時には彼女のイノセンスがその場を埋め尽くします。

中西アルノの「センターの方の存在感に圧倒された」というコメントから齋藤飛鳥のことかな?と思っていたら『マシンガンレイン』。
寺田蘭世か!よくぞこれをもってきた、というチョイス

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ずっと受け継がれてきたもの


MCで「10年後もご飯とか行こうね」と言って目を潤ませながら微笑む五百城茉央

『いつの日にか、あの歌を…』のポジションに入った時に客席から届いた「あーや~!」の叫びはきっと弓木奈於であろう。

カフェオーレ(五百城茉央奥田いろは)のギター伴奏で何をやる?と思ったら『初恋の人を今でも』!アンダラ2ndシーズンの本編ラスト曲じゃないですか!
ラスサビを歌う冨里奈央のなんとも菊池桃子なこと。これまたイノセンス。

この日のハイライトのひとつ、「乃木坂46の歴史にとってとてもとても大切な曲」からの『君の名は希望』。

3期初単独ライブでの梅澤美波の「この曲を嫌いだったら乃木坂じゃないよね」。
『乃木坂どこへ』内での賀喜遥香の「先輩方が絶対この曲が一番大切って言うから…」。
そうやってずっと受け継がれてきたものそして今、5期生が

小川彩のピアノ伴奏。生田絵梨花が、大園桃子が思い出されます。
ひとりずつ歌い継ぐ演出に多くのメンバーが緊張する中、揺るがない奥田いろは井上和中西アルノの3人。
サビ前のフィルを弾きながらメンバーに微笑みかける小川彩。ラスサビのハモり。

ガッツリ衣装替えで舞台上に誰もいない時間を作るという斬新さ。

『心にもないこと』。このあたりから本格的に楽しくなってきちゃった川﨑桜

『考えないようにする』で私が感じたのは「乃木坂的な美しさ」
これについては次の記事で書きます。

『インフルエンサー』は井上和一ノ瀬美空のWセンター。
ラスサビで伝統の裏センターの位置に立つ岡本姫奈

『17分間』。楽しすぎてもはやタレまゆになってしまう川﨑桜

アンコール、小川彩の煽りから始まる『ロマンスのスタート』。

『Sing Out!』のソロダンス、笑顔で舞いながら泣く菅原咲月

Wアンコールは何を持ってくるのかと思えば『I see…』。これは良い判断でしたね。

この日のビジュアル仕上がってるメンは、やっぱり小川彩
巻き髪の冨里奈央も凄く可愛かったですね。


続きます。

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そして別れの日がやってきました。

齋藤飛鳥、卒業コンサート。
幸いにもDAY2のチケットが当選したので東京ドームに行ってきました。

ちなみにこの記事を公開する時点で既に円盤が発売されていますが、すべて現地で観た感想です。

いつも通り


セットリストはこちら。

Overture

01. ジコチューで行こう!
02. インフルエンサー
03. シンクロニシティ
04. ハウス!
05. ダンケシェーン

<期別曲コーナー>
06. 絶望の一秒前
07. I see…
08. トキトキメキメキ

09. 扇風機
10. Against

<ユニットコーナー>
11. ファンタスティック3色パン
12. なぞの落書き(飛鳥、岩本、筒井)
13. 他の星から(飛鳥、遠藤)
14. 制服を脱いでサヨナラを…(飛鳥、理々杏、中村、賀喜、金川、柴田)
15. あらかじめ語られるロマンス(飛鳥、久保、阪口、清宮、田村)

16. ロマンティックいか焼き
17. ガールズルール

18. Route 246
19. ありがちな恋愛
20. 地球が丸いなら
21. 人は夢を二度見る
22. 帰り道は遠回りしたくなる
23. サヨナラの意味
24. 裸足でSummer
25. Sing Out!
26. ここにはないもの

EN
EN1. 硬い殻のように抱きしめたい
EN2. 僕だけの光
EN3. ロマンスのスタート
EN4. おいでシャンプー
EN5. ジコチューで行こう!


印象に残ったシーンを少しだけ挙げます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは与田祐希
岩本蓮加筒井あやめという「最年少の系譜」ふたりも可愛かった。

今野さんと菊池さんによる影ナレ。
たびたび見かける、我々ファンに負けず劣らず運営サイドも乃木坂が大好きで強い思い入れがあると感じられる瞬間。

『他の星から』。2019年夏の記憶。
歌い終えしっかりと抱き合った飛鳥と遠藤さくら

『人は夢を二度見る』に加わり、つい観ているこちらも「これが完成形じゃん」と思わされてしまう飛鳥の存在感。(そしてきっと、久保史緒里と山下美月ならちゃんとそれを悔しがってくれるでしょう)

アンコールラスト、ゴンドラで上空に消える飛鳥。
これも彼女の思惑通りまんまと「橋本奈々未じゃん」と思わされました。


さて、こんな乃木坂の歴史において重要なライブの現場に行っておきながら半年もレポを書かなかったのには理由があります。

それは「泣かなかったから」

2017年の初ドームは花道を歩きながら肩を組む中3トリオ(生田絵梨花、斎藤ちはる、中元日芽香)に恥ずかしながら号泣した私。
この日も、正直ぐちゃぐちゃに泣くんじゃないかと思っていました。

結成当初からの乃木坂ファンですから、当然1期生には並々ならぬ思い入れがあります。
ましてや「乃木坂のすべてを知る者」にして「奇跡の中の奇跡」、齋藤飛鳥。

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その卒コンですから泣かないはずはなかろう…そう思っていたのですが。
いくつか胸を締めつけられるシーンはあったものの、涙は流れませんでした。

その理由を考えて言葉にするのに時間がかかってしまったというのが正直なところです。

そして辿り着いた結論。

 いつも通りだったから。

これだと思うんですよね。

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飛鳥真夏体制


その理由を説明するには、ここ数年の乃木坂の活動を振り返る必要があります。

今から3年半前、2019年2月のバスラで西野七瀬が卒業。その夏の神宮における初代キャプテン桜井玲香の卒業を経て白石麻衣卒業シングル『しあわせの保護色』を初披露した2020年2月のナゴヤドーム8thバスラ。

このあたりの乃木坂は「移行期間」でした。

しかしその直後からコロナ禍が始まり、すべてのシナリオが大きく、大きくズレていきます。(もちろんそれは社会全体も同じなのですが)

新時代の旗手たる山下美月をセンターにするタイミングも恐らく半年遅れた。
そして未来を担うべきひとりであったはずの大園桃子も「在宅期間中に色々考えて」卒業を決意します。

『保護色』選抜発表に関する記事の中で私はこんなことを書いていました。

 『君の名は希望』までの生生星時代
 『ガールズルール』からの白石西野時代
 『裸足でSummer』からの白石西野飛鳥時代

 26thからは新たな時代である。
 まだ現時点では「飛鳥3期4期時代」としか表現できない。

 ポイントは誰が飛鳥に並び立つのか。

(『2020年の乃木坂46』収録 「【考察】旅立ちのフィエスタを歌え~乃木坂25thシングル選抜発表に思うこと」より)

そこからの3年半は確かに「飛鳥3期4期時代」でした。

しかしその実態は「飛鳥真夏時代」、より正確に表現するのであれば飛鳥真夏「体制」だったのだと思います。

その目的はただひとつ。
大人数アイドル史上、まだどのグループも成し遂げていない「世代交代」を成功させること

1期生2期生たちは自身の卒業を見据えつつ、パフォーマンスや言動を通して「これまでの乃木坂」を伝え。
後輩たちはそれを受け取りながら「これからの乃木坂」を描く。

そんな困難なミッションを、しかも卒業生ひとりひとり手厚く送り出しながら果たそうとしてきたのです。

2022年の全ツで設けられた、期も選抜もアンダーもシャッフルする「シャッフルコーナー」。
MCでは1期2期が「後輩のためにできることを考えた」と語っていました。

しかし個人的には、同様の試みは2019年夏の全ツから既に始まっていたと思います。

それぞれの期別曲を3期4期合同で行ない、アンダー曲をアンダー経験のないメンバー(生田絵梨花、桜井玲香、与田祐希など)も交えて行なう。
そして期を跨いだユニットによる「ミュージアムコーナー」。

時間をかけて融合と継承が進められたのです。

そしてもうひとつ、エース格の確立。

上で引用した記事で私は「ポイントは誰が飛鳥に並び立つのか」と書きましたが、運営が下した判断は「誰も並び立たせない」でした。(もちろん成り行き上…という部分もあるでしょうが)
飛鳥と誰かではなく、「ネクスト飛鳥(=与田山下遠藤賀喜)」同士を並び立たせた。
これにより「エース候補」が「エース格」へと成長し、新たな大エースひとりではなくエース格4人を揃えることができたのです。

そして5期生として井上和をはじめとする新たなエース候補たちが加入してくれました。

そんな飛鳥真夏体制の歩みと、その中で行なわれたライブの多くを観てきた私からすると、この日のライブは少し極端な表現になりますが「いつも通り」でした。

出ずっぱりの飛鳥が後輩みんなと絡む姿は、ここ数年の全ツで何度も見た光景。
だから私は飛鳥が卒業しても「飛鳥がいないだけ」なのだと思うことができました。

もちろん齋藤飛鳥がいなくなることはとてつもなく大きいでもそれ以上じゃない

そうなるように、飛鳥が、秋元真夏が、そしてメンバーみんなが頑張ってきたから。
飛鳥真夏体制で3年かけて築いてきたものがちゃんとあるから。
だから私はメンバーたちが思うほどこの日以降の乃木坂を心配していませんでした。

「乃木坂をよろしくね」

泣きながらその言葉に頷いた後輩たちはこの夏、1期2期のいない初めての全ツを見事成功させてみせました。

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最後にもうひとつ。

飛鳥はこの日、「乃木坂とは何か」をこんな言葉で表現してくれました。

 しんどいときは まわりを頼ろう
 とにかく頼って甘えまくろう

 ひとりじゃないんだし 絶対に絶対に
 いつかどこかで誰かが助けてくれる!
 だってそれが乃木坂だもん

これまでも、これからも

それが乃木坂46。



『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


『アンダラ伝説』 kindle版
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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを挙げました。

関連記事:


この記事では、ちょっとな異様なぐらい気合の入っていた3期生たちについて。

3期の青春


一番最初のMCから声が上ずり、明らかにテンションがおかしい梅澤美波
梅ちゃんのこんな状態を見るのは珍しい。

加入当初から3期のまとめ役として先輩との、そして大人との間に立つ状況も多かったであろう彼女。いわばずっと中間管理職だったわけです。

そして先輩がいなくなった現在。課長から部長になったような感じでしょうか。
後輩に目を配り、大人との間に立ち、さらにファンやもしかしたら「世間」との間にも立たなければいけない

桜井玲香も秋元真夏も経験してきた「自分の発言がグループの意志と捉えられる」重圧にも直面したことでしょう。

そんな梅ちゃんのMCにメンバーは全力の「イエーイ!」で応えます。

思い出すのは29thアンダラ。座長は『届かなくたって…』の佐藤楓でした。
その時の記事で私はこんなことを書いています。

 なんとかして盛り上げたい、みんなで支え合っていきたい、恥ずかしがってる場合じゃない。そんな気持ちが感じられる

その記事では「全体ライブではMC中にそんなに全力でイエーイはいかないじゃないですか」とも書いたのですが、この日はその時を彷彿とさせる「全力のイエーイ」。

このライブを成功させたい。キャプテンを支えたい。そんなメンバーの気持ちが音圧になって伝わります。

『僕は僕を好きになる』。
明らかに一段階上の気合入った表情をする山下美月。その後ろで岩本蓮加も同じ表情を浮かべます。
そしてDフレを歌う3期5人(山下久保梅澤与田岩本)。
やっぱり白石麻衣卒業後の乃木坂新章開幕を告げる、3期生にとって特別な曲だったのだと思わせます。

「箸休め三姉妹」のMCでの山下美月
「みんなのためにぃ~可愛くお化粧してるの」「のめり込ませてね、私たちのこと」という酔っぱらってんじゃないかスレスレの怪しげなテンションがなんというか、やっぱりさすが美月。

『三番目の風』。センターは与田祐希。伝統の「神宮、騒げ~!!」。

『設定温度』。
3期生がたびたび口にする「特別な曲」。彼女たちが先輩たちと初めて一緒に歌った歌であり、あの2017年神宮の全体ライブ1曲目に選ばれた曲でもあります。
6年もの時が流れて最上級生になって、同じ場所で歌う彼女たちの心境はいかばかりか。涙を流す与田祐希

『逃げ水』はここのところ定番となった「よだれん」=与田祐希岩本蓮加センターでした。
手をつないで歩く花道。もちろん思い出すのは2021年大園桃子卒業ライブ。曲終わりには肩を組むふたり。

『僕が手を叩く方へ』。
これまたあまり見ないぐらい力んでいる久保史緒里
バックステージから花道を走る途中でどんどん合流し、最後に全員揃ってメインステージで肩を寄せ合う。3期の青春。

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ようやく語られた理由


本編最後のMCでも、ずっと感情が抑えきれずに声が上ずったままの梅澤美波

そしてアンコール。『人は夢を二度見る』の前に山下美月が座長っぽいMC。

この日の3期生たちのあまりに高いテンションの理由が「3期の青春が終わりに近づいていること」のような気がしていたので、正直卒業発表しそうで怖かった。
幸いにもそれは杞憂に終わりました。

『乃木坂の詩』も終わり、梅澤美波最後の挨拶。

そこでようやくこの日の3期生たちの気合もしくは気負いの理由が語られます。

それは1期2期の去った世界へのプレッシャーでした。

 私たちでも4日間乗り越えられました
 ツアー16公演、神宮4日間を乗り越えることが、今の私たちにとって、とても大きな試練でした

そして

 今、先輩たちの後をしっかり受け継げたと証明できたと思います
 私たちが乃木坂46です!

正直言っていいですか。

私からすればまだ3期生がこれほど苦しんでいるそのこと自体が意外でした。
先輩を超えるとか超えないとかそういうのはもう乗り越えたんじゃないか。勝手にそう思っていました。

去年の全ツだって1期2期は既に5人しかいなかったし(飛鳥、真夏、樋口、和田、絢音)、飛鳥はともかく他の4人はやや引いた立ち位置にいましたし。

そもそもなんで今年神宮が4DAYSなのか疑問だったんですよね。

バスラのように全曲披露でも期別ライブでもなく、大筋同じセットリストの全体ライブを4日間続ける。

これはどれだけ誉めても「自分たちはよくやっている」ということをどうしても認められない3期生たちのために運営が用意した「先輩もやっていないこと」=新たな歴史、だったんですね。

こんな零細ブログで何を言っても彼女たちに届きはしないでしょうけれど、私も言いたいです。

君たちは、よくやっている

偉そうですね笑
結成当初から乃木坂ファンの私ですが、8年半もの間単推しした井上小百合が卒業しても、そこから3年半も経った今も、ちゃんと乃木坂が好きですよ。


「私たちが乃木坂46です!」が注目されましたけれど、個人的には「過去も今も未来も全部まとめて愛して、みんなで前に進んで行きます」という言葉にグッときました。


梅ちゃんがこの言葉を聞いていたか、頭に残っていたかはわかりませんけれど。

「毎日最高値を更新していく」とか「いつだって今が一番楽しい」というポジティブな考え方もいいと思います。本気でそう思えるのならば。

でも「過去も最高だったけど、今もそして未来も最高でありたい」と願う方が美しい。
そして、乃木坂らしい。

儚いのに決して刹那的ではない

そういうところが実に乃木坂46だと思うし、素敵だなと思うのです。


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