ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > 選抜発表

タオル補正

それが当たり前になればいいのに


前の記事では37th『歩道橋』を「3期4期5期の代表作」と評しました。

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そのセンターを任されたのは遠藤さくら

近年で最小のミーグリ部数ゆえ、セールス的には底。
これまでであれば山下美月が担ってきたであろう「一番厳しいとこ」
それを背負うところにまで遠藤さくらが来たのです。

運営からの絶対的な信頼。堂々たるエースに成長しました。
感慨深いです。

逆に、小川彩を3列目にしたのはどうなのか。
せっかく前作で一気にフロントにもってきたのだから継続性という意味でもここは2列目にしておくべきだったのでは。そうすれば38thでセンターにするという線も残ったのに。
ちょっと運営の「腰が引けた」感がして残念です。

奥田いろはの初選抜。

前作フル完売させた彼女を6期加入前に一度選抜に入れておきたいというのは理解できます。運営的にも『ロミオ&ジュリエット』に続き『1789』のヒロイン役も射止めたいろはを後押ししてあげたい気持ちはあるでしょう。

林瑠奈の選抜復帰。

これも「わかる」。私は林ちゃんの評価が高いので笑
ちゃんと喋れるかしこ。目を引く美人かつ個性のあるビジュアル。グループ内での推し変ではなく「外から」ファンを連れてくる可能性があるメンバーのひとり。だからなるべく外仕事をさせたいし選抜にしておきたいところです。

6期生が本格的に合流するとどうしても選抜発表での注目はそちらに集まるのでその前に、というのは正しい判断だと思います。

わからない…というか釈然としないのは、選抜を外れたのが菅原咲月冨里奈央であること。

私にはまた「結局落としやすいところを落としただけ」が繰り返されたように見えます。

15th『裸足でSummer』の井上小百合と伊藤万理華のように。
そして26th『僕は僕を好きになる』での北野日奈子のように。

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「アンダーを知らないメンバーをアンダーに落とすとモチベーションが心配だからアンダーでも気持ちを切らさずに活動した実績があるメンバーが落とされる」。
これは単なる推測です。

しかし運営がそう考えているようにしか見えない采配が過去にあったのも事実。
もしこれが本当なのであれば全員一度はアンダーを経験させてくれよ、とは思いますね。

例えば五百城茉央、一ノ瀬美空、川﨑桜の3人は32ndでの初選抜(抜擢センター中西アルノを除けば5期生で最初の選抜入り)から一度も選抜を外れていません。

別に3人のうち誰かが選抜から外れるべきとか言うつもりはありません。でももし今後人気が落ちて来た時に「外しづらい」。
連続選抜により清宮レイや柴田柚菜が他推しのファンからのヘイトを溜めてしまったのと同じ状況にならないかという懸念はあります。

メンバーからすれば選抜に出たり入ったりが一番辛い。かつて誰か(たしかきいちゃん)がそう語っていました。

でも個人的には「それが当たり前になればいいのに」

綺麗事なのは重々承知しています。妄想の類だとも思います。
でもあの頃は中元日芽香と北野日奈子のふたりだけだったいわゆる「ボーダーメン」が10人ぐらいいて、2~3シングルに1回ぐらい選抜入りできれば。出入りが激しいストレスを分かち合えるメンバーが何人もいて。選抜が遠すぎる閉塞感も軽減されて。

それが理想だと思ってしまうのです。

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最後に次作の予想を。

今から既に、待ち遠しいです。

38thはいよいよ6期生参加でしょう。
とはいえ表題参加ではなく期別曲での参加という4期生までのやり方に戻すと思います。

個人的には23rd『Sing Out!』の時と同じように、アルバム→シングルの順で短い期間で出してほしいです。
この時新人だった4期生はアルバムで『キスの手裏剣』シングルで『4番目の光』、そして24th『夜明けまで強がらなくてもいい』が表題初参加でした。
今回は12thバスラの円盤が2月にあるのでそこまでリリースは詰め込まないかな?という気もしますが。

39thで6期生抜擢センターというのもほぼ間違いないかと。

その場合38thの方のセンターが全ツ座長扱い(=39thはツアー終盤でリリース)でしょう。
さらに38thセンターは5月の味の素スタジアムでのバスラも最新曲センターとして迎えることになります。

それを考えるとやはり井上和かと

3年前の10thバスラ、日産スタジアム2DAYS14万人。
そこで「はじっこで何度も同じ振り付けを練習していた」5期生が、3年の時を経て堂々たる主力として6期生にその背中を見せつける

これはこの先のグループにとって必要なステップという気がしますね。

ただ井上和だと3年連続夏の座長になるのでさすがにそれは避けるとすれば賀喜遥香
さくちゃんが『歩道橋』でエースの貫録を見せただけに、かっきーにもWエースの一角として格好いいとこ見せてほしいです。

個人的には上でもちらっと書いた通り、小川彩に託してほしいと思っています。
あの若さと小さな身体で、常に期待以上のものを見せてきたあーや

高校3年生。後輩の加入。
その溢れんばかりのポテンシャルを解放するにはいいタイミングです。


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タオル補正
2024年11月9日、公式YouTubeチャンネル『乃木坂配信中』内で37thシングル『歩道橋』の選抜メンバー発表ならびに初披露が行なわれました。

「ただ単に」いい曲


個人的には、意外。

前作の選抜発表に関する記事で書いたように、年末のリリースはアルバムだと予想していました。

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6期生加入前に現体制のひと区切り。
と同時にシングルを出したらどう考えても売上枚数的には「底」となるでしょうから。

実際、シンプルに個別ミーグリ関連の数字を並べるとなかなか衝撃的です。

今作の個別ミーグリ参加人数は24人。同じく総部数は690部。
前作36th『チートデイ』は26人、745部ですからともにざっくり8%減。

その36thから既に4期生の個別免除が始まっており、37thでは遠藤さくら、賀喜遥香、田村真佑が免除で筒井あやめも5部のみ。
免除メン=フル完売メンですから直接的な売り上げ減少要因になります。

さらに5期生加入後の数字、という意味では初めて1次募集時点から参加していた(ただしフルではなく24部設定)のが30th『好きというのはロックだぜ!』。
その時が38人、1,006部なので、人数でも部数でも2年間で約2/3に減少しているのです。

その30thと比べてオリコン初週売り上げ枚数は約16%減に踏みとどまっているのですからむしろ「底堅い人気」と評価すべきでしょう。

とはいえ見た目上は厳しい数字になることは明らか。
ですから個人的には言い方は悪いですけど「アルバムでお茶を濁せばいいじゃん」と思っていました。
幸いアルバムを出してもおかしくないタイミングなのですから、なおのこと。

しかし運営はシングルリリースを選択しました。
まあトップアイドルグループだから目先の数字に捉われることなくどっしり構えていればいいんですよね。すみません、私が弱気でした笑

結果として37thは実に「エクスキューズのつかない」シングルになりました。

6期生加入もない。卒業ブーストもない(向井葉月は今作のミーグリに参加せず)。
現体制のプレーンな状態で一体どれだけの売り上げを叩き出せるのか。
ちなみに次の想定免除メンバーは金川紗耶で、最短で40thから免除と思われます。

ちょっと意地悪な言い方をすれば、運営にとってデータ取りには最適な条件
もっとシビアなことを言えば6期生が加入した時に先輩がどれだけ影響を受けるのか、現在のファンの行動様式を分析できるのではないかと。

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さて、既に発売され何度もTVで披露された『歩道橋』。
個人的にはこの曲結構好きです。

「バズり」にも「Z世代人気」にも一切色目を使わない、「ただ単に」いい曲。
でも、これこそ乃木坂ですよね。歌詞も含めて良い意味で時代性がない=エバーグリーン
『君の名は希望』をはじめとして、初期は「楽曲の乃木坂」と呼ばれたものです。

MVがまた実に良い。
「雪の世界」側でのメンバーは全員やたらめったら美しいですね。


全部好きなのですが、特に好きなポイントを5つ。

1:53、梅澤美波の柔らかな実にいい表情。
その直後のたゆたうように緩やかに舞う川﨑桜

2:06、井上和の顔面の説得力
かつて『羽根の記憶』そして1年後の『裸足でSummer』で一気に階段を駆け上がった時の齋藤飛鳥が見せた、怖ろしいほどの美しさを思い出させます。

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3:46、鼻を赤くして心底寒そうなのが可愛い賀喜遥香
4:39からさくちゃん以外のフロント4人が清々しい笑顔で走り去っていく描写に芽生える「みんないつかこんな顔でここを旅立っていくのかな」という感傷。

そして4:52の遠藤さくら。サムネにもなっているあの微笑み。


新期生ブーストも卒業ブーストもない。
歌詞もアレンジも「狙った」ところのひとつもない「ただ単に」いい曲。
メンバーの魅力が余すところなく発揮されたMV。

6期生加入前のセールス的には底になるであろうタイミングで、堂々と一切エクスキューズのつかないシングルを出してきた。

3期4期5期の世界の決定版と呼ぶにふさわしい楽曲だと思います。


続きます。

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前の記事では免除制度と年少メンの「嚙み合わせの悪さ」について書きました。

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当記事ではようやく、小川彩のフロント登用についてです。

必要な最後のひと押し


前の記事のタイトルは「最年少を育てることの難しさ」でしたが、あれちょっと語弊がありますね。正確に言うと「最年少の人気をここぞのタイミングで伸ばすことの難しさ」です。

岩本蓮加も筒井あやめもちゃんと育ってはいるんです。
ふたりとも本当に綺麗なお姉さんになりましたし、ステージ上の姿は堂々たるもの。

ただ、そのふたりでも現時点でフロントクラスの人気を得るには至らなかった。

であれば「破格」小川彩をどうすればいいのか。

運営は丁寧に気を遣ってあーやをここまで育ててきました。
アンダラに早くから参加させて「叩き上げ」の場数を踏ませ、同時に冠番組や公式Youtubeそしてライブでは多くの見せ場を準備。

ずっと「アンダーの新人」としては異例なほどフィーチャーされてきた。それはまあ事実でしょう。それをゴリ押しと言いたくなる人がいるのもわかります。

でも声を大にして言いたいのは、彼女が強い印象を残してきたのは「お膳立てされた場」だけではないということ。

新参者での『君の名は希望』ピアノ弾き語り。2度目のスタ誕ライブ『冬のうた』で見せた涙。『セラミュ』水野亜美役での完全2次元ビジュアルと落ち着き払った演技。そして35thアンダラ最終日の『ブランコ』。
他の5期生たちと同じ条件で与えられたチャンスにおいて、いくつも記憶に残るシーンを見せてくれました。

あとはミーグリ人気だけ。であれば、運営が最後のひと押しをすればいいんです。
あの齋藤飛鳥だってそうだったのですから。

センターに立つひとつ前の14thシングル『ハルジオンが咲く頃』期間中の『乃木坂工事中』での「齋藤飛鳥・独り立ち計画」。
要するに飛鳥ちゃんのひとりでできるもん企画でしたが、完全に彼女ひとりをフィーチャーしたこの日の放送を観ながら私は「ああこれもうフルスイングで飛鳥ちゃん売り出すのね、うんうんそれ凄くいいと思うよ」と思っていました。

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同じ『ハルジオン』での握手完売速度は白石西野橋本生田衛藤深川に次ぐ7番手タイ。ようやく秋元真夏に並ぶところまで来たという段階。
いや当時の秋元真夏に並ぶってとんでもないことなんですが、決して最速で完売していたわけではなかったのです。

それでも当時のファンは15th『裸足でSummer』の飛鳥センターを諸手を挙げて歓迎しました。

2016年の夏。
欅坂46のデビュー。3期生オーディションも開催中。
この状況で未来を託すなら飛鳥しかいない。

そんな共通認識があったように思います。

6期生オーディション開催中の今年の夏。

あの夏の1期2期の世界、そして3期を迎え入れる世界に向けたラストピースが齋藤飛鳥だったのであれば。
今年の夏にその役割を果たすのはやはり、小川彩しかいないと思うのです。

本当なら一気にセンターにしてもよかった。
飛鳥が『裸足でSummer』のセンターに立ったのが高校3年生、18歳の夏。
あーやは今年高校2年生ですから、決して早すぎることはありません

史上初の前作アンダーからセンターはさすがにアンチがつくと運営が考えたか。
あるいは今年の全ツがドームツアーゆえに、それをセンターとして引っ張るのはさすがに負荷が大きすぎるという判断が働いたのかもしれませんね。

もうひとつだけ、小川彩について書いておきたいのは「休まない」こと。

「休まない」エースの系譜。西野七瀬も齋藤飛鳥も遠藤さくらもそうです。

富士登山でも見せたその「フィジカルの強さ」。5期生最年少にして最も多くのライブをこなしてきた彼女の「健康」。それはこの先きっと大きな武器になるでしょう。

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既にだいぶ長くなったのであとは雑感を。

フロントに立ったもうひとりの5期生が池田瑛紗というのも興味深い。

現役藝大生というハイパースペックにあの超絶ビジュアル
気を抜いている時は糸目ですが、外仕事で目をかっぴらいている『なんて美だ!』は毎回驚くほどの仕上がり。

個人的にはセンタータイプではない(歌唱面で)と思っているのですが、フロント固定にすれば新規ホイホイになる可能性も感じます。それこそ橋本奈々未のように。


中西アルノ選抜復帰。

彼女の選抜入りが是か非か、なんて話題にすらならないところまですっかり受け入れられたアルさん。
約2年半前の大混乱から、見事に立て直してきました。

当時、私はこんなことを書いています。

 個人的には正直彼女の加入前の活動を受け入れがたく感じます。
 それでも中西さんが抜擢センターではなく5期生のひとりとして「普通に」加入していたら。
 乃木坂に貢献しようと歌もダンスもバラエティも…なんなら胸キュンゼリフとかも笑、一生懸命頑張る姿を見せていたら。
 時間はかかるでしょうが、最初に感じた拒否反応は薄れていったと思うんですよ。

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まさに「一生懸命頑張る姿」を見せてきたアルさん。

スタ誕のコントでの振り切った姿。「中西アル・パチーノ」の強烈ウィッグ
『NHK俳句』『Spicy Sessions』とふたつのレギュラー番組。
座長も務めたアンダラ。
冠番組でもすっかりどんくさキャラが定着し活躍。

そして『乃木坂工事中』での「5期生忘年会」で2023年のMVPとして全ツの座長を務めた井上和が選出され「この1年が終われてよかった…」と涙にくれた時のこと。

アルさんはこう言いました。

「不器用なヤツだ。当たり散らしていいんやで同期には」

素敵な言葉ですね。


最後に、アンダーについて。

完全にミーグリ完売速度が筒井あやめ以上だったメンバー(+免除組)というシビアな線引きとなった今作。

アンダーセンターは5期生の奥田いろはでした。

前作のミーグリ完売実績ではアンダー最上位ではなかった彼女。しかし今作ではなんと前回の10/15から30部6次フル完売させてきました。
『ロミオ&ジュリエット』効果なのかそれだけでここまでいくものなのか
ちょっと驚きました。

結果的にここまで5期生の話に終始することになりました。
それは36thシングルをフォーメーション視点から見ると、5期生がグループのエンジンになっているということなのでしょう。

でも、だからこそ4期生の活躍が見たい。

とりわけアンダーは31stアンダラ以来となるZeppツアー
確実に一定数存在するであろう「アンダラのファン」(「推しメンがアンダーにいるファン」ではなく)からするとたまらないですよね。

フロントに立つ林瑠奈、黒見明香や再起を期す柴田柚菜をはじめとして、存在感を見せつけてほしいです。


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前の記事では今作のタイムライン上の位置づけについて書きました。

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免除制度と最年少


今回最大のトピックとなった小川彩のフロント登用。

(アルさんはいったん置いておいて)井上和以外にもうひとり、単独センターを張れる人材を5期生から輩出する。
これは6期生加入そして抜擢までの残り時間を考えると、現在のグループ運営における最優先事項と言っても過言ではありません。

これまでたびたび書いてきたように、ずっと「5期の2番手が決まらない」状態が続いてきました。ミーグリも常に2次完売させてきたのは和ちゃんだけですが、逆に3次以内であれば何人ものメンバーが完売させ続けています。

その中では相対的に完売速度が遅かった小川彩。
過去2作は4次完売。その前は6次完売でした。

恐らくそれゆえにでしょう、彼女のフロントに対し意見は割れました。

「時期尚早」と「いやむしろ一気にセンターにするべきだった」。
私は無論、後者です。

破格。
個人的には生田絵梨花を彷彿とさせる、と思っています。

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そして「いずれセンターに立つべき存在」と運営が認識している…少なくともその可能性を感じているのであれば、売り出すのは今しかない。

なぜなら最年少を育てることには特有の難しさがあるからです。

「超彫刻」岩本蓮加と「完璧」筒井あやめというふたりの逸材ですら表題曲センターに立てていない。最年少ではないですが遡れば「可愛いの天才」星野みなみもそうでした。

まず、乃木坂は伝統的に年少メンが握手人気では苦戦します。
「若すぎる」メンバーを推すことに心理的抵抗を感じるファンもいるように思います。そしていわゆる「対応の良さ」という面ではある程度年齢が上の方が有利なのは当然のこと。

にもかかわらず、握手(ならびにミーグリ。以下「握手」)の免除制度により「最年少メンが完成する≒人気が爆発するより前」に免除になってしまうというパラドックスが発生するのです。

ちなみに「免除制度」とは握手の通算完売部数が一定数を超えたメンバーがその次作から個別握手不参加になること。公式に言明されたものではありませんが実際にみんなそうだったので、まあ暗黙の了解ですね。

1期2期は初期にフル完売なんて夢のまた夢という握手が売れない時代を経験し、そこから地道に積み重ねてようやく免除まで到達しました。齋藤飛鳥の免除は実に24thシングルから。既に大エースとして君臨している時です。

しかし3期生以降、格段に新人の売り出し方法は整備され、期を重ねるごとにブラッシュアップ。
ファンも「新人加入」に慣れ、グループに新たな活力をもたらす存在として歓迎する文化が定着します。「新しもの好き」や「古参になりたい」ファンも一定数いて、乃木坂は新人の握手が売れるグループとなりました。

つまり期の最年少メンは「新人ブーストはかかる」けれど「同期の中ではやや不利」という微妙な状況になります。
結果として「案外早いけれど同期のトップ人気メンよりは遅いタイミングで免除」しかも「まだ人気が爆発する前の可能性もある」。

この免除のタイミングが曲者。
免除とはすなわち、最も目に見える人気指標である握手人気がわからなくなる=そのメンバーの人気に対するファンのイメージがその時点で固定されるということです。

ちょうど「人気爆発中」「最速完売継続中」ならいいのですが、仮に完売速度が低下傾向であれば「逃げ切った」という印象になりますし、上昇中でも選抜内で中位ぐらいであれば「センターやフロントには人気不足」と言われてしまう。
しかも一部の例外を除き免除=選抜固定。他推しのファンが色々言いたくなる気持ちもわからんでもありません。

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叩き上げかエリートか


もうひとつ、齋藤飛鳥という奇跡が逆に呪縛となっている気もします。

選抜とアンダーを行き来した叩き上げで乃木坂のすべてを知り、気がつけば美しく成長し、ライジングスターとして一気に階段を駆け上り、やがて絶対的センターとなり、次世代へと継承する最年少メン。

ファンはどこかでそんな奇跡の再来を求めている

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「叩き上げ」を意識してか、れんたんにはアンダラもその座長も経験させ少しずつ階段を上らせました。

握手人気もじわじわ上がり、握手として発売された最後のシングルである25th『しあわせの保護色』の頃にはフル部数3次完売=最速に次ぐ速度まで到達します。
しかし一気にフロント、センターというタイミングはありませんでした。

あやめんは逆に(みなみちゃんと同じ)エリートコース。
24th『夜明けまで強がらなくてもいい』では同期抜擢センター遠藤さくらの隣に立ち、その中学生とは思えぬビジュアルの完成度で瞬く間に人気を集めます。

続く25thでは恐らく乃木坂史上初となる中学生でのフル部数2次完売を成し遂げます。この時に彼女以外の同期でフル2次完売したのは遠藤さくら、賀喜遥香、掛橋沙耶香の3人ですから、4期の中でも一歩先んじていたことがわかります。

しかしふたりともコロナ禍によるオンライン化以降徐々に完売速度を落とします。
れんたんもあやめんも「愛嬌」より「美貌」が売りですから、オンラインより圧倒的にリアル向き

以前に書いた通りオンラインミーグリはもちろん有力な人気指標ですけれど、握手時代よりさらに「ファンの一部」の意志を表すものに過ぎなくなりました。そんな「オンライン化による人気のねじれ」に該当するメンバーのように思います。

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このふたりは「乃木坂46メッセージ」の売り上げでは常に上位にランクインしている(※)のでファンの数はグループ内でも上位なのは間違いないのでは。
※性質上「積み上げ」が強い指標とはいえ、集計タイミングによっては井上和と互角以上

既に免除のれんたん、そして次の次から免除が予想されるあやめん。
やや完売速度を落としてフィニッシュしたふたりは、今後フロントに立つと「フロントには人気不足」という声が一部から上がるでしょう。

運営がこのふたりの人気はミーグリ完売状況より高いと(そしてフロント級だと)判断しているのであれば、それを証明するためだけにでも以前の全国握手会と同じように「抽選制でない」かつ「免除メンも参加する」リアルミーグリを開催してもいいと思いますけどね。

そこでかつての与田祐希や山下美月がその行列の長さで人気を見せつけ有無を言わさずレジェンドたちに割って入ってフロントに立ったように、その人気を証明できれば。福神やフロント、そしてセンター争いに加わっても異論は抑えられるのではないでしょうか。

…と、アイマスクをした筒井あやめがセミを食べながら冷静に「セミですね」とのたまう『乃木坂工事中』を観ながら思いました笑

完全に小川彩ではなく「免除制度論」と岩本蓮加、筒井あやめの話になってしまいましたので、記事を分けます。


続きます。

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2024年7月15日、『乃木坂工事中』内で36thシングルの選抜メンバーが発表されました。

タイムライン


3期生全員選抜という前作からの揺り戻しという側面が強かった今回。

センターは2度目となる井上和でした。
私はそもそも34th『Monopoly』選抜発表の時点で「和ちゃんの連続センターが最善手だった」と書いていました。(もちろんプレッシャーに潰されないサポート体制が整っていれば、というのが大前提ですが)

ですから今回のセンターも妥当だとは思っています。

ただその時にこうも言っています。

 現状5期生で単独センターとなればやはり、井上和以外ありえないと思います。
 であればその両隣も5期生で挟むべき。

 個人的には正直「5期生2番手が誰かは決めなくてもいい」けど「もたもたせずに誰かをさっさとフロントに立たせた方がいい」と思っています。

 責任感の強そうな彼女の負担を軽減するために、シングルのフォーメーション上は井上和1強に見える現状を早く変えるべき。

 まあ井上和以外のふたりは「フロント固定」とか「福神固定」しない、あくまでその時点の2番手3番手という前提で、和ちゃんセンターで5期生3人を遠藤さくらと賀喜遥香で挟むフロントが良いのでは。

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とにかく5期生が「和ちゃん一本かぶり」の状態を解消してほしい、というのが私の願いだったわけですが、これはほぼ満たされました。
5期生3人を「かきさく」で挟む形。小川彩はミーグリの完売速度的には「その時点の2番手3番手」ではないですけれど。

実はセンター以外で5期生がフロントに立つのは今回が初。和ちゃんも中西アルノも自身のセンター曲以外ではフロントに立っていません。

5期生があまりに多士済々であるため、運営はずっと和ちゃんに次ぐ立ち位置に誰を置くか決めかねているように見えました。

しかし6期生オーディションが開催され、合流までの残り時間が見え隠れする中で「そんなことは言ってられない」状況になります。

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合流までの残り時間


逆算。
運営は当然それをやらなければなりません。

けどファンがそれをあまり気にし過ぎると楽しめない笑
まあ当記事も一応「考察」を謳っていますので、ここで一度整理しておきたいと思います。

6期生春組の最終審査が5月19日。
夏組は9月29日です。

募集要項ではそこから「研修期間での最終選考を経て、正規メンバーを決定いたします。尚、研修生に選ばれた後も正規メンバー合格に至らない場合もございますのでご了承ください」とアナウンスされています。

3期生は合格からお見立て会まで3ヶ月。
4期生は3ヶ月半。

5期生はちょっと正確な日付を見つけられませんでしたが、募集当初は2021年9月19日が研修生(メンバー候補生)最終審査、新メンバー合格発表が12月予定となっていました。
(その後コロナの影響で審査期間中にスケジュールが延期されたというのを見た記憶もあります)

研修生最終審査ですから「正規メンバーになれなかった」合格者もいたのかもしれませんが、その点についてはこれまで誰も明言していないはずです。研修期間自体があったことは5期生の証言から確定です。
実際のお見立て会は2022年2月23日の46時間TV内でした。

このあたりを踏まえると研修期間は3期4期5期共通で3~4ヶ月だったと思われます。

とすると6期生のお見立て会(または最終合格者発表)は2024年末から年明けにかけて。
3期4期の前例、そして5期も恐らく当初はその予定であったろうことを考えると少々タイトでも12月にやるのではないでしょうか。

3期4期は12月にお見立て会。
3期初の楽曲『三番目の風』は翌年3月発売の17thシングル『インフルエンサー』に収録。
4期初の楽曲『キスの手裏剣』は翌年4月発売の4thアルバム『今が思い出になるまで』収録。
5期生はお見立てが2月(と4月)。
5期初の楽曲『絶望の一秒前』は同年3月発売の『Actually…』収録。
そして各期とも初めて楽曲が収録されたCDから握手・ミーグリへ参加しています。

こう見てくると色々あってガチャガチャした5期のお見立て会はともかくとして、毎回ほとんど同じ流れになっています。
12月にお見立て2月にバスラがあればそこで先輩との初ステージ翌年春のリリースで初の楽曲参加&握手・ミーグリ

であれば素直に(安易にともいう)考えると、年末のリリースは現体制の区切りとしてアルバム。
2月のバスラで全体ライブ初参加。
3月発売の37thシングルに期別曲収録。そのミーグリ(or握手)に6期生も参加。
8月発売の38thシングルで抜擢センター。

これが3期4期と同じ王道パターンですね。
5期パターンなら2025年春シングルですが、「アルノ事変」の原因のひとつが「まだ見たこともない新人を担ぎ上げた」ことにあるのは運営も認識しているでしょうから、さすがに同じ轍は踏まないかと。

やはり6期生抜擢センターは2025年夏シングル。恐らく38thでしょう。

3期のよだももも潰れかけた「夏の座長」の負荷を考えると本来は新人にやらせたくはないのですが、4期の遠藤さくらのようにツアー中盤を過ぎてからの選抜発表という手もありますね。(この時は前作『Sing Out!』センターの齋藤飛鳥が座長でした)

あとは年末のリリースがシングルという可能性もゼロではないですが、既に29th~36thと8枚ものシングルがたまっていること、さらにて29th=5期生加入なので区切りとしては実にちょうどいいことからアルバムの公算が高いと思っています。

もうひとつ穿ったことを言うと4期生の「免除」が始まり6期生の参加まではセールス的に苦しいことからもシングルではなくアルバムがベターでしょう。

すなわち今作はかなりの確率で現体制でのラストシングル
そして6期生抜擢センターまで、あと1枚しかないことになります。

そのような状況下で「井上和一強」緩和に向けフロントに起用されたのが、池田瑛紗と小川彩でした。


続きます。

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