ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > 選抜発表

タオル補正
前の記事では「5期生選抜入りせず」から想像される次回作の展望を書きました。

関連記事:


当記事では今回の選抜発表に先立ち、よく話題に上がっていた佐藤璃果と林瑠奈について。

林、林に追いついたか?


共に新4期生として加入し、前作の4期生曲『ジャンピングジョーカーフラッシュ』ではセンター筒井あやめの両隣を務めたふたり。

「選抜入りか?」「4期生初のアンダーセンターかも?」「久々のアンダーWセンターというのはどうだ」等々、期待が膨らんでいました。

そして選抜が発表され、ふたりの明暗は分かれます。

初選抜を勝ち取ったのは林瑠奈でした。

当ブログをご覧いただいている方はお気づきかと思いますが、個人的には林ちゃんを非常に高く評価しています。

彼女の強みは「フック」の多さ

はっきりした顔立ち、しかもあまりアイドルにはいないタイプの目を引く美人顔
「ドスの効いた」声を出せる歌唱力。『乃木坂スター誕生!』での『白い恋人達』は実に良かったですね。
加入当初の白目やつい先日の『乃木坂工事中』内輪ウケものまねでもわかるように笑いに積極的。
しかもきちんと話せるしっかり者なので外番組にも安心して送り出せる。

そのフックの多さはすなわちきっかけ」の多さであり「化ける」可能性の高さでもあります。

しかし私が思う彼女の最大の魅力は「乃木坂愛」。

コントでアドリブ放り込んだり、突然の代打で山本リンダさんとの共演をやってのけたりとこれまで何度もハートの強さを見せてきた彼女。
それなのに乃木坂の曲を歌う時は大切すぎて緊張で震えてしまうという、グループへの強い想い

そして2期生ラブ、アンダーラブの熱いハート。
それを隠さない彼女ですから、私は29thシングルアンダーライブの記事で「近い将来のアンダーセンター候補」と評しました。

この時点では「だがミーグリ完売実績という数字の裏付けがないためまだそこには時期尚早」という但し書きがついていたのですが。

関連記事:


30thシングルのアンダラでも評価を上げ、ミーグリはじりじり完売を伸ばし最終的に18/30。
29thでの2/30から大躍進しそのまま今回の選抜入りへ。

個人的には正直驚きました笑


正念場にして大チャンス


選抜入りが叶わなかった佐藤璃果。

彼女は加入当初からミーグリの完売では健闘を続けてきました。
新4期生の中ではスタートダッシュを決め、アンダーメンバーの中でもほぼ最上位。

柴田柚菜や金川紗耶、そして弓木奈於といったなんらかのきっかけを掴んだメンバーが選抜入りするのを見ながら、ずっと「次こそは」と思っていたはずです。

そして30thシングルのミーグリでは舞台出演の都合により総部数が20だったものの8次で待望のフル完売を成し遂げます。

その舞台と全ツ、さらにアンダーライブというハードスケジュール。
それを駆け抜けた先に目標である選抜入りというゴールがあると信じていたのに、叶わなかった落胆。

かつて井上小百合が14thシングル選抜期間に舞台3本同時進行という常軌を逸したスケジュールをこなした挙句、15thで選抜から外れるというあまりにあまりな仕打ちを受けたことが思い出されます。
その時に盟友・伊藤万理華が激怒してくれたことも。
彼女自身もこの時に選抜から外れたのですが、それでも自分のことではなく井上小百合のために「あんな無茶苦茶なスケジュールをやり遂げたさゆを外すのはおかしい」と怒ってくれたことを。

話を佐藤璃果に戻します。

選抜発表直後のブログで「涙枯れるくらい泣きました」と辛い気持ちを吐露したさとりか。

そして「アンダーも素敵で大切で大好きだけど、私の目標はいつだって選抜です」と。

この悔しさを露わにした文章は賛否両論を呼びました。

否定的な意見もわかるんです。

「何作もフル完売を続けてそれでも選抜入りできなかった先輩メンバーもいる」のはその通り。でも握手とミーグリはイコールで比べられるものでもないよなとも思います。(ミーグリの方が「推し増し」を誘発しづらい)

「メンバーがこういうネガティブなことをストレートに言うのは苦手」という方もおられるでしょう。でもまあ1期2期のメンバーはもっとバッチバチの時期を何年も過ごして、それを越えたうえであのお互いを尊重し合う空気を纏ったんですけどね。

ということで個人的には、さとりかのブログは圧倒的に「賛」です。

凄く無責任な表現で彼女とファンの方には怒られると思いますが、「本気で悔しいと言える状況までようやくたどりついた」ことが嬉しい。

やっと競争できるところまできたというか。

2020年夏の『Route246』は選抜常連メンバーで固められ完全に「新・超選抜」の雰囲気がありました。(元祖超選抜は『ハルジオンが咲く頃』)

そこから1期生の卒業が相次ぎ空席ができるものの、そこに収まった4期生とそれ以外のメンバーとの間にミーグリ完売実績で差が開きます。

結果として約2年もの間「選抜からアンダーになるメンバーがほとんどいない」という異常事態が続きました。

そこに風穴を開けたのが前作における金川紗耶と弓木奈於

センター佐藤楓の左右を務めた29thアンダラで評価を上げ、ミーグリの売り上げもアンダーメンバーの中では少し抜けた数字を叩き出し一気に選抜入り。

さらに30thのミーグリはともに4次完売。
これはほぼ福神固定メン(と田村真佑)に次ぐ堂々の売り上げでした。
当然のようにふたりとも31stで連続選抜を勝ち取ります。

アンダーメンバーもそのファンにも、このふたりの躍進が光明になったのではないでしょうか。これが佐藤璃果と林瑠奈が30thでミーグリの完売を伸ばした理由のひとつであるのは間違いないと思います。

やっと乃木坂が活性化してきた。そんな印象です。


もうひとつ、最後に書いておきたいのは佐藤璃果が「アンダーに選ばれた可能性」

かつての伊藤万理華のように。

8th『生まれたままで』9th『ここにいる理由』と2作連続でアンダーセンターを務め、かつては無料でも全然客を呼べなかったアンダラを「今、一番熱いライブ」と言われるまでにしていた万理華。それでも10thシングルもアンダーだった万理華。

今回のさとりかも集客面で大きな期待をされていることと思います。(であればアンダーセンターに据えるべきだったのに、とも思います)

そこで「濃い」アンダラファンに何を見せられるか

彼らの心を動かすことができるのか。

佐藤璃果にとって、正念場であると同時に大チャンスです。


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伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

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タオル補正
11月5日に公式Youtubeチャンネル『乃木坂配信中』上で31stシングル『ここにはないもの』が生配信にて初披露され、結果的にそこが選抜発表の場になりました。

Who’s next?


いつも選抜発表の記事ではまずセンターについて書くのですが、今回は現エース齋藤飛鳥の卒業シングルですから彼女がセンターなのは当然至極。

ということでまずは5期生を今回の選抜に入れなかったという判断について考察します。

いくつか考えられる理由はありますね。

飛鳥卒業と同時に5期生を入れても目立たないこと。

今作のプロモーション期間が、5期生の出演する「新・乃木坂スター誕生! LIVE」と丸かぶりなこと。

そして年末大型歌番組にも同曲で多数出演するであろうことを考えると、初めての期別単独ライブ+シングルプロモーション+年末進行を新人に課すのは酷なこと。

このあたりが主なものでしょうか。

まあ、やむを得ないかなとは思います。
ここで5期にパンクされても困る。

それでも個人的には井上和とあと何人かには、飛鳥の背中を見ておいてほしかった
一緒にシングルプロモーション期間を過ごしてほしかった。

問答無用の大エースである飛鳥がどのようにシングルのセンターとして楽曲に向き合い、MV撮影やTV出演に臨むのか。その現場に立ち会うという経験を5期生にさせることができなかったのが残念でなりません。

もうひとつ気になるのが、今回入れなかったことによって32ndシングルで再び5期生抜擢センターの可能性が高まったように思えること。



次作はそれと似た状況。
しかし4期でセンター候補となる遠藤さくらと賀喜遥香は既にそれぞれ2回のセンター経験がある。

そう考えると、結構な確率(個人的には70%以上かと)で井上和センター
『Actually…』の惨事を踏まえて両サイドも5期生で固める『夜明けまで強がらなくてもいい』パターンでしょうね。

これ、大反対です。
まあ勝手に予想して勝手に反対するのもいかがなものかと思いますが笑

私は和ちゃんのことを、それこそ白石麻衣ばりに「認めざるを得ない」逸材だと思っています。それでもわざわざアンチがつく押し出し方をするのはデメリットの方が圧倒的に大きい。

そもそも既に「新人抜擢センター」は中西アルノで消化している。
あれを「なかったことにする」のは違うんじゃないかと。
そして凄く変な表現になりますが、アルさんが(本人の側にも一因があったとはいえ)抜擢センターに伴うアンチを引き受けてくれたのですから。

であれば32ndは敢えてのかきさく=賀喜遥香と遠藤さくらのWセンターが良いのでは。

あのふたりが並んだ時の「ビシッと背骨が通った感覚」
白石西野Wエースを思い出させるような絶対的な安心感。
乃木坂ファンであれば周知のことかもしれませんが、TVでしか乃木坂を観ない層にもそれを提示するのは意味のあることだと思います。

その両サイドは素直に山下美月と与田祐希で挟みましょう。

5期生は3人を歌番組でカメラに抜かれる2列目中央に配置してしっかりお披露目。
いったん2列目に置くことによって和ちゃん以外のふたりも「聖域感」が薄れて、以降の変動(ストレートに言えば序列の)に対応しやすいというメリットがあります。

とはいえそこを誰にするかは非常に荒れるところでしょうね。
まあミーグリの完売状況がはっきり単独2位になった川﨑桜は当確でいいのでは。
個人的には2列目からスタート=聖域化しないのであれば、お姉さん組に先にチャンスをあげてほしいという気がします。

5期生はこれまで3期や4期とは若干違うステップを踏んできています。

プリンシパルも単独ライブもやらない。
単独ライブを経験せぬまま真夏の全国ツアーに参加する。
「5番目のなんとか」という楽曲も作られない。

私としてはそこに「2列目中央に新人を並べる」という新しい売り出し方も加えてほしいと考えています。


続きます。

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30thシングルのラストは5期生について。

青く塗りつぶせ


私はかつて『2019年の乃木坂46』内の2019年4期生初単独ライブat横浜アリーナの記事で「個性」の3期、「乃木坂感」の4期と評しました。(ちなみに1期は「オリジン」、2期は「個性」だと思っています)

では、5期は?

まだわかりません笑

なんでしょうね。完成度が高いのは間違いない

過去、特に4期の時に顕著だった「加入当初にわざと野暮ったくする」=薄いメイク、アイドルらしいぱっつん前髪などが施されていない。

『三番目の風』も『4番目の光』も、今改めて観ると変な表現ですがちゃんと当時からメンバーは可愛い。でも初見の時に感じたのは素朴さや幼さ、垢抜けなさでした。(そしてそれは好ましいものでした)

それに対し5期生曲『バンドエイド剥がすような別れ方』のMV(記事作成時点ですでに300万回再生を超えました)からはほとんどそういった印象を受けません。

もちろん既に『絶望の一秒前』でMV撮影は経験しているというアドバンテージはあります。
でもお見立て会からまだ半年なのも事実。ちなみに(加入からではなく)お見立て会からの期間で比較すると『三番目の風』は3ヶ月半、『4番目の光』で5ヶ月半です。

そう考えるとやはり、この「出来上がってる感」は驚異的



ここで改めて私の思う乃木坂感を言葉にすると、「清楚」「儚げ」「華奢」で「ガツガツしない」「体温低そう」。さらに付け加えるなら、どこか「ノスタルジック」で「切ない」。

それを踏まえて『バンドエイド』のMVを観ると、乃木坂感とそうでないものが絶妙にミックスされているように感じます。

まず楽曲そのものについて。

疾走感のあるアレンジ。
サビは絶対にどこかで聴いたことのある笑コード進行にキャッチ―な8分連打のメロディ。
ド王道のアイドルの夏ソングの体裁でありながら、そこに載る詞が「夏の終わり、恋の終わり」であるのが乃木坂らしさ。

ロケ地は10thシングル『何度目の青空か?』と同じ。

止めを刺すのがサビのダンスシーンでの全面、青。
青い衣装と足元の青、空の青。どうしたって観る者に『ガールズルール』を想起させます

もちろん5期生たちの透明感あふれるビジュアルも実に乃木坂。

とまあ、これだけ乃木坂感と過去作のリフレインが重ねられています。

にもかかわらず、どこか私は「乃木坂っぽくなさ」も感じていました。

それはきっと、5期生の発する「生命力」や「力強さ」
それが顕著に現れるのがダンスシーンでのビビッドな色合いです。

乃木坂のMVって、基本「くすんだ色合い」「ザラっとした質感の画面」が多い。特に表題曲はほぼすべてがそうです。
それはメンバーの「儚さ」「ノスタルジック」という持ち味を強調してきました。

今作もドラマパートはかなり暗く、ブルーグレーのフィルターをかけたような色味。

しかしサビのダンスパートでは一転、鮮やかな青が画面を覆いつくします
アスペクト比も全画面に切り替えられて一気に抜けるような開放感。

細かにカット割りを変えながら寄りと引きを繰り返し動き続けるカメラアングル。
ラスサビではやや下からのアングルが多用され、抜けに映る青空。

そこで伸びやかに舞い踊る5期生たちは力強い生命力にあふれています

上で挙げた『ガールズルール』は同じ青でも淡い色彩。

一番近しいものは…と記憶を辿って思い当たったのは『太陽ノック』。
あのMVもサビは屋外の緑の中でのダンスシーン。乃木坂カラーの紫衣装と鮮やかなコントラストを見せていました。

ただその『太陽ノック』でさえ『ガルル』と同じく、どこかソフトフォーカスで木漏れ日のような光の処理がされていました。

単に4Kになったから、ではないでしょう。
ビビッドカラーで次々と前に出てくる5期生たちの堂々たる姿は、やはりどこか「乃木坂らしからぬ」もの笑

淡い光の中で不安げなメンバーたちが踊っていた『三番目の風』『4番目の光』とは明らかに違うアプローチがなされています。

全体としては乃木坂感たっぷりの舞台設定をしながら、ダンスパートではそれと違う姿を印象づける。

乃木坂感が、あるけどない

まさにそんなMVだと思います。

その対比の中でもうひとつ面白いのが、センターが菅原咲月であるということ。

「華奢」という点にかけては恐らく現在5期生内だけでなくグループでも屈指であろう彼女。
ビジュアルイメージとしての乃木坂感は5期生で一番でしょう。

ここでも絶妙なバランスが取られていると感じます。

そのセンターっぷりがまた、良い。

何度も書いてきましたが彼女は本当にフォトジェニック。
2:58の屋上で佇むシーンなんて抜群ですよね。

あとはやっぱり2:17の誰もが一撃で恋に落ちる菅原咲月
あの井上和をして「男の子が恋に落ちる瞬間に遭遇した」と言わしめた、その破壊力!

この後バリバリに意識してしまっているなぎちゃんと全く何とも思ってないさっちゃんのコントラストが素晴らしい。

出番という意味では菅原咲月一本かぶりなのですが、不思議と他のメンバーにもちゃんと見どころがある印象なのも良いですね。(全員ではありませんが)

彼女はいわゆる「触媒」型のセンターなのかもしれません。


見覚えのある顎のライン


ラストシーン。

英語教師が黒板にこう書きます。

 And the eleven of them became friends little by little.
 「そして11人は、少しずつ仲間になっていった」

あれ…途中のシーンで板書していた時は左利きだったのに、ここでは右で書いてる。

いつかどこかで見た記憶のある外はねショートカットと顎のライン。

これ、生駒ちゃんですよね?

仮に私のこの推測(妄想ともいう)が正しければ、きっとこうなります。

 And the eleven of them became friends (of us) little by little.
 「そして11人は、少しずつ(私たち乃木坂の)仲間になっていった」

あんなことがあって、デビュー10周年がぐちゃぐちゃになった。

それでも大切なのはこれから先。

彼女たち5期生がメンバーを、スタッフさんを、ファンを、そして乃木坂46を愛してこのグループを守るために精一杯頑張ってくれるのなら。

 私たちは仲間だ

 あなたたちは、乃木坂46だ

 たとえその歩みが、少しずつであったとしても。

本当にあれが生駒里奈で、こういう意図が込められていたら痺れますね。

いやでもわざわざ利き腕の違う人が板書しているシーンを入れているんだから、妄想じゃない気がしてきました笑


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前の記事ではセンター賀喜遥香と表題曲『好きというのはロックだぜ!』の感想について書きました。

この記事では初選抜の金川紗耶、そしてアンダーについて。

挫折を経て


金川紗耶。

一頓挫あってファンが離れて、選抜入りが遠く霞んで見えないところまで序列を下げた彼女。

冠番組でも映されない、映っても喋らないという状態が続き、当時はさすがに「シュンとしていた」感じがありました。

しかし、やんちゃんは徐々に本来の明るさを取り戻していきます。

これにはアシスタントを務めた『芸人動画チューズデー』も大きかった
あそこで芸人さんと上手く絡みながら持ち味である面白可愛さを発揮していたのが良かったかと。初回で盛大にいじられたのも結果的にはプラスに働いたのでは。

いったん本来の調子に戻ってからの彼女は過剰とも思えるファンサービスを続けてミーグリの完売を伸ばしてきました。

メッセージアプリで月に数百通送ってきたり、ミーグリで3歳児ごっこをしたりと「なりふり構わない」というか「もはや歯止めが利かなくなってる」というか笑

かねてより定評のあったダンスにも磨きをかけ、前回のアンダーライブでは素晴らしい存在感を発揮していました。

関連記事:
 

もちろんあんな挫折はない方がいい。
でもやんちゃんはそこから出直して、腐らずにやれることをやった。

それを受け入れられないファンの方が一定数いるのもわかります。特に当時彼女を強く推していた方ならなおのことでしょう。でも個人的にはこうして選抜にまでたどり着いたことは素直に称えたい

選抜入りが発表されてからも追い風が吹き続けている印象の彼女。
地元北海道での9年ぶりとなるライブ開催で凱旋したり、札幌ドームの日本ハムの試合で始球式さらに「きつねダンス」を披露しその動画がバズったり(記事作成時点で290万回超の再生)。

本人からもここが頑張りどころなのは痛いほどわかっている旨のコメントがありました。

その超絶スタイルと目を奪われるダンス、そしておバカキャラで盛り上げてほしいですね。


今回も1話完結


またも選抜からアンダーになるメンバーはいませんでした。

この状態が1年半以上続いています。もちろんこんなの乃木坂史上初。
過去の「17人選抜固定」時代(12th~16th、または19th頃まで)をも凌ぐ硬直化です。

そして今回新たに選抜入りしたのは佐藤楓と弓木奈於、そして上で書いた金川紗耶。

要するに29thアンダー曲『届かなくたって…』のフロント3人がそのまま選抜入り。
前回のアンダラの成功が評価されてという側面もあるでしょうし、これはもちろん嬉しいことです。
ただ若干「ごっそり持っていかれた」感もなきにしもあらず。

さらにセンターは卒業を発表した和田まあや。
もちろん彼女はアンダラのリーダーであり功労者ですから卒業センター自体に不満はありません。

ただ「ああ、またもアンダーの連続性は構築できなかったな」という意味では残念に思います。

個人的には前回のアンダラの記事で書いたように「以前のようにある程度フロントを固定しつつそこから何人かを選抜に送り込むというのがアンダーとしてあるべき姿」であり「アンダー内でのポジションに一貫性があるからこそ前に行くことに価値がある」と考えています。

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そういう意味で、今回も1話完結になってしまった感が否めません。

フォーメーションも前作から結構変わっています。

まあ和田まあやの卒業曲ということでダンス重視のフォーメーションなのかなという気もします。
全員に見せ場がある振り付けで立ち位置はさほど重要でないので、3期生と4期生をそれぞれ三角形にしたのではないでしょうか。

さて、既にアンダー曲『Under’s Love』のMVが公開されています。


Under’s Love=アンダーの恋、あるいはアンダーへの愛。

なのですが、歌詞は…なんだろタイトルありきでやっつけで書いたような感じ
「アンダースタディ」と恋愛を重ねているのもなんだかなあ。

既に『アンダー』という曲でもろにアンダーメンバーたちの苦闘を描いている(※)のでそれと同じでもダメだしなあ、ぐらいの薄い動機で書いた内容に感じます。
※便宜上「苦闘を描いている」と書いてはいますが、個人的には「全く描けていない」と評価しています。詳しくは下の関連記事をご覧ください

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せっかく和田まあやをセンターにするならもっとはっきり当て書きっぽい歌詞がいいのに…まあ秋元康がまあやの11年間についてちゃんと知っているとは思えませんが。

フラメンコっぽいマイナー調の楽曲も個人的にはあまりピンときませんでした。
それこそ『風船は生きている』みたいな明るい曲調が良かった。

そこにアンダーとしての苦しみや葛藤やそれでもそこで見つけた喜びや仲間たち、そしてこの先の光のようなものを感じさせる歌詞が良かったのになあと思います。(もちろんこれも私の勝手な「和田まあや観」に過ぎないのは十分承知していますが)

…とまあ文句ばかり言ってきたので、最後にこのMVで一番良かったところを。

ラスト、和田まあやが画面のこちらに向けて花束を渡し「ありがとう」と微笑むのです。

決して人気メンバーではなかった自分を、それでもずっと応援し続けてくれた「あなた」への感謝

これ、グッときますね。


続きます。


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「10周年記念シングル」だったはずの29th『Actually…』。
それがセンターの活動自粛という悪夢のような事態。

関連記事:
 

30thシングルの選抜はそこからの揺り戻しという印象が強い布陣となりました。

まあ日産スタジアムでのライブが10周年の総決算となり、いったんリセットかかった感じはありましたので我々ファンも気を取り直していきましょう。

比較的好きな自分で


10周年記念シングルかはさておき、記念すべき30枚目のシングル。

そのセンターに選ばれたのは賀喜遥香。

なんというか、妥当な人選だと思います。

ここ数ヶ月で彼女は数字の裏付けを十二分に積み上げてきました。

6月に発売した写真集が記事作成時点で推定売上17万部を超えるという大ヒット
そして数少ない目に見える人気指標のひとつ『乃木恋』彼氏イベントの上位入賞者ポイント数では、これまで圧倒的な強さを見せてきた齋藤飛鳥に伍する数字を叩き出します。
さらに今作のミーグリでは1次で9枠完売させたというのも驚異的!

まあでも、そんな数字より何より彼女の持つ「陽」のイメージ。

前作で垂れ込めた暗雲を振り払うには、やっぱりかっきーの笑顔が必要なのでしょう。

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彼女自身はまだ自分がセンターに立つことをうまく消化できていないようです。

それでも、選抜が発表された『乃木坂工事中』内ではやつれた姿で目に涙を浮かべながらこう語りました。

 ここから頑張りどころだと分かっています

 絶対に後悔したくない

そしてブログではネガティブな気持ちを吐露しながらもこう締めくくりました。

 自分に負けたくないです。

 自分のことが好きじゃないけれど、嫌いとは言いたくない。比較的好きな自分でいられるように頑張りたいし、

 それに優しくて大好きなメンバーのためならどこまでも頑張れる気がします。

 大好きを力に変えて

 ただ頑張ることしかできないけれど、

 私なりに頑張って、走り抜けたいです。


29thの暗雲を振り払うため、問答無用のエース齋藤飛鳥という手もあったとは思います。

でもそれだと30thが本当に総決算シングルになってしまう。
そうではなく(総決算は日産スタジアムで終わりにして)、30thからは新たなスタートを切る

それが運営の意向ではないでしょうか。

ただこう考えてくると改めて29thが意図不明ですね。
そこで「新機軸」(個人的には「別に何も新しくない」と思っていますが)を提示しておきながらすかさず日産では10周年の総決算。いったい何がやりたかったのか。

29thは齋藤飛鳥センターでスケールの大きいいわゆる「レコ大狙い」な楽曲で…さもなければいっそ『羽根の記憶』のシングルカットでも良かったのではないかと。

それで30thを『Actually…』にした方がすわりが良かった気がします。(そのセンターが中西アルノかは別として)

好意的に解釈すれば29th飛鳥センターから日産スタジアムで卒業生出演の総決算をやってしまうと、一定数のファンが新しいもの=5期生を見もしないで「オタ卒」してしまう危険性がある。それを恐れたのかもしれません。

あんな騒動さえなければ本来は日産ではもっと5期生をフィーチャーして、既存ファンや「10周年だし久々に現場に行ってみるか」というファンが彼女たちに目を向ける機会にしたかったのかも。いやあのスケジュールではどだい無理な話かもしれませんが。

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BP


これを書いている最中に表題曲『好きというのはロックだぜ!』のMVが公開されました。

第一印象は「ビートパンクっぽい」

ビートパンクなんて完全に死語ですよね。
ざっくり説明するとタテノリのリズムで強調されたスネアと鳴り続けるハイハットのドラムが特徴…というイメージ。浅い知識しかないけど(すいません)。

80年代末のバンドブームの際に一世を風靡しました。代表的なバンドはJUN SKY WALKER(S)。THE BLUE HEARTSをこのカテゴリーに含めることもありますが、個人的には違うかと。

さて、そう思って改めてまじまじと聴いてみるとこれ本当にもろビートパンク調なんですよね。

ピアノから始まるイントロも8分のシンプルなベースラインもBフレの落とし方も、ラストの転調もwow wow言ってるのも全部「実にそれっぽい」

ドラムも音色こそいわゆるロックドラムではないものの上で書いた「強調されたスネアと鳴り続けるハイハット」そのものですし。どうせなら普通にもっと乾いたスネアにしてビートパンク全開で行けばよかったのに。

とはいえこの開放感、前向きなパワーはまさにビートパンク。凄くジュンスカっぽい笑

それがセンターであるかっきーの「陽」のイメージ、そして仕切り直してリスタートを切ろうとするグループの現状とマッチしていていいと思います。ライブでバンド生演奏で披露したらかなり盛り上がるのでは。

空港で撮影されたMVにも、暗雲を突き破ってまっさらな空へ飛び立とうという意味が込められているように思います。


それにしてもこのタイトルはどうにかならなかったんですかね。
個人的には秋元康の「ロック」を小ばかにしてる感じが凄く嫌い。『音が出ないギター』とか酷いですよね。

サンボマスターに6時間ぐらいこんこんと説教されて欲しい。マジで。

歌詞の内容とも全然一致してないし。本当にどういう会議を経てどういう勝算があってこのタイトルにしたのか教えてほしいです。

最後は秋元康への文句になってしまいました笑

続きます。


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