シリーズ名としては1959年からありますが、そのスタイルが確立したのは1995年発売のSVCF005/007/009です。
デザインエッセンスはそこから30年間ほぼ不変。
最大の特徴はインナーベゼルの簡易方位計。そして偶数時はアラビア数字、奇数時はくさび型が交互に並ぶいわゆる飛びアラビア数字のインデックスにコブラ針です。
マニアの間での異名は「和製エクスプローラー」。
こちらの記事でその歴史をまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
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2020年以降はデザインバリエーションを拡張し、簡易方位計を省いてシンプルにした「アルピニストセカンド」、1959年の現代デザイン版「アルピニストオリジン」を発売。(どちらも私が勝手に命名)
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どちらもいい時計でしたが残念ながら短期間で全てディスコンとなり、販売継続しているのは1995年から続くいわゆる「現行」とGMTモデルのみという状況。
そしてこのたび、4代目に代替わりすることになりました。
待望のブラック文字盤飛びアラビア!
先代からの変更点の多くは細かなもの。ストレートに言えば、基本ただの値上げです笑
しかし!
今回30年目にして遂に、待望の飛びアラビアインデックス版ブラックダイヤルが登場しました!
過去記事でも書きましたが「なぜかブラックだけは毎回頑なにアラビア数字混じりのインデックスにしなかった」セイコーさん。
肝となる意匠なのに、プレーンな文字盤カラーであるブラックではそれを採用しないという意味不明な采配。
ようやく重すぎる腰を上げてくれました。
4代目
2025年発売、ケースサイズ39.5mm、6R55ムーブメント
12時位置に「Alpinist」ロゴ、6時位置にプロスペックスロゴ、裏蓋に三連山マーク、裏蓋スケルトン、サイクロップスレンズ、Dバックル
過去記事と記載を合わせるとこうなります。
4代目は細かなデザイン要素の調整がなされています。
まず初代以来となる「Alpinist」ロゴの復活。
ただ初代は6時位置に赤字でしたが4代目は12時位置にインデックスと同色です。
マニアが嫌いがちなプロスペックスロゴ(「X」マークのこと)が小さくなっているのは良いのですが、なぜそこまでして残すという疑問が。6時位置のプリントはすべてインデックスと同色。
デイト表示の背景色が文字盤と同じに(SBDC207除く)。これは良いですね。
そして2代目以来となる裏蓋の三連山マーク復活。ただ裏蓋スケルトンなのが余計だなあ。
「Alpinist」ロゴは嬉しいのですが、どう考えても「X」マーク取っ払ってそこに赤字で「Alpinist」にすべきだよなあ。
ついでにサイクロップスレンズも外して裏蓋もスケルトンじゃなくせばデザイン的には完璧なんですけどね。
最初に「基本ただの値上げ」と書いたようにスペックは先代とほぼ変わりません。
サイズは厚さ 12.7mm、横 39.5mm、縦 46.4mm。厚さは0.5mm小さくなりました。
ムーブメントは6R35から後継の6R55に変更され、パワーリザーブ72時間で2時間だけ長く。あとは20気圧防水にサファイヤクリスタル風防です。
カラーバリエーションは3色。
濃いターコイズブルーというかティールブルーのSBDC207。
上で書いたブラックがSBDC209。
そしてアルピニストのアイコンといえばこれ、のグリーンはSBDC211でこのモデルだけレザーベルトです。
実機を見てきましたがブルーはかなり華やかで写真で見るより明るい色味。
ブラックは気持ちグレーや茶の要素が含まれているような…真っ黒に見えないけど黒、という感じ。
グリーンはたぶん先代と同じですが、先代の在庫がなく見比べられませんでした。
価格とまとめ
先代からは前者が約143%、後者が約129%の値上げです。
うーん、高いなあ。
正直211を新型で買おうという気にはならないですね。(記事作成時点では先代グリーンSBDC091はまだ楽天で在庫がありましたし)
これまでヨーロッパ限定でブルーとかチャコールグレーの飛びアラビア文字盤が出ており、その辺を買おうとするとかなり高くついていたので、それを考えると207と209はまだ許せるか。いや高いな笑
あと2万円ぐらい安ければめちゃめちゃいいと思うんですけどね。
30年間愛され続けてきた名シリーズの最新型。そして待望のカラーバリエーション。
20気圧防水にサファイヤクリスタル風防に72時間ロングパワーリザーブという高い実用性。
フィールドウォッチでありながらどこかスマートという秀逸なデザインですので、職種によってはブラックならオンオフ兼用でいけると思います。
間違いなく時計としての完成度は高いし、個人的にも大好きなシリーズです。
直接のライバルはやっぱりハミルトン「マーフ38」でしょう。
アルピニストにブラックダイヤルが出たことにより「エクスプローラーの代替品」としても真っ向勝負ですね。(マッシブなマーフとスマートなアルピニストとキャラクターは異なるのですが)
