ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:腕時計 > セイコー(SEIKO)


今日はとても悲しい話です。

セイコーが2023年2月3日に公式サイト上に「価格改定のお知らせ」を掲載しました。

対象はプロスペックス、プレザージュ、キングセイコー、セイコー5の主要モデル。
要するに「ほぼすべて」です。

※対象の一覧はこちらのリンク先をご参照ください(PDFです)

値上げ実施時期は2023年3月6日
既に3週間を切っているのですが、この情報を必要とする方もおられるかと思い記事にしました。
(ちなみにグランドセイコーは先行して1月23日から一律10%程度値上げされています)

先に結論を言いますと「ずっと気になっていたモデルがあるなら値上げ前に買った方がいい」です。

値上げ幅は1割から2割程度
以下に代表的なモデルをピックアップして前後の価格を記載します。すべて税込みです。

プロスペックス


SBDC系はほぼ全てが10%強の値上げ。逆に言うとSBDC系で対象外のものはディスコン濃厚かと。
SBDY系とソーラー系は一律据え置き。
スピードマスターも機械式は10%強値上げ。ソーラー系は据え置き。
LXラインは値上げなし。こちらは不人気っぽいので実質ディスコンでは?
マリンマスターはツナ缶のみ値上げ(=MM300は据え置き)。ただこちらは「モデルチェンジという名の実質値上げ」の可能性も高そう。

93,500円 → 104,500円(+11,000円)
143,000円 → 159,500円(+16,500円)
154,000円 → 170,500円(+16,500円)
143,000円 → 159,500円(+16,500円)
176,000円 → 198,000円(+22,000円)
132,000円 → 143,000円(+11,000円)
82,500円 → 93,500円(+11,000円)
82,500円 → 93,500円(+11,000円)

プレザージュ


プレステージラインの「シャープエッジ」シリーズのGMTと3針が一律値上げ。
以前からある「琺瑯ダイヤル」系はごく一部を除き据え置き。
ベーシックラインはすべて据え置き。

SARF001「シャープエッジGMT」
159,500円 → 176,000円(+16,500円)
SARX075「シャープエッジ3針」
110,000円 → 121,000円(+11,000円)

キングセイコー


一律10%、というか税込22,000円の値上げ。

SDKS001
198,000円 → 220,000円(+22,000円)

セイコー5


元が安いから、というのもありますが約20%値上げ。
地味に対象外となっている「ボーイスムースベゼル」系やSBSA139(「アビエーション」のメタルブレスモデル)はディスコン濃厚かと。

33,000円 → 40,700円(+7,700円)
52,800円 → 63,800円(+11,000円)
29,700円 → 38,500円(+8,800円)
29,700円 → 38,500円(+8,800円)

雑感


まあねえ。何でもかんでも値上げですから。
セイコーさんを責めるつもりはまったくありません。

原材料費も光熱費も上がっていればそりゃ値上げもしたくなるでしょう。

ただ腕時計趣味がどんどん普通のサラリーマンから遠ざかっていく感じなのが寂しいなあと。

最初にも書きましたけど、「いつか買おう」と心に決めていたモデルがあるなら駆け込みで購入してしまった方がいいですね。

今後定価が引き下げられる可能性は極めて低いでしょうから。
この先売り上げが激減して割引で値上げ前の水準にすることはもしかしたらあるかもしれませんが。

変わらないデザインが魅力の現行アルピニストや、プロスペックスの歴史に残る名モデルであろうファースト現代、あとは人気あるだけに再値上げが怖いボーイGMTあたりを狙っている人は決断の時かと思います。

その反面ディスコンによる売り切りが発生しそうなモデルもあるので、それを探すという手もありますね。

私もこの1年だけで「いつか買いたい」と思っていた服や靴が軒並み値上げしてしまったのに最近気づいて愕然としました。
スニーカーは加水分解してしまうし洋服はサイズが変わってしまう危険がありますが、腕時計はそういうリスクがないのがいいですね笑



2022年の後半にセイコーさんはプロスペックス標準モデルのラインナップを整理しました。

ここを逃すと入手困難になってしまいますので、気になっていたモデルがある方は要注意です。

今回はセイコー公式HPの掲載状況ならびに記事作成時点での楽天市場在庫状況を元に以下の3つに分類しました。

「公式HPから消滅」:メーカー在庫限りと思われるのもの
「生産継続」:公式HPに掲載されているため生産継続と思われるもの
「ディスコン近い?」:公式HPには残っているが市場に在庫が少ない=不人気なのでディスコンが近いか実は既にディスコンしていると思われるもの

!!!あくまでも私の個人的な考察ですので、予想が外れても一切の責任は負いません!!!

同様にラインナップ整理が行なわれたセイコー5についての記事はこちらです
 

アルピニスト



セイコー伝統のフィールドウォッチであるアルピニストシリーズ。
「現行」「セカンド」「オリジン」の3タイプが存在しています。

その魅力や特徴、スペック等の詳細はそれぞれの紹介記事をご覧ください。

「現行」


「セカンド」


「オリジン」

公式HPから消滅

SBDC115 「セカンド」グリーングラデーションダイヤル、メタルブレス
在庫:なし
SBDC136 「現行」カーキダイヤル、ゴールドケース、ブラウンレザーベルト
在庫:あり
SBDC138 「セカンド」カーキダイヤル、ゴールドベゼル、ブラウンNATO
在庫:あり

ディスコン近い?

SBDC089 「現行」ホワイトダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:なし
SBDC117 「セカンド」ブルーグラデーションダイヤル、ブルーレザーベルト
在庫:ほぼなし
SBDC119 「セカンド」ブラックラデーションダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:あり(少なめ)
SBDC135 「現行」チャコールダイヤル、ブラックレザーベルト
在庫:あり
SBDC137 「セカンド」チャコールダイヤル、ブラウンNATO
在庫:あり
SBDC159 「オリジン」ブルーダイヤル、メタルブレス
在庫:あり(少なめ)

生産継続

SBDC087 「現行」ブラックダイヤル、メタルブレス
SBDC091 「現行」グリーンダイヤル、ブラウンレザーベルト。アルピニストのシグネチャーモデルですね
SBDC145 「オリジン」ホワイトダイヤル、メタルブレス
SBDC147 「オリジン」ブラックダイヤル、メタルブレス
SBDC145 「オリジン」グリーンダイヤル、ブラックレザーベルト
SBDC161 「オリジン」ブラウンダイヤル、ブラウンレザーベルト

今回、最も大ナタが振るわれたのはアルピニスト

セカンドが恐らく全滅現行もブラックとグリーンだけになり、そう遠くない未来に先代と同じようにグリーンだけになるのでしょう。オリジンもけっこう怪しいかな~。個人的には好きですけど。

セカンドはせっかくエクスプローラー風味を強めたデザインなのですから、完全消滅前に以前の記事で希望したようなマットブラックダイヤルにアプライドインデックスのモデルとか出してくれないですかね。限定とかでいいので。
現行も限定でバリエーションを出してほしい。ヨーロッパ限定でアイスブルーダイヤルとかグレーダイヤルとかめちゃめちゃ格好いいの出しているのが納得いかん。

スモウ


長きにわたり6R系ムーブメント搭載ダイバーズのエントリーの役割を担ってきたスモウですが、2022年に新型(SBDC175、177、179)が発表されその価格はなんと143,000円(+約5万円)!
型押しダイヤルに疑似ではないピュア3連ブレスで「キングスモウ」などと呼ばれていますが、まあマイナーチェンジの範疇ですのでこれは厳しいなあ。

生産継続

SBDC081 グリーンダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
SBDC083 ブラックダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
SBDC121 ペプシダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
今のところ旧型ディスコンの気配は全くありません。
ただ過去にショーグンもサムライもタートルも1968現代も、プレーンなブラックダイヤル・ブラックベゼルモデルを旧型でしばらく併売した後あっさりとディスコンするというのをやっているので危険です。しかも新型ではプレーンモデルを出さないという暴挙。本当に理解不能です笑

新旧の価格差が大きすぎるので、いつディスコンになってもおかしくないですね。
在庫が減り始めた雰囲気があれば決断した方が良いと思います。

SBDC121紹介記事:


タートル




いわゆるサードダイバー。伝統あるデザインです。

ディスコン近い?

SBDY063 マンタ模様のブルーグラフィックダイヤル、メタルブレス
在庫:ほぼなし
SBDY079 マンタ模様のネイビーグラフィックダイヤル、ネイビーNATO
在庫:なし
SBDY093 ダークネイビー型押しダイヤル、メタルブレス
在庫:あり
ちなみに以前記事にしたキングタートル第1弾のSBDY049と051は元々ネット流通限定モデルで公式HPには最初から掲載されていませんが、こちらも既にディスコン。市場からは完全に消滅しています。

「キングタートル第1弾」紹介記事:

サムライ


切り落とされたラグが精悍なシリーズ。

ディスコン近い?

SBDY065 マンタ模様のブルーグラフィックダイヤル、メタルブレス
在庫:なし
SBDY081 マンタ模様のネイビーグラフィックダイヤル、ネイビーNATO
在庫:なし
SBDY095 ダークネイビー型押しダイヤル、ダークネイビーNATO
在庫:あり(少なめ)

小径ツナ缶


セイコーダイバーのアイコンである「ツナ缶」を小型化。
タウンユースを意識したツートンベゼルとラバーベルトの組み合わせが特徴。

「小径ツナ缶(第1弾)」紹介記事:


「小径ツナ缶(第2弾)」紹介記事:


ディスコン近い?

SBDY059 サンドベージュベース
在庫:なし
SBDY061 グレーベース
在庫:なし

生産継続

SBDY073 ネイビーベース
SBDY075 カーキベース

第1弾はディスコン濃厚、第2弾は当面継続と思われます
ちなみに第2弾のネット流通限定モデルであるSBDY089、091も生産継続しているようです。


最後に軽くまとめます。

アルピニストはとりあえず欲しいなら確保しておいた方が良いかと。
スモウは当分大丈夫っぽいですが、少なくとも今後の限定等は新型で出るでしょうから旧型のカラーバリエーション待ちは望み薄ですね。

SBDY系は全般的にセイコーさんの扱いが雑なので、気になったモデルの動向についてはアンテナを張っておいた方が良さそうです。特に小径ツナ缶はタートルやサムライのような歴史がないので一度消えたら復活しない心配がありますね。
そういう意味では「ミニタートル」もあるうちに入手しておいた方がいいかもしれません。(今のところディスコンはなさそうですが)

「ミニタートル」紹介記事:




2022年の後半にセイコーさんはセイコー5標準モデルのラインナップを整理しました。

ここを逃すと入手困難になってしまいますので、気になっていたモデルがある方は要注意です。

「公式HPから消滅」:ディスコンしメーカー在庫限りと思われるのもの
「生産継続」:公式HPに掲載されているため生産継続と思われるもの

在庫は記事作成時点の楽天市場の状況です。

セイコー5日本再上陸時の記事はこちら


同様にラインナップ整理が行なわれたプロスペックスについての記事はこちらです


SKX Sports Style(回転ベゼル)


ベーシックモデル。メタルブレスまたはNATOベルト。

公式HPから消滅

SBSA007 ブラックダイヤルでインデックス&ベゼルの目盛りがゴールド。メタルブレス
在庫:あり(少なめ)
SBSA021 ブラックダイヤル&ブラックNATOベルト
在庫:あり

生産継続

SBSA001 ブルーダイヤル、メタルブレス
SBSA003 ペプシベゼル、メタルブレス
SBSA005 ブラックダイヤル、メタルブレス
SBSA009 オレンジダイヤル、メタルブレス
SBSA011 グリーンダイヤル、メタルブレス
SBSA013 グリーンダイヤルにゴールドの針&インデックス。メタルブレス
SBSA023 ブラックケース、カーキNATOベルト

SKX Suits Style


ミラネーゼブレス、第1弾モデルはインダイヤルの外周がホワイトになったツートンカラーでした。インデックスはヴィンテージのヤケ感を出すベージュ。

公式HPから消滅

SBSA015 ブルーダイヤル
在庫:あり(少なめ)
SBSA019 カーキダイヤル
在庫:あり
SBSA067 シャンパンダイヤルで外周も同色
在庫:あり
SBSA069 シャイニーブルーダイヤルで外周も同色
在庫:あり

生産継続

SBSA017 ブラックダイヤル

Specialist Style


ラバーとレザーのコンビベルト。

公式HPから消滅

SBSA027 ブラックダイヤル
在庫:あり(少なめ)
SBSA071 オールシルバー、ダイヤルはなんというかクラフトレザーのような型押し、ベゼルはエンボスでケースはダメージ加工というやりすぎ感溢れる、だがそこがいいモデル。ベルトはブラック
在庫:あり(少なめ)
SBSA072 071のブラックダイヤル版。ベゼル、ケースそして針とインデックスのフチはイエローゴールド。ベルトはブラウン
在庫:あり

生産継続

SBSA028 ブラックダイヤルでケース、針&インデックスがローズゴールド

Street Style


オールブラックやオールゴールド、セメントなどエッジの効いた意匠。

公式HPから消滅

SBSA063 シルバーダイヤル、メタルベルト。シルバーアクセサリーとかでありそうな「いかつい」フォントのエンボス加工されたベゼル。
在庫:なし
SBSA064 063のピンクゴールド版。
在庫:あり
SBSA066 063のイエローゴールド版。最高にキッチュでクール笑
在庫:なし

生産継続

SBSA025 インデックスまでオールブラック
SBSA127 コンクリート風の「セメント」ダイヤル。それ以外はダイヤル外周含めシルバー。グレーNATO
SBSA173 カモフラ柄ダイヤル、それ以外はブラック。ブラックNATO


スムースベゼル


リリース時の紹介記事はこちら


公式HPから消滅

SBSA047 ブラック文字盤の針とインデックスのフチがゴールド、メタルブレス
在庫:なし
SBSA048 ローズゴールドコンビ、メタルブレス
在庫:あり
SBSA050 イエローゴールドコンビ、メタルブレス
在庫:あり(少なめ)
SBSA051 グレーダイヤル、グレーNATO
在庫:あり(少なめ)
SBSA053 ブルーダイヤル、ブルーNATO
在庫:あり
SBSA055 カーキダイヤル、カーキNATO
在庫:あり
SBSA057 ブラックダイヤル、ブラックNATO
在庫:あり

生産継続

SBSA041 グレーダイヤル、メタルブレス
SBSA043 ブルーダイヤル、メタルブレス
SBSA045 ブラックダイヤル、メタルブレス
SBSA059 オールブラック、ブラックNATO
SBSA129 「セメント」のスムースベゼル版。

ショップ限定系


各ショップの細かなこだわりが反映されたモデル。

SBSA075 インデックスまでオールブラックな025のメタルブレス版。「ザ・クロックハウス」「TiC TAC」限定
在庫:あり
SBSA099 ブルーダイヤル、ブルーとブラックのツートンベゼルにブラックケース、ブラックNATOベルト。「ザ・クロックハウス」「TiC TAC」限定
在庫:なし
SBSA107 ブラックダイヤル、グリーンベゼル。サブマリーナでいうところの「カーミット」カラーリング。個人的にはこれ好きです。「ザ・クロックハウス」「TiC TAC」限定
在庫:あり
SBSA101 ブラックダイヤルにヴィンテージベージュインデックス、そして秒針と「Automatic」ロゴがレッド。こちらはサブマリーナでいえばいわゆる「赤サブ」風ですね。ただしブラックケース、ブラックNATO。「neel」限定
在庫:あり

まとめ


ミラネーゼブレスにツートンカラーの「Suits Style」が、ブラックダイヤルの017以外全滅。個人的には好きなデザインなのですが。017もそう長くはないかもしれません。

「Specialist Style」も同様に028のみ継続。

「Street Style」はオールゴールド系が全滅。そう考えると「セメント」も早いうちになくなるかも。

スムースベゼルは第1弾モデルでゴールドコンビとNATOベルトのものがディスコン。カーキダイヤルはこれで消滅。

ショップ限定系は基本的にはいつディスコンになってもおかしくないですね。

ということで生産継続の中でも017、028、127、129とショップ限定系が気になっている方は早めに動いた方が良いかもしれません。

ちなみに当初は公式HPには残っているが市場に在庫が少ない=不人気なのでディスコンが近いか実は既にディスコンしていると思われるものを「ディスコン近い?」という分類にするつもりでしたがこれに該当しそうなモデルは特に見当たりませんでした。


以前に「フジツボダイバー」ことシチズンNB-6021の記事を書きましたが、同時期=2022年夏にはセイコーとオリエントもダイバーズの新作を発売していました。

いずれも60年代から70年代の国産ダイバーズ黎明期の復刻、奇しくも揃って41mm径

そうくると並べて比較したくなるのが人情ってもんです。

各社モデルの特徴


セイコー:「セカンド前期型現代デザイン」

Ref. SBDC171/SBDC173

セイコーさんの、公式サイト上に特集ページもなく製品情報ページにも特に何の補足もない新作。どうも「キングタートル」がディスコンっぽい(これも別途記事にする予定)ので一瞬「タートルまで6Rムーブメントにして大幅値上げか!?」と思ったんですが、違いますね。

これ、セカンドダイバー「前期型」の現代デザインです。
(有名な植村ダイバーはセカンドダイバー中後期型)

恐らく初出は1968年。
オリジナルとの違いは各時のインデックスが細いこと。オリジナルはほぼ正方形。そしてデイト表示の位置。オリジナルは3時でこちらは4時半ですね。これはダイバーズの規格に合わせるため(各時位置の夜光が必須となったとのこと)やむなし。

話がややこしくなりますが「オリジナルの」前期型と中後期型の違いも書いておくと、ケースサイズがそれぞれ約41mmと44mm。後者はベゼルからかなり張り出したケース形状であり、さらに4時位置に特徴的なリューズガードを備えています。

スマートな前者と武骨でボテッとした後者。

この差異は現代デザイン同士でも表現されており、今回の「前期現代」は「植村現代」のSBDC109と比べスマート。ホワイトダイヤルの171など、もはやモダンでスタイリッシュと表現してもいいぐらいに感じます。
さらにジュビリーブレスを採用。現行セイコーダイバーではこちらだけです。


出典:セイコー公式サイト

サイズは厚さ12.3mm、横41.0mm、縦46.9mm。
その他スペックはプロスペックスのSBDC系共通のもの。パワーリザーブ70時間の6R35ムーブメント、200m防水、サファイヤクリスタル風防。

バリエーションは2種類。
ホワイトダイヤルの171。ブラックダイヤルにゴールドの針、インデックス、印字の173。

…また標準モデル=ゴールドを使わない普通のブラックダイヤルがない。アメリカでは出すのに(ラバーベルトですが)。相変わらず何考えてるんですかね?

シチズン:「復刻フジツボダイバー」

Ref. NB6021-17E/NB6021-68L

オリジナルはチャレンジダイバーの1977年モデル。

すごくざっくり言うとベンツ針を備えたクラシカルダイバーズ、そして安いのにチタン製に耐磁2種。


出典:シチズン公式サイト

サイズは厚さ12.3 ㎜、横41.0 ㎜、縦はデータなし(約49mmらしい)。

こちらのモデルについては既に記事にしていますので詳細はそちらをご覧ください。

関連記事:


オリエント:「ダイバー1964 2nd エディション」

Ref. RK-AU0601B/RK-AU0602E

オリジナルが1964年初出の「カレンダーオートオリエント」。
知らないです笑…超マニアック

今回「2ndエディション」と謳っているのは2021年に「1stエディション」があったため。
そちらのオリジンは同じく1964年発売ながら似て非なる「オリンピアカレンダーダイバー」。ややこしいですね。1stエディションは世界500本限定で、現在は完売しています。


出典:オリエント公式サイト

針とインデックスのデザインはほぼオリジナル通り。
それなのにオリエントスターこだわりの12時位置パワーリザーブインジケーター。どう考えても蛇足ですね。
でもこれがないとただの地味なサブパクり時計に見えるかも。

12時位置の逆三角形と各時のドットインデックス、一見ベンツっぽい時針(円の中の線がないので通称「タコ針」だそうです)。全体に「小ぶり」なのが逆に味になっています。
細かいところでいえばミニッツサークル(分目盛りの外周円)もクラシカルな意匠ですね。
ジュビリーブレスでシリコンベルト付属。


サイズは厚さ14.5mm、横41.0mm、縦49.6mm。この中では一番厚く、重厚感がありますね。

バリエーションはブラックの0601Bとグリーングラデーションの0602E。後者は公式オンラインストア限定となっています。

それでは、戦ってもらいましょう!


「デザイン」「再現性」「質感」「コスパ」の各項目について、例によって独断と偏見で順位をつけてみました。

デザイン:セイコー>シチズン>オリエント

セイコーが最も縦径が短くコンパクト。特にホワイトダイヤルはどことなくDOXAあたりを思わせるスタイリッシュさ。
シチズンは「ザ・普通」ですがベンツ針なのが嬉しいところ。
オリエントはせっかくほとんど完全再現のデザインなのに、メーカーこだわりのパワーリザーブインジケーターが邪魔をしている。まあこれがなければ古臭くて垢抜けないデザインでしょうけれど、好事家はそれが良いのでは?

再現性:シチズン>オリエント>セイコー

パッと見かなりオリジナルに近いシチズン。
オリエントは上に書いた通り。惜しい。
セイコーは現代デザインなので完全再現は敢えてやらないという縛りがあり、さらに植村ダイバー現代デザインとの差別化も図らねばならないので再現性は低め。


出典:オリエント公式サイト

質感:オリエント>セイコー>シチズン

ダイバーズらしい重厚感のあるオリエント。ジュビリーブレスも良い。
同じくジュビリーブレスでいかにもSBDC系らしいサテンの質感が出ているセイコー。
シチズンはチタンなので仕上げが甘い印象。まあこれは軽さや価格とのトレードオフなのですが。

コスパ:シチズン>セイコー=オリエント

これはぶっちぎりでシチズン。
実勢価格はセイコー132,000円(税込、以下同じ)オリエント123,200円に対し、シチズンは96,800円。黒文字盤はウレタンベルトなのでさらに安く67,760円!
しかもチタン製で耐磁2種。パワーリザーブが短いとか風防が無反射コーティングされていない(らしい)という減点材料はありますが、この価格設定では文句は言えないかと。

実用性、コスパのシチズン
スマートで他の自社ダイバーとの差別化を図ったセイコー
クラシカルな意匠を重厚感のある仕上げで纏めてきたオリエント

まあ最後はお好みとご自分の既存コレクションに合わせてお選びくださいというありふれた結論になってしまうのですが笑

個人的にはSBDC171のスマートなホワイトダイヤルが好きですね。



つい先日「限定コラボモデル5選」という記事を書いたばかりなのですが、早くも新たなる魅力的モデルが発表されてしまいました笑



今回のコラボ相手はホンダ「スーパーカブ」(以下「カブ」)。

言わずと知れたビッグネームですが、念のため説明文を。

 スーパーカブは、本田技研工業株式会社(通称ホンダ)が発売している自動二輪車です。世界中で愛されているホンダを代表する製品であり、1958年の発売から60年以上にわたり、様々な場面や用途で活躍しています。2017年にはシリーズ累計生産台数が1億台を突破。単一シリーズとしては世界一売れている乗り物です。(セイコー公式サイトより引用)

SBSA181(スーパーカブ)

生産本数:世界6,000、国内300
発売時期:2022年11月11日
税込価格:47,300円
入手困難度:★★★★(発売前に完売と予想)
※入手困難度は★5つが「最も入手しにくい」

 

人気定番カラーであるタスマニアグリーンメタリックのカブをモチーフにした、グリーンとオフホワイト(クリーム色に近い)の組み合わせ。差し色のオレンジも効いています。

ダイヤルは「正面から見たカブ」を模したもの

もちろん大胆なカラーの切り替えが目を引くのですが、このモデルは全体的にインデックスが独特で好きですね。

11時から1時位置のインデックスでヘッドライトとウィンカーランプを表現しているとのこと。私には12時位置はヘッドライトではなくかの有名な「遮光器土偶」の目に見えます笑
その他各時の正方形インデックスも良いですね。

6時位置にはカブのエンブレム。
ナイロンストラップもグリーンとオフホワイトのツートンで「SuperCub」ロゴと「HONDA」マーク。
リューズに施された燃料ゲージもカワイイ。

細部までこだわったほぼ完璧なデザインではないでしょうか。

あえて、本当にあえて言うならば6時位置の「Automatic」ロゴが「HONDA」だったらなお良いのに…とは思います。

でもカブのイメージを見事に時計のデザインとして落とし込んでいますね。

 

発売日は2022年11月11日。

カブの人気に加えこのデザインですからこれも予約完売してしまうんじゃないかな。
記事作成時点では楽天市場で予約可能なショップはありませんでした。(受付開始前のショップもあるかもしれませんが)
ベースはいつも通り「ボーイ」。すなわちスペックも「いつもの」です笑

サイズは厚さ 13.4mm、横 42.5mm、縦 46.0mm。
ケースはSSで10気圧防水、ハードレックスガラス風防に裏蓋スケルトン。
ムーブメントはデイデイト表示の4R36。日差+45秒~―35秒、パワーリザーブ約41時間のエントリー機。

セイコーさん公式の特設サイトもかっこいい写真満載です。



前回の「ウルトラセブン」に続き、昭和中期のビッグネームとのコラボ。

セイコー5スポーツ自身も1968年初出なので、同じように長きにわたり愛されてきたもの同士ならではの「しっくり感」みたいなものがありますね。

ロスジェネの私としては、今後も昭和レトロ系のコラボ路線が続くようなら楽しみです。

ただ限定本数はもうちょい増やしてくれないかな…


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