「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2023年版」のラストは70~100万円のゾーンです。
対象は2023年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。
価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。
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70~100万円部門
カレラ グラスボックス/タグ・ホイヤー
Ref. CBS2212.FC6535
自動巻き。100m防水。SSケース+レザーベルト。ケース径39mm
タグ・ホイヤーのフラッグシップ、カレラ。
2020年のベストバイでもカレラを選出(その時はひとつ下の価格帯でしたが)しています。そこでも書いたのですが、現行機だけでも大量のバリエーションがあり、シンプルな3針からゴリゴリのスケルトンクロノグラフまでデザイン的にも多岐にわたっています。
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こちらのモデルは1963年の初代カレラから60周年の節目に出た新作。
なおかつ復刻でも限定でもないレギュラーモデルですから、メーカーとして新たなスタンダードを打ち出そうという意欲が感じられます。
グラスボックスとは湾曲したドーム型風防のこと。
現行機で良く見られる「緩やかなカーブを描く」ドーム型とも、ほぼ垂直に盛り上がっているボックス型とも違う。
ヴィンテージウォッチのプラスチック風防のように「ぷっくりと盛り上がってからフラットになる」タイプ。
この風防は初代カレラに見られる意匠であり、2015年以降の限定モデルにおいて使用されてきました。
翻って今作。
同じ「グラスボックス」でありながら、初代や2015年以降の限定モデルとは「風防のぷっくり部分」の用い方が全く違うのです。
これまでは文字盤との間の隙間だったはずのそこに「沿うように」つけられたチャプターリングと印字されたタキメーター。
一見ガラスで覆われたキラキラベゼルのように見えます(それこそブランパン「フィフティファゾムス」ライクに)が、実は逆。むしろほとんどベゼルレスという特殊なデザインなのです。
これが実にいい。
光沢と湾曲によるユニークな視覚効果。そして横径を極限まで活用することにより実サイズより文字盤を大きく見せています。
伝統の「内側をえぐったラグ」は今作でも健在。ただカレラにしてはラグが短いためそこが賛否両論のようです。
個人的には復刻モデルではないので、装着感を上げるための変更は賛成です。
この長さでもカレラらしいエレガントさは失われていないと思いますし、細腕さんとしてもありがたい。
あとは個人的な好みからするとプッシュボタンがゴツいかな。
サイズは厚さ13.9 ㎜、横39 ㎜、縦はメーカー非公表ですが例によって某有名サイトによれば46 ㎜。
それ以外のスペックはパワーリザーブ80時間で裏スケルトン、そして100m防水。
発売時のバリエーションはブルーとブラック(リバースパンダ)。
面白いことに文字盤カラー以外にも差があり、デイト位置が違います。
ブルーは6時でインダイヤルに重なっているし、ブラックは12時でクロノグラフを動かしていないと読めません。
なぜそこまでしてデイト表示を入れなきゃならんのだとは思いますが、後者はうっかりさんみたいでなんというか好き笑
さらにブラックはヴィンテージベージュ夜光にパンチングレザーベルトと、クラシカルなレーシングクロノというイメージが強調されています。
どちらも凄くいいですね。
端正な青、個性的な黒。
正直甲乙つけがたいのですが、ベストバイにはブルーを選択しました。
定価:907,500円(税込、以下同じ)
実勢価格:708,000円~(楽天市場調べ、以下同じ)
当初808,500円でしたので12%ほど上昇。
とはいえ並行新品が70万からあります。
39mm径のレーシングクロノでありながら一見キラキラベゼルで華やか。
さらにちゃんと初代からのデザインコードを踏襲しカレラらしいエレガントさもある。
腕に乗せると非常に欲しくなる時計です。
ということで独断と偏見による「2023年版ベストバイ」これにて終了です。
お付き合いいただきありがとうございました。