ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

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「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」の第2弾は5~10万円のゾーンです。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

5~10万円部門




1959 初代アルピニスト 現代デザイン/セイコー

Ref. SBDC147
自動巻き。20気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径38mm

2020年に復活した機械式アルピニスト。その2021年新作は1959年のオリジナルモデル復刻デザイン。

 

詳細は上のリンク先記事をご覧いただければと思いますが、この時計の魅力はなんといっても「レトロなのに新鮮という不思議な魅力のあるデザイン」

ビッグサイズのくさび型インデックスが実にレトロ。写真で見ると正直古臭さを覚えるのですが、実物は全然そんなことなく「ドレスウォッチ然としたスポーツウォッチ」という風情。

70時間パワーリザーブの6R35ムーブメントに20気圧防水、サファイヤクリスタル風防と高い実用性を兼ね備えています。しかも6R35搭載機としてはかなり安い部類の価格設定。

上のリンク先の記事でも書いていますが正直これ、万能時計だと思います

定価:82,500円(税込、以下同じ)
実勢価格:81,800円~(楽天市場調べ、以下同じ)

基本的には定価販売です。実は1店舗凄くお安い値段をつけている(66,000円!)ところがあるのですが残り1個だったので勝手ながら省かせていただきました。

2022年に発売されたブルーダイヤルのSBDC159もかなり好き。ピンクゴールドの秒針が良い差し色になっていますね。
さて、ベストバイはこちらなのですが既に記事にしている時計ですのでアンダー5万円部門と同様に「次点」も発表します。

5~10万円部門・次点




PRX オートマティック/ティソ

Ref. T1374071104100
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSベルト。ケース径40mm

リーズナブルな価格と「お値段以上」の価値が売りのティソ。モットーは「ゴールドバリュー、シルバープライス」だそうです。

そのティソがやってくれました。
モーリス・ラクロア「アイコン」が切り拓いた新たな地平「本当に手が届くラグスポ」を、ついにアンダー10万円の域にまで到達させたのです。

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こちらのモデル、一応は1970年代のアーカイブからの復刻デザイン。
ですがまあ採用されている「エンボスド・チェッカード・ダイアルパターン」もロイヤルオークのタペストリーダイヤルとの違いが良くわからないですから、素直に昨今のラグスポ調ブームに乗った形でしょう。

とにかくアンダー10万円で出したのは本当に素晴らしい。

プレーンで細身のベゼルそして完全に八角形ではないケースということで、ラグスポ調の中ではややドレス系のデザイン
基本的にはサテンでベゼルと斜面部分がポリッシュ。ブレスはやや素っ気ない笑ワンピース構造。

サイズは厚さ10.9 ㎜、横40 ㎜、縦39.5 ㎜。この薄さは評価できますね。欲を言えば横幅はもうひと回り小さく、36ないし38mmを望みたかったところですが。

ムーブメントはETAと共同開発した80時間ロングパワーリザーブのパワーマティック80搭載。さらに10気圧防水とサファイヤクリスタル風防と高い実用性も売りです。

定価:85,800円
実勢価格:85,800円

 

バリエーションは3種類。ブルーダイヤル、ブラックダイヤル、シルバーダイヤルにゴールドインデックス&ベゼルというコンビモデル。

直接の比較対象は価格帯こそ違いますが上でも触れたモーリス・ラクロア「アイコン」でしょう。

その実勢価格が並行新品で14万円強ぐらいまで下がってきているので差額は5~6万円というところ。

そのリーズナブルな価格とロングパワーリザーブ(あちらは38時間と短い)に優位性があります。特に後者はセカンドウォッチとして使用するユーザーにとっては大きなメリットですね。

コスパ重視の方、そしてアイコンのデザインを「若すぎる」と感じる方はこちらをチョイスされると良いのではないでしょうか。

続きます。



シリーズエイトとは


かつてシチズンが展開していた「シリーズエイト」。

あるサイトによれば「全てのパーツを美しく仕上げる為の8ピースの構造のケース。シリーズ8という名前もその構造に由来」とのことです。

その複雑なケース形状が最大の特徴。

私が時計沼にはまったのが2013年頃でしたのでまだ現行でした。

凄く攻めたデザインで好きだったんですけど、とにかくデカい。
正確な数値は見つかりませんでしたが幅45mmオーバーとかだったと記憶しています。

厚さもなかなか(ケースをレイヤードしているためでしょうか?)で全体として「コロンとした印象なのにソリッドな質感」という独特な個性がありました。

位置づけとしては最高級機「ザ・シチズン」とはベクトルの違うスポーティなミドルハイ機というところ。セイコーでいえば「グランドセイコー」に対する「ブライツ・アナンタ」のようなものです。余談ですがアナンタもいろいろ面白いモデルがあって好きでした。

その攻めすぎたデザインが原因でしょうか。スタートが2008年で2013年にディスコンですから、先代はわずか5年という短命に終わりました。

現在探してみても圧倒的に中古のタマが少ない。
たぶん売れなかったんだろうな…と思わせます笑

しかし2021年、8年ぶりの復活。
しかも当時と同じエコ・ドライブではなく今回は機械式。

こりゃ気になると某家電量販店で実物を見てきました。

武骨+ドレス系×質感



第1弾としてリリースされたのは「870」「830」「831」の3種類、計8モデル。
私のお目当ては最も廉価な831だったのですが…正直、圧倒的に870がいい。

ということで当記事では主に870を取り上げます。

870を一言で表現するならば、高い実用性を備えた和製「本当に手が届くラグスポ」。

パテック・フィリップ「ノーチラス」やオーデマ・ピゲ「ロイヤルオーク」が既に神格化笑された昨今、「本当に手が届くラグスポ」として登場し絶大な支持を集めたモーリス・ラクロアの「アイコン」。

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その大ヒットに触発されたか様々なメーカーが以前よりも堂々と「ラグスポ調」のモデルを発売するようになりました。個人的には正直「タガが外れた」ような印象を受けますが笑

このシリーズエイトも八角形を意識させるケース、それと一体化したラグというラグスポの特徴を備えています。

ベゼル、ケースからブレスまでほぼ全面サテン(斜面のみポリッシュ)で仕上げられた無骨さ。直線的なケースに丸いベゼルの対比。しかも2体構造のツートンベゼルのため、より「円」が強調されています。

個人的に非常に良いと感じたのが文字盤。
公式サイトでトップに掲載されている=メーカー一押しであろうブラックダイヤルモデル。

これが指を乗せたら沈んでいきそうな「ぬめっ」とした艶のある黒なんです。
瞬間的に思いました「GSっぽい」と。

ラグスポ調でありがちなのがロイヤルオークのイメージを踏襲するパターンの刻まれたダイヤルと細めの針。
しかしシチズンはそちらに走らずに、艶のあるダイヤルに太い針とインデックスというドレス系のデザインを合わせてきました。とても好感が持てますね。



直線で構成され無骨ながら質感の高いケース、ラグ、ブレス。
そこに円を強調したベゼルとドレス系の顔。

実に絶妙なデザインだと思います。
ちなみに事前に写真を見ていた時は正直ブラックモデルのツートンベゼルを「やっちまったな…」と思っていましたが、現物を見ると意外と気にならないというかむしろ悪くない。色味が黒ではなくグレーであり、かつ強めのサテンが当たっているのであまりコントラストが強くないですね。

ブレスの装着感も良好でした。

サイズは厚さ 10.9 ㎜、横 40.8 ㎜。縦はデータなし。
横幅40mmオーバーですがベゼルが太いため大きく見えません。ラグもかなり短く切られているのでむしろ締まったサイズ感と感じます。

スペックはパワーリザーブ50時間、日差−5~+10秒という高精度のキャリバー0950。さらに耐磁2種(強化耐磁)に10気圧防水。

この時計の最大のストロングポイントが外装なのは疑いの余地がありませんが、実用性の面でもかなり優秀です。

バリエーションは3種類。

NA1004-87E

ブラック文字盤、シルバーとグレーのツートンベゼル。



NA1000-88A

オールシルバー。



NA1005-17L

ブルー文字盤、シルバーとブルーのミックスベゼル、ブルーのウレタンベルト。


価格とまとめ


定価220,000円(税込、以下同じ)。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は198,000円。
ウレタンベルトのモデルは定価209,000円で実勢同じの実質188,100円となっています。

結論としては、いい時計だと思います。

いや正直、すごく気に入りました笑
タイトルにも書いた通り、アイコン同様に「本当に手が届くラグスポ」であり、かつ顔とダイヤルの質感はグランドセイコーを思わせるドレッシーさ。

こういう言い方はシチズンさんが嫌がるでしょうけど、まさに「アイコンとGSのハイブリッド」

アイコンの対抗馬になりうる存在です。
若いデザインのあちらに対し、こちらはスポーティでありながら落ち着きも感じさせます。もちろんオンオフ問わず使えるでしょう。

アイコンの実勢価格がこなれてきたのでシリーズエイトももう一声安ければなとは思いますが、実用性ではこちらが優位にあります。

敢えて不満を書くならば、シリーズエイト8年ぶりに復活!の割にはほとんど先代との共通点が見られないことですね。せっかく名前を引き継ぐならもう少しデザインコードも残せばよかったのに…とはちょっと思います。

個人的に1本選ぶならやはりブラックダイヤルのNA1004-87E。
いや本当に艶感のあるダイヤルが良いので、気になった方はぜひ一度現物を手に取っていただきたいです。



最後に同時に発表された他のラインナップも紹介します。

「830」はリューズガードありのオクタゴンケースで、ベゼルもそのケースより内側に収まっているため八角形を強調したデザイン。
そして白蝶貝の上に格子柄のプレートを重ねるという攻めまくったダイヤル。

サイズは厚さ 11.7 ㎜、横 40.0 ㎜。
スペックは870と同じです。

定価190,000円。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は178,200円。
グレーPVD加工モデルは定価209,000円で実勢同じの実質188,100円となっています。

サイズは厚さ 10.1 ㎜、横 40.0 ㎜。
パワーリザーブ42時間、日差−10~+20秒のキャリバー9051にダウングレードしている分、安くなっています。耐磁と防水性能は同じなのが嬉しいところ。

定価132,000円。値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は118,000円です。



以前に記事にしたセイコー5の2021年新作「ミリタリー」。

その中で「今回採用されたのはこちらのフィールド系のデザイン。(逆輸入版ではもうひとつアビエーション系のデザインもあります)」と書いたら、すかさずそれ=アビエーションも出ました。

2021年10月に第1弾、記事作成時点では第2弾(恐らく2021年12月)まで発売されているのですが、この記事では主に前者を扱います。

SBSA111他のフィールド系デザイン(以下「フィールド」)の記事はこちら。
 

洗練された無骨


「アビエーション」=航空。要するに飛行機乗りの時計ですね。

今回取り上げるモデルは内周に時表示、外周が分表示というダイヤルが特徴。
「フィールド」同様にミリタリーウォッチとしてはド定番の顔です。

ハミルトンでいえば「カーキアビエーション パイロットデイデイトオート」。
ただあちらの類似デザインは46mmのビッグサイズ。

ややマイナーなメーカーですがLACOのフラッグシップ「ファーロ」あたりがもろにこのデザインです。

現在でも手に入る逆輸入版セイコー5の類似モデルと比較するといくつか手が加えられています。

アルファ針というか菱形(若干左右非対称)のぺらっとした感じの針が力強いものに替わり、ベルトも肉厚になり裏面は差し色のレザー。

文字盤表面にはこれまた力強いブラスト仕上げが加えられており、インデックスのプリントも厚めに盛られている印象。
写真ではケースの仕上げも向上しているように見えます(サテンの筋がはっきり見える)。

そしてムーブメントもハック機能なしの7S系からありの4R系にグレードアップ。

全体に素軽い印象の逆輸入版に対し、国内正規は細部をアップデートし完成度を高めています。
「ボーイ」や「フィールド」といった先行モデル同様に「ムーブメント変更+質感の向上により逆輸入版との差別化を図るという手法」ですね。

スペックは基本的にこれまでの「ボーイ」や「スムースベゼル」と同じです。10気圧防水、デイデイト表示にパワーリザーブ41時間のキャリバー4R36。
サイズは「フィールド」と同じ厚さ 13.2 ㎜、横 39.4 ㎜、縦 48.1 ㎜。同一ケースなのでしょう。横37 mmだった逆輸入版からサイズアップしてしまったのは少し残念。

第1弾のバリエーションは3種類。

ケースは基本全面サテン仕上げ。メタルブレスのSBSA139はケースとブレスのサイドがポリッシュ。

SBSA139

ブラックダイヤル+クリームインデックス、メタルブレス。


出典:セイコー公式サイト

SBSA141

カーキダイヤル+ホワイトインデックス、表がカーキで裏がオレンジのナイロンベルト。



SBSA143

PVD加工のブラックケースにブラックダイヤル+オレンジのインデックスと針。表がブラックで裏がオレンジのナイロンベルト。


価格とまとめ


定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は26,730円。
139と141は定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。141は公式以外のオンラインショップならポイント10倍還元で実質価格は26,730円。

ブラックPVD加工の143は定価34,100円で実勢同じの実質30,690円となっています。

結論としては、素直にまとめると「フィールド」とほぼ同じなんですよ。

安心安全の国内正規セイコー5で使い勝手のいいサイズ感。そして様々なファッションに合わせやすいミリタリーデザイン。初めての機械式時計にも、セカンドウォッチにもお勧め。

敢えての要望も同じ。できることならアンティークミリタリーっぽさが強まる38mmから35mmのサイズにしてほしかったですね。ハミルトン同様に「ビッグ・パイロットウォッチ」然とした46mmという手もありますがまあコスト的にも日本人の標準的な手首サイズ的にも小径が正解でしょう。

違いとしてはこのアビエーションはさすがにミリタリー感強すぎるダイヤルなので、オンには向かないことぐらいですね。

第2弾は4種類エントリーされ、針の夜光は白で(SRPH21KCはアイボリー)ダイヤルはブラスト加工なしのマット仕上げのようです。ミラネーゼブレスがなかなかいいですね。



SRPH21KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH23KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH25KC 出典:セイコー公式サイト


SRPH31KC 出典:セイコー公式サイト

ナイロンベルトのSRPH31KCは定価29,700円。直営店オンリーなので実勢実質同じ。
以下同様にミラネーゼブレスの21KCと23KCは34,100円、ミラネーゼ&PVDの25KCは38,500円です。

個人的に7モデルの中から1本選ぶならSRPH23KCですね。


ということで基本的にはいい時計です。

ですけども。

上でチラッと書いていますが第1弾3モデルのうち最もプレーンな139、そして第2弾は4モデルすべてが全国に4店舗しかないセイコー直営店限定なんですよ。オンラインで買えるのも公式サイトのみ。

ナンバリングもSBSAxxxから第2弾ではSRPHxxxxに変わっちゃいました。

相変わらずセイコーさんの販売戦略はなんだかよくわからないな~笑

無礼を承知でいえば出し惜しみするような時計じゃないと思うんですよね。
デザインも価格帯も多くの人の目に触れて多くの人に手に取ってもらってなんぼでしょ。

これ見るためにわざわざセイコー直営店まで出向かなきゃならないというのはちょっとハードルが高いんじゃないでしょうか。

ファッションビル内の時計屋さんで、セイコー5がずらりと並んだ中での1本とか、それこそハミルトンを扱っているお店で比較対象として売るか。

そのどちらかが正しいと思いますがいかがでしょう。



2020年1月に復活した機械式アルピニスト。

「和製エクスプローラー」の異名で親しまれてきたシリーズです。

復活第1弾「現行アルピニスト(以下「現行」)」と第2弾「アルピニストセカンド(以下「セカンド」)」についてはそれぞれ記事にしました。
その後にセカンドのカラーバリエーションも発売されています。

関連記事:
 


これらの記事ではアルピニストについて以下のように紹介してきました。

 シリーズ名としては1960年代からありますが、そのスタイルが確立したのは1995年発売のSVCF005/007/009。それ以降はサイズやムーブメントは変わったもののデザインエッセンスは四半世紀の間ほぼ不変。

 最大の特徴はインナーベゼルの簡易方位計。そして偶数時はアラビア数字、奇数時はくさび型が交互に並ぶいわゆる飛びアラビア数字のインデックスにコブラ針です。

 

上の写真が現行の代表的なモデルのSBDC091です。

しかし、アルピニストの2021年新作はなんとオリジナルモデルの復刻デザイン。
その名も「1959アルピニスト」。

私は「1960年代からあるシリーズ」と書いていたのにオリジナルは1959年だったり、「スタイルが確立したのは1995年モデル」と書いたのに遥か昔のオリジナルデザインだったりと色々立場がないです笑

今回発売されるのは数量限定の完全復刻SBEN001と現代デザインのSBDC145/147/149。当記事では基本的に後者を取り上げます。(当記事ではその現代デザインを便宜上「オリジン」と呼びます)

不思議な新鮮さのあるデザイン



 

最大の特徴はもちろんこのデザイン。
6・9・12時位置に実にレトロな、というか個人的にはよそでは見たことがないビッグサイズのくさび型インデックス。

オリジナル(と復刻)は4方向すべてがくさび型ですがこちらは3時位置にデイト表示。とはいえパッと見の印象にはそれほど大きな違いがありません。

これ復刻とほぼ同じなんだけどいいんですかね?売れないんじゃ?とこちらが心配になってしまうぐらいです笑

もちろん復刻の方がデザインもサイズ感もオリジナルに忠実ですしウォッチパッドもついてるし上位ムーブメント搭載なんですけどね。でも価格差を考えるとゴリゴリのマニア以外はこちらの「オリジン」を選ぶのでは。

話を戻します。
特徴的なこのインデックス、写真だと本当にレトロで…というか正直古臭いんですけど。
実物見るとこれが意外にも古さを感じさせないんですよ。

なんというか、ドレスウォッチ然としたスポーツウォッチ。
そこにレトロ感も加わって全体としてすごく新鮮に感じます。

チャプターリングも外周目盛りもない、すなわちインデックスがダイヤルの一番外にあるという力強さを感じさせるデザイン。

インデックス内周の目盛りもアンティークっぽい。そこでダイヤルに段差がついているようです。仕上げはサンレイ。そしてインデックスと針の夜光はすべてヴィンテージベージュで秒針はゴールド。
かなりこんもりした印象のドーム型風防もレトロ。横径からすると比較的長いラグもドレス感あり。

ケースは基本的にサテンで斜めの面はポリッシュ。
ブレスは表面サテンのサイドがポリッシュ。なのですが、現物を見た瞬間はセンターポリッシュのツートンブレスかと思いました(中列だけポリッシュ、左右の列はサテン仕上げの)
実際には中列のコマの連結面がポリッシュされている(恐らくカットもされている)ようです。少なくとも写真を見る限りでは現行やセカンドのブレスとは違う仕上げに見えますね。

サイズは厚さ 12.9 ㎜、横 38 ㎜、縦 46.2 ㎜でほぼセカンドと同じですね。

それ以外の基本スペックは現行とほぼ同じ。
おなじみ70時間パワーリザーブの6R35ムーブメントに20気圧防水、風防はサファイヤクリスタルで裏蓋スケルトン。そしてレザーベルトモデルはDバックル標準装備となっています。例によって全モデル流通限定=値引きなしです。

バリエーションは3種類。

SBDC145

アイボリー、というか見る角度や明るさによってホワイトにもイエローにも見える絶妙なシャンパンダイヤルにメタルブレスを装備。



SBDC147

ブラックダイヤルにメタルブレス。これも色味が絶妙でグレーとブラウンが混じったようなトロピカルダイヤル風味。

SBDC149

シリーズ伝統のダークグリーンダイヤルにブラックレザーベルト。


価格とまとめ


定価はメタルブレスが82,500円(税込、以下同じ)、レザーベルトは80,300円。実質はポイント10倍でそれぞれ74,250円と72,270円。


まとめます。

正直これ、万能時計だと思います。

6R系プロスペックスの標準スペック(=高い実用性)を備えたドレスウォッチ。
そこにほんの少しだけスポーツウォッチ感を加えているのがサイズより大きく見せるダイヤルデザインと、一見ツートン風のブレス。

ビジネスマンの普段使いに最適な一本でありながら、時計好きにも訴える(少なくとも私には笑)不思議な魅力があります。

そして細腕さんもニッコリのサイズ感に6R系プロスペックスとしてはセカンドに次ぐ安さ。
人気出そう、というかどうやら既にヒットしているようですね。

個人的に1本選ぶなら147ですね。使い勝手の良いブラック文字盤でありながら味のある色味なのがこの「オリジン」の不思議な魅力をさらに際立たせています。

ここまで書いてきたように私の感覚ではドレスウォッチなのですが、145をキャンバスストラップに換装された方の写真を見ると実にアウトドアウォッチでした。なかなか楽しみ方に奥行きのある時計ですね。


ちなみにセイコー創業140周年記念モデルで「金春色(こんぱるいろ)」というなんともエビフライサンドが食べたくなるカラーに凝ったダイヤル加工のSBDC151というモデルも出たのですが、どうやら瞬く間に完売した模様です。

 



2019年に国内正規品が復活したセイコー5。
第1弾の「ボーイ」そして翌2020年にその「スムースベゼルバージョン」と来て、2021年新作がこちら。

セイコー5では昔からあるミリタリー調のデザイン、いわゆる「セイコーミリタリー」です。

細かな仕様違いに見えるこだわり


今回採用されたのはこちらのフィールド系のデザイン。
(逆輸入版ではもうひとつアビエーション系のデザインもあります)


まあミリタリーウォッチとしてはド定番の顔。

有名どころでいえばハミルトン「カーキフィールド メカニカル」とデザイン的にはほぼ同じですね。(機能的には「オート」なんでしょうけど顔がちょっと違います)
ちなみにクオーツですがタイメックス「キャンパー」なんかもほとんど同じ。

元々は視認性の高さを求めたデザインですが、どんなファッションにも合う万能性が魅力です。
現在でも手に入る逆輸入版セイコー5の類似モデルと比較するといくつか手が加えられています。

まずプリントだったアラビアインデックス(以下「インデックス」)がエンボス加工になり立体感が出ました。
そしてはっきりした段差をつけていたチャプターリングがなくなり、その分40mmアンダーへサイズダウン。
ムーブメントもハック機能なしの7S系からありの4R系にグレードアップしています。

ムーブメント変更+質感の向上により逆輸入版との差別化を図るという手法。これは第1弾「ボーイ」の時と同じです。

スペックは基本的にこれまでの「ボーイ」や「スムースベゼル」と同じです。10気圧防水、デイデイト表示にパワーリザーブ41時間のキャリバー4R36。
サイズは厚さ 13.2 ㎜、横 39.4 ㎜、縦 48.1 ㎜。アンダー40㎜で使い勝手の良いサイズになっています。

バリエーションは6種類。
なのですがすべて細かく仕様が異なっており少々複雑なラインナップになっています。

メタルブレス、NATOベルト、レザーベルトがそれぞれ2モデルずつ。

文字盤はメタルブレスモデルがサンレイダイヤルでそれ以外はマット、かつ表面にやや荒らし加工あり。さらにそのうち2モデルはグラデーションダイヤル。
インデックスはシルバー、ベージュ、ゴールドの3通り。ちなみに一見光りそうなベージュも夜光ではないようです。

ケースは基本サテン仕上げで、メタルモデルはケースとブレスのサイドがポリッシュ。それ以外は全面サテン。

この細かさ、こだわりを感じさせますね。
(いずれも写真を見ての判断ですので間違えていたらすみません)

まあ文章ではわかりづらいので下の写真をご覧ください。

SBSA111

ブラックダイヤル+シルバーインデックス、メタルブレス。



SBSA113

ネイビーダイヤル+シルバーインデックス、メタルブレス。

SBSA115

軽く荒らしたグレーダイヤルに同色のNATOベルト。シルバーインデックス。



SBSA117

荒らしブラックダイヤルにベージュインデックス。時分針の夜光とNATOベルトもベージュ。

SBSA119

荒らしネイビーダイヤル(恐らくグラデーションもかかっています)+ゴールドインデックス。ブラックレザーベルト。

SBSA121

ブラックPVDケースに荒らしダークブラウンのグラデーションダイヤル。インデックスと時分針夜光は117と同じベージュ。ブラックレザーベルト。



価格とまとめ


定価29,700円(税込、以下同じ)。実勢価格は流通限定で値引きなし。ポイント10倍還元で実質価格は26,730円。

例によってメタルブレスとNATOベルトの価格は同じなのですがブラックPVD加工の121だけ高く設定されており、定価34,100円で実勢同じの実質30,690円となっています。


結論としては、いい時計だと思います。

上でも書いたハミルトン「カーキ」に思いっきりぶつけてきたなあとは思いますが笑
まあユーザーにとって選択肢が増えるというのはいいことです。こちらの方が約2万円安いですし。

安心安全の国内正規セイコー5で使い勝手のいいサイズ感。そしてどんなファッションにも合うミリタリーフィールドウォッチのデザイン。もちろん職種やTPOによりますが、メタルモデルはスーツにもさほど違和感なくつけられます。

初めての機械式時計にも、セカンドウォッチにもお勧めです。
お若いビジネスマンのファーストウォッチならメタルモデルが良いでしょうし、学生さんがNATOモデルを選んでおいてお仕事を始めた後は(オン用に別の時計を買って)こちらは休日のセカンドウォッチとして使うなんていうのもありですね。

敢えて要望を書くと、できることならアンティークミリタリーっぽさが強まる38mmから35mmのサイズにしてほしかったですね。

それとミリタリーデザインの基本からすれば立体感のあるアラビアインデックスは蛇足なのでしょう。視認性を求めてマットなブラックダイヤルに真っ白いインデックスが本来の姿。特にシルバーはブラックアウトとまではいかなくても角度によっては見づらいのでは?と思います。

ただ個人的にはこれはこれであり。
これによって逆輸入版(やカーキ)との差別化がなされているわけですし、結果的にメタルモデルがスーツと合わせやすくなっています。
そもそもシルバーインデックス以外のバリエーションも準備されていますしね。
どうしても嫌なら117かそれこそカーキを買えばいいんですから笑

個人的に1本選ぶならその117ですね。
カラーリングといい荒らしダイヤルや全面サテン仕上げによる無骨さといい、ど真ん中のフィールドウォッチな佇まいが素直に格好いいです。

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