ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:腕時計 > 3針



「メタルブレス出してくんないかな」と思ってたら出た


約2年前に当ブログで「正直、大傑作」と評した「カーキ フィールド マーフ オート 38mm(以下「マーフ38」)」。

その素晴らしさの詳細はこちらの記事で熱く語っていますのでせひご覧ください。

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マットなブラックダイヤルに全アラビアインデックスとコブラ針。すべてがヴィンテージベージュの夜光。
実にクラシカルでミリタリーでありながら野暮ったさのない優れたデザイン

コンパクトなサイズがもたらす汎用性。
パワーリザーブ80時間、サファイヤクリスタル風防、10気圧防水という高い実用性

簡単にまとめるとこんな感じです。

そして上の記事の最後に「あと注文をつけるならメタルブレスモデルもほしいかな」と書いたのですが、それが出ました。

38mm径も今回のメタルブレスも、ハミルトンはユーザーの要望に耳を傾けている感じがしていいですね。

今回装着されたのはほぼ全面サテン仕上げの3連ブレス。中央ゴマの側面だけがポリッシュされているようです。
イージークリック=工具なしでベルト交換可能な機能つき。(「クイックリリース」という呼び方の方が一般的かと思いますがハミルトンはこう称しています)
アジャスター穴が3つ空いているので細かな調整ができるのも地味に嬉しいですね。

 

言ってしまえばベルトが変わっただけなのですが、予想通り格好いい。

そしてこれによって上の記事でも書いた通り全細腕さん待望の「エクスプローラーの代替品」として完全体になりました。

まあロレックス「エクスプローラー(以下「エク1」)」をエク1たらしめている要素は色々あるのですが、このマーフ38メタルが満たしているのは「小径のフィールドウォッチでメタルブレス」かつ「アラビアインデックスでスマートなデザイン」

ベンツ針ではなくコブラ針、「3・6・9」ではなく全アラビアインデックス。ですがむしろデザイン的にはエク1の影響を受けていないところに好感がもてます。

まあマイクロブランドでは正直「丸パクリじゃん」というデザインのものもありますが、個人的にはそれはさすがに抵抗があります。
とはいえ「3・6・9」または「3・6・9・12」でエク1に「似すぎない」デザインにしようとするとどうも垢抜けなくてしっくりこない。

インナーベゼルの簡易方位計に偶数時飛びアラビア数字インデックスというデザインのセイコー「アルピニスト」が「和製エクスプローラー」として大ロングセラーとなっているのもその独自性ゆえでしょう。


ついでにと言ってはなんですが、ホワイトダイヤルも同時に発売されました。こちらはレザーベルトのみの設定です。

ホワイトダイヤルは「カーキ フィールド」シリーズでは定番ですね。このモデルはサンドブラスト加工でダイヤル表面にざらつきが加えられています。
ただ個人的にはブラックの引き締まった表情の方が好きかな。

価格とまとめ




定価はメタルブレスが148,500円(税込、以下同じ)。
ホワイトダイヤルはブラックのレザーベルトと同じ136,400円。

既に楽天市場では並行店も取り扱いを始めており記事作成時点でメタルは132,800円、ホワイトは118,800円からありました。

ちなみに純正ブレス単品(品番:H6050000281)は20,460円。
同じくベルト単品(品番:H6000001431)は15,400円。

よって

メタルモデル+ベルト単品が定価163,900円
レザーモデル+ブレス単品が定価156,860円

ということになりますね。

普通はブレスモデルを購入して純正ベルトを追加する方が安上がりなのですが、逆になっているのは大ヒットモデルゆえの既存ユーザーへの配慮なのでしょうか

上で書いたようにイージークリックなので一度長さ調節をしてしまえば簡単に着脱可能なので季節ごとに変えてもいいかも。ただし純正レザーベルトには同機能はついていませんのでこちらは工具が必要です。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。
最後にまとめます。

既に「ひとつの最適解」であったマーフ38にメタルブレスが装着されることにより夏場でも気兼ねなく使えるようになり、そしてなんといっても「エクスプローラーの代替品」として完全体になった。

正直「買わない理由がない」時計だと思います。(お金さえあれば…)

ブレスかベルトかはお好みですが、結局両方欲しくなる気がしますね笑


「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2023年版」の第4弾は30~50万円のゾーンです。

対象は2023年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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30~50万円部門

マスターコレクション 190周年 スモールセコンド/ロンジン

Ref. L2.843.4.73.2
自動巻き。3気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38.5mm

2022年にロンジン190周年記念モデルとしてリリースされたモデルのバリエーション。なので正確には「190周年」じゃないんですけど笑

ブレゲ数字の彫り文字盤、ついでに青針というマニア心をくすぐりまくる意匠で注目を集めた前作(2022年版)。私もめちゃめちゃ惹かれたのですが40mmという横幅がどうしても納得いかずその年のベストバイには選出しませんでした。

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しかしこちらのモデルは38.5mmにサイズダウン。さらにスモールセコンドとくればそりゃもうベストバイですよ。

まあとにかく美しい時計ですね。

最大の特徴であるブレゲ数字の彫り文字盤
そこにあわさるブルースティールのリーフ針。スモセコのインダイヤルには同心円状の溝があり、大外にはレイルウェイトラック。ノンデイト。
メーカーロゴは筆記体で定番の「翼の生えた砂時計」マークはなし。

うーむ、これでもかとばかりにクラシカルで素晴らしい。

丸みを帯びた艶やかなフォルムのケースとラグは全面ポリッシュで仕上げも良好。
ロンジンにしてはラグが短めなのでここだけは今風。賛否が分かれるところでしょうが、復刻モデルではないし細腕さんとしてはありがたいので私は良いと思います。



サイズは厚さ10.2 ㎜、横38.5 ㎜、縦44.9 ㎜。
厚みも抑えられているのが嬉しい。ちなみに前年の3針モデルは9.35 mmでしたのでちょっと厚くなってしまってはいるのですが。

それ以外のスペックはパワーリザーブ72時間で裏スケルトン。そして3気圧防水にDバックルです。

バリエーションは3種類。
「シルバー」「サーモン」「アンスラサイト(スミクロ)」の3色展開。

ダイヤルの仕上げも使い分けられていて、シルバーとアンスラサイトはサンドブラスト(しかも後者の方がかなり粗い)でサーモンは縦目サテン。

サーモンは針がブラック。アンスラサイトはインデックスも印字も針もローズゴールド!実にエレガント。

 

ベストバイは汎用性でシルバーなんですが、どれも実に魅力的なんですよ。

手持ちの時計が何かによって欲しいモデルが変わってくる。
というか手持ちの時計がなんであれどれか1本は欲しくなる、と言ったら褒め過ぎでしょうか。

定価:378,400円(税込、以下同じ)
実勢価格:378,400円~(楽天市場調べ、以下同じ)

2021年のベストバイで同社の「ドルチェヴィータ」を取り上げた際にも「クラシカルなデザインを安っぽくなく作るメーカーとしてロンジンは非常に貴重な存在」と書きましたが、これだけのクオリティのドレスウォッチをこの価格で出せるのはさすがロンジン

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まだ並行品は出まわっていないようでした。
私の見る限りではポイント10倍のお店もなく最大でポイント5倍で17,200ポイント=実質361,200円。
これが並行品で30万割るようなら実に魅力的。逆に正規新品が40万超えたらだいぶ厳しいよなとも思います。

実にハンサムで、一度腕に乗せると欲しくなっちゃう時計ですね。
個人的には個性強つよのアンスラサイトが好きです。

2024年には3針モデルの34mm径が発売され、さらに選択肢が広がって悩ましくなりました。

続きます。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2023年版」の第3弾は10~30万円のゾーンです。

対象は2023年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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10~30万円部門

PRX パワーマティック80 35mm/ティソ

Ref. T137.207.11.041.00
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径35.0mm

「本当に手が届くラグスポ」を、アンダー10万円の域にまで到達させたティソ「PRX」。

2年前にその40mm径バージョンをベストバイ次点に選出し「欲を言えば横幅はもうひと回り小さく、36ないし38mmを望みたかったところですが」と書いたのですが、さらに小さく35mmで出ました!

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実は以前から35mmも存在していたのですが、そのモデルはサンレイダイヤルでしかもクオーツ。「それじゃなくチェッカーダイヤルで機械式の35mmをくれ!」という切なる願いが2年越しにかなえられた形です。

サイズは厚さ10.9 ㎜、横35 ㎜、縦35 ㎜。
縦のメーカー公表値は上の数値ですが一体型のラグを含めると39mm、そしてブレスの1コマ目が内側に畳めないので実質は45mmというところのようです。

細腕さんならわかりますよね。この「ブレスの1コマ目が内側に畳めない」がいつも憧れのラグスポへの道を閉ざすのです。
例えばカタログ上は縦径が45mmだとしてもブレスの1コマ目や2コマ目がラグと同じ角度にのびていたら実質は50mmを軽くオーバーしてしまいます。

私もオーデマ・ピゲ「ロイヤルオーク エクストラシン」を某店で見つけ「絶対に買えないんですけれど、一度腕に乗せてみてもいいですか?(当時で既に500万超の値付けでした)」とお願いしたことがあります。
スペック上は縦39mm。しかしラグそして最初のコマと私の手首の間には悲しいくらいの隙間が空いていました。
翻ってこのPRX35mm。
元々の径が小さいためブレスの1コマ目まで含んでも45mmというコンパクトさ。さらにこちらはブレスのコマひとつひとつが小さいので、極細手首の私でも抜群のフィット感
いや本当に何度もラグ一体型時計に跳ね返されてきた同士の方は一度店頭で試してみていただきたいです笑

 

過去に40㎜について記事にしているのでここまではサイズの話に終始してきました。
デザイン要素についてはまったく同じなのですが、必然的に35mmの方が凝縮感が高く個人的にはこちらの方が好みです。特にデイト表示の位置が外周近くに寄っている(同一ムーブメントのため)のがいいですね。

その他のスペックとしては10気圧防水とサファイヤクリスタル風防。
そしてムーブメントはETAと共同開発した80時間ロングパワーリザーブのパワーマティック80。マーフ38mmと同じニヴァクロンゼンマイ(=スウォッチ・グループご自慢の高耐磁性能が特徴とする新しい合金を使用)ですから精度向上に寄与しています。
 
バリエーションも豊富。ブルー、ブラック、グリーン、ホワイトMOP(白蝶貝)、さらにアイスブルーとライトグリーンという6種類のダイヤル。さらにオールゴールド(PVD)モデルが設定されています

定価:107,800円(税込、以下同じ)
実勢価格:94,800円~(楽天市場調べ、以下同じ)

ホワイトMOPは113,300円、オールゴールドは125,400です。

2年前の40mm径発売時からは22,000円上がっていますので約25%の値上げですが、定価販売の正規店でもポイント10倍等を活用すれば実質アンダー10万円では購入できますね。
発売から1年が経過し並行品も流通し始めました。
まさしくベストバイという感じで、ほとんど欠点のない時計だと思います。
ラグスポ調ですが華美ではなく収まりのいいデザイン。高い実用性、特にロングパワーリザーブが嬉しい。

続きます。

2024年もはや半分を過ぎましたが、今年もこの企画をやります。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2023年版」

過去分は以下のリンクからご覧ください。

2022年版


2021年版


2020年版


2019年版


対象は2023年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

それでは価格の安い方から順に発表します。

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アンダー5万円部門


マコ40/オリエント

Ref. RN-AC0Q03S
自動巻き。20気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径39.9mm

オリエント「マコ」。
コスパ最強時計のひとつとしてマニアの間では以前から人気の高かったシリーズです。

公式の説明は以下の通り。

 「ベゼルの6か所のくぼみ」「裏蓋のイルカのアイコン」「20気圧防水」などがオリエントのOrient Makoシリーズの特徴です。

 裏蓋にあるイルカのアイコンをサメと見間違えたお客様から、マオリ語でサメを意味する”Mako”と呼ばれるようになり、一部の地域では”Mako"の愛称で親しまれています。
(オリエント公式オンラインストアより引用)

元々は2004年に海外向けモデルとしてスタート。
逆輸入で人気がでて国内正規版が発売されます。セイコー「ボーイ」と同じような流れですね。
国内向けは現行で一番若い品番のRN-AA0001Bが2018年発売なので恐らくこれが最初かと。
マニアの間ではデザイン違いで「マコ」「カマス」「レイ」なんて呼び分けられていましたが、公式ではマコに統一されています。

今回取り上げるのはその小径バージョン。

…なのですが正直、上の公式でいうところの「特徴」以外は全部違います笑
ベゼルも針もインデックスも、デザイン要素はすべて変更されています。

そして「40」と銘打つ所以のサイズは厚さ 12.8mm、横 39.9mm、縦 46.5mm。

既存のマコが41.8mmなので約2cmダウンサイジングしています。
実は縦径は0.3mmしか小さくなっておらず、厚みは同じだったりします。

そしてデザインはバーインデックスにペンシル針、プレーンなシルバーの回転ベゼルでリューズガードなし。
クラシカルスタイルで秒針の差し色だけが洒落っ気というのが実にいいですね。

カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。
視認性を求めるならブラックの方が上ですが、この手のデザインでホワイトダイヤルは比較的珍しいのでこちらを選びました。



公式にはホワイトとなっている文字盤ですが、実物の印象はシルバーに近いかな。
IWC「ポルトギーゼ・クロノグラフ」みたいな感じです。

ISO規格準拠のダイバーズではない、いわゆる「ダイバーズデザイン」時計(そのためカテゴリは「3針」にしています)ですが、20気圧防水で雨の日も夏の汗も気にせずガンガン使えます。あとはサファイヤクリスタル風防でパワーリザーブは40時間となっています。

実際に腕に乗せてみた感想としては、値段を考えれば十分以上の質感。
ケースのエッジは立っていませんしブレスはさすがに軽いですけど、安っぽくない。

このシンプルなデザインがその要因ですね。ガチャガチャしていなくてしっかりサテンが入っているのでいい感じに武骨に見えます。

2024年3月にラベンダーとライラックという2色の文字盤バリエーションがそれぞれ国内200本限定でリリースされましたが、気づいた時にはもう売り切れていました。

定価:48,400円
実勢価格:33,880円

実勢価格は3割引き。これでポイント10倍なら実質ほぼ3万円。素晴らしい。

もう一度まとめると、国産機械式で実質3万ちょいで20気圧防水でサファイヤクリスタルでクラシカルダイバーズデザインに取り回しやすいサイズ感。値段を考えれば弱点なしじゃないですかね。

これダイヤルをマットホワイトとマットブラックにして針とインデックスの夜光を退色ベージュにした、威風堂々とエクスプローラー2(特にヴィンテージの)に寄せたモデルが出たらめちゃめちゃ売れるんじゃないですかね。

続きます。


「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2022年版」の第5弾は50~70万円のゾーンです。
対象は2022年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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50~70万円部門



エレガンスコレクション「晩冬」/グランドセイコー

Ref. SBGW281
手巻き。日常生活防水。SSケース+レザーベルト。ケース径37.3mm

和製高級時計の旗手、グランドセイコー(以下「GS」)。

その中でも長らく人気モデルとして君臨してきたのが「雪白(ゆきしろ)」(「スノーフレーク」とも呼ばれます)。
風に吹かれた雪面に浮かぶ繊細な風紋を表現した美しいダイヤルのスプリングドライブモデルのことです。2005年に初代のSBGA011、2017年に代替わりしてSBGA211が発売されました。
その人気にあやかってか近年「日本の美しい四季を文字盤で表現する」ことに傾倒し、自然からインスパイアされたモデルを多数発売しています。

ブランドの公式でもこう謳っています。

 「THE NATURE OF TIME」はグランドセイコーのブランドフィロソフィーです。
 自然や季節の移ろいからインスピレーションを受ける感性と、それぞれの道を究めて時の本質に迫ろうとする匠の姿。
 その二つの日本の精神性を表現しています。

まあ「和」を感じさせ、海外での販売やインバウンド顧客ウケを狙った戦略でしょう。
それ自体は全然問題ないのですが、個人的には正直ちょっと数が多すぎるかなと思います。

こちらのSBGW281「晩冬」もそんな1本なのですが、なんていうか…実に素敵な時計ですね。

一言でいうなら、流麗
44GSをはじめとするセイコースタイルは直線的なのが特徴ですが、このモデルはそうではなく曲線を感じさせます。

まあGSですから、もちろんインデックスと針の仕上げはバキバキ。

なんですけれど、こちらは(恐らく)高さ抑えめなインデックスに細身のラグが柔らかな印象を与えます。
このあたり、初代GSとかそれこそロードマーベルあたりのアンティークセイコーに通じるものを感じますね。

そして粉をまぶしたようなざらつきの型押しダイヤルで色はシャンパンゴールド。
さらに秒針はイエローゴールドなのですがぱっと見は「オレンジ」。



押し出しは強くない、むしろ控えめですらあるのにちゃんと個性的
そのカラーリングから「カジュアル」とさえ感じさせながら、端々にまで行き届いた高級感。

分厚いウールで枯れた色のジャケット着て腕にこれが乗っていたらめちゃめちゃお洒落だよな…そんな爺さんになりたいです笑

まあそんな願望はさておき、カジュアルでしたら様々なファッションと合わせやすいカラーリング。スーツでもライトブラウンの靴と合わせられる色なら大丈夫でしょう(要するに靴と色を合わせれば、ってことです)。

サイズは厚さ11.7mm、横37.3mm、縦44.3mm。
クロコダイルのバンドはペラッとした滑らかなもの。

それ以外のスペックは、パワーリザーブ約72時間の手巻きムーブメント9S64。
ノンデイト。ボックス型サファイヤガラス風防に裏スケルトン。日常生活防水です。

定価:605,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:523,240円~(楽天市場調べ、以下同じ)

記事作成時点では発売時点からの値上げ幅は10%(55,000円)に留まっています…って、もう完全に感覚が麻痺していますね笑

まあでもスイスメーカーと比べれば良心的な範囲でしょう。

弱点としては、あまり「一本持ち」向きな時計ではないということ。

上で書いたように様々なファッションと合わせられるカラーリングですが、やや個性的。
そして「日常生活用防水」=3気圧防水ですので、雨の日もちょっと厳しいですね。

別途オールマイティな時計がある人向きでしょう。
続きます。


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