ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > メンバー考察

タオル補正
2022年7月18日、公式ブログで和田まあやさんが卒業を発表しました。

未来卵から生まれたモンスター


1期生最年少の齋藤飛鳥と同学年である98年組。
加入は中学1年生、13歳の時でした。

しかし率直に言って、アイドルとしての人気は上がりませんでした。
最も目につく人気指標である握手会の完売状況はグループ内でも低位。

結果として11年間のほとんどをアンダーとして過ごします

初選抜は8thシングル『気づいたら片想い』。これはいわゆる「思い出選抜」でした。

次に選抜に入ったのは6年後の25th『しあわせの保護色』。
こちらは白石麻衣の卒業に合わせて1期生全員が選抜(そして福神)。

つまりキツい言い方をすれば、2度の選抜入りのどちらもいわば「外的な要因」によるものだったのです。

全体的に乃木坂ファンの嗜好の逆を行ってしまっていた感は否めません。

明るく天真爛漫でおバカキャラ。テンション高めの声でしゃべり、リアクションも大きい。

そんな彼女の個性は、「清楚で儚げで華奢」「体温低そうでガツガツしない」「どこかノスタルジックで切ない」という「乃木坂感」の対極。

彼女に限らず、いわゆる「バラエティ担当」メンバーの多くが人気面では厳しい状況でした。

さらに初期からお姉さんメンバーの方が圧倒的に人気だった乃木坂46において95年組=生駒里奈の代(結成時に高校1年生)以降の年少組は、ほぼ全員が握手人気の面で苦戦を強いられていました。(唯一の例外は生田絵梨花)

大きな転機となったのは2014年に『乃木坂工事中』での「頭NO王選手権」。
ここで並み居る強豪を打ち破り初代王者として戴冠します。

そもそもお見立て会でもブリッジ歩きでファンを恐怖のドン底に叩き込むところから乃木坂人生をスタートさせた彼女。
そのバラエティキャラとしての能力を開花させ、これ以降はクイズ対決や「内輪ウケものまね」など、冠番組で盛り上げキャラとして活躍してきました。

最近であれば2022年の46時間TVにおけるドッキリ企画(「まあやだ」のやつ)が印象深いですね。あれは『嫉妬の権利』MVのセルフカバーと言えなくもない。

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かつて私はまあやを「人を笑顔にする天才」と評しましたが、基本いつも面白かった。

クイズにせよ空耳にせよ、間違え具合とワードセンスが絶妙でした。

『乃木坂46えいご(のぎえいご)』で課題曲の英語歌詞をリスニングして歌うコーナーがあったのですが、そこでも抜群の空耳力を発揮。嘆きながらくずおれる安河内先生の姿が懐かしい笑

そして徐々にバラエティ以外の部分でも評価を高めていきます。

2018年末のアンダーライブ(『日常』の時です)で「リーダー」に就任。
これは恐らく「ダンスリーダー」を意味していると思われます。勝手な想像ですが前任者は伊藤かりんではないでしょうか。

いつしかアンダラを観ているファンの間では「ダンスメン」と認識されるようになります。

それがわかりやすい形で示されたのが2019年夏の全ツのユニットコーナーで披露された『自分じゃない感じ』。
桜井玲香、中田花奈、阪口珠美、金川紗耶という各期のダンス巧者と共に、まあやはかっこよく踊って見せました。


こうしてキャリアの後半は「番組に登場する時にはしっかり笑いを生み」「ライブではアンダーのパフォーマンスを支えるひとりとしてビシッと決めて見せる」というスタイルを確立していました。


ニックネームは「愛されまあや」


人のよさそうなタレ目でいつもニコニコ。

メンバーからも共演者からも、そしてスタッフからも愛された彼女

卒業発表後の『乃木坂工事中』地元グルメを紹介する企画でこんなやり取りが放送されます。

「本当に10年間お世話になりました。本当に良くして頂いているって聞いていますので…ありがとうございました」と涙ぐむまあやのお母さんに

「番組にとっては欠かせない人物ですので我々スタッフもみんなまあやのことが大好きで、産んでくれてありがとうございます」と応じるスタッフさん。

彼女の人柄をしのばせるシーンでした。

卒業発表したブログではこう語っています。

 活動中は辛くて苦しいことのほうが多かった気がしていたのに、
 今振り返ると全て幸せな記憶に塗り替えられていることに
 自分でびっくりしています

さらに卒コンとなった30thシングルアンダーライブでの言葉。

 沢山辛いこともありましたけど、振り返ってみたらすごく素敵な青春だったな

盟友、樋口日奈もラスト『乃木坂工事中』や自身の卒業セレモニーに際してほぼ同じニュアンスのコメントをしています。

グループにおける「主役」ではなかったメンバーが「幸せだった」と言える
そしてそれが単なる決まり文句でも強がりでもない言葉としてファンに届く。

私は乃木坂を美化しすぎているきらいがあるのは自覚していますが、それでもやっぱり「これが乃木坂なんだよなあ」とか思ってしまうのです。


最後に、彼女のこれからについて。

『乃木坂お試し中』でのコメントを聞く限りは何らかの形でタレント活動を続けていくようです。

やはりバラエティタレントでしょうね。

大きなリアクションやワサワサした喋り方や人のよさそうな表情。

乃木坂としてはあまりポジティブに働かなかったそんな彼女の個性も、バラエティではプラス要素です。

そして何といっても、アンタッチャブルや東京03や塚地武雅さんを近くで見てきた鈴木拓さんをして「天才」と言わしめるのですから。

乃木坂時代を知るファンを驚かせるような活躍を見せてくれるかもしれません。


和田まあやさん、11年間お疲れさまでした。


note上で乃木坂46に関する有料記事を公開しています。どちらも無料で読める部分がありますのでぜひご覧ください。

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伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

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過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。



タオル補正
2022年7月18日、公式ブログで樋口日奈さんが卒業を発表しました。

私は以前にそれを「ストレートを磨いた」と表現しましたが、11年間まっすぐで優しい乃木坂人生を送ったメンバーでした。

ひなちまってる


まずはその経歴を簡単に振り返ります。

通った鼻筋と大きな目に黒髪ロング。
中学生なのにどこか艶っぽさのようなものをたたえた顔立ちで穏やかな笑顔。

加入当初の雰囲気は「和風美少女」
特技として披露した歌舞伎もその印象を強めました。

東京出身なのにキャッチコピーで「おいでやんす」と言っていたので川後陽菜に「ニセ京都人」なんてあだ名をつけられたこともありました笑

齋藤飛鳥、和田まあやと共に「年少組」のイメージがある彼女ですが、実際にはふたりより1学年上の97年組。
川後陽菜、相楽伊織、佐藤楓、星野みなみ、山崎怜奈というなかなかクセの強いメンバー揃いですね。

8th『気づいたら片想い』で初選抜。

しかしそれ以降は選抜の厚い壁に跳ね返され続けます。

「(齋藤飛鳥や星野みなみといった)同世代のメンバーに対し遅れをとっている」という思いから高校卒業後は進学せずに芸能活動に専念。
その夏に15th『裸足でSummer』のアンダー曲『シークレットグラフィティー』で初のアンダーセンターを務めます。

18th期間のアンダラ九州シリーズ(『アンダー』の時です)では座長である中元日芽香と北野日奈子が共に不安定な体調を抱え欠場を続ける中、その代役を果たし続けます。
続く19thのアンダー曲『My rule』では再びセンターに。

末っ子キャラからアンダーの柱へと成長した彼女。
同時期に台頭してきた寺田蘭世、渡辺みり愛、鈴木絢音ら2期生たちと共にアンダーライブを盛り上げ、選抜の座を争うようになります。

この15thからのアンダーを私は「樋口日奈と2期生の時代」と認識しています。ちなみにその前は「温泉トリオ時代」でブリッジとなるのが「サンダル脱ぎ捨て隊時代」かと。

若干話が前後しますが、待望の選抜入りは約3年ぶりの17th『インフルエンサー』そしてその1年後の『シンクロニシティ』でした。

2018年4月には『JJ』の専属モデルになります。

3期生合流以降のグループにおける立ち位置は「安定勢力」「中堅メンバー」という感じ。
握手人気は斉藤優里や中田花奈といったかつての選抜常連組や寺田蘭世、渡辺みり愛ら2期生たちと比べて突出するところまではいかず「アンダー最上位」というところでした。

1期生全員集合の25th『しあわせの保護色』で選抜復帰。
26thは選抜落ちしたものの27thから卒業する30thまで4作連続選抜入りしました。

2022年4月には写真集『恋人のように』発売。推定売上部数5万7千部強となかなかの数字を叩き出します。

舞台メンのひとりでもありました。

井上小百合とWキャストでヒロイン白鳥美美子役を務めた『帝一の國』シリーズに始まり、グループ内舞台でも『じょしらく弐』『墓場、女子高生』『セーラームーン』と中核を担います。
2019年にはいわゆる外部の舞台に4本も出演。2021年の『フラガール』では自身初の主演も経験しています。


アンバランスなバランス


変な人でした。

メンバーが彼女を評する言葉でよく聞くのは「とにかく優しい」
ただ苦楽を共にしてきた1期生からは「ノリで生きている」とも言われていますね笑

もの凄く真面目で自分を律するしっかり者なのは先日の久保史緒里とのラジオでもわかるのですが、やっぱり私の印象は真面目さとクレイジーさが同居したような「変な人」です。

中高一貫の有名校出身と言われており、学業との両立に励んでいるエピソードが多かったことから初期は「生真面目な優等生」だと思っていました。

しかしその印象もいつしか薄れていきます。

初選抜の時に冠番組で披露した「恐竜の真似をする坂之上くんの真似」や後に見せた「ダイナミックすぎて怖い鉄棒」など、徐々に「ブレーキが壊れてる感」溢れる言動が目立ち始めます。
(逆に言えば、当時の乃木坂はアンダーメンバーの露出が少なく初選抜までなかなかキャラクターがわからなかったのです)

天真爛漫で世間知らずなお嬢さん。
そんなどこか危なっかしい雰囲気もありました。

『乃木坂工事中』のメンバー投票企画で「将来お金に困りそう選挙」堂々の2位。
理由も「悪い男に貢ぎそう」「ダメな男に尽くしそう」という危険極まりないものでした笑

そして初選抜からアンダーに落ちた頃からでしょうか。自身の「セクシーさ」を武器にしなければいけないと感じている節もありました。
『のぎ天』での「布は少ない方がいいかと思って」という発言や「憧れの女性は壇蜜さん」など、なかなか上がらない人気に焦りを感じていたのではないでしょうか。

写真集以外は露出度が低いという暗黙のルールがある乃木坂において、真面目で幸薄そうなビジュアルの年少メンバーがセクシーさを武器にするというのはあまり得策ではなかったように思います。

そんなどこか危ういアンバランスさのある彼女には、たぶん時間が必要だったのでしょう。

アンダーライブや外舞台の出演を積み重ね磨かれたパフォーマンス。

髪をバッサリ切って明るめのショートカットにしてからのビジュアル、特に2021年の9thバスラ前後の充実ぶりには目を見張るものがありました。

グループ加入10年を目前にし自身も「年少メン」から「お姉さん」へと成長する中で、色々なものがやっとかみ合ってきたという印象です。

この頃から顕著に見えてきた「優しくてとぼけた無自覚におもろい姉さん」というキャラがきっと彼女の本質に近いのでしょう。


最後にこれからの彼女について。

ほぼ間違いなく演技の道へ進むでしょう。

『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」を観てわかるように彼女は映像に強い。
ただあの度胸は舞台向きだし、舞台上での華やかさも兼ね備えています。

ヒロイン役というよりも女性キャストの3番手4番手で登場し、「あの人綺麗だったな、何て名前だろ?」と視聴者がエンドロールで確認するような俳優さんになりそうな気がします。

上で書いたアンバランスさゆえに、エキセントリックな役もひたすら優しい聖母キャラもどちらも素で行けそうな彼女。

役柄に振り幅のあるバイプレイヤーとして息の長い活躍を見せてくれるかもしれません。

樋口日奈さん、11年間お疲れさまでした。



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タオル補正
2022年6月13日、パーソナリティを務めるラジオ番組内で山崎怜奈さんが卒業を発表しました。

私は以前にそれを「チェンジアップ」と表現しましたが、極めて特殊な乃木坂人生を送ったメンバーでした。

好奇心の磁石


彼女の経歴をざっと振り返ります。

お芝居のオーディションで知り合い友人だった井上小百合を通してグループの存在を知り、2013年3月に2期生として乃木坂46に加入。
5月に『16人のプリンシパル deux』と『乃木坂って、どこ?』でお披露目。

当時の印象は「こまっしゃくれた中学生」笑
特技「チャップリンの英語演説」でバナナマンを当惑させていました。

まあこまっしゃくれただとやや悪口なので「ちょっと生意気な」という感じ。同じか。
実際に高校生になりたての頃でしたし、子役出身ということもその立ち居振る舞いに影響を与えていたのだと思います。

2期生の中で正規メンバーに昇格するのが最後だった、いわゆる「ボーダー組」のひとり。
昇格発表は加入から2年近くが経過した2015年2月、極寒の西武ドームでのことでした。

さらに言えば、ボーダー組の中でもやや出遅れていた感がありました。
最初期にビジュアルで注目を集めた佐々木琴子や『ボーダー』のセンターだった寺田蘭世あたりと比べると地味な印象。

しかも昇格後初参加となるはずの12thシングル『太陽ノック』期間も学業に専念するために活動休止。(実は前年のアンダラ2ndシーズンも怪我のため多くの公演を欠場していました)

ただその甲斐あってか翌2016年3月に慶応義塾大学へ進学。

そしてこの前後ぐらいから「あざとい釣りキャラ」という方向性に活路を見出します。
個人的にれなちさんといえば「上目遣いの自撮り」という印象が強いのもこの頃のイメージが残っているのでしょう。

これにより一時期かなり握手人気を上げていた彼女ですが、それでも選抜ボーダーの域から突き抜けるまでには至りませんでした。

アンダー曲におけるポジションも決して高くはありませんでした。

初参加した13rd『嫉妬の権利』から3作連続で3列目。
16th『ブランコ』で初めて2列目に、そして続く17th『風船は生きている』では渡辺みり愛、鈴木絢音の同期ふたりと共にフロントに立ちます。

18thから26thはほとんどの場合2列目。
例外はフロントに立った20th『新しい世界』と23rd『滑走路』。

1期生の斉藤優里、中田花奈、樋口日奈。そして同期の北野日奈子や寺田蘭世、渡辺みり愛といった選抜経験者を差し置いてその前に立つという域には達しませんでした

一時は選抜ボーダーラインに近いところまで上げた握手人気。しかし23rdあたりからは徐々にそれも降下していきます。
「握手会売上での選抜入りが叶わなかったのでファンの心が折れた」とも言われています。

それでも彼女は諦めませんでした。

歴女、クイズ、そしてラジオ。
自ら興味や得意分野を積極的に発信し、その多くを外仕事につなげたのです。

2018年4月、ラジオ番組『金つぶ』のアシスタントMCに就任。
同時期より『Qさま!!』に準レギュラーとして出演。

2019年5月からはひかりTVで単独冠番組。
2020年10月からは平日昼間のラジオ生放送帯番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』。

いずれも「乃木坂のメンバー誰か」ではなく「山崎怜奈」を求められての仕事です。

気づけば乃木坂屈指の売れっ子にまで成長していました。

「アンダーメンバーは乃木坂にいることの価値を最大限に活用して、何かひとつ自分を発揮できる場を取りに行ってほしい」

25thシングル選抜発表の記事で私はこんなことを書いていましたが、まさにこれを地で行ったれなちさん。

乃木坂というその看板で取っ掛かりを作ったら、そこから先は自分次第で開ける道もあるということを証明してみせました。

その多忙な日々の中、無事4年間で大学を卒業したのも立派ですね。

8年3ヶ月目のピーク


こうして「良くも悪くも乃木坂から一番遠い人」でありながら「最も乃木坂の名を背負ってメディアに出ている人」という独自の地位を築いた彼女。

それを「もはや買い支える必要がない」と感じたファンが多かったのでしょうか。
なんと26thミーグリ、完売数はゼロでした。

しかし続く27thシングル。
ここで彼女の乃木坂人生におけるひとつのピークが訪れるのですから、本当に何が起こるか分からない。

27thシングルアンダー曲『錆びたコンパス』で、自身初となるセンター。
既に加入から8年3ヶ月が経過していました。

力強いメロディとタフな歌詞。
それは何度も壁にぶち当たりそのたびに方向転換しながら、それでも決して止まらなかったこれまでの山崎怜奈の歩みと重なるものでした。

この『錆びコン』はアンダラで異常なほどの盛り上がりを見せる鉄板曲へと成長します。

突き上げられる拳。
照明とサイリウムで黄色一色に染め上げられた場内は、アンダーメンバーの歩むべき道を照らす明かりのようで。

まさに「アンダラに誕生した新たなアンセム」。

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9年3ヶ月在籍し、選抜経験なし。
2期生曲とこじ坂46(AKB48小嶋陽菜とのユニット)を除けば、ユニット曲もソロ曲もなし。

その事実だけ見れば、決してアイドルとして成功したとは言えません。

やはり一度は選抜に入れるべきだったと思います。
彼女の働きに対する評価として。そしてアンダーメンバーたちへ「握手が売れなくても外仕事を頑張れば選抜が見えてくるんだ」という希望を与えるために。

それでも、様々な挑戦を続け新たな仕事を切り拓き、多忙な中でもマメに告知を続ける。(今なお755でも告知をしているのは凄い)
そんな彼女の姿勢を見て学んだ後輩は大勢いるはずです

実際、大学進学を選んだ後輩たちの何人かが「山崎さんに相談した」とコメントしていますね。

乃木坂のメインストリームではなかったれなちさん。

それでも彼女はグループに確かな財産を残しました


最後に、彼女のこれからについて。

基本的には今のまま、ラジオスターまたテレビタレントであり続けるのでしょう。
外番組で後輩たちと共演する姿が頻繁に観られたら嬉しいですね。

そして何年後か、あるいはずっと先のことかもしれませんが。

れなちさんが次に方向転換をする時、彼女はどんな道を選ぶのか

私はちょっと楽しみにしています。


山崎怜奈さん、約9年半本当にお疲れさまでした。



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前の記事では盟友・ひめたんとの別れまでを書きました。

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新たな伝説、新しい絆


『アンダー』以前から体調が思わしくなく不安定な活動を続けていた北野日奈子。

19th『いつかできるから今日できる』は選抜に復帰しますが、20th『インフルエンサー』は正式に活動休止。

20th期間に行なわれた生駒里奈卒業コンサートに参加したものの、まったく笑顔をつくれていなかった彼女の姿を今も憶えています。

21stアンダー曲『三角の空き地』から段階的に復帰し、本格復帰となったのは続く22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』。

そのアンダー曲である『日常』のセンターに任命されたきいちゃんはアンダーライブ関東シリーズ(東京公演だけでしたが)の座長になります。

そして迎えた2018年12月、武蔵野の森総合スポーツプラザ。

アンダーライブに新たな伝説が生まれます。

「初期アンダラのような熱いライブをしたい」

その想いでひとつになったメンバーたちはその言葉通りのライブを繰り広げます。
圧巻だった本編最終ブロック。きいちゃんのソロダンスから始まった怒涛のダンス曲連打から最後は『日常』。

まさに鬼気迫るパフォーマンスでした。

これ以降『日常』は北野日奈子の代名詞またライブのブチ上げ曲として定着し、2022年の46時間TV内での「バナナ&メンバーが選ぶ! ベストソング歌謡祭」でも見事1位を獲得します。

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この日に生まれた新たな絆もありました。

ここが本格復帰の場となった久保史緒里。
彼女はきいちゃんと同じように体調を崩していました。

3期生加入当初からエース格として活躍していた久保ちゃん。
順調ならきっと経験することがなかったであろうアンダラ。それが様々な要素が絡み合って参加することになります。

元々アンダラ東北シリーズを観て乃木坂入りを決意したという彼女。一度歩みを止めてしまった彼女のリスタートとしてこれ以上に相応しい場所はありませんでした。

名曲『私のために 誰かのために』で伊藤かりん、伊藤純奈と鳥肌もののハーモニーを奏で『君は僕と会わない方が良かったのかな』でピンクに染め上げられた花道を涙を流しながら歩いた久保ちゃん。

このステージを観ていた井上小百合は後にこう語りました。

 久保ちゃんがたまに、ひめたんに見えました

彼女が元気に活動している現在があるからこそ言える言葉ですが、久保ちゃんがアンダラを経験できたのはグループにとって本当に意味のあることでした。

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その後のきいちゃん


アンダラの大成功を手土産に23rdシングル『Sing Out!』で選抜復帰を果たしたきいちゃん。そこから3枚連続で選抜入りし、とうとう選抜に定着したかと思われました。

しかし26thシングル『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の乃木坂を見せるシングルで、きいちゃんは選抜から外れました。

私もこの采配には大いに疑問を感じ、記事にしました。

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続く27th『ごめんねFingers crossed』もアンダー。

しかしこの選抜発表後のブログで彼女はこんな言葉を残しています。

 グループにいる限り、表題曲を歌う選抜メンバーを目指すことがあるべき姿だと。
 ずっとそう思っていたけれど26thアンダー後にファンからかけられた多くの暖かい言葉で頑張ってきて生まれた思いは、本来なりたかった形態を無理にでも追いかけるのではなく違う形に進化をしてなりたかった自分を超える自分になることだと思いました。

さらに28th『君に叱られた』で選抜復帰した際のブログ。

 私がいまグループにいて強く思っていることは
 大好きな乃木坂がずっとずーっと幸せにスクスクと育つことで、大好きな先輩達が見てきた守ってきたモノを守り続けること繋いでいくことで、
 大切な後輩の皆んなが楽しく大事に活動をして、日に日に乃木坂への愛を積み重ねてくれたら
 私は十分に嬉しくて幸せだって思います!

かつて「同期は私が守る」と語っていたきいちゃん。
いつしか後輩たちについて「守りたい子たちができた」と言うようになります。

先輩が好き。同期も好き。
そして後輩も好き。

要するに乃木坂大好き。

この心境に達した彼女はついに「今どこにいたって やるべきことって同じだ」という『アンダー』の歌詞を自分自身のものにすることができたのです。


いい意味で、最初から最後まで普通の女の子っぽかった。

特技はオーディションでも披露したという「雑誌を引きちぎる」
後に番組内で見せた「フライパンを曲げる」と合わせ、彼女は怪力キャラとして認知されるようになります。

もうひとつ「がおー」も忘れちゃいけませんね。

「のぎ天」のアスレチックロケで、チャレンジする時に早出さんから「北野さん、がおーやっておきますか?」と問われ「やりません!」と笑顔で全力拒否していたのがなんか好きでした。

明るく無邪気で天真爛漫。
でも実は過去に学生時代の辛い経験がありました。

色々なことを乗り越えて、楽しい時、嬉しい時にそれを全開で表に出せる今のきいちゃんは本当に素晴らしい。

本当によくぞここまで体調を戻し、よくぞここまで活動を続けてくれた。
そんな気持ちでいっぱいです。


最後に卒業後の彼女について。

ずっと動物保護に関係する仕事をしたいと言ってきたきいちゃん。

その夢が叶えばいいなと素直に思いますし、そのために「芸能人」や「元乃木坂メンバー」という肩書が有効なのであれば芸能活動を続けるのも選択肢のひとつだと思います。

でも私の正直な気持ちを言えば、「何でもいい」。

きいちゃんがいつまでもあのくしゃくしゃの笑顔でいてくれさえすれば、もうそれだけで嬉しいです。

北野日奈子さん、9年間本当にお疲れさまでした。



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タオル補正
2022年1月31日、公式ブログで北野日奈子さんが卒業を発表しました。

彼女がそのブログでポジションについて書いていたのがとても印象に残りました。

ずっと自分のポジションに翻弄され、だからこそ最後までポジションにこだわっていた彼女。

その歩みを振り返ります。

乃木坂の歴史でたったふたり


ボーダーメン。

乃木坂において、選抜とアンダーのボーダーライン上にいるメンバーを指して使われる言葉です。

私もこのブログ内で便宜上使うことがありますが、本当はこの言葉が好きではありません。

どこか揶揄する響きがあること、そして自分の推しである井上小百合もそう呼ばれていたことがその理由です。(もちろん私が使う時は揶揄する気持ちは一切ありません)

実際には選抜固定メンなのに相対的に握手人気が低いためにそう呼ばれたり(さゆがそのタイプでした)、ずっとアンダーでも選抜発表のたびにファンの間で俎上に載せられるメンバーをこう呼んだりと色々なパターンがあります。

でも個人的には本当の意味でボーダーメンと呼べるのは、乃木坂の歴史でたったふたり。

中元日芽香と北野日奈子だけだと思っています。

初期から選抜硬直化が顕著だった乃木坂。それがさらにガッチガチになったのが11thシングルから12thシングルにかけての期間でした。

いわゆる「お試し選抜」が10thまでで全員完了。超選抜に対するアンチテーゼだったアンダーライブからもその立役者である伊藤万理華と齋藤飛鳥が11thで、井上小百合は12thで選抜復帰し以降は選抜固定メンに。同時期には生駒里奈と松井玲奈の交換留学も解除されました。

これをもって初期乃木坂=1期生と2期生の世界はほぼ完成を見ます。

私は以前に『羽根の記憶』の楽曲考察でこれとほぼ同じことを書いていました。

 こと「1期生」というくくりでは全員のビジュアルがひと通り洗練され完成の域に達したのはこの頃

 乃木坂を乃木坂たらしめたのは間違いなく1期生たちで
 そんな彼女たちの作り上げた世界の完成形こそ、この頃から翌2016年6月にまいまいが卒業するまでの1年にも満たない期間



当時の選抜メンバーを並べるとそれが良くわかります。

白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理
生駒里奈、生田絵梨花、星野みなみ
西野七瀬、桜井玲香、若月佑美
衛藤美彩、高山一実、秋元真夏
伊藤万理華、井上小百合
齋藤飛鳥、堀未央奈
深川麻衣

ここまでで既に17人。

当時の乃木坂は選抜が16~18人で構成されていたことを思えば、これは選抜に全く空きがないに等しい状態でした。

この絶望的ともいえる状況下で「どうすれば選抜に入れるんだろう」と悩み迷い苦しんだアンダーメンバーたち。

そしてこの17人に最も肉薄したのがひめたんときいちゃんでした。
ここでいったん話を戻し、彼女の経歴をざっと振り返りましょう。

2013年3月、2期生として乃木坂46に加入。5月に『16人のプリンシパル deux』と『乃木坂って、どこ?』でお披露目。

堀未央奈に続く2期生のNo.2として8thシングル『気づいたら片想い』で初選抜。
もちろん単独抜擢センターだった堀ちゃんからはとても離れた2番手ではありました。

そしてその8th期間中に彼女は打ちのめされます。

加速度的に洗練の度合いを高めていた当時の1期生たちの中で、メイクもダンスも素人感満載だった彼女は(堀ちゃんもですが)浮いていました。
正直、全然ついていけていなかった印象です。歌番組で表情を作れずにこわばった顔で踊る姿を強烈に憶えています。

当然のように続く9thで彼女は選抜から外れました。
2期生抜擢第3弾もなし。「自分がダメだったから続かなかったんだ」当時そう思ったと後にきいちゃんは語っています。

しかし彼女がアンダーに合流した9thシングルは伊藤万理華率いるアンダーライブ・ファーストシーズンの時期でした。
さらに伝説のアンダラ2ndの激動の日々もくぐり抜け、アンダラ黎明期の熱気を体感したきいちゃんは大きく成長します。

個人的には3rdシーズンを観に行った時に、以前はとにかく「踊れない」印象だった彼女が笑顔で楽しそうにダンスする姿に感心したことを憶えています。

その後「アンダーのキャプテン」永島聖羅の卒コンでは「らりんさん、卒業許しません!」と叫んだり、初期アンダラの妹キャラとしてファンからもメンバーからも愛されました。

そしてついに扉は開きます。
待望の選抜復帰は15th『裸足でSummer』。そこから17th『インフルエンサー』まで3作連続選抜入りを果たしました。

しかし18th『逃げ水』でアンダーへ。19thでは選抜復帰するも20thは活動休止。21stのアンダー曲『三角の空き地』から限定的に活動を再開。

そして22ndアンダー曲『日常』ではセンターを務め、これが彼女の代表作となります。

23rdで選抜復帰するとここから25thまで3作連続で選抜入り。
しかし26th、27thはまたアンダーに。28thは選抜入り。

彼女の歩みを列挙すると下のようになります。

 8th 選抜、9th アンダー、10th アンダー、11th アンダー、
 12th アンダー、13th アンダー、14th アンダー、
 15th 選抜、16th 選抜、17th 選抜、
 18th アンダー(Wセンター)、19th 選抜、20th 活動休止、
 21st アンダー、22nd アンダー(センター)、23rd 選抜、
 24th 選抜、25th 選抜、26th アンダー、27th アンダー、28th 選抜、
 29th 卒業

20枚のシングル表題曲に参加し、選抜9回、アンダー11回。そして活動休止1回。

彼女自身が述べた通り「選抜アンダーと繰り返し、自分のポジションと向き合ってきた9年間」でした。

15thシングル『裸足でSummer』。盟友ひめたんと共に選抜復帰。堀ちゃんを加えた3人での「サンダル脱ぎ捨て隊」はフレッシュな印象を残します。
しかしそこで選抜から外れたのは伊藤万理華と井上小百合というアンダラの立役者ふたりでした。
握手会の完売実績だけを見れば生駒里奈や星野みなみ、松村沙友理や高山一実も大差はなかった。それでも落とされたのは「さゆまり」のふたり。

この事実にアンダーメンバーのファンは突きつけられます。

選抜聖域メンの牙城は決して崩せない。
所詮はアンダー同士での潰し合いだ。

別にそのせいだとは言いませんが、中元日芽香は17thシングルで活動を休止します。
きいちゃんも18thシングル『逃げ水』で組まれた「新人抜擢センターをその時点の最強メンバー支える布陣」からは漏れます。

そのふたりがWセンターとして歌った18thシングルアンダー曲が『アンダー』。

当時、人はこんなにも無神経になれるのかと怒りを覚えました。秋元康に対し。運営に対し。

そこで歌われたのはアンダーメンバーはスポットライトが当たらなくてもステージを支える存在であると、そして「まだ咲いていない花」であるというあまりにも雑な慰めの言葉でした。

そもそも劇場を持たない乃木坂のアンダーに対し「ステージを支えてる」という言葉を用いること自体、彼女たちの状況に一切関心のないことが透けて見えます。

アンダーメンバーの心を破壊したと言われ、当時「魔曲」とまで呼ばれたこの曲。

これを最後に中元日芽香は卒業します。

そしてひめたんにとって最後のアンダラとなった九州シリーズ。

しかしWセンターのふたりが共に体調不良でどちらかが欠場という状態が続きます。必死にそれを支えた樋口日奈をはじめとするメンバーたち。
そしてふたりが揃った福岡公演最終日。

ついにWセンターで披露した『アンダー』。
イントロで抱き合うふたりのシルエット。
ラスサビでひめたんの頬をつたった涙。

あまりにも残酷で
悲しいほどに美しい
忘れられない名シーンです。


続きます。


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