ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > メンバー考察

タオル補正
前の記事では早い時期から選抜入りしたゆえの苦しみを味わった清宮レイの乃木坂人生を振り返りました。

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今回は彼女の葛藤についての推察と、私の思う名場面を。

子供じゃないならね


帰国子女。生徒会長。
サイリウムカラーは「太陽とオレンジ」のオレンジ×オレンジ。

初めてのブログで「太陽みたいな人になりたい」と宣言し、メンバーからは「レイちゃんはずっと私たちの太陽だったよ」と言われる彼女。

でも私のイメージはやっぱり、ひまわり
太陽に憧れ、あのいたずらっぽい目をキラキラさせながら目一杯手を伸ばしてすくすくと成長していく。

それが私の思うレイちゃんです。

その明るさはグループに必要。そう運営は考えていた節があります。

思惑としては高山一実のように「控室で周りを明るく笑顔にする」存在として、長くグループを支えてほしかったのではないでしょうか。
だから早い時期から選抜に入れて慣れさせようとした。あるいは選抜固定メンとしてファンに印象づけようと(ありていに言えば受け入れてもらおうと)した。

「無邪気で明るい」という彼女の良さはそのままに、先輩と馴染み、4期生とワチャワチャし、少しずつパフォーマンス面でも成長していく。レイちゃんに期待していたのはそれだったように思います。

これは完全に今思いついた余談ですが、彼女が年齢とともに周囲に目を配れるようになったら将来のキャプテン候補という線もあったのかもしれません。なんといっても「元生徒会長なめんなよ」ですし。

しかし彼女自身は「選抜にいる以上は少しでも早く先輩たちに追いつかなければいけない」=クオリティを上げなければいけないと考え、「格好いいパフォーマンス」を志向します。
いわば、早く大人になろうとしたのです。

そして悲しいかなそれはすなわち、彼女の大きな魅力のひとつである天真爛漫さをスポイルするものでした。

その意識のズレは、ファンとの間にもあったように思えます。

卒業を発表した時のブログにはこうあります。

 誰かからの「好き」を仕事にする事の難しさをよく感じていました。
 自分はつくづく向いていないと何度も思いました。
 (乃木坂46 清宮レイ公式ブログより引用)

ファンの求める自分と、自分がなりたい自分。
「大人になってほしくない」ファンと「大人にはなるものだ」と思う自分

いつからかその乖離を感じていたのではないでしょうか。

そして彼女はストレートに言えば「自分を偽ってまで誰かの期待に応えることを潔しとしない」タイプだったように思います。

35thアンダラのアンコールで「ここで流した汗と涙は無駄ではなかったのだと願いたいです」と語ったレイちゃん。

「無駄ではなかった」ではなく「そう願いたい」と言ってしまう正直さこそが清宮レイですね。

自己肯定感が強そうな彼女にとって、乃木坂での5年半はきっと悔しさや挫折感が残ったのでしょう。

それでも。
髪色を濃くして前髪を作った最近のビジュアルは、そして無邪気に笑う姿は「あの頃の私を好きになってくれた人たちへの最後のファンサービス」

私にはそう見えてなりません。

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とても素敵な考え方


センター曲も、ユニット曲もなし。
率直に言って「代表作」と呼べるものがなかったレイちゃん。(公式Youtubeの『REI English !!』を別にすれば)

しかしファンの前でのラストパフォーマンスになった先日の35thアンダラ千秋楽。

そこで彼女は、自身の手で「代表作」を生み出して見せました。

『Against』
初代センターにしてレジェンドである生駒里奈の代名詞のひとつ。
その卒業に際して作られた、初の1期生楽曲でもあります。

イントロでキメキメの表情を浮かべ、ラスサビでのハイジャンプ。
恵まれた身体能力を活かしたダイナミックなパフォーマンス。

清宮レイのポテンシャルを、この場所で培ったものを
そしてきっと、彼女のなりたかった自分を。

観る者すべてに見せつけた瞬間でした。

「ちゃんと気づいてた?私こんなこともできるようになってたんだよ! 」と言わんばかりに。

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もうひとつ、どうしても書いておきたいことがあります。

2020年6月。初期の『ノギザカスキッツ』で4期生「自分チャート」というコーナーがありました。
ビジュアル・頭脳・運動神経・性格の良さ・そして自身で追加する独自項目を5段階で自己評価して5角形レーダーチャートを作成するというもの。
しかし皆さんご想像の通り、4期生はみな自分に「0」とか「1」ばかりの低い点をつけます。

そんな中、敢然とオール「5」のフリップを掲げるレイちゃん。独自項目は「笑顔」でした。

さらば森田氏に真意を尋ねられた彼女はにっこり笑ってこう言うのです。

 テスト用紙渡されて「好きな点数書いていいよ」って言われたら100点って書きたいじゃないですか

 そういうこと!

 自分の可能性は無限大ですよ(とガッツポーズ)

その言葉に凄く共感してウンウン頷く北川悠理
自分のチャートをオール「7」に変えて「負けたくない!」と笑う早川聖来

すべてが懐かしく、これを書いているだけでちょっと感傷的になってしまいますが。

なんて素敵な考え方だろう。当時そう思ったのを強烈に憶えています。
本当に素晴らしいし、こういう前向きな考え方をするメンバーが必要だったと今改めて思います。

清宮レイの名シーンとして、私が真っ先に思い浮かべたのはこれでした。


最後に、これからの彼女について。

大人計画の『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』。
そしてヨーロッパ企画主宰の上田誠氏脚本・演出の『鴨川ホルモー、ワンスモア』。
なんというか、実に骨っぽいというかいいところの舞台に出ているレイちゃん。

映画の出演もありましたし、俳優になりたいという彼女の夢をちゃんと運営は後押ししていたんだなと思います。

恐らく充電期間を経てから改めて演技の道へ進むのではないでしょうか。

変わらぬ向日葵のような笑顔を湛えながら

清宮レイさん、約5年半お疲れさまでした。


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タオル補正
2024年5月25日、公式ブログで清宮レイさんが卒業を発表しました。

阪口珠美からわずか3日後という連続の卒業発表に、ファンの間に衝撃が走ります。

まずは彼女の乃木坂人生を振り返りましょう。

圧倒的「陽」


2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
12月3日が初ステージとなる日本武道館でのお見立て会でした。

彼女はこの時にセンターに立った3人のうちのひとり。あとのふたりは遠藤さくらと柴田柚菜。
この3人が『キスの手裏剣』でもそのままフロント中央でしたから、最初期から運営が期待していたメンバーであるのは間違いありません。

無邪気天真爛漫ボーイッシュキッズ
そして何より、笑顔

溢れる「陽」の魅力でファンを掴みます。

4期生初冠番組『乃木坂どこへ』でも、なかなか前に出れないメンバーが多い中で早川聖来や金川紗耶とともに企画に前のめりに参加。私も最初は「出しゃばりとか叩かれそうだな…」などと心配していたのですが、番組終盤には「ああ、この子はシンプルにいいやつなんだ」という認識に変わっていました。

初選抜は26thシングル『僕は僕を好きになる』。
4期生としては抜擢フロントの遠藤さくら、賀喜遥香、筒井あやめに続く第2弾として田村真佑とともに選抜入り。

そこから30th『好きというのはロックだぜ!』まで5作連続で選抜
しかし31st『ここにはないもの』では体調不良のため活動休止。
32nd『人は夢を二度見る』ではアンダーとして活動再開。以降、選抜に復帰することはありませんでした。

私は基本的に既に起きてしまったことは「なるようにしかならなかった」と考えていて、「if」は単なる妄想というスタンスです。
そんな私でもレイちゃんについてはもうちょい何とかならなかったのか、やりようがあったんじゃないかと思ってしまうのです。

まず初選抜の時点で前作握手会の完売実績としては上位に見えた掛橋沙耶香と早川聖来に先んじて選抜入り。お見立て会でのフロントと合わせて「運営推され」という印象を与えたのは否めません。

この時の掛ちゃんはフル部数の30部を最速の2次完売。レイちゃんも同じく2次完売でしたがスケジュールの都合により18部でした。(せーらは25部を3次完売)
掛ちゃんは既に『図書室の君へ』で期別センター曲を持っていたので、そことのバランスを取ったのかもしれません。

こういうパターンが過去になかったわけでもありません。
例えば梅澤美波はごく初期からよだももくぼしたとほぼ互角の完売速度でしたけれども、選抜入りは21st『ジコチューで行こう!』まで待たされました。ただその代わりにでしょうか、同作のカップリング『空扉』で選抜メンバーを従えてのセンターに抜擢されています。

その26thは初のオンラインミーグリとなり、完売状況は惨憺たるものでした。
ここで一気に2極化が進み、フル完売かそれに近い数字を残すメンバーとほとんど完売がつかないメンバーに分かれます。

レイちゃんは幸いにも前者でした。
そして27thシングルでは晴れて連続で選抜入り。

しかし私はこの選抜発表の記事で「今回レイちゃんは外しても良かった」と書いています。

ここでも彼女を上回る完売数だったメンバー(北野日奈子、掛橋沙耶香)を差し置いての選抜だったこと。
乃木坂の歴史上、連続選抜とはほぼ選抜固定に等しくそれゆえにアンダーメンバーのファンからの風当たりも強くなること。
逆に連続選抜後に選抜落ちすると本人が「チャンスを活かせなかった」と感じる可能性が高いこと。

そして何といっても初選抜時は「私はどこまで行けるんだろう。今は希望でいっぱいです」と書いていたレイちゃんがこの時の選抜発表後に「こんなことを言ったら嫌われてしまうかもしれないけど選抜に選ばれたことが、とてもとても怖かったです」と書いていたためです。

私にはこの時点の彼女が連続選抜、そしてそれとほぼ同義である選抜固定に耐えられるとは思えなかったのです。

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違和感


その27thミーグリは2次で完売。ですが、舞台出演のため部数が半分の15でした。
ただ次の28thで彼女の上を行っていた掛橋沙耶香がようやく選抜入りしますので「完売実績が上のメンバーを差し置いて」という状況ではなくなります。

28thも22部でしたが3次完売。

ここまで書いてきて正直思ったのが「意外とミーグリ売れてたんだな」
選抜固定メンの先輩たちが相次いで卒業(※)し、レイちゃん自身も2次や3次で完売。アンダーメンバーに捲られたわけでもない。であれば28th29thは選抜から外す理由がない。やはり外すなら27thしかなかったのでしょう。
※26th~28th期間という1年ちょいの間に選抜固定メンだけでも堀未央奈、松村沙友理、大園桃子、高山一実、生田絵梨花、新内眞衣、星野みなみの7人が卒業

ただ個人的には30部フルで売り切ったことがないのが引っかかっていました。
それ自体は「スケジュール都合」なのですからもちろん本人の責任ではありません。
それでも「同じ土俵で勝負していない」という印象は「下駄を履かせてもらっている」という誤った認識へと変わってしまう危険があるのです。

プロテクトされている=聖域。
こう感じるとアンチは一気に増幅します。

そんな潜在的な反感が顕在化し始めたのが29thでした。

初選抜の柴田柚菜が(ご祝儀もあるかもしれませんが)30部フル完売。ジリジリと完売を伸ばしていた弓木奈於が26/30完売だったのに対しレイちゃんは21/28。ここもフル部数ではなく、かつ完売できませんでした。

何よりも、ここから5期生がミーグリに参加します。

29th期間にもうひとつ、非常にネガティブな出来事がありました。

柴田柚菜のグラビアを掲載した某誌が公式Twitter(現X)上にこんな文章を載せたのです。

 発売中の本誌ではゆんちゃんに初選抜への想いを聞かせてもらいました。
 昨冬、選抜での活動に思い悩む同期のレイちゃんに「柚菜も早く来てよ!」と発破をかけられることもあったとか。
 4期生の選抜8人で力を合わせて頑張って欲しいです!
(某誌公式Xより引用)

恐らく選抜の重みに悩むレイちゃんの切実なSOSだったであろうこの発言。

しかしこれが拡散されると「上から目線だ」「自分は選抜固定だと思ってるのか」とバッシングを浴びます。

悪いことにこのツイートは「アルノ事変」の真っ只中。
近年で最も乃木坂ファンの感情がかき乱され、荒んでいた時期でした。

続く30thでも選抜入りしますが、そこでのミーグリ完売では何人ものメンバーに先んじられます。
そして2022年9月、「体調不良により一部グループの活動を休止する」旨の発表がなされました。

31stシングル『ここにはないもの』は不参加。
しかし同時期にCM出演があったため「仕事を選んでいる」とまた一部の心ないファンから叩かれます。

32ndでアンダーからの再出発となりますが、この時に注目を集めたのは同じくアンダラ初参加だった5期生たちでした。


続きます。

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タオル補正
2024年5月22日、公式ブログで阪口珠美さんが卒業を発表しました。

まずは彼女の乃木坂人生を振り返りましょう。

たまちゃん。


2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「目がクリクリした不思議ちゃん」
特技披露が「Y字バランスをしながら般若心経」だったこともその印象を強めました。

しかし同期は個性派集団3期生。何人も握手人気でロケットスタートを決める化け物がいました。

3期生が本体に合流したのは(抜擢組のよだももを除き)20thシングルから。
そこから16枚のシングルに参加し選抜3回、すべて3列目。
アンダー13回。うちセンター1回、それ以外のフロント2回、2列目8回、3列目1回。

初選抜は加入から2年半後の23rdシングル『Sing Out!』
よだももくぼした梅れんたんでんりりあに先んじられ、同期の中では9番目。
続く24th『夜明けまで強がらなくてもいい』から4期生が選抜入りし、その先は彼女にとって選抜の壁はさらに厚いものとなりました。

ここでひとつだけ妄想を書いておきます。

21st『三角の空き地』で実際はセンター中田花奈、フロント伊藤理々杏と樋口日奈だったところをセンター佐藤楓、フロント伊藤理々杏と阪口珠美にしていれば。(別に中田花奈に対して含むところはないのでファンの方は怒らないでください)

そこから『日常』フロント、『Sing Out!』選抜とつなげれば、アンダラのスター(=アンダーフロント常連で常に選抜候補)への道はあったようにも思います。

基本「アンダーの2列目」でしたから、言葉を選ばずに言えば「中堅メンバー」だったのだと思います。

久保史緒里・中村麗乃と同い年の「新・中3トリオ」。
若様軍団のフォーク担当。
46時間TVなどで披露した「たまトレ」。
「画伯」としても活躍。描かれる対象が誰であれ常に毛髪が点で表現される人物画は観る者に恐怖を与えました。

そして古くは川村真洋、渡辺みり愛から連なる「ダンス番長」でした。

私は彼女のダンスを観るといつも「優雅」という印象を受けます。
クラシックバレエを約9年間習っていたという経歴からの刷り込みかもしれませんが笑

2023年1月に公式ブログで耳の病気(右耳低音障害型難聴)を公表。
「1年ほど前からライブのリハが始まると同時に耳の調子が悪くなる事が多々ありました」と書いていました。

その時から「遠くない将来に卒業するんじゃないか」と言われてきましたが、1年半もの間グループに留まってくれました。

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たまちゃんの煌めき


彼女の代表作といえばやっぱり初選抜の『Sing Out!』そしてセンター曲『口ほどにもないKISS』が挙がるでしょう。

ただ私が思い浮かべるのは『平行線』です。

『Sing Out!』収録のユニット曲。
メンバーは3期生だけ。大園桃子、与田祐希、久保史緒里、岩本蓮加、そして阪口珠美。

そこにあったのは目を離したらその瞬間に消えてしまいそうな刹那の煌めき

そんな圧倒的なキラキラと切なさを同時に表現するにはたまちゃんこそがふさわしい。
山下美月や伊藤理々杏のような濃い目の顔立ちで外連味のあるメンバーではこうはいきません。(どちらが上とか下ではなく向き不向きの話です、念のため)

私がたびたび用いる「青春感」
3期生でそれを最も感じさせたのは彼女だと思っています。

もうひとつ、「たまちゃんといえばこれ」という名場面があります。

2020年7月『乃木坂工事中』での「第3回内輪ウケものまね大賞」

まずは山下美月が「楽屋にいる時の岩本蓮加のギャル感」を演じます。
それに対しれんたんが「たまみとかとふざけている時に出ちゃう」。そして「彼女は意外と私よりJK味のある方」と丁寧に露払い。
そこからの梅澤美波による「若者言葉で会話をし続けるが何を言っているか分からなくなる阪口珠美」

バナナマンのおふたりに「阪口そんな感じなんだ?」と驚かれた彼女。
語尾に「ンゴ」をつけるのが流行っていたので大園桃子を「ももンゴ」と呼んで嫌がられた話から始まり、秋元真夏は「まなンゴ」生田絵梨花は「いくンゴ」では日村さんは?に「ヒ」

最後に設楽さんから「ちゃんと今時の言葉で謝って」と言われ「すまん」

面白さ、3期生の仲の良さ、そして「ギャル言葉を言うとみんなに嫌われます」「私はやめなさいって言います(梅ちゃん)」という乃木坂の治安の良さ笑が相まって凄く印象に残っています。

「珠美がずっとアンダーだった自分を憧れと言ってくれたから救われた」と樋口日奈は語りました。

グループの全員から愛でられ倒している小川彩からお歳暮を贈られ「好きだからです」と言われたのですから、可愛くて優しくて素敵な女性なのでしょう。

初期からビジュアルのイメージはずっと変わりませんでしたが、ゆっくりと洗練の度合いを高めていました。

今年のバスラも仕上がりまくっていましたよね。
彼女のブログはいつもこう始まっていました。

 さかぐち 坂道 登り坂!
 たまにはたまみと登ってね。

ここで「たまには」と言ってしまう奥ゆかしさ

それはグループアイドルの中でサヴァイブしていくには決して有利ではなかったかもしれない。
でもそれがたまちゃんらしさだったよな、なんて私は無責任にも思ってしまうのです。

卒業発表したブログでも素敵な言葉を残しています。

 乃木坂46の一員になる夢を叶えたあとも
 無理と思っていた
 沢山の願いを叶えられたことは
 これからの私の人生の
 大きな自信になります。

(乃木坂46 阪口珠美公式ブログより引用)


最後に彼女のこれからについて。

「このグループに入る事だけが人生の夢だった」たまちゃんですが、卒業発表後のインタビューで「また皆さんの前で頑張れたらなって思っています」ともコメントしています。

何だろう?
「たまトレ」のYoutubeチャンネルを始めるというのが一番ありそうな気がしますね。

どこかでまた彼女のニコニコ笑顔が見られることを期待しています。

阪口珠美さん、約7年半お疲れさまでした。



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前の記事では見事な実績を積み上げた山下美月の乃木坂人生を振り返りました。

関連記事:


今回はそんな彼女の心の内に分け入ってみたいと思います。(『英雄たちの選択』ですね笑)

アイドルを演じ切った


スーパープロフェッショナルアイドル

個人的に彼女のことをそう呼んでいました。

いきなり凄く失礼な言い方になるんですが、美月はどちらかと言えば髪型やメイクに「注文がつく」タイプでした。

2017年10月『見殺し姫』と2018年6月と9月の『ミュージカル セーラームーン』という村内舞台。
どちらも変なカツラをかぶらされて、まあ今だから言えますがなかなか大変なことになっていました。
正直、スタイルも決していいわけではありません。

にもかかわらず、乃木坂の活動において(変なカツラさえなければ)常に「ちゃんと可愛かった」

そこが凄いと思うんですよ。

自分がどうすれば可愛く見えるのか必死に研究してそれを見つけ、少しずつビジュアルが変化していく年齢においてもずっとアジャストし続けた。

まさにプロフェッショナル。

「釣り師」にして「小悪魔」でもありました。
(同期から「控室で壁にゴンゴン頭をぶつけながら落ち込んでいる」ことをばらされるネガティブキャラだというのに!)

例えば2017年11月放送の『乃木坂工事中』内「恋愛模擬テスト」。
メンバーが恋愛のシチュエーションに関するテストに回答し、それを婚活のスペシャリストの先生が採点するという企画。岩本蓮加が「じゃーん!」で世界のハートを鷲掴みにしたやつですね笑

美月はそこで高得点を連発し「小悪魔」「恋愛マスター」という称号を得ます。

私の勝手な思い込みですが、「釣り師」って秋元真夏をはじめとしてどちらかと言えば親しみやすいルックスのメンバーが多いじゃないですか。

「近寄りがたい美人なのに気さく」は白石麻衣がいましたが、美月は「近寄りがたい美人で釣り師」でした。

でも、彼女感はなかった。
初期はともかく、20歳を超えたあたりからはガチ恋製造機ではなかったと思います。

1st写真集発売時のインタビューで彼女は「アイドルを極めたい」そして「アイドルって疑似恋愛」という発言をしています。

私はこの言葉をこう理解しています。

山下美月は目の前のファンに対し全力で「私を好きになってほしい」と思っていたし、自分でも目の前のファンを全力で好きになろうとした

明らかに作っているけれど、それと同時に間違いなく全力を尽くしている。
そんな信頼感に基づくある種の共犯関係にファンを引きずり込んだのが彼女の凄さ。

これもまた、プロフェッショナルです。

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貫き通した負けず嫌い


私の山下美月観を決定づけたひとつの記事があります。

『BRODY』誌2017年10月号に掲載された彼女のインタビュー。
2017年の夏、すなわち『逃げ水』の夏です。

「近寄りがたいイメージを持たれがちなので、普通の人間として見られようと努力してきた」
「自分はこういうアイドルになりたいという理想になりきろうとしている自分が、本当の自分
「アイドルって人間性を好きになってもらわないと続かない」
「先輩たちの空いた席に座るんじゃなくて、横にもうひとつ新しい席を増やさなきゃいけない」
「ファンの人から見たら、私が自分で必死に這いあがっていく姿の方が面白い
「つねに明るくてニコニコしていて、芯の強い人が理想。そんなアイドル像にどれだけ自分が近づけるかの戦い」

(この号、美月ファンの方は古本屋で探しても読んでいただきたいぐらい必読の内容です)

当時18歳だった彼女はもの凄く「わかっている感」を出していました。
私にはそれが「賢しら」であり「懸命に背伸びしている」ように見えました。

しかし今回改めてその記事を読み直して感じたのは、空恐ろしさ

7年近く前。加入してまだ1年にも満たない頃。
普通、この年齢の時に考えていたことなんてどんどん変わっていくものです。(我々ファンはついそれを忘れて「前に言っていたのと違う」などと思いがちなのですが)

そして自身もグループも凄い勢いで変動していたのですからなおのこと。

しかし彼女の場合、ほとんど「現在の山下美月の言葉」として呼んでも違和感がありません

ちょっと異常です。

グループ加入当初から持っていた自分の目指す姿を、美学を。
山下美月は貫き通したのです。

さらにこの記事の最後、彼女はこう語ってインタビュアーを驚かせます。

「今日のインタビューはアイドル・山下美月としてしゃべっているのですべてアイドルとしての発言だと思っています」

そして「リアルな山下美月の本心は?」に

 う~ん…本当に…負けたくない

 (なにに対して?)

 いろんなことに、です笑

超ド級の、負けず嫌い。


これまで私はずっと「よだもも」と「くぼした」、無垢の天才vsエリートという図式でこの4人のことを語ってきました。

美月はずっとよだももという「ナチュラルボーン・アイドル」に対して「敵わねえなあ」と思っていたように見えました。

そして(これまで敢えて書かずにきましたが)「くぼした」としてくくられる久保史緒里に対しても、本当はずっと「敵わねえ」と強い劣等感を抱いてきたように思います。

久保ちゃんの歌唱力、舞台度胸、儚さ。
そんな彼女に対し自分は「持たざる者」だと。
あなたはこちら側のつもりかもしれないけど違うよ、と。

でも、だからこそ美月は誰よりも自分を追いこみ続けることができたのではないでしょうか。

しかしグループ内での序列が上がるにつれ、彼女を突き動かしてきたそんな劣等感も薄らいでゆきます。

2022年の頭ぐらいからでしょうか、弛緩した…は言い過ぎですが目じりが緩んだ表情が多くなったように思います。
齋藤飛鳥と並ぶ位置に来て、彼女を突き動かしてきた負けず嫌いのガソリンがなくなったように見えました。そしてそれは何というか、素敵なことでした。

その飛鳥に「船長」と言われてしまったことも決定的でした。

まあ、あの飛鳥ちゃんが「コンプレックスこそが山下美月のガソリン」であることに気づいていないはずはありません。

それでもなお「船長」と言ったのは、恐らくこういうことなのでしょう。

 どうせ卒業したら芸能界の荒波にもまれてまたコンプレックスまみれになるんだから、卒業するまでの残り時間ぐらいはそういうの抜きにした時間を過ごしてみなよ。

私はちょっと齋藤飛鳥を信頼しすぎているかもしれませんが笑

いずれにせよ尊敬する先輩から「乃木坂丸の舵を頼んだよ」と言われちゃったので、さすがにそこから1年はグループに留まります。
その2023年に残ったふたつの宿題「飛鳥さんを見送る」「久保との物語に落とし前をつける」を済ませて。

いよいよ本当に「やりたいことがなくなった」のではないでしょうか。

本当に、本当にやり切っての卒業でした。


卒業後の彼女は間違いなく俳優として歩んでいくでしょう。

3年後、5年後、10年後。

「なんかいろんなドラマでしょっちゅう見るよね、あの眼力強い女優さん」

そう言われているに違いありません。

山下美月さん、8年近くもの間、本当にお疲れさまでした。


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2024年2月17日、公式ブログで山下美月さんが卒業を発表しました。

やり切ったよな

最初に思ったのはそれでした。

まずは彼女の歩みを振り返りましょう。

レジェンドたちのただ中で


2016年9月、乃木坂46の3期生メンバーとして加入。

その日から3期生の、そして未来の乃木坂エースの座をめぐる「よだももとくぼしたの物語」が始まりました。

活動初期から様々な紆余曲折を経てくぼしたWセンターへと至る4人の物語については33rdシングル『人は夢を二度見る』の記事で詳しく書いていますので、よろしければまずこちらの記事をご一読ください。

関連記事:



3期生の中でも美月は初期から目立っていました。
その完成されたビジュアル、そして積極的に爪痕を残しにいく姿勢によって。

『乃木坂工事中』初登場時の自己PRではサンシャイン池崎の「ジャスティス!」をコピー。これは賀喜遥香、五百城茉央へと受け継がれていくことになります。

一部では「完成され過ぎていてつまらない」などという声もありましたが、白石麻衣を筆頭に「アイドルは成長過程を見せるもの」という定説を覆してきた乃木坂というグループに入ったことも彼女にとって幸運だったのかもしれません。

抜群の握手対応であっという間に3期生どころかグループ内でも屈指の握手人気メンへと成長します。

2018年4月発売の20thシングル『シンクロニシティ』で初選抜と同時に堂々のフロント入り。
以降、今回の35th『チャンスは平等』まで丸6年に渡り、基本的にはフロントに立ち続けます。
※例外はやや特殊なフロント構成だった24th『夜明けまで強がらなくてもいい』(4期生3人同時抜擢フロント)と25th『しあわせの保護色』(白石麻衣卒業で1期生全員福神=2列目まですべて1期生)そして不参加だった23rd『Sing Out!』

丸6年というだけで十分凄いですが、これの何が凄いって20thシングルには白石麻衣も西野七瀬も齋藤飛鳥も生田絵梨花もいたこと。
そこに割って入る形でフロントに立ち、その地位を確立したのは美月と与田祐希のふたりだけです。

まして2018年ですから、こと「ダイナミズム」という意味ではグループがひとつのピークを迎えていた時期です。

2年連続レコード大賞受賞。神宮球場と秩父宮ラグビー場での2場同時開催で6万人×3DAYSの18万人を動員した6thバスラ「シンクロニシティライブ」。そして現時点でグループ史上最高の売上枚数を誇る22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』。

その真っ只中で、デビュー1年ちょいのまだまだ新人であるふたりがフロントに立ち続けた。

今になってそれがいかに偉業であったかがわかります

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非の打ち所がない実績


そこから先の活躍は皆さんご存じの通りです。

同じ2018年にはファッション誌『CanCam』の専属モデルに。

翌2019年からは演技の仕事に注力。
3本のテレビドラマに相次ぎ出演し、映画デビューも果たしました。
この時期にあまりのハードスケジュールから23rdシングル『Sing Out!』の活動には不参加という判断を下されるものの、同年の真夏の全国ツアーから復帰。

以降は大量の外仕事をこなしつつ、ほとんど(全く?)ライブも欠席せずに走り抜けます。

余談になりますが、外仕事を抱えながらグループの活動に執着するという面では生田絵梨花級でした。

「どんな無茶をしても絶対に1日は出る」生田絵梨花に対し、「ギリギリまでなにひとつ諦めない」山下美月というスタンスの違いも興味深いですね。

このふたり、似ているようで表と裏だと思います。(書き出すと長くなるので今回は止めておきます)

2022年10月『舞いあがれ!』から2024年3月『Eye Love You』まで6クール連続=1年半にもわたってTVドラマ出演を続けてきました。

これまた、乃木坂46在籍中のメンバーとしては空前絶後の偉業です。

主演やヒロインもできるけれど、むしろキャストの5~10番手という役の方が多かった。
初のグループ外での演技仕事である映画『日日是好日』からしてそうでした。

初めから彼女が「アイドルが演技もやってみました」ではなく「俳優」としての将来を見据えていたことをうかがわせます(そして運営もそれを理解し後押ししていたことを)。

2020年1月発売の1st写真集『忘れられない人』は推定売上19万部超というメガヒット

同時期にドラマ『映像研には手を出すな!』での共演から齋藤飛鳥との距離がぐっと縮まり、飛鳥が後輩に気を許しているという珍しい姿を見せるようになります。

2021年1月発売の26thシングル『僕は僕を好きになる』で悲願の初センター
白石麻衣卒業後最初のシングルですから、明らかに「託された」形でした。

そしてこの後ぐらいからでしょうか、飛鳥のシンメが必要な状況ではそれを美月が務めるケースが多く見られるようになります。

2022年末には、その飛鳥から『乃木坂工事中』における飛鳥自身の卒業企画で「目バキ船長」と呼ばれ「乃木坂丸の舵、とってくださいね」。
ここでも後を託されついに「乃木坂の顔」へと上り詰めます。

15枚のシングルに参加し単独センター2回、Wセンター1回。それ以外のフロント10回。2列目と3列目が1回ずつ。

4期生の加入、コロナ禍、そして相次ぐレジェンドたちの卒業というグループの激動期を支え、常にセンター候補であり続けました

非の打ち所がない実績を積み上げての卒業です。


続きます。


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