ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > メンバー考察

タオル補正
前の記事では盟友・ひめたんとの別れまでを書きました。

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新たな伝説、新しい絆


『アンダー』以前から体調が思わしくなく不安定な活動を続けていた北野日奈子。

19th『いつかできるから今日できる』は選抜に復帰しますが、20th『インフルエンサー』は正式に活動休止。

20th期間に行なわれた生駒里奈卒業コンサートに参加したものの、まったく笑顔をつくれていなかった彼女の姿を今も憶えています。

21stアンダー曲『三角の空き地』から段階的に復帰し、本格復帰となったのは続く22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』。

そのアンダー曲である『日常』のセンターに任命されたきいちゃんはアンダーライブ関東シリーズ(東京公演だけでしたが)の座長になります。

そして迎えた2018年12月、武蔵野の森総合スポーツプラザ。

アンダーライブに新たな伝説が生まれます。

「初期アンダラのような熱いライブをしたい」

その想いでひとつになったメンバーたちはその言葉通りのライブを繰り広げます。
圧巻だった本編最終ブロック。きいちゃんのソロダンスから始まった怒涛のダンス曲連打から最後は『日常』。

まさに鬼気迫るパフォーマンスでした。

これ以降『日常』は北野日奈子の代名詞またライブのブチ上げ曲として定着し、2022年の46時間TV内での「バナナ&メンバーが選ぶ! ベストソング歌謡祭」でも見事1位を獲得します。

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この日に生まれた新たな絆もありました。

ここが本格復帰の場となった久保史緒里。
彼女はきいちゃんと同じように体調を崩していました。

3期生加入当初からエース格として活躍していた久保ちゃん。
順調ならきっと経験することがなかったであろうアンダラ。それが様々な要素が絡み合って参加することになります。

元々アンダラ東北シリーズを観て乃木坂入りを決意したという彼女。一度歩みを止めてしまった彼女のリスタートとしてこれ以上に相応しい場所はありませんでした。

名曲『私のために 誰かのために』で伊藤かりん、伊藤純奈と鳥肌もののハーモニーを奏で『君は僕と会わない方が良かったのかな』でピンクに染め上げられた花道を涙を流しながら歩いた久保ちゃん。

このステージを観ていた井上小百合は後にこう語りました。

 久保ちゃんがたまに、ひめたんに見えました

彼女が元気に活動している現在があるからこそ言える言葉ですが、久保ちゃんがアンダラを経験できたのはグループにとって本当に意味のあることでした。

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その後のきいちゃん


アンダラの大成功を手土産に23rdシングル『Sing Out!』で選抜復帰を果たしたきいちゃん。そこから3枚連続で選抜入りし、とうとう選抜に定着したかと思われました。

しかし26thシングル『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の乃木坂を見せるシングルで、きいちゃんは選抜から外れました。

私もこの采配には大いに疑問を感じ、記事にしました。

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続く27th『ごめんねFingers crossed』もアンダー。

しかしこの選抜発表後のブログで彼女はこんな言葉を残しています。

 グループにいる限り、表題曲を歌う選抜メンバーを目指すことがあるべき姿だと。
 ずっとそう思っていたけれど26thアンダー後にファンからかけられた多くの暖かい言葉で頑張ってきて生まれた思いは、本来なりたかった形態を無理にでも追いかけるのではなく違う形に進化をしてなりたかった自分を超える自分になることだと思いました。

さらに28th『君に叱られた』で選抜復帰した際のブログ。

 私がいまグループにいて強く思っていることは
 大好きな乃木坂がずっとずーっと幸せにスクスクと育つことで、大好きな先輩達が見てきた守ってきたモノを守り続けること繋いでいくことで、
 大切な後輩の皆んなが楽しく大事に活動をして、日に日に乃木坂への愛を積み重ねてくれたら
 私は十分に嬉しくて幸せだって思います!

かつて「同期は私が守る」と語っていたきいちゃん。
いつしか後輩たちについて「守りたい子たちができた」と言うようになります。

先輩が好き。同期も好き。
そして後輩も好き。

要するに乃木坂大好き。

この心境に達した彼女はついに「今どこにいたって やるべきことって同じだ」という『アンダー』の歌詞を自分自身のものにすることができたのです。


いい意味で、最初から最後まで普通の女の子っぽかった。

特技はオーディションでも披露したという「雑誌を引きちぎる」
後に番組内で見せた「フライパンを曲げる」と合わせ、彼女は怪力キャラとして認知されるようになります。

もうひとつ「がおー」も忘れちゃいけませんね。

「のぎ天」のアスレチックロケで、チャレンジする時に早出さんから「北野さん、がおーやっておきますか?」と問われ「やりません!」と笑顔で全力拒否していたのがなんか好きでした。

明るく無邪気で天真爛漫。
でも実は過去に学生時代の辛い経験がありました。

色々なことを乗り越えて、楽しい時、嬉しい時にそれを全開で表に出せる今のきいちゃんは本当に素晴らしい。

本当によくぞここまで体調を戻し、よくぞここまで活動を続けてくれた。
そんな気持ちでいっぱいです。


最後に卒業後の彼女について。

ずっと動物保護に関係する仕事をしたいと言ってきたきいちゃん。

その夢が叶えばいいなと素直に思いますし、そのために「芸能人」や「元乃木坂メンバー」という肩書が有効なのであれば芸能活動を続けるのも選択肢のひとつだと思います。

でも私の正直な気持ちを言えば、「何でもいい」。

きいちゃんがいつまでもあのくしゃくしゃの笑顔でいてくれさえすれば、もうそれだけで嬉しいです。

北野日奈子さん、9年間本当にお疲れさまでした。



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タオル補正
2022年1月31日、公式ブログで北野日奈子さんが卒業を発表しました。

彼女がそのブログでポジションについて書いていたのがとても印象に残りました。

ずっと自分のポジションに翻弄され、だからこそ最後までポジションにこだわっていた彼女。

その歩みを振り返ります。

乃木坂の歴史でたったふたり


ボーダーメン。

乃木坂において、選抜とアンダーのボーダーライン上にいるメンバーを指して使われる言葉です。

私もこのブログ内で便宜上使うことがありますが、本当はこの言葉が好きではありません。

どこか揶揄する響きがあること、そして自分の推しである井上小百合もそう呼ばれていたことがその理由です。(もちろん私が使う時は揶揄する気持ちは一切ありません)

実際には選抜固定メンなのに相対的に握手人気が低いためにそう呼ばれたり(さゆがそのタイプでした)、ずっとアンダーでも選抜発表のたびにファンの間で俎上に載せられるメンバーをこう呼んだりと色々なパターンがあります。

でも個人的には本当の意味でボーダーメンと呼べるのは、乃木坂の歴史でたったふたり。

中元日芽香と北野日奈子だけだと思っています。

初期から選抜硬直化が顕著だった乃木坂。それがさらにガッチガチになったのが11thシングルから12thシングルにかけての期間でした。

いわゆる「お試し選抜」が10thまでで全員完了。超選抜に対するアンチテーゼだったアンダーライブからもその立役者である伊藤万理華と齋藤飛鳥が11thで、井上小百合は12thで選抜復帰し以降は選抜固定メンに。同時期には生駒里奈と松井玲奈の交換留学も解除されました。

これをもって初期乃木坂=1期生と2期生の世界はほぼ完成を見ます。

私は以前に『羽根の記憶』の楽曲考察でこれとほぼ同じことを書いていました。

 こと「1期生」というくくりでは全員のビジュアルがひと通り洗練され完成の域に達したのはこの頃

 乃木坂を乃木坂たらしめたのは間違いなく1期生たちで
 そんな彼女たちの作り上げた世界の完成形こそ、この頃から翌2016年6月にまいまいが卒業するまでの1年にも満たない期間



当時の選抜メンバーを並べるとそれが良くわかります。

白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理
生駒里奈、生田絵梨花、星野みなみ
西野七瀬、桜井玲香、若月佑美
衛藤美彩、高山一実、秋元真夏
伊藤万理華、井上小百合
齋藤飛鳥、堀未央奈
深川麻衣

ここまでで既に17人。

当時の乃木坂は選抜が16~18人で構成されていたことを思えば、これは選抜に全く空きがないに等しい状態でした。

この絶望的ともいえる状況下で「どうすれば選抜に入れるんだろう」と悩み迷い苦しんだアンダーメンバーたち。

そしてこの17人に最も肉薄したのがひめたんときいちゃんでした。
ここでいったん話を戻し、彼女の経歴をざっと振り返りましょう。

2013年3月、2期生として乃木坂46に加入。5月に『16人のプリンシパル deux』と『乃木坂って、どこ?』でお披露目。

堀未央奈に続く2期生のNo.2として8thシングル『気づいたら片想い』で初選抜。
もちろん単独抜擢センターだった堀ちゃんからはとても離れた2番手ではありました。

そしてその8th期間中に彼女は打ちのめされます。

加速度的に洗練の度合いを高めていた当時の1期生たちの中で、メイクもダンスも素人感満載だった彼女は(堀ちゃんもですが)浮いていました。
正直、全然ついていけていなかった印象です。歌番組で表情を作れずにこわばった顔で踊る姿を強烈に憶えています。

当然のように続く9thで彼女は選抜から外れました。
2期生抜擢第3弾もなし。「自分がダメだったから続かなかったんだ」当時そう思ったと後にきいちゃんは語っています。

しかし彼女がアンダーに合流した9thシングルは伊藤万理華率いるアンダーライブ・ファーストシーズンの時期でした。
さらに伝説のアンダラ2ndの激動の日々もくぐり抜け、アンダラ黎明期の熱気を体感したきいちゃんは大きく成長します。

個人的には3rdシーズンを観に行った時に、以前はとにかく「踊れない」印象だった彼女が笑顔で楽しそうにダンスする姿に感心したことを憶えています。

その後「アンダーのキャプテン」永島聖羅の卒コンでは「らりんさん、卒業許しません!」と叫んだり、初期アンダラの妹キャラとしてファンからもメンバーからも愛されました。

そしてついに扉は開きます。
待望の選抜復帰は15th『裸足でSummer』。そこから17th『インフルエンサー』まで3作連続選抜入りを果たしました。

しかし18th『逃げ水』でアンダーへ。19thでは選抜復帰するも20thは活動休止。21stのアンダー曲『三角の空き地』から限定的に活動を再開。

そして22ndアンダー曲『日常』ではセンターを務め、これが彼女の代表作となります。

23rdで選抜復帰するとここから25thまで3作連続で選抜入り。
しかし26th、27thはまたアンダーに。28thは選抜入り。

彼女の歩みを列挙すると下のようになります。

 8th 選抜、9th アンダー、10th アンダー、11th アンダー、
 12th アンダー、13th アンダー、14th アンダー、
 15th 選抜、16th 選抜、17th 選抜、
 18th アンダー(Wセンター)、19th 選抜、20th 活動休止、
 21st アンダー、22nd アンダー(センター)、23rd 選抜、
 24th 選抜、25th 選抜、26th アンダー、27th アンダー、28th 選抜、
 29th 卒業

20枚のシングル表題曲に参加し、選抜9回、アンダー11回。そして活動休止1回。

彼女自身が述べた通り「選抜アンダーと繰り返し、自分のポジションと向き合ってきた9年間」でした。

15thシングル『裸足でSummer』。盟友ひめたんと共に選抜復帰。堀ちゃんを加えた3人での「サンダル脱ぎ捨て隊」はフレッシュな印象を残します。
しかしそこで選抜から外れたのは伊藤万理華と井上小百合というアンダラの立役者ふたりでした。
握手会の完売実績だけを見れば生駒里奈や星野みなみ、松村沙友理や高山一実も大差はなかった。それでも落とされたのは「さゆまり」のふたり。

この事実にアンダーメンバーのファンは突きつけられます。

選抜聖域メンの牙城は決して崩せない。
所詮はアンダー同士での潰し合いだ。

別にそのせいだとは言いませんが、中元日芽香は17thシングルで活動を休止します。
きいちゃんも18thシングル『逃げ水』で組まれた「新人抜擢センターをその時点の最強メンバー支える布陣」からは漏れます。

そのふたりがWセンターとして歌った18thシングルアンダー曲が『アンダー』。

当時、人はこんなにも無神経になれるのかと怒りを覚えました。秋元康に対し。運営に対し。

そこで歌われたのはアンダーメンバーはスポットライトが当たらなくてもステージを支える存在であると、そして「まだ咲いていない花」であるというあまりにも雑な慰めの言葉でした。

そもそも劇場を持たない乃木坂のアンダーに対し「ステージを支えてる」という言葉を用いること自体、彼女たちの状況に一切関心のないことが透けて見えます。

アンダーメンバーの心を破壊したと言われ、当時「魔曲」とまで呼ばれたこの曲。

これを最後に中元日芽香は卒業します。

そしてひめたんにとって最後のアンダラとなった九州シリーズ。

しかしWセンターのふたりが共に体調不良でどちらかが欠場という状態が続きます。必死にそれを支えた樋口日奈をはじめとするメンバーたち。
そしてふたりが揃った福岡公演最終日。

ついにWセンターで披露した『アンダー』。
イントロで抱き合うふたりのシルエット。
ラスサビでひめたんの頬をつたった涙。

あまりにも残酷で
悲しいほどに美しい
忘れられない名シーンです。


続きます。


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前の記事では星野みなみの乃木坂人生を振り返りました。

テロップの末尾はいつだってハート


「可愛いの天才」以外にもうひとつ、星野みなみを象徴する言葉があります。

 やりたくな~い

5thシングル『君の名は希望』ヒット祈願のスカイダイビングでのこと。
メンバーたちが話し合いで「誰が飛ぶか」をなすりつけあい笑、最後に投票で秋元真夏と星野みなみのふたりが同票で選出されます。(最終的に飛んだのは真夏さん)

そこで彼女が発したのが上の言葉。
アンチがみなみちゃんを叩く時にこれを良く引き合いに出していました。

その話し合いの中でも「頑張ってるのに頑張ってると見えないみたいで…これ以上は無理かな」なんてコメントもしていました。

他人に優しい、でも自分にも優しい。
それを「甘い」と表現する人もいるでしょう。

結局、自分を追い込めない人だったんだと思います。

でも個人的にはそれを否定しようとは思いません。
そういう人もいる。というか世の中そんな人ばっかりです。我々ファンは20歳そこそこのアイドルに多くを求めすぎているのです笑

グループの年少組でデビュー曲からフロントに立って、呑み込みが早く何でもこなせる子に「もっと頑張れ」というのは無理ですよ。
しかも「努力する天才」生田絵梨花なんていう怪物がすぐそばにいた。

 だってもう自分としては頑張ってるし。生ちゃんみたいにはなれないし。

そう考えてしまうのがむしろ当然ではないでしょうか。
ましてフロントに立つことによりアンチに晒された彼女に「いいポジションを与えられているんだからそれに感謝しその場所にふさわしくあるよう頑張れ」なんて理屈が通じるはずもありません。

卒業セレモニーで語ったように「前に行きたいなっていう気持ちはなかった」彼女。

 センターを目指すのでも
 ひとつでも序列を上げるのでも
 バラエティキャラに徹するのでもなく
 ただ可愛くそこに在る

それはある意味アイドルとして究極の姿。いやむしろこれが本来の姿というべきか。

いずれにせよグループの中に「こういう生き方もある」という選択肢を与えるのはいい事だと思います。

そして「ガツガツしない」という乃木坂の空気を作ったひとりであることは間違いありません。

育ちの良さのようなものを感じさせるメンバーでもありました。

いつだったか思い出せないのですが『乃木坂工事中』の早押しクイズで「これ(早押しボタン)に手を置いていいんですか?」と聞いたのを凄く憶えています。


苛立ちと悲しみのようなもの


運営は明らかに初期から齋藤飛鳥とのシンメ売りを意識していましたが、結局それは成功しませんでした。

エリートのみなみちゃんとたたき上げの飛鳥という対比。
その方向性は正しかったと今でも思います。

でも星野みなみは(そして堀未央奈も)、齋藤飛鳥に並び立つことはできなかった。

IF、という意味ではもしみなみちゃんが9thもアンダーだったら。

『生まれたままで』に続き『ここにいる理由』でも伊藤万理華の左右があしゅみなだったら。
アンダラシーズンゼロだけでなく、ファーストシーズンまで立ち会っていいたら。

もしかしたら、我々が見てきたのとは違う星野みなみが、あしゅみなの関係性があったかもしれません。

ここから下は私の勝手な思い込みです。気を悪くされる方がいたら申し訳ありません。

たしか2021年バスラの1期生ライブの時だと記憶していますが、齋藤飛鳥は星野みなみについて「なんでもこなす天才」と語っていました。

私が飛鳥のこの言葉から感じたのはみなみちゃんへのもどかしさ、物足りなさ。
もちろんもうとっくに乗り越えた過去のものではあるけれど、苛立ちと悲しみに近いもの。

自分より大きなポテンシャルを持ち「かなわない」とさえ思っている相手が全力を振り絞らずに自分より下の序列にいる。

 本当は切磋琢磨してお互いに向上し、グループの未来について熱く語り合いたかった。

 みんながそれを期待していたことを
 ホントはあなたもわかってたでしょ?

 自然体でもあれだけできる彼女が、もしグループのために死ぬ気で頑張ってくれていたら。
 そうしたらグループももっと大きくなるし自分の負担も軽くなるしお姉さんたちも安心して卒業できるのに。

そんなエースの孤独
白石西野の後という重い重い荷を負わされた飛鳥の心情が含まれた言葉に感じられました。

それを埋めたのは結局3期生、とりわけ『映像研には手を出すな!』で共演したふたり。
グループ愛の梅澤美波と、自分を追い込むことにかけては乃木坂屈指の山下美月だったように思います。

星野みなみ卒業の記事のはずがすっかり齋藤飛鳥の話になってしまいましたね笑


秋元真夏、堀未央奈といったサプライズ抜擢メンバー、ストレートに言えば「招かれざる者」とされてしまったメンバーに真っ先に手を差し伸べたのは彼女でした。

2018年の46時間TV、メンバーがちぎり絵アートを作成するコーナーにフラッと現れた当時長期休業中の北野日奈子。そんな彼女を優しく迎えたのも相楽伊織とみなみちゃんでした。

何人ものメンバーが「その優しさに救われた」と語っています。

自分に優しい星野みなみは、ちゃんと他人にも優しかった。

それも、とびきり。


彼女の卒業が交際報道により引き金を引かれる形になったのは本当に残念です。

晩節を汚した。
それは事実だと思います。

ただ、彼女がしてしまったことは消えないけれど、彼女のこれまでの貢献も消えはしない。
それもまた事実です。

なんとか衛藤美彩ぐらいに逃げ切って卒業させてあげることはできなかったんですかね。まあ個人的には正直みさ先輩は逃げきれてないと思いますけれど笑

卒業して芸能界を引退する彼女。
過去のインタビューでは目標も卒業後のビジョンも「ない」と答えていました。

明言しなかったけどたぶん「お嫁さん」だったんでしょうね。

願わくば、どうか幸せになってほしいです。


星野みなみさん、10年半本当にお疲れさまでした。


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2021年12月3日、公式ブログで星野みなみさんが卒業を発表しました。

恵まれたスタートゆえの苦戦


「可愛いの天才」と称されたみなみちゃん。
まずは彼女の乃木坂人生を振り返ります。

デビューから28枚のシングルに参加し、うち26枚が選抜入り。

デビュー作では生駒里奈、生田絵梨花と共にフロントを務め「生生星」と呼ばれました。
2nd『おいでシャンプー』では3列目に下がったものの、これは当時の運営によるAKB的な演出(=残酷ショー)の駒として使われた印象。実際に生ちゃんもこの時同じく3列目でしたし。

3rd『走れ!Bicycle』では再び生生星フロントに戻り、それは5th『君の名は希望』まで続きます。

しかし個人としての人気は初期から御三家をはじめとするお姉さんメンバーたちに集中していました。

みなみちゃんも当時の個別握手会はフロントメンバーとしてはかなり厳しい完売状況。もちろん当時中学生だった彼女に握手会は相当な負荷だったでしょうし良対応を望むのは酷というものです。

ただ実際問題デビューから3年ぐらいはかなり握手人気が低く、個別の部数を少なめに設定していても完売数が上がらずアンダーメンバーの何人かより下という状況でした。
そのため「ゴリ押し」「聖域」と呼ばれアンダーメンバーのファンから猛烈に叩かれました。(センター固定でさらに多くのアンチに晒された生駒里奈ほどではありませんが)

みなみちゃん自身は当時をこう振り返っています。
「生駒ちゃんと生ちゃんという凄いふたりに囲まれて、自分のどこが評価されてそこにいるのかが良くわからなかった」。

なぜそこにいるのかがわからないのに「そこにいる」ために叩かれる、というのはきっとまだ幼かった彼女にとって不条理に思えたことでしょうしショックだったに違いありません。

話を戻します。

生生星路線がセールス的にやや頭打ちとなり、運営は路線変更を余儀なくされました。
6thからはお姉さん組主体に舵を切りつつセンターは試行錯誤を続けるという段階に入ります。

その『ガールズルール』では御三家フロント、そこから堀未央奈抜擢センター、西野七瀬初センターと入れ替えが激しかった時期。そして「思い出選抜」枠が明確になったのもこの頃のことでした。

みなみちゃんはその6thで3列目に落ち、7thと8thでは選抜入りを逃します。

7thのアンダー曲『初恋の人を今でも』ではセンター。結果的にこれが彼女の代表作のひとつとなります。
同じく8th『生まれたままで』はセンター横。この期間にアンダーライブの立ち上げも経験し「アンダーで武道館に立とう!」という発言もありました。

ただ、これは運営が彼女の発奮と人間的成長を促しつつアンチの批判をかわすことを狙ったあくまで時限的なアンダーであることは明らかでした。

8thの個握でもまったく完売していなかったのに9th『夏のFree&Easy』で選抜に復帰したことからそれが容易に想像されます。

そして9th以降は2列目と3列目を行ったり来たり。2列目1回に対し3列目2回という感じでした。

それでも11thあたりからようやく握手会の部数も完売速度も安定し、高山一実や伊藤万理華とほぼ同じくらい。その後は新内眞衣と同じくらい=選抜ボーダーラインのちょうど内側に落ち着きます。
24th『夜明けまで強がらなくてもいい』からは握手免除となりました。


「カワイイの具現化と思っとる!」


9th以降のポジションはほぼ握手人気通りだったように思います。

最終的にはフロント5回(生生星時代+『しあわせの保護色』)、2列目7回、3列目14回そしてアンダー2回。

立ち上げ時に弱冠14歳でフロントに抜擢した運営の期待値からすれば、福神にも定着できなかったというのは想定外だったのではないでしょうか。

それでもライト層からの人気はなかなか高かったという印象です。

既に書いたように最も目に見える人気指標である握手会の完売状況=コアなファンからの人気はいまひとつという感じでしたが、2018年4月発売の写真集『いたずら』の推定売上部数は優秀でした。

3期生の向井葉月はみなみちゃん推しを公言していましたし、恐らく女性人気が高かったのではないでしょうか。
個人的には欅坂(当時)2期生の控室隠し撮り企画で田村保乃と関有美子が「さっき星野みなみさんと会ってん!」「カワイイの具現化と思っとる!」と方言バリバリで盛り上がっていたのが非常に印象深いです。

タレント性の高い人だったと思います。

声が可愛い。仕草が可愛い。結局何やっても可愛い。

そんな人、なかなかいません。
乃木坂の歴代メンバーでも他にちょっと思い当たらない。敢えて挙げるならタイプは違いますが大園桃子でしょうか。

特別な何かを持っていたからこそ、乃木坂メンバーで初めて単独でのCM出演(ACジャパン『キレイな姉』)を果たした。

そのCMもそうですし、ある意味で彼女の最高傑作である5th個人PV「私の中のモンスター」(伝説の『お願いマイハート』のやつです)を観ても彼女は曖昧な表情が上手い。

卒業後は芸能界を引退する彼女ですが、個人的には演技の道に進んでも面白かったんじゃないかと思います。
あのビジュアルと声ゆえにできる役が限られそうなのが難点ですが笑、『賭ケグルイ』的な題材でサイコな役なんて似合いそうです。


続きます。

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前の記事では新内眞衣が選抜に定着した要因のひとつはその親しみやすいキャラクターと絶妙に「ちょうどいい」立ち位置ではないかと書きました。

ここではもうひとつの彼女の強みについて書きたいと思います。

乃木坂46に就職します


選抜に定着するまでの道のりは険しいものでした。

同期の中で堀未央奈が7thシングル『バレッタ』でセンターに抜擢。続く8th『気づいたら片想い』で北野日奈子も選抜入り。しかし9th『夏のFree&Easy』では2期生から新たに選抜されるメンバーはいませんでした。

この時点できっと彼女は気づいたはずです。

「ヤバい」と。

そこから1年、アンダーライブにくらいつきラジオパーソナリティとしてデビューし、ようやく初選抜。ここまでに加入から2年ちょっとが経過していました。しかし次のシングルは再びアンダー。

そこからさらに1年4ヶ月。
ANNのパーソナリティになりグループ最年長になり(そして甘んじてBBAイジリを受け)村内舞台にも出演し続け、本当に地道にファンを増やした彼女は2度目の選抜入りを果たすのです。

この時、彼女は既に25歳を目前にしていました。

「不遇」と言われた2期生の中では早くから安定した地位を確立していたように思われるまいちゅんですが、まぎれもなく彼女もゆっくりと咲く花でした。

このような歩みの果てに手にしたまいちゅんのもうひとつの、そして最大の強みは「信頼感」

冠番組で振られたら、とりあえず必ず何かしら喋ってその場をつないでバナナマンに突っ込まれたらぶりっ子やドヤ顔や負け顔をしてくれる。

バナナマンのふたりも番組スタッフも、そしてもちろん運営も。
周りの大人たちから見れば「信頼に足る人」だったのだと思います。
いつでもどこでも、その時点でのベストを尽くしてくれそうというか。

だからこそ選抜に置き続け、村内舞台にも起用し続けた。

やっぱり彼女は「乃木坂46に就職した」という意識が他のメンバーとは比べ物にならないぐらい強かったのではないでしょうか。
「アイドルという仕事を長くやるつもりはなかった」という本人の発言もあるのですが、ここでも「アイドルという仕事」という表現ですしね。

「アイドルになった」「芸能人になった」ではなく、「就職した」。

だからこそどんなアイドルになりたいとか芸能界でどういう位置に行きたいとかの憧れは、憧れとしていったん置いておくことができた。
現実的に今自分はこの場所で何をすれば食っていけるのか、乃木坂という会社の中で自分がどのように貢献していくかに思いを向けることができた。

加入当初にまず心がけたのは1期生の先輩たちに積極的に話しかけることだったといいます。
本人によれば「本当は社交的なタイプではない」らしいのですが、それは彼女のコミュニケーション力を強めることにもなりました。

話しかけやすい。そして話しかけてくれる。
先輩後輩問わず、彼女について多くのメンバーがそう証言しています。

「2推しの女」というキャッチコピーなんてのもありました。
これ一見自虐的ですけれど、美女軍団乃木坂46で2番目に来るならそれはとんでもなくお強いじゃないか!御三家のうち少なくともふたりには勝ってるってことじゃないか!と当時は思っていました笑

これも今にして思えば「自分が一推しでなくてもいい」って言ってるんです。

「自分だけを見てほしい」が常套句のアイドル界においてこれは斬新。

2期生という立場、そして1学年下には最強世代の92年組という状況を踏まえてのこの「わきまえてる感」のある発言が実に彼女らしい。

彼女は「鉄人」でもありました。

バスラの当日に27時から28時30分までのラジオ生放送を行なったこともあります。

そして個別握手会では一度も振替を出さなかった=当日欠席をしませんでした。
この背後には初期に推してくれたファンが急に握手に来なくなり寂しく思っていたら実はお亡くなりになっていた、という辛い経験を通して生まれた決意があったのですが、そのことが初めて語られたのは卒業を目前に控えたラジオでのことでした。

 遅く入ったから人の3倍頑張らなきゃだめだと思った

自身のこの言葉を実践した9年間でした。

だがそこがチャーミング


個人的にまいちゅんの名場面として思い出深いのが2018年3月の『乃木坂工事中』内での「7年目の目標」。

彼女が掲げたのは「高い靴を買いたい」でした。
設楽さんに即「じゃあ買いに行ってください、どうもありがとうございました」とバッサリいかれTVの前の誰もが頷くという抜群のスタート笑

当時26歳。選抜常連の座は確保していました。
それでも持っている一番高い靴が1万2千円。「でも元値は3万円で何とびっくり60%オフなんです!」と自慢するまいちゅん。
予算を聞かれて「めっちゃがんばって…じゅう(10万円)」と絞り出すように答えます。

バイヤーが並べた靴を何度も試着し、無責任に「クリスチャン・ルブタン(25万円)」を勧めてくる能條愛未をはじめとするメンバーたちに翻弄されながら、彼女の下した決断は3万円と5万4千円の2足買い。

倹約家で現実的で、一歩踏み出したいけど半歩踏み出したところで胸をなでおろす。

やっぱりどこかちょっとダサい。でもそこがチャーミング。

そんなまいちゅんの魅力が詰まっていますよね。


最後に彼女の今後について。

人当たりが良くて喋れる美人。
となるとやっぱりタレントかなあ。

でも白石西野松村と既にその枠がいる中でどう棲み分けをしていくのか。
そこがこの先の課題でしょうか。

彼女がどんな道を選ぶとしても、これまでのように自分の立つべき位置を見極めて周囲の人々から信頼を勝ち得ていくことでしょう。


新内眞衣さん、9年間お疲れさまでした。



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