ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:乃木坂46 > メンバー考察

タオル補正
2026年2月16日、公式ブログで佐藤璃果さんが卒業を発表しました。

「新4期」配属発表からちょうど6年という節目の日でした。

坂道研修生一番人気(たぶん)


彼女の乃木坂人生、その序盤は以前に書いた松尾美佑と基本同じです。

2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
その後坂道研修生としての活動を経て2020年2月16日に「新4期生」として乃木坂への配属が発表されました。

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第一印象は素材型美少女
乃木坂初の岩手県出身ということもその印象を強めていたように思います。

そしてナゴヤドームでの8thバスラ最終日でお披露目となるもその直後からコロナ禍。
初めてステージでパフォーマンスしたのは同年10月28日の白石麻衣卒コンでこれは無観客。初の有観客ライブを経験するのは加入から実に1年5ヶ月後のことでした。

加入直後にコロナですから握手会の経験もなく、最初からオンラインミーグリ。
それすらも初回が加入からほぼ1年後でした。

「同期」である4期生たちは1年半先に歩き出している。
コロナ禍で活動がままならない。
ようやく初めてオンラインミーグリでファンと接したその1年後には「あの」5期生たちが加入してきたわけです。

改めて、なんと厳しい条件であったことか

少し遡り、2019年10月に発売されたBRODY誌2019年12月号。
坂道研修生特集号の表紙でセンターの位置にいたのは彼女でしたから、当時一番人気だったのでしょう。

初めて参加したミーグリは26th。すなわち新4期だけでなくグループとして初めてのオンラインミーグリでした。

そこで彼女は11部を完売してみせます。
これは新4期の中でトップ(彼女以外の4人は全員「ゼロ」)というだけでなく、握手時代はフル完売していた多くの先輩メンバーすら凌ぐ数字でした。

その後も27th10部、28th10部、29th12部と堅実に二桁完売を続けましたが、人気の裾野が広がらなかったように見えました。

その間にオンライン化に反発して買い控えていた先輩メンバーのファンが戻ったり、柴田柚菜や金川紗耶、そして弓木奈於が完売数を伸ばしていきます。

つまり相対的に璃果ちゃんのミーグリ人気は下がっていきました。

そもそも27thでは早川聖来、28thでは掛橋沙耶香そして29thでは柴田柚菜が初選抜と「選抜待ち行列」はかなり詰まっている状態でしたから、この期間の彼女の選抜入りはほぼノーチャンス。

そうこうしているうちに5期生が加入してくるのです。

続く30thシングル。
5期生本格合流前に悲願の選抜を、とファンが奮起したのでしょうか。
部数こそスケジュールの都合で20部でしたが、自身初のフル完売を達成。

それでも31stでの選抜入りは叶わず、その時の悔しさを露わにしたブログは物議を醸しました。(私は肯定派です)

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その31stシングルのミーグリで初の30部フル完売を達成し、続く32nd『人は夢を二度見る』でついに初選抜を勝ち取ります。

しかしその32ndシングルは5期生から大量5人が選抜入り。正直その陰に隠れた印象は否めませんでした。

それ以降はミーグリでフル完売することはなく、10部ちょいから5部くらいの間で推移。

人気が極端に二分化するオンラインミーグリにおいてアンダーメンバーの多くが経験した完売「ゼロ」や「1」がなかったこと、そして卒業発表後の41stシングルでは15部を2次完売したことを考えれば最後まで底堅い人気を保ったと言うべきでしょう。

しかし「銀河系軍団」5期生たちの間に割って入るほどの勢いを取り戻すことはありませんでした。

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「ねえ聞いてくださいよ~」


選抜1回、アンダー13回。
アンダー曲ではフロントが3回ありますが卒業発表後の41stを除けばアンダー合流から2枚目と4枚目(29th『届かなくたって…』と31st『悪い成分』)。

アンダーセンターにも期別曲センターにも立つことなく、ユニット曲も2001年組『価値あるもの』だけ。

正直言って代表作と呼べるものはありませんでした
個人的には林瑠奈とともにセンター筒井あやめの両脇を務めた『ジャンピングジョーカーフラッシュ』をそう呼んでいい気もしますが、やっぱりあれはあやめんの曲ですよね。

結局は色々タイミングがかみ合わなかった

最初のミーグリで先輩たちの一部をも凌ぐ人気だったのですから、彼女のビジュアルが乃木坂ファンの多くに訴求力があったのは加入直後だったのでしょう。

しかし素材型という同タイプには既に先を行く同期=「旧4期」に「透明感モンスター」遠藤さくらと「岡山の奇跡」掛橋沙耶香がいました。
しかも前者が自然体、後者がクセ者という住み分けまでされていた。

まして加入時点ではまだ白石麻衣さえ在籍中。
運営はコロナ禍での活動フォーマットを立て直し、1期生2期生を送り出し、そこに空いた選抜の穴をどう埋めるかで手一杯だったことでしょう。

人気に火がつく可能性があった最初期に、例えば飛び級で選抜入りさせたりアンダーセンターを任せてみたりして彼女を殊更にプッシュする余地はなかったように思います。

『ノギザカスキッツ』や『乃木坂スター誕生!』という4期生冠番組でも個人的にはあまり印象に残るシーンがありませんでした。

結果として、最初に一定数のファンは掴んだものの人気の裾野を広げていくのは難しかったのではないでしょうか。

いつからか置かれたポジションで活動を楽しむ方向にシフトしたように感じていました。そしてそうなってからの方が生き生きしていると。

『乃木坂工事中』でエピソードを「ねえ聞いてくださいよ~」と話し始めたり、最近では「おもろい姉さん」感が目立ってきていましたね。

「ずっとアイドルに憧れて生きてきた」という璃果ちゃん。

その言葉通り、アンダーライブで『風船は生きている』や『自分じゃない感じ』といったポップな曲を楽しそうにパフォーマンスする姿が印象に残っていますし彼女の真骨頂だったと思います。

彼女もまた、卒業発表のブログで素敵な言葉を残しています。

 乃木坂の曲を聴くと、昔は憧れの先輩方の姿が浮かんでいたのに
 今は振り付けやステージの景色が思い浮かびます
 それがとても幸せです


最後に彼女のこれからについて。

明言してはいませんが芸能界に残るニュアンス。

彼女がこれまで繰り返し語ってきた地元愛を考えると、岩手のローカルタレントとして活躍しながら時々東京で演技仕事というのが最もありそうですね。

「いつの間にか言われるようになった」人懐っこさで、次の憧れに進んでいかれることでしょう。

佐藤璃果さん、6年間お疲れさまでした。





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タオル補正
2025年10月23日、公式ブログで松尾美佑さんが卒業と芸能界引退を発表しました。

いわゆる「新4期」で最初の卒業者です。

爆速


2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
乃木坂4期生として配属される予定でしたが学業優先のため辞退。

その後坂道研修生としての活動を経て2020年2月16日に「新4期生」として乃木坂への配属が発表されました。

ナゴヤドームでの8thバスラ最終日のステージ上でお披露目。

しかしその直後からコロナ禍となり、グループの活動は完全に停止します。

初めてステージでパフォーマンスしたのは同年10月28日の白石麻衣卒コン。この時は無観客ライブでした。
初めて有観客ライブを経験するのは翌2021年7月の真夏の全国ツアー初日。実に加入から1年5ヶ月もの時が経過していました。

加入直後にコロナですから握手会の経験もなく、最初からオンラインミーグリ(それもファンもメンバーも運営も手探りだった「初回の」ミーグリです)。
それすらも初回が加入からほぼ1年後でしたから、「自分のファンを増やす」という意味では新4期生がいかに厳しい条件でのスタートだったかお分かりいただけるかと思います。

それでも少しずつ完売数を増やし、31stシングル『ここにはないもの』では初めて2桁部数を完売。

続く32ndシングル『人は夢を二度見る』で初選抜を勝ち取ります。
33rdでは選抜落ちしたものの、ここで彼女の乃木坂人生におけるひとつのハイライトが訪れます。

アンダー曲『踏んでしまった』のセンター。

BPM=200という爆速曲。一般的なポップスは120から130ぐらいなので1.5倍以上の速さです。
これは長い手足と高い身体能力そしてダイナミックかつ繊細なダンスという彼女のストロングポイントを存分に引き出す、まさに「松尾さんのための曲」でした。
問答無用の彼女の代表作、そして後にはアンダラの鉄板ナンバーへと成長します。

そして座長として臨んだのはアンダラ史上最大級となる横浜アリーナ3DAYS。

千秋楽の座長挨拶で彼女はこんな言葉を残しました。

 こんなに素敵な景色が見れたことが私の人生の誇りです
 天国に行っても自慢したいと思います

これもアンダラ史に残る名シーンです。

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雪解け


13枚のシングルに参加し選抜1回、アンダー12回。
アンダーでのポジションはフロント5回(うちセンター1回)、2列目4回、3列目3回。
35thアンダラで「アンダーライブキャプテン」にも任命されました。

ずっと運営の期待は高かったように見えました。

それもわかる気がするんです。

抜群のスタイル、色白、そして透明感
彼女は実に「乃木坂的」な要素を多く持っていましたから。

ただキャリアを重ねるうちに高身長とアスレチック能力の高さが前面に出てきて、結果的に儚さが薄まったように私には見えました。

『乃木坂工事中』のバブル相撲で松尾さんに一撃で吹っ飛ばされた林瑠奈が「(清宮)レイちゃん!松尾ヤバいよマジで!」と叫んだのも懐かしいですね。

サバサバした言動やガードが堅いエピソードによりいつしか「鉄の女」「中ボス感(ラスボスは無論、梅澤美波)というイメージがついたのも、ミーグリ人気という面では不利に働いたように思います。

実際には人見知りで照れ屋さんだったことは多くのメンバーの証言により明らかになっています。

そんな彼女の雰囲気が柔らかくなったと感じたのは2024年半ばぐらいからでしょうか。

『乃木坂工事中』の「楓さん正そう軍団」で中西アルノの首根っこを押さえて正したり。
同じく「因縁相撲」で一ノ瀬美空を「やれるもんならやってみろ!」と挑発したあげく負けたり。
どことなく「鉄の女なのに愛されキャラ」という風情が漂い出します。

そして2025年神宮記念ソング『真夏日よ』のコール動画。


間奏ラストに「まつおさん」というコールとともに登場する彼女は中ボスではなく大ボス感たっぷり。

実際に神宮で披露した際に一際大きなコールが上がったことからも、そんな彼女のキャラクターがファンの間にも浸透していることが窺えました。

大学卒業の年であり、ここをひとつの区切りとする可能性はもちろんわかっていました。
それでも自然体で楽しそうに活動する彼女の姿を観ていたら、なんかこれからな気がしていたんですけれど。

 今かな!

こんな清々しい言葉を残して彼女は私たちの前から去っていきました。

卒業発表のブログは本当に素敵な文章で、松尾さんが「言葉を持っている人」だったんだと最後になって気づかされました。

1月31日にクローズされるので、もしまだの方がおられましたらその前に一読されることをお勧めします。

 


最後に彼女のこれからについて。

芸能界を引退する松尾さん。

彼女自身が最後のブログで

 もしどこかで私を見かけたら、
 そっと通り過ぎてもらえると有難いです。

こう語っているのですから。

この先にただ幸あらんことを願います。

松尾美佑さん、6年間お疲れさまでした。





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2025年10月21日、公式ブログで矢久保美緒さんが卒業を発表しました。

小さな身体で背負ったもの


そのブログでみっちゃんは自身の乃木坂人生をこう振り返っています。

 加入が決まった時の喜びは一生忘れないと思います。

 今日まで夢をみているような時間でした。

この言葉からもわかる通り、大の乃木坂ファン。
それも「好きな言葉は松村沙友理」と言い切るほど筋金入りの。(好きなメンバーは、ではなく!)

2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
12月3日が初ステージとなる日本武道館でのお見立て会でした。

加入当初…というか加入前からのニックネームは「謝罪ちゃん」
オーディション時のSHOWROOM配信中に「すみません」「ごめんなさい」を連発していたのがその理由です。

きっと乃木坂への愛と先輩たちへのリスペクトが深すぎたのでしょう。
「自分がここにいていいのか」という不安からか初期はネガティブな発言が目立ち、その自虐的な言葉が時に卑屈にも映りました。

4期生冠番組『乃木坂どこへ』の初回でも自己紹介中に突然「つまらない人間ですみません…」と泣き出しさらば青春の光のおふたりを慌てさせていましたね。

彼女が自分を肯定できるようになるには長い時間がかかったように思います。

『ノギザカスキッツ』の「FUWANちゃん」で自身のネガティブ思考をキャラクターとして演じることができたのが加入から1年半ちょい。
その少し後ぐらいには『乃木坂工事中』『乃木坂スター誕生!』といった冠番組で遠藤さくらへの真っすぐな愛を語る姿(「さくちゃんさくちゃん」)も定着し、のびのびと活動する姿が見られるようになりました。

「さくちゃんの自己肯定感を高めているのは私です」と胸を張ったのが懐かしいです。

しかし握手・ミーグリ人気においてはかなり苦戦。

そして7年間の活動で選抜経験はゼロ。
13作連続アンダーであり、そこでも最後となった40thアンダー曲『純粋とは何か?』以外全て3列目。
ユニット曲も30th収録『夢を見る筋肉』1曲だけ。

ことポジションという面においては非常に苦しんだメンバーでした。

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失礼を承知でいえば、彼女はあまりにも「普通の子」でした。

物事をきちんと考えて、自己評価もちゃんとできる
そんな常識人が、ただただ乃木坂が大好きだという気持ちでその一員になった。

だからこそ苦しんだ。

それでもみっちゃんはひたむきに「乃木坂」であろうとしました。

乃木坂を乃木坂たらしめているものを、その美しさと伝統を守ろうとしたのです。

メイクを研究して磨いたビジュアル。
そして小さな身体をスッと伸ばして舞う「基本に忠実」と評されるダンス。私には譜割りとの同期をひとつひとつ丁寧に踊っているように見えます。

いつかのアンダラの幕間Vだったと思うんですが、みっちゃんはこんな発言をしています。

「背負わせてくださいって、(スタッフさんに)伝えました」

そのVの中で発言の詳細は説明されなかったのですが、私は「オリジナルの振り付けを守る」「アンダラというカルチャーを守る」という彼女の意思表示だと受け取りました。

実際、多くのメンバーが「みっちゃんに振り付けを教えてもらった」と発言しています。

「ライブを作る」ということに意識が向いていたのも印象的でした。

彼女の名シーンとして思い出されるのが2023年9月、33rdSG アンダーライブのドキュメンタリー。

この時はアンダーで横浜アリーナ3DAYSというチャレンジングな舞台設定。
座長は『踏んでしまった』松尾美佑でした。

千秋楽終演後に通路で涙にくれるみっちゃん

その理由を尋ねられ、こう答えました。

 私たちが頭を下げている間にイヤモニでスタッフさんが
 「僕たちにも素敵な景色を見せてくれてありがとう」って言ってくださって…

 もしかしたらいいライブができたのかな、って思って

そしてもうひとつ個人的に大好きなのが、同じくアンダラドキュメンタリーで毎回ある「終演後に林瑠奈と通路を引き上げながら総括する」シーン。

互いに「親友」と呼び合うふたりのバディ感
淡々と振り返り課題を整理しながらも、その背後に見える熱い想い。

オドオドして謝ってばかりだった少女は、いつしか「アンダラというカルチャー」を守り続ける頼もしい存在へと成長していました。


最後に彼女のこれからについて。

2021年から続いているラジオ『タイムちゃん』のアシスタントや『乃木坂的フラクタル』公式動画「矢久保の部屋」など「しゃべる」仕事が目立った彼女。

ブログでも「卒業後も発信活動を続けていく予定です」と書いていたので、ラジオパーソナリティなのかな?

どのような道に進んでも、常識人の誠実な頑張りで周囲の信頼を集めることでしょう。

これまでそうしてきたように。

矢久保美緒さん、7年間お疲れさまでした。





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前の記事の最後で久保史緒里は9年間で「先輩たちみたいな人」になったと書きました。

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当記事では私がそう考えている理由について。

先輩たちがしてくれたこと


目をかっぴらいて早口で饒舌で自信ありげ。
『乃木坂工事中』のプレゼン系企画ではだいたいトップバッターを務め、ゲーム企画も前に出てきてだいたい勝っちゃう「番組内仮想敵」。ついでにガヤも入れまくる。

もしかしたら彼女に対してこんな印象をお持ちの方がおられるかもしれません。

そんな方からするとにわかには信じがたいかもしれませんが、初期の久保ちゃんは「いつも弱々しく開いた大きなタレ目を潤ませている」人でした。
2022年11月公開の映画『左様なら今晩は』ではまだその残り香があるので、彼女の中にあの頃の久保ちゃんはまだちゃんといて演技としてならそれを出すことはできるのでしょう。

でも、いつの頃からか乃木坂の活動においてその姿を見せることはなくなりました。

それが明確になったのはやはり26thシングル『僕は僕を好きになる』以降でしょう。

アイコン白石麻衣の卒業。新センター山下美月。
いよいよ現実のものとして目前に迫ってきた「1期2期後の世界」

ここで彼女は覚悟を決めたのだと思います。

「先輩たちみたいな人」になりたかった。
どうすればそうなれるのかもわからぬまま、ただひたすら先輩たちの後を必死に追いかけてきた。

でも、きっとそれだけじゃだめなんだ。

この先もずっと乃木坂を存続させるために、自分は何をすべきなのか。

彼女が辿り着いた答えは「先輩たちがしてくれていたことをちゃんと思い出して、同じことを後輩たちにしてあげる」だったのでしょう。

後輩を愛で倒し誉め倒す
でも時にはちゃんと厳しいことも言う
どんなに忙しくてもしっかりと準備して背中で見せる
そして外仕事で結果を出す。

生駒里奈、生田絵梨花、桜井玲香、秋元真夏、高山一実、新内眞衣、北野日奈子…

様々な先輩が果たしていた役割を、久保ちゃんはひとりで(ひとり「だけ」で、ではありません)担ってきました。

最初に書いた「番組内仮想敵」も「ゲームになると大人げなく全力で叩き潰しに来る1期生」そのものですよね。

そして何より後輩たちへの優しいまなざし。

 あんた、偉いよ

中西アルノや賀喜遥香、田村真佑…この言葉に励まされ支えられたメンバーは枚挙にいとまがありません。

『乃木坂工事中』で一ノ瀬美空が「不安になった時は久保さんのところに行く」と語っていたのも印象的ですね。

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久保久保久保久保久保史緒里!


歌えて踊れて演技もできて専属モデルでラジオ(それもオールナイトニッポン!)もやった。
大河も朝ドラも出た。劇団新感線の舞台にも出た。

ナインティナインさん、サンドウィッチマンさん、古田新太さん…外仕事でビッグネームとの交流も結んだ。

そして、東北の星になった
初代の生駒里奈から始まったその系譜が、矢田萌華という新たな乃木坂のセンターにまでつながりました。

エースにはなれなかったけれど、
間違いなく久保史緒里にしか辿れない道を歩いた。

 久保ちゃん
 あんた、偉いよ

余談ですが個人的に彼女のベストアクトは舞台『夜は短し歩けよ乙女』の「黒髪の乙女」だと思っています。

無自覚に魅力を振りまきながら、決して誰のものにもならない。

いわゆる「弱者男性(この言葉大嫌い)の理想」であり、ファンタジーな存在である乙女を「まさにそこにいる」かのように完璧に演じていました


最後に、卒業後の彼女について。

ご本人が「実は地元に帰って楽天イーグルスの広報をやりたかった」なんて語っていましたが、それも見てみたかった。

アイドルとして築いた人脈と知名度が「芸能界とは別の夢」への強力な後押しになるというパターンを後輩やファンに見せてほしかったという気がします。

実際には俳優として今後も様々な役を演じてくれるでしょう。

願わくばずっとずっと先に、「くぼした」なんて言葉をみんな忘れた頃に

山下美月との共演が観たいですね。

久保史緒里さん、9年間本当にお疲れさまでした。


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「よだももくぼした(与田祐希、大園桃子、久保史緒里、山下美月)」もとうとう全員卒業です。

エースにはなれなかったけれど


これまで当ブログでは彼女の乃木坂人生について、3期4強「よだももくぼした」の物語として繰り返し取り上げてきました。

特に初めて表題センターに立った32rd『人は夢を二度見る』選抜発表の記事ではかなりじっくりとその歩みを振り返り「大河」だったと書いています。
まずはこちらの記事をご一読いただければ幸いです。

関連記事:



当記事ではそこと少し切り口を変えて彼女のポジションについて書きます。

小学生の頃から乃木坂ファンだった久保ちゃん。

2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに無事合格。
同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「折れちゃいそう」
いや、乃木坂メンバーの多くが折れちゃいそうではあるんですけど。
とにかく初期の久保ちゃんは細くて白くていつも瞳をウルウルさせていて幸薄そうでした。

『NOGIBINGO!8』でブリーフ姿のイジリー岡田さんに泣きじゃくりながら「なんで裸なんですか~」と抗議していたのが懐かしい。

タレント性が高くそれゆえに「乃木坂っぽくない」「AKB的」と言われていた(あくまでも当時の感覚とすれば、です)3期生の中にあって、最も「乃木坂感」を感じさせるメンバーでした。

初の3期生楽曲『三番目の風』ではフロント脇、『3人のプリンシパル』でも15戦11勝とトップの戦績と早くから頭角を現します。

18thシングル『逃げ水』の抜擢センターこそよだももに譲ったものの、同時期には雑誌『Seventeen』で3期生初の専属モデルに。

19thに収録された『不眠症』ではなんと選抜入りしていないのに表題曲の選抜メンバー+よだももを従えてのくぼしたWセンター。続く20th『シンクロニシティ』では初選抜初福神、さらによだももくぼしたのユニット曲『言霊砲』。

まさに順風満帆

しかし2018年6月、久保ちゃんは体調不良により活動を休止します。
初選抜初福神という「一番大切なタイミング」でした。

ここで休めたのは英断でした。
当時弱冠18歳の久保ちゃんが不安定な体調のまま選抜固定メンバーとして活動するのはきっと無理だったでしょう。

それでも彼女の復帰と時を同じくして4期生が加入。
早くも時代は移り変わろうとしていたのです。

コロナ禍、白石麻衣卒業。
大きな転換点となった26thシングル『僕は僕を好きになる』のセンターは自身初となる山下美月。久保ちゃんはその隣で初のフロントとなりますが、明らかに「支える側」。

そこから齋藤飛鳥卒業となる31stシングルまでフロントは飛鳥よだやまかきさくの5人でほぼ固定。久保ちゃんはその間ずっと2列目

悲願の初センターを掴んだのは32nd『人は夢を二度見る』。盟友美月とのWセンターでした。

その後35th『チャンスは平等』まで3作続けてフロントを保ちますが、36thから40thまではすべて2列目でした。

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20枚のシングルに参加しWセンター1回、それ以外のフロント4回。
2列目12回、3列目2回、そしてアンダー1回。

センター経験こそありますが、数字だけ見れば「2列目の人」です。
ポジションでいえば堀未央奈と秋元真夏の間ぐらいでしょうか。
最後まで「エース」やそれに次ぐ「エース格」(フロント固定でセンター候補ぐらいの意味で使っています)になることはありませんでした。

ストレートに言えば「アイドルとしての人気」ではよだやまに及ばなかった。
まあそのふたりは握手会場の並びも写真集売上でもグループ史上屈指ですけれど。

それでも乃木坂ファンの多くは彼女を「2列目の人」と呼ぶことに違和感を感じるのではないでしょうか。
なぜならそれだけの存在感を示し続け、グループに多くのものを残したからです。

そもそも久保ちゃんは「乃木坂のエース」になりたかったのでしょうか。
その夢を諦めてはいなかったように思います。32ndでWセンターに選ばれた時にもそれが窺えるコメントをしていましたし。

でも、彼女にはもっとなりたいものがありました。

「先輩たちみたいになりたい」
久保ちゃんはこの言葉を本当に何度も何度も口にしてきました。

そして、その夢はかなった。

大園桃子の卒業で終わった「よだももとくぼしたの物語」。(与田祐希卒コンという夢のようなエピローグがありましたが)
32ndシングルのWセンターで終わった「くぼしたの物語」。

「3期生のエース」から「乃木坂のエース」へと至る、大河と呼ぶにふさわしい物語でした。

そのふたつが終わってもなお続いた「久保史緒里の物語」。

それは「先輩たちみたいな人」になるまでの9年間の軌跡だったのです。

彼女はいかにしてそこに辿り着いたのか。次の記事ではそれを書きたいと思います。


続きます。



『2021年の乃木坂46 上』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数65,000文字、加筆部分だけでも8,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

当時感じた感想や見解をそのまま残すため本文は主に文体の修正にとどめ、「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加えました。



『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


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