ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

カテゴリ:腕時計 > GMT

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2022年版」の第4弾は30~50万円のゾーンです。
対象は2022年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

30~50万円部門




スピリット ズールータイム/ロンジン

Ref. L3.812.4.63.6
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSベルト。ケース径42mm

ロンジンのアビエーションウォッチである「スピリット」シリーズ。

「ズールータイム(Zulu Time)」とは、世界各地の標準時の基準となる「協定世界時(UTC)」の航空業界における呼び名だそうです。

要するに、GMTウォッチ。

回転ベゼルに全アラビアインデックスと基本デザインは実にスポーティなのに、全体から感じるのは「エレガント」
このあたり、さすがロンジンと思わせます。

その源は全体的な質感の高さ。
正直ブティックで実物見た時「うおっ!欲しい!」と思いました笑

セラミックベゼル。
アプライドインデックス。
そして基本サテンで一部ポリッシュのケースとブレス。

特にケースはかなりエッジが立っていて非常に質感が良いです。
しっかりとインデックスに届いた針も好感度高い。

 

パワーリザーブ約72時間のキャリバーL844.4はCOSC認定クロノメーター=折り紙つきの高精度。もちろんサファイヤクリスタル風防に10気圧防水とスペック面でも死角なし

サイズは厚さ13.9mm、横42.0mm、縦は公式データなし(ある販売店さんによれば49.5mm)。
ちょっと厚みが気になります。
縦も長そうですがロンジンはクラシカルなデザインが特徴なのでラグが長いのは個性かと。ただ細腕さんにはちとキツいですね。既に2023年に39mmモデルが発売されましたのでコンパクトな時計がお好みの方はそちらがおすすめです。

公式によればこちらのダイヤルカラーは「アンスラサイト」。日本語でいえば「スミクロ」でしょうか。

このアンスラサイトダイヤル、グリーンベゼル以外に「ブラックダイヤル、ブラックベゼル」「ブルーダイヤル、ブルーベゼル」のバリエーションがあります。

ブラックとブルーは定番で間違いないのですが、個人的にはこのアンスラサイトが圧倒的に好きですね。
エレガントなデザインにサファリなカラーリングというのがたまりません

それぞれメタルブレスとレザーベルトが設定されていますが、価格差が2万円弱なのであればブレスを買った方が良いと思います。(下はブレスの価格です)

定価:489,500円(税込、以下同じ)
実勢価格:489,500円~(楽天市場調べ、以下同じ)

記事作成時点では定価販売の正規店にしか在庫なし。

同モデルの色違いであれば並行新品で338,000円から、中古でも良ければ30万円を切るぐらいの値段で出ています。
実に素晴らしい時計だと思います。

だからこそ、値上げがなければなあ

発売時の397,100円から489,500円ですから、約23%の価格上昇。

「ベストバイ」を謳っておきながら価格に文句言うのもおかしな話ですし、そもそも発売後1年半以上も経ってから記事を書いている私が悪いんですけども。

この時計でアンダー40万というのは本当に評価できる。
約10万値上がりした現時点でも、ギリギリ「ベストバイ」と呼べる範疇に収まっていると判断して選出しました。
リリース当初の値段なら「これ(値上げする前に)正規新品買うのが正解じゃないか?」と思っていたのが、まあ正直「この値段なら並行品がこなれてくるの待ちだなあ」という気はしますが笑

もうひとつこの価格帯のベストバイ候補があったのですが、同じくロンジンの「190周年記念モデル」

凄く好みのデザインでユニークな彫り文字盤
こちらは発売時が313,500円→369,600円。約18%と値上げ幅もズールータイムより小さいので悩んだのですが、このデザインで横幅40mmというのが個人的には納得いかず。
実はこちらも2023年に38.5mmでスモールセコンドというマニア垂涎のモデルが出ています。
はっきり言って、「ズールータイム」と「190周年記念」をリリースした2022年時点でのロンジンはコスパ最強だったと思います。

!!!ところがこの記事を書いている最中にまた値上げ情報が…2024年1月16日にロンジンが値上げを行なうそうです。残念です!!!

(2024年1月31日追記)
!!!2週間様子を見ましたが、メーカー公式や各販売店の価格は据え置きですのでこちらのズールータイムは2024年1月16日値上げの対象外だったと思われます!!!

まあこの辺の愚痴はいずれ「腕時計趣味との向き合い方【2024年版】」という記事でガッツリ書く予定です。


続きます。



2019年の日本逆上陸以降「ボーイ」「ボーイスムースベゼル」「フィールド」「アビエーション」と徐々にバリエーションを拡大してきたセイコー5。

その2022年新作はなんと新開発のGMTムーブメント搭載モデル!

こりゃまた思いがけないものが出てきたなあ笑

セイコーマニア待望の!


まずGMTについてごく簡単に説明すると、24時間で1周する第2タイムゾーン用の時針(=GMT針)を備えた時計のこと。

元祖はロレックス「GMTマスター」ですね。
GMT針の指している時間を判別するためにベゼル上には24時間目盛りが刻まれ、さらに今が昼なのか夜なのかを感覚的に判断できるよう夜の時間帯と昼の時間帯で色を分けました。

こうして生まれたのが「ツートンベゼル」
GMTマスターの場合は夜(上半分)を「青」、昼を「赤」に色分けしました。これがかの有名な「ペプシ」ベゼルです。

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さて、今回発表されたセイコー5GMT。
ベースとなっているのはSBSA001をはじめとする「ボーイ」。

基本デザインはそのままにGMT針が追加され、ベゼルが24時間目盛りとなり、ブレスがジュビリー(5連)タイプになりました。

まあざっくり言えばそれだけです笑

 

細かな変更点も挙げると、以下の通り。

デイデイト表示がデイトのみになり、サイクロップスレンズがつきました。
チャプターリングに24時間目盛りが追加=第3タイムゾーンまで表示可能。
そして6時位置に「GMT」の標記。

サイズは厚さ13.6mm、横42.5mm、縦46.0mm。現行ボーイとの差は厚さが+0.2mmなだけ。

気になるお値段は52,800円(税込、以下同じ)。
こちらはボーイから+約2万円。新開発のムーブメント搭載とはいえ、若干割高感があるかなと個人的には思います。

しかし、この新作は発表直後からセイコーマニアに熱狂的と言ってもいいほど歓迎されました

ボーイで馴染みのある(そしてリローンチ時に廃止され多くのファンを悲しませた)ジュビリーブレスの復活。
ベゼルにハードレックスガラスを使用したことによるキラキラとした輝きとそれによる(ちょっぴり)高級感。

その人気の要因としてこれらの点を取り上げているレビューが多いようです。

でも個人的にはやっぱり「上下半々の」ツートンベゼルが決め手ではないかと。

ツートン自体はSBSA003(ペプシ)をはじめ、現行セイコー5やプロスペックスのダイバースキューバシリーズに至るまで数多く採用されています。しかしそれらはいずれも「12時位置から3時ないし4時=リューズ位置まで」で色分けされています。これはかつてのいわゆるSKXボーイにおいても同様でした。
これは非GMT機であるためでしょう。

元々がGMTマスターに端を発するGMT機のアイコニックな意匠であるということに配慮したセイコーが、非GMT機でのツートンは「12時からリューズ位置まで」というマイルールを固持してきた。

私はそう考えています。

そして今回GMT機能を搭載し、晴れて上下半々のツートンベゼル採用に至った
それは想像通りとっても格好良かった。

そういう意味でこのモデルはセイコーマニア待望の品なのです。

バリエーションは3種類。

SBSC001

ブラックとグレーのツートンベゼル。ブラックダイヤル。このモデルだけジュビリーブレスの表面が全てサテン(他の2モデルは中ゴマがポリッシュ)。



SBSC003

ブラックとブルーのツートンベゼル。ブルーダイヤル。



SSK005KC

ブラックとグレーのツートンベゼル。オレンジダイヤル。ベゼルの印字と時分針がゴールドでGMT針はブラック。ごく一部のショップだけの限定モデル。


価格とまとめ


上で書きましたが全モデル共通で定価52,800円。実勢価格は流通限定で値引きなし。ポイント還元率はまだばらつきがありますが、10倍とすれば実質価格は48,000円。
※楽天市場のポイント還元が税抜価格に対するものとなったため、当記事以降はそれを反映した実質価格を記載しています

結論としては、そりゃまあ魅力的な時計ですよね。

安心安全の国内正規セイコー5。ボーイとしては割高感があるがGMT機としてはかなり安価な部類の価格設定。オレンジ以外はビジカジ両方いける使い勝手の良いデザイン。

そしてしつこいですが、何と言っても待望の上下半々のツートンベゼル。
伝統のボーイデザインにそれが載っているだけでもう「買い」というマニアも多いのではないでしょうか。

不満点も現行ボーイと同じもの(200m防水じゃない、サイズがやや大きい)しかありません。

2022年7月8日に発売され、瞬く間に売り切れ。
記事作成時点では楽天市場で新品在庫のある店舗はありません。

予約注文を受け付けているneelさんでもブラックが11月下旬、ブルーは未定(予約不可)、オレンジが12月下旬の入荷予定となっていました。

今後のカラーバリエーションにも期待が膨らみます。

個人的にはチューダーの2022年新作、ブラックベイGMT S&G「ルートビア」に一目惚れしたので同じカラーリングで出してほしい笑
今回の3モデルの中で個人的に1本選ぶならSBSC001ですね。ブラックとグレーの控えめなコントラストの組み合わせが良いです。

一度腕に乗せてみたいけれど、当分先になりそうですね…

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」の第5弾は30~50万円のゾーンです。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

30~50万円部門


BR 03-93 GMT/ベル&ロス

Ref. BR0393-BL-ST/SCA 
自動巻き。100m防水。SSケース+レザーベルト(ファブリックストラップ付属)。ケース径42mm

ベル&ロス(以下「ベルロス」)は1992年にフランスで設立された腕時計ブランド。

デザイナーがジンの時計のファンであり、設立に際しアドバイスを受けるため創業者のヘルムート・ジンを訪ねました。その熱意が通じ「Bell&Ross by SINN」として製造をジンが行なう形でスタートします。当時は「まんまSinn103」のモデルなどもありました。

2002年にジンから独立。
そして2005年発表の「BR 01」がラルフ・ローレンの目に留まり、自社の広告ビジュアルで大々的に使用したことにより一気にブレイクします。

そんな経緯もあり、若干暴論ではありますがベルロスを一言で表現すると「ファッショナブルにしたジン」
ブランド哲学は「形は機能に従う」らしいのですが、どう考えてもそこからはみ出したモデルも多数出しています笑

航空計器をルーツにしているところは同じでも、無骨さを薄めてジンよりスマートなスタイルにしているという印象。

個人的にはジンのガチ感の方が好きですがベルロスも全然嫌いじゃない、というか結構好きです。

関連記事:


ただ出世作BR 01が3・6・9・12のビッグアラビアインデックスにスクエアケースというあまりにもアイコニックなデザインゆえに流行り物として消費されてしまった感があります。

結果的に私が時計沼にはまった2013年頃には既にやや勢いが落ちてきており、2010年代後半は正直「今さらベルロス?」的な風潮があったように思います。

しかし2019年に発表したBR 05はアイコンBR 01のエッセンスを残しつつも、ベゼル自体をスクエアにするとともにラグスポ調のブレスにするという斬新なデザイン。
ポップかつエレガントという絶妙さでベルロス復活を印象づけました。
当ブログの2019年版ベストバイ50~70万円部門でも「捨てがたい」としてBR05に触れています。(ベストバイはチューダーのブラックベイクロノでしたが)

関連記事:


そして2021年、満を持してのランクインです。

 

BR 03は同社のアイコンBR 01(※)のサイズダウン版。
※アイコンですが現在はスカルモデルを除きディスコン(恐らく46mmというサイズゆえ)

そのGMTモデルです。

こちらの何が優れているかというと、BR 03の弱点をすべて解消していること。

BR 03って正直、今は手を出しにくい時計なんですよ。
上で書いた通り流行り物として消費されてしまっているのがひとつ。
そしてもうひとつの理由が値段ほどの高級感がないこと。
正確には「一見」高級感がないことです。

理由はジン「103」(あるいはオメガ「スピマスプロ」)と一緒ですね。
視認性を最重視する文字盤デザイン=マットなダイヤルにプリントインデックス、そして大きくて平たい時分針という組み合わせは実に無骨で「のっぺり」。立体感など皆無。
パッと見、(BR 03の価格帯である)40万円超の時計とは思えません。

実際にはベルロスのケース仕上げはかなり良く、時計好きがちゃんと見れば値段なりの高級感はあるのですが。

翻ってこちらのBR 03-93 GMT。

アプライドインデックスとチャプターリングで立体感を演出。時分針も面があるものが採用されています。

そしてこのチャプターリングがこの時計のデザインの要になっています。

チャプターリングの分、インデックスが内側に寄っているので凝縮感がでていて良い。
さらにチャプターリングがホワイト(シルバー?)なので少ない色数なのにコントラストが効いている。

 

赤黒のいわゆる「コーク」ベゼルもシック。
表面と側面はサテン、斜面とビスがポリッシュで仕上げられたケースも良いですね。

ついにケースの仕上げと文字盤の質感のバランスが取れ、高級感を纏ったのです。

その他のスペックとしてはムーブメントがETAベースでパワーリザーブ42時間のBR-CAL.303。10気圧防水にサファイヤクリスタル風防。交換用のファブリックストラップも付属しています。

定価:495,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:376,970円~(楽天市場調べ、以下同じ)


定価をアンダー50万円に抑えたのも好感。
30万円台後半という実勢の最安値は魅力的ですね。

非常に存在感がある時計なのでやや人を選ぶかもしれませんが、間違いなく格好いい。
一度流行りものとして消費されたデザインを再構築してここまでスタイリッシュに仕上げるというのは凄い力量だと思います。

「今さらベルロス?」という人にこそ、手に取ってみてほしいですね。

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