ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:オリエントスター

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2020年版」の第2弾は5~10万円のゾーンです。
対象は2020年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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5~10万円部門


SZSB011/セイコー

自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径39.9mm

2020年、当サイト内でトップクラスのアクセス数だったのがこの「プアマンズGS」の記事でした。

 

詳細は上のリンク先記事をご覧いただければと思いますが、この時計の魅力はなんといっても「歴代プアマンズGS史上最もGSっぽいデザイン」。

ムーブメントがエントリー機の4R系とか風防がサファイヤクリスタルじゃないとか端々でコストダウンはしているのですが、ことデザインに関してはセイコーさんにありがちな「廉価モデルをわざとちょっとダサくする」がほとんど見受けられません。

ベストバイはシルバーダイヤル+メタルブレスのSZSB011にしました。口コミによれば光の当たり具合によってはシャンパンとかアイボリーのような色味とのこと。
極めてシンプルで落ち着いたデザインで汎用性が高いのが売り。他にも時計を持っている人ならオン専用時計としてブラックのレザーベルトに換装するのもありですね。

他にブラックダイヤルの012、ブルーダイヤルの013、ブラックダイヤルに針とインデックスがゴールドの014というバリエーションがあります。

定価:52,800円(税込、以下同じ)
実勢価格:31,680円(楽天市場調べ、以下同じ)

しかも今年に入って1万円以上値下げされ、コスパ抜群の1本になりました。
実勢価格としてはアンダー5万円のベストバイとほぼ変わらないという笑
ベストバイはこちらなのですが既に記事にしている時計ですのでアンダー5万円部門と同様に「次点」も発表します。

5~10万円部門・次点



オリエントスター スポーツコレクション ダイバー/オリエント

Ref.RK-AU0306L
自動巻き。200m防水。SSケース+SSベルト。替えシリコンラバーベルト付属。ケース径43.6mm

国産機械式時計の雄、オリエント。そのハイエンドラインである「オリエントスター」。
とはいえ価格帯は10万円前後に抑えられています。

こちらの「ダイバー」は2019年のグッドデザイン賞を受賞したモデルのカラーバリエーションになります。

最大の特徴は独特の丸みを帯びたそのデザイン。

Rがついて表面がこんもりとしたベゼル。楕円形で構成された時分針とインデックス。そこに細身のラグを合わせているのもいいですね。
オリエントスターのアイデンティティであるパワーリザーブ表示も健在。

ツールとしての高い視認性も保ちつつも全体としてスタイリッシュな印象です。

ISO準拠の200mダイバーズで風防はサファイヤクリスタル、パワーリザーブ50時間と基本スペックも充実。

ただ厚さ14 ㎜、横43.6 ㎜、縦51.1 ㎜というサイズ感は細腕さんにとってはかなりギリギリのラインですね。

定価:91,300円(税込、以下同じ)
実勢価格:54,303円~91,300円(楽天市場調べ、以下同じ)

こちらのモデルは基本2割引きの実勢73,040円のポイント10倍還元で実質65,000円強。ただ例によってオリエントはさらに引くショップがあるので、記事作成時点では家電量販店系で54,303円(ただしポイント還元率は1倍)からありました。

 

本当はこのオレンジとブルーのツートンベゼルにグレーダイヤルという組み合わせの0308Nが個人的にはどストライクです。ただこちらは「プレステージショップ限定(=流通限定)」で定価販売なのが残念なところ。ちなみにポイント還元は10倍で実質82,170円です。

その他のバリエーションとしてブラック(0309)・ブルー(0310)・グリーン(0307)のモデルが存在します。

人と違うダイバーズが欲しくて、セイコーダイバーのような「歴史的デザイン」に対するこだわりもなければかなりいい選択肢ではないでしょうか。


関連記事:
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ① アンダー5万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ③ 10~30万円&30~50万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ④ 50~70万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ⑤ 70~100万円部門【2020年版】

独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ(インデックス)【2019年版】



リーズナブルな価格でおなじみ国産機械式腕時計の雄、オリエント。

そのハイエンドラインであるオリエントスターのスポーツコレクションに新たなシリーズである「アヴァンギャルドスケルトン」が発表されました。

…ってもうなんかよくわからない笑
やっぱり、オリエントスターだけで4コレクション22シリーズもあるのは多すぎじゃないでしょうか。

一言でいえば、レーシングテイストに溢れる意欲作です。

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こだわりディテールの「和製カレラ」


 

最大の特徴はもちろんこのデザイン。

フルオープンのダイヤルに歯車を配したデザインにより表現された計器っぽいメカメカしさとホイールっぽさ。さらに一押しモデル(っぽい)RK-AV0A03Bの黒ベースに赤の差し色というカラーリングそしてパンチングレザーベルト。

これ完全にレーシングスタイル…っていうかタグ・ホイヤー「カレラ」を意識してますよね。

カレラの先代旗艦ムーブメントであるホイヤー01キャリバー搭載モデル、そのバーインデックスモデルにかなりイメージが近いです。ちなみに現在は後継の「ホイヤー02」がフラッグシップでそれは横目クロノなので、デザインソース的には類似しているモデルもあるのですが若干印象が違います。
まあこちらのオリエントスターはそもそもクロノグラフじゃありません。
縦目に見えますが12時位置にあるのはパワーリザーブゲージですし6時位置がスモセコ、9時位置は普通にテンプを見せるための「窓」ですね。

でもこれ実物の質感が良ければかなりいいんじゃないでしょうか。

文字盤下層部のハニカムパターン(六角模様)とかケースとベゼルの間に挟み込まれたアルミパーツなど細かな部分にも凝っていて、こだわりを感じさせます。

ベゼルの切込みとかラグの段差加工あたり若干デザインが「若い」感がありますが、レーシングウォッチですからこのぐらい振り切っている方が良いと思います。

 

サイズは厚さ 13.7 ㎜、横 43.2 ㎜、縦 49.2 ㎜とスポーツウォッチらしくやや大きめ。
パワーリザーブ50時間、10気圧防水、サファイヤクリスタル風防に裏蓋スケルトン(この裏蓋スケルトン部分が小さめなのもまたカレラっぽい笑)。レザーベルトモデルはDバックルです。

個性強めのバリエーション


バリエーションは5種類。個性強めのカラーリングもラインナップされています。

RK-AV0A01B

メタルブレス。ケースとブレスはシルバーでベゼルとリューズがブラック。ダイヤルはブラック×シルバー。スモセコの秒針は赤。



RK-AV0A02S

メタルブレス。オールシルバーの潔さ。ベゼル上のビスがブラック。



RK-AV0A03B

レザーベルト。ベースはオールブラックでダイヤルの下層のパーツがエンジというか赤黒いカラー。そしてベルトの裏面が赤。


RK-AV0A04B

こげ茶レザーベルト。大枠はブラック×ブロンズ(一部ゴールド)でダイヤルはオリエントスターアウトドアでもあったザラっとした質感のストーングレー。ベゼルはブラック、ケースとリューズ、そしてビスがブロンズ。イエローゴールドの部分が惜しい。ここもブロンズかシルバーにすればかなりシックなカラーリングになった気が。


RK-AV0A05B

ブラックレザーベルト。ブラック×ゴールド。プレステージショップ限定モデル。



まあ個人的には赤黒03Bかオールシルバー02Sの2択ですね。
後者は個人的に好きだったカレラの「グレーファントム チタニウム」にかなりイメージが近いです。

タグ・ホイヤーではオールシルバーではなくグレーを混ぜてくることにより立体感を出していたので、こちらも外周のパーツをグレーにしていればかなりイメージ近かったと思います(もちろんその分「パクりすぎ」という批判のリスクも上がるのですが)。

価格とまとめ


定価は一番安いのが02Sの115,500円(税込、以下同じ)でこれがベースモデル。ベゼルをはじめ黒メッキのパーツが加わった01Bが+5,500円。ケースもメッキするとそこからさらに+11,000円。レザーベルトのモデルの方が高いという値付けも珍しいですね。

2割引き、さらにポイント10倍が基本ですので02Sで実勢価格92,400円、実質価格83,160円。01Bが実勢96,800円の実質87,120円。03Bと04Bが同じく105,600円の95,040円。05Bはプレステージショップ限定モデル(セイコーでいうところの流通限定)で値引きなしですので132,000円の118,800円となります。


まとめると、個人的には結構興味を惹かれる時計です。

確かにタグ・ホイヤーじゃないしカレラじゃないし、そもそもクロノじゃない。

でもホイヤー01のオープンモデルなんて中古でも30万以上しますからね。
1/3以下の価格でこちらは新品です。

しかも…あまり大きい声では言えませんが大手家電量販店では割引率が上がっていることもあります。記事作成時点でビックとJoshinの楽天市場店では02Sに71,000円台の値段をつけていました(その分ポイント倍率は1倍でしたが、それでも圧倒的に安い!)。

この手のデザインが好きであれば見逃せない1本だと思います。

レーシングテイストのスポーツウォッチで新品を実質アンダー10万円前後で買える機械式なんて他にありませんからね。

デザインの方向性は全然違いますが、敢えて言えばハミルトン「パンユーロ」ぐらいでしょうか。(残念ながらすでに生産を終了しているようです)
最後にひとつ苦言を呈すと、公式サイトの情報量が少なすぎませんか。

30秒のイメージムービーと「大胆なデザインに精巧なスケルトンの魅力を感じるモデル。」の一文だけ。

ニュースのプレスリリースPDFを開けば上で書いたデザインのこだわりとかも書いてあるんですけどね。商品に興味を持ったユーザーにプレスリリースを開かせるのもおかしな話で。

せっかく気合の入ったモデル出したんですからセイコーみたいに特集ページを組むぐらいのことをして、写真と文章でこだわりを伝える努力をすればいいのに。

もったいないな、と思います。







前回に続きオリエントの話です。

今回取り上げるのは「オリエントスター」。無印「オリエント」がエントリークラスであればハイエンドに相当します。とはいえ価格帯は抑えられており多くのモデルで定価で10万円前後を保っており、実勢ではアンダー10万円なのが嬉しいところ。

実はかつてこの上に「ロイヤルオリエント」という「グランドセイコー」や「ザ・シチズン」に相当する最上位ラインが存在したのですが記事作成現在は生産されていません。

そのオリエントスターのスポーツコレクション内のアウトドア。

と書くとなんだかよくわからないですが笑、カテゴライズすれば「フィールドウォッチ」でしょうか。フィールドウォッチに明確な定義はありませんが、ざっくり言うとミリタリーウォッチ由来のデザイン性を持った見易くタフで使いやすい時計。視認性、堅牢性、防水性、装着感に優れているものが多いです。

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教科書通りの高い視認性


 

これ、めちゃめちゃ格好よくないですか。

このザラリとした文字盤。
公式サイトによれば「文字板に細かいラメを施すことで、石の表面のようにザラついた風合いに仕上げた」それに、退色ベージュのインデックスと針。

マットな文字盤に3・6・9・12が大きめアラビア数字のインデックス、太い針にシンプルなケースと教科書通りの高い視認性。

ベゼル幅も薄め=ダイヤルが大きめでさらに逆台形のビッグクラウン(大型リューズ)なのでなかなか存在感のある時計だと思います。

バリエーションは7種類。

RK-AU0206B

冒頭で取り上げたザラリとした文字盤が特徴的なモデル。退色ベージュインデックスに黒メッキケース、ベージュのNATOベルト。替えで黒のNATOも付属。

RK-AU0207L

ネイビー文字盤でインデックスは白。写真ではこれだけサンレイ仕上げの文字盤に見えます(他はマット)が実際のところはどうなんでしょうか。黒ケース、ブルーと黒のNATOベルト。

RK-AU0208E

カーキ文字盤にベージュインデックス、こげ茶のステッチレザーベルトとアウトドア感満載のカラーリング。ケースは黒。

RK-AU0209N

0208Eの文字盤をブラウンに変更したもの。

RK-AU0210B

最もプレーンなモデル。黒文字版に白インデックス、標準ケース(メッキなし)で黒のレザーベルト。

RK-AU0211L

0210Bの文字盤をネイビーに、ベルトをこげ茶に変更したもの。

RK-AU0212S

文字盤もインデックスもベージュでケースが黒、こげ茶のレザーベルト。プレステージショップ限定モデル。



スペックと価格


パワーリザーブは50時間。ダイヤル上にはオリエントスターこだわりのパワーリザーブ表示もあります。サファイヤクリスタルの風防に10気圧防水と実用面も充実。そして裏蓋スケルトン。レザーベルトモデルはDバックルが標準装備です。

サイズは厚さ12.1 ㎜、横41 ㎜、縦49 ㎜。縦が50mm未満ですし細腕さんでも問題はないでしょう。NATOベルトであればなおさらです。

まあ個人的にはもう少し小さい方がいいのですが、オリエントはあんまりアンダー40mmの時計を作らないですね。これで38mmか36mm径だったら痺れるのですが…
あとは欲を言えば防水性能が20気圧欲しかったところ。
 
デザイン的にはsinn856とか556のアラビアインデックスモデルを思わせます。アラビアの位置がもっと中央寄りであればそっくり。

そしてカーキ文字盤にレザーベルトの0208EはセイコーアルピニストSBDC091を連想させますね。実際には前者は力強く、後者は凝縮感のあるデザインとキャラクターが違うのですが。

フィールドウォッチ、という意味でのライバルは価格帯含めハミルトンのカーキフィールドAUTOあたりでしょうか。
こちらのアドバンテージは80時間というロングパワーリザーブ。あとはサイズのバリエーションが38mmから44mmまで豊富ですね。
価格はベースモデルの0210Bと0211Lが74,800円(税込、以下同じ)、それ以外が85,800円。実勢価格は2割引きで59,840円と68,600円、実質価格はポイント10倍として53,856円と61,740円。

例外として0212Sはプレステージショップ限定モデル(セイコーでいうところの流通限定)で値引きなしですので実勢85,800円の実質77,220円となります。

もう一声値段が安ければという気はしますね。
黒メッキのモデルで実質5万円台に収めてほしかったところ。NATOモデルは替えベルトなしでもう3,000円安くとか。

まあなんやかや言いましたがこの無骨なデザインは好きですね。

個人的に選ぶならやはり0206Bの文字盤一択ですが、プレーンなRK-AU0210Bは汎用性も高く初めての機械式時計としても良さそうです。



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