ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:グランドセイコー

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2022年版」のインデックスです。

価格帯は定価で区分しています。
対象は2022年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは外しています。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

アンダー5万円部門


シンプルメカ/Movement in Motion

Ref. MIM-SIMECA-BK/BK
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径35.0mm

希少な35mmサイズにどシンプルなセイコースタイル。
それでいて税込24,200円のお値打ち価格。
シンプルな機械式時計を求めていて「小さい時計」が好みの方にはぴったりです。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ

5~10万円部門


Style60’s オープン/セイコー

Ref. SARY213
自動巻き。5気圧防水。SSケース+合皮ベルト。ケース径40.8mm
1964年に発売された「クラウン クロノグラフ」をデザインベースにした、プレザージュ「Style60’s」のオープンハートモデル。
レトロ顔でドレス系とスポーティさを兼ね備え、かつワイルドなレザーNATOベルト。
要素てんこ盛りだけど破綻していない、オンリーワンの一本です。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ

10~30万円部門


カーキ フィールド マーフ 38mm /ハミルトン

Ref. H70405730
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38mm
映画『インターステラー』の劇中で重要な役割を果たす小道具として作成された時計に、待望の38mm径モデルが登場。
喝采をもって迎えられ現在も大ヒット中(たぶん)。

一見クラシカルで無骨でありながら、実はモダンで隙のない秀逸なデザイン。
スウォッチグループならではのハイスペックムーブメント搭載なのも嬉しいところ。

10~30万円部門・次点


シチズンコレクション メカニカル 銀箔漆文字板/シチズン

Ref. NB1060-04A
自動巻き。10気圧防水。SSケース+レザーベルト。ケース径38.2mm
美しい文字盤にコードバンベルトと適切なサイズ感で「残念なところがひとつもない」行き届いたドレスウォッチ。
実勢価格アンダー10万円という頑張った価格設定も素晴らしいですね。

両モデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「10~30万円部門」

30~50万円部門


スピリット ズールータイム/ロンジン

Ref. L3.812.4.63.6
自動巻き。10気圧防水。SSケース+SSベルト。ケース径42mm
実にスポーティな基本デザインながら、全体から受けるエレガントな印象。それを支える質感の高さ。
サファリなカラーリングも素晴らしいですね。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「30~50万円部門」

50~70万円部門


エレガンスコレクション「晩冬」/グランドセイコー

Ref. SBGW281
手巻き。日常生活防水。SSケース+レザーベルト。ケース径37.3mm
バキバキのGSクオリティで表現された、穏やかで流麗な世界。
一見控えめですらあるのにちゃんと個性的です。

このモデルの魅力や実勢価格など、詳細な情報は個別記事へどうぞ
>>>「50~70万円部門」

70~100万円部門


該当なし


すみません。

なぜこの結論に至ったのか、詳細は個別記事へどうぞ(愚痴です)
>>>「70~100万円部門」


ぜひ各個別記事もご覧ください。

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2022年版」の第5弾は50~70万円のゾーンです。
対象は2022年に発売されたものですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので「記事作成時点の」定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

当サイトはアフィリエイトプログラムで雀の涙未満の微々たる収益を得てはおりますが、本文の内容は100%私の個人的な意見であり忖度は一切ございません。

50~70万円部門



エレガンスコレクション「晩冬」/グランドセイコー

Ref. SBGW281
手巻き。日常生活防水。SSケース+レザーベルト。ケース径37.3mm

和製高級時計の旗手、グランドセイコー(以下「GS」)。

その中でも長らく人気モデルとして君臨してきたのが「雪白(ゆきしろ)」(「スノーフレーク」とも呼ばれます)。
風に吹かれた雪面に浮かぶ繊細な風紋を表現した美しいダイヤルのスプリングドライブモデルのことです。2005年に初代のSBGA011、2017年に代替わりしてSBGA211が発売されました。
その人気にあやかってか近年「日本の美しい四季を文字盤で表現する」ことに傾倒し、自然からインスパイアされたモデルを多数発売しています。

ブランドの公式でもこう謳っています。

 「THE NATURE OF TIME」はグランドセイコーのブランドフィロソフィーです。
 自然や季節の移ろいからインスピレーションを受ける感性と、それぞれの道を究めて時の本質に迫ろうとする匠の姿。
 その二つの日本の精神性を表現しています。

まあ「和」を感じさせ、海外での販売やインバウンド顧客ウケを狙った戦略でしょう。
それ自体は全然問題ないのですが、個人的には正直ちょっと数が多すぎるかなと思います。

こちらのSBGW281「晩冬」もそんな1本なのですが、なんていうか…実に素敵な時計ですね。

一言でいうなら、流麗
44GSをはじめとするセイコースタイルは直線的なのが特徴ですが、このモデルはそうではなく曲線を感じさせます。

まあGSですから、もちろんインデックスと針の仕上げはバキバキ。

なんですけれど、こちらは(恐らく)高さ抑えめなインデックスに細身のラグが柔らかな印象を与えます。
このあたり、初代GSとかそれこそロードマーベルあたりのアンティークセイコーに通じるものを感じますね。

そして粉をまぶしたようなざらつきの型押しダイヤルで色はシャンパンゴールド。
さらに秒針はイエローゴールドなのですがぱっと見は「オレンジ」。



押し出しは強くない、むしろ控えめですらあるのにちゃんと個性的
そのカラーリングから「カジュアル」とさえ感じさせながら、端々にまで行き届いた高級感。

分厚いウールで枯れた色のジャケット着て腕にこれが乗っていたらめちゃめちゃお洒落だよな…そんな爺さんになりたいです笑

まあそんな願望はさておき、カジュアルでしたら様々なファッションと合わせやすいカラーリング。スーツでもライトブラウンの靴と合わせられる色なら大丈夫でしょう(要するに靴と色を合わせれば、ってことです)。

サイズは厚さ11.7mm、横37.3mm、縦44.3mm。
クロコダイルのバンドはペラッとした滑らかなもの。

それ以外のスペックは、パワーリザーブ約72時間の手巻きムーブメント9S64。
ノンデイト。ボックス型サファイヤガラス風防に裏スケルトン。日常生活防水です。

定価:605,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:523,240円~(楽天市場調べ、以下同じ)

記事作成時点では発売時点からの値上げ幅は10%(55,000円)に留まっています…って、もう完全に感覚が麻痺していますね笑

まあでもスイスメーカーと比べれば良心的な範囲でしょう。

弱点としては、あまり「一本持ち」向きな時計ではないということ。

上で書いたように様々なファッションと合わせられるカラーリングですが、やや個性的。
そして「日常生活用防水」=3気圧防水ですので、雨の日もちょっと厳しいですね。

別途オールマイティな時計がある人向きでしょう。
続きます。


NEXT>>>70~100万円部門



2021年はセイコーの創業140周年だそうです。
その記念限定モデルとしてキングセイコー復刻版が発売されました。

キングセイコーとは、その歴史


キングセイコー(以下「KS」)。
セイコーが1961年から1975年まで生産していたブランド。

高級時計ですが位置づけとしてはグランドセイコー(以下「GS」)に次ぐ2番手。
スマホのスペックっぽい言い方をすれば「ハイエンド」のGS、「ミドルハイ」のKSといったところでしょうか。

そして例のややこしい「諏訪だ亀戸だ」の話(製造拠点の話です)をするとGSは諏訪、KSは亀戸だったりするのでライバルっぽいのですが、これはスタート当初だけ。後に諏訪はKSを出し亀戸もGSを出すというなんだか節操のない感じになります。

今回の復刻版のデザインベースはそのセカンドモデル、通称「KSK」。
このモデルから時刻合わせの際に秒針が止まるハック機能=秒針規制機能が搭載されたため「キングセイコー規制付き」で「KSK」だそうです。

ムーブメントの番号を取って「44KS」とも呼ばれます…というかこちらの方が一般的だと思います。(個人的にはKSKという呼び名は知りませんでした)

一時期アンティーク市場でこれのオリジナルモデルを探していました。

とりあえずGSファーストに憧れて探し始めるものの、値段の高さと状態のいい個体の少なさに早々にめげてしまいました。次にGSの歴代モデルを物色するうちに「あれ?これってデザイン的にはほとんど同じじゃないか?しかも高級時計らしい…」とKSの存在に気づくという流れ。

これ、セイコーアンティークに手を出す人のあるあるじゃないかと思います。

私がKSの中でも特に気に入っていたのが今回のベースとなったセカンドモデルです。

GSではない、だがそこがいい


ちなみにKSのファーストモデルはインデックスがのっぺりして幅が広くラグもひょろっとしていて個人的にあまり好みではないのですが、KSKは高級感のある細くて高さのあるインデックスに堂々たるラグ。GSのセカンドモデル「セルフデーター(別名57GS)」にデザイン的にはかなり近い、というか正直ほぼ同じだと思います笑

それを復刻した今回のモデル。

SDKA001


最大の特徴は12時位置のインデックス。
2本のバーインデックスで山形を挟んだ「W」のような形状。そして天面に施されたギザギザ模様「ライターカット」。どちらもKSKでしか見られないぐらい独特な意匠です。(すなわち57GSとの最大の違いでもあります)


凄く細かいことを言うと、私の知る限りではこのインデックスデザインは44KSの前期型で本来はデイト表示なしかと思います(デイトありの後期型は通常の2本バーインデックス)。オリジナルとはちょっと違いますが、まあいいとこ取りということでしょう。

立体的で美しいインデックスに多面カットの太い時分針、さらに堂々としたラグ。はっきり段のついたステップベゼルも美しい。アンティークでよく見る「Seiko」ロゴの尾錠もいいですね。そして裏蓋にはオリジナルと同じ盾マークのメダリオンが黄金色に輝いています。

全体になかなかアンティークセイコー好きをくすぐるデザインになっていますし、写真で見る限りは質感も高そうです。

これ、かなりいい。

ケース、針、インデックス。
いずれも現在の技術でキレキレに仕上げられており、当時のデザイナーさんが夢見た姿の完成形という印象を受けます。


それ以外のスペックとしては、風防はボックス型サファイヤクリスタルに5気圧日常強化防水。
サイズはオリジナルより若干大きい厚さ11.4 ㎜、横38.1 ㎜、縦44.7 ㎜。

ムーブメントは6L35。プレザージュのごく一部の限定モデルにだけ搭載されてきた薄型のキャリバーでパワーリザーブは45時間です。
オリジナルは手巻きなのにこちらは自動巻きなのが惜しい。
まあ要するに現状セイコーにはミドルハイの手巻きムーブメントがないということなのでしょう。

そして3,000本の数量限定となっています。

まとめと価格



上で書いたように外装的には非常にクオリティが高く、ほぼ文句なし。
あえて言うならオリジナルを踏まえノンデイトにした方が良いかな、ぐらいかと。

あとは「キングセイコー」の名前をそのまま使ったのもいいですね。私が国産クロノグラフアニバーサリーモデルの時に文句を言った甲斐がありました。

ただ…例によって値段が笑

定価は385,000円(税込、以下同じ)。
流通限定で値引きなし。ポイント10倍で実質346,500円。

これだと機械式GSとの価格差が小さすぎなんですよね。

現行で最安値のSBGR251はメタルブレスで440,000円。
でも流通限定じゃないので2割引きで実勢352,000円。ポイント10倍で316,800円。
実勢価格で逆転してしまいます。

GSに迫るクオリティでGSよりだいぶ安い、がKSのアイデンティティであり矜持なのでは?

「この値段ならGS買うわ」と言われない値付けであるべき。
わざわざムーブメントも違うものにしているんだし、しかも精度もパワーリザーブも下位のムーブメントなわけですし。

税込297,000円とか、アンダー30万円の値付けにすればインパクトがあったのに。
せめて流通限定なしで2割引きにしておけば。

歴史的価値とかインデックスデザインのレア度という意味ではなかなか良いのですが、一般層向けとしては価格訴求力が弱いかと。

結局、KSであること自体に価値を見出す人向けのプロダクトのように思います。

個人的には好きなんですけどね。

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