「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2021年版」のラストを飾るのは70~100万円のゾーンです。
例年書いている通りこの上はもう限度がないし、いわゆる「普通のサラリーマン」が買える価格ではない(と私は思う)のでこの価格帯までとしています。
対象は2021年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。
価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。
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70~100万円部門
シーマスター 300/オメガ
Ref. 234.30.41.21.01.001
自動巻き。30気圧防水。SSケース+SSブレス。ケース径41mm
オメガ「シーマスター」。
ダイバーズウォッチのビッグネームのひとつであることはまあ疑いの余地がありません。
ただ、やたらとバリエーションがあるんですよね。
150m防水で回転ベゼルのない、ドレスウォッチ然とした「アクアテラ」。
ボンドウォッチに採用されたり波模様の文字盤が印象的だったり何かとアイコニックな「ダイバー300m」。
そして600m防水で派手なデザインの「プラネットオーシャン」。
しかし今回取り上げるのはそのどれでもなく「300」。「ダイバー300m」と紛らわしいですが別物です。
オリジナルは1957年のシーマスター300。
そのデザインコードを踏襲した復刻モデルが2014年にリリースされ大ヒット。今回は7年ぶりのモデルチェンジとなります。
その最大の特徴はノスタルジックなデザイン。
ブロードアロー時針。アンティークベージュのくさび型インデックス。その内周にある3・6・9・12のアラビア数字。ベゼル上の数字のフォントが細いのもアンティーク調ですね。
新型は先代からさらにアンティーク要素を強めました。
ベースの層の上にインデックスの形をくりぬいた文字盤を重ねるいわゆるサンドイッチダイヤルを採用。
つまりインデックス部分がくぼんでいるため、一般的なダイヤルとは逆の立体感があるのです。
そのベースの層にはベージュ夜光が塗られており、先代では白だったアラビアインデックスもベージュになりました。
そして秒針もロリポップに変更。
文字盤上から「MASTER CO-AXIAL CHRONOMETER」が消え「Seamaster 300」だけのシンプルな標記になったのも良い。
無論オメガの最新モデルですから実用性も抜群。
超高耐磁、60時間パワーリザーブ、そしてマスタークロノメーター認定(まあ要するにスイスの認定機関による厳しい検査をパスしたということ)の高性能ムーブメント、キャリバー8912。
そして300m防水、当然ながらサファイヤクリスタル風防。スケルトンの裏蓋ももちろんサファイヤクリスタルです。
SSモデルのバリエーションはブラックとブルーの2種類。
それぞれにメタルブレスとレザーストラップが設定されており計4モデルとなっています。
定価はメタルブレスが891,000円、レザーストラップは847,000円です。
定価:891,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:785,400円~(楽天市場調べ、以下同じ)
ちなみにブルーのメタルブレスで73万円台からありました。
ここで衝撃的な事実をひとつ。
この記事を書いているまさにその間に定価が上がりました。
変更前825,000円から66,000円のアップ。正直、やってられませんね笑
こうしてどんどん腕時計趣味が普通のサラリーマンから遠ざかっていく…
気を取り直して。
極めて完成度の高い時計だと思います。
超高耐磁、60時間パワーリザーブでマスタークロノメーター認定。
そんな「最新の技術で過去の名作を復刻」なのですが、いわゆる「忠実な復刻」ではありません。
オリジナルに忠実な復刻は2017年に「1957トリロジー」の中の1本としてリリースされましたが正直若干「やぼったい」。
それに対しよりスタイリッシュにブラッシュアップされた今回のモデル。
とりわけパネライをイメージしてしまうサンドイッチダイヤルを堂々と採用しているのは英断だと思います。素直に格好いい。
そして様々な調整を加えつつもデザインコードもアンティーク感も完全に残っているというのが実に良いですね。
まとめると「最新の技術と最新のデザインセンスで過去の名作をかっこよく復刻」した極めて完成度の高い時計。それがこのシーマスター300です。
あとはお値段がね…
ということで独断と偏見による「2021年版ベストバイ」これにて終了です。