ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:セカンドダイバー

「独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ2020年版」の第3弾は10~30万円と30~50万円のゾーンです。
対象は2020年に発売されたモデルですが、本数限定のモデルは対象外としています。

価格帯は実勢価格だとブレるので定価で区分しました。
記載の価格はいずれも記事作成時点のもので新品税込です。
また併記している実勢価格は各店舗の表示価格=ポイント還元等を含まない金額となります。

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10~30万円部門


SBDC109/セイコー

自動巻き。200m防水。SSケース+SSブレス。ケース径42.7mm

2020年にモデルチェンジしまくったセイコープロスペックスのスキューバダイバー系のほとんどがこのレンジ。

すなわち大ヒットした(っぽい)SBDC101も含まれるのですが、私の独断と偏見ですのでこちらのSBDC109をセレクト。

汎用性という意味では101の方が優位ですが、この109はなんといっても初の「植村ダイバー現代デザイン」であることが売り。伝説的モデルのデザインエッセンスをかなり残してこの価格とサイズ感で出してくれたことを素直に喜びたいです。

その魅力の詳細はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:


定番の200m防水、サファイヤクリスタル風防、そして70時間ロングパワーリザーブの6R35ムーブメントという充実したスペックも魅力ですね。

他にカーキにラバーベルトの111、さらに5,500本限定ですがブルーの123というバリエーションがあります。

定価:154,000円(税込、以下同じ)
実勢価格:139,900円~154,000円(楽天市場調べ、以下同じ)

これまた既に記事にしている時計ですので次点を…と思いましたがそれも記事にしているSBDC101です。ということで次の価格帯へ。

30~50万円部門



ブラックベイ フィフティエイト/チューダー

Ref.M79030B
自動巻き。200m防水。SSケース+SSベルト。ケース径39mm

チューダーの看板ダイバーズ「ブラックベイ」。
1958年のチューダー サブマリーナ(Ref.7924)にインスパイアされたシリーズです。

元々ロレックスのディフュージョン(=普及版)ブランドとしてスタートしたチューダー。
オリジナルモデルはロレサブ(ロレックス サブマリーナ)とほぼ変わらない基本デザインで時針もベンツ針でした。

ブラックベイで採用されている通称「イカ針」ことスノーフレーク針は1969年のRef.7016が初出のようです。

すなわちブラックベイは過去のサブマリーナのデザインをいいとこ取りしてまとめたモデルと言えるでしょう。

リューズガードがないことやミニッツサークル(分目盛りの外周円)など、現行ロレサブとデザイン上でも差別化が図られています。

そしてこのフィフティエイトは横径が39mm。
もはや現行では貴重な存在となったアンダー40mmのダイバーズです。

無印ブラックベイの41mmからサイズダウンし同時に厚さも3mm抑えるという変更により、コンパクトなスポーツウォッチを愛するユーザーから絶大な支持を集めました。

現在ではブラックベイGMTを凌ぎ同社の一番人気といっても過言ではないでしょう。正規店でお目にかかれることは稀…というか私は見たことがありません。

その2020年新作がこちらのネイビーブルー。

ちなみに2018年発表の第1弾はブラック(Ref.79030N)。ゴールドで統一された針・インデックスのフチ・印字、さらにベゼル12時位置のレッドマーカーとクラシカルなイメージを強調したデザインでした。



そんなある意味「押しが強いアンティーク感」のブラックに対し、こちらのブルーは差し色もなく飾り気のないデザイン。
クラシカルでありながら同時にどこかスマートでもあり、トータルで程よい落ち着きを感じさせます。

ブレスが綺麗にテーパーしているのではなく、ケースから一コマ目と二コマ目で横幅が変わっているあたりは無骨さを残していて良いですね。

70時間ロングパワーリザーブの自社ムーブメント搭載。ベルト違いのバリエーションとしてシンセティックレザーとファブリックストラップの2種類があります。

ただ残念ながらこちらの時計、現在はプレミアム価格がついています。

定価:399,300円
実勢価格:469,050円~521,985円

まあ発売後3年経つブラックすらいまだにプレミアム価格(ブルーとほぼ同価格)なぐらいですから。

絶妙なサイズ感と高い実用性、クラシカルなデザインに質感の良さ。
並行新品で30万円強ぐらいで買えたら素晴らしく魅力的なモデルなんですけどね。


関連記事:
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ① アンダー5万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ② 5~10万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ④ 50~70万円部門【2020年版】
独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ⑤ 70~100万円部門【2020年版】

独断と偏見で選ぶ!価格帯別腕時計ベストバイ(インデックス)【2019年版】


いったいなんだったのか。

そう言いたくなるぐらい、2020年は狂乱の1年でした。

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2020年セイコーダイバー百花繚乱


まずは2020年の主な出来事を振り返ってみましょう。
基本的にはプロスペックスのダイバースキューバシリーズに関するものですが一部他シリーズ(マリンマスターやアルピニスト)も記載に含めています。

1月

・プロスペックスとして復活した「アルピニスト」SBDC087/089/091/093発売
・オールブラックの限定モデル「ブラックシリーズ」SBDX033(MM300)、SBDC095(スモウ)、SBDL065(ソーラークロノ)発売

2月


3月

・セイコーダイバーズ55周年アニバーサリーモデルが発表(発売は6月)され、その中に「ファーストダイバー現代デザイン」がフルリニューアルされたSBDC107が含まれる

6月

・新型「ファースト現代」SBDC107およびそのバリエーションであるSBDC101/103/105が発売

7月


8月

・「サムライ」のモデルチェンジ「キングサムライ」SBDY065が「Save the Ocean」モデルとして発売、同時発売のSBDY063は「キングタートル」仕様
・マリンマスターシリーズの「ツナ缶」がモデルチェンジ

10月

・「アルピニスト」から簡易方位計を省略したシンプルモデルSBDC115/117/119が発売

12月


整理し直すと、

フルモデルチェンジが「ファースト現代」「ショーグン」「1968現代」。
マイナーチェンジが「タートル」「サムライ」そして「ツナ缶」。
復活したのが「アルピニスト」。
完全新作として「小径ツナ」「セカンド現代」「シンプルアルピニスト」。

まあ正直、何やってんのって感じです笑

ダイバースキューバでは2019年に既にモデルチェンジしていたスモウ以外すべてモデルチェンジ…いやモンスターもしてないか。(モンスターはちょっと現行の位置づけがよくわかりません)

それに加えアルピニストの復活&シンプルモデル発売、マリンマスターではツナ缶系のモデルチェンジと「出せる札を全部出し切った」感が強いです。

個人的に1月2月はワクワクしていてディスコン予想も楽しくて笑
3月のファーストダイバーで盛り上がって、セカンド発表ぐらいまでは「うわ、早く現物見たい!」って感じだったんです。

それが10月のシンプルアルピニストで「さすがに出し過ぎでは?」と思い12月のショーグンと1968現代では「売れるのか?」と心配になりました。

大好物はおいしく食べたい


もちろんロングパワーリザーブの6R35への移行というムーブメントの世代交代を進めたかったのはわかっています。

最初に6R35を搭載したスモウがムーブメント変更&風防のサファイヤクリスタル化で旧型から+27,500円の価格上昇がありました。
さらに流通限定化=値引きなしに変更したためスモウとファースト現代(先代のSBDC051)との間で実勢価格の逆転現象が発生します。それを解消するためにファースト現代をフルモデルチェンジ。すると今度はファーストとショーグンや1968の間で実勢価格が逆転したためそのふたつもモデルチェンジ。

こんな単純な話ではないと信じたいですが…これ以外に理由があれば教えてほしいです。
6R15の生産を止めてすべて6R35にしたいという生産効率の話はもちろんあるでしょうが。

ただね。
これ、ぜーんぶセイコーさんの都合です。

ユーザーがどう感じるかという観点が全く欠落しているようなので教えてあげますよ。

2020年みたいなことをやると、ユーザーはこう感じるんです。

「雑に扱われた」
「自社製品に対する愛がないメーカーだ」

そしてこうも思うんです。

「長期的な視野も販売戦略もないんだな」

ダイバースキューバは数多くのラインナップを抱えるシリーズになりました。
SBDC系はスモウ、ファースト、セカンド、1968、ショーグン。
SBDY系がタートル、サムライ、モンスター、小径ツナ。

これだけあるんですから普通に毎年SBDC系でひとつずつモデルチェンジすればいいんですよ。それこそロレックスのスポーツモデルみたいに。

そうすれば好事家は毎年買ってくれるかもしれない。
でも1年で全部出したらマニアでも呆れるだけです。

ユーザーはセイコーダイバーが大好物なんです。でも大好物も全部同時に出されたら食べきれない。

自分で価値を下げてどうすんだ、って感じです。

2021年はセイコー創業140周年だそうです。
きっと2020年に出たモデルに勝るとも劣らぬ魅力的なモデルが数多く準備されているのでしょう。

だったらなおさら2020年に出したモデルを上手く見せてほしかった。
というか55周年でファースト現代デザインを使ったならセカンド現代デザインは残しておけば良かったのに。なぜ140周年記念モデルとして出さなかったんですかね。なんか隠し玉が準備されているんでしょうか。



価格設定もそうです。

旧型がこの値段で、モデルチェンジに伴う変更点がこれだから+いくら。
ちなみにモデルチェンジを機に流通限定にするので値引きはなくなるよ。

みたいな。

いや、それは全部そっちの理屈じゃん。
あと、それで売れんの?

6R35へ最初に移行したスモウの新型がデキも評判も良かった(きっと売れ行きも良かったんでしょう)ので、勘違いしちゃったんでしょうか。

ここでもユーザー目線が全くないし、価格戦略もない。
どういう層にどういう訴求をしてどれだけ売れるか、ちゃんと予測しているんですかね。

流通限定にして定価販売を強いたいのであれば値付けは抑えればいい。
変更点に対する価格上昇はモデルを跨いでも同じにしなきゃいけないというなら、それは思考が硬直化してますね。

売れなきゃ値段を下げるのは正しい。でもセイコーさんが欲しい(はずの)ブランド価値を下げるんだから最初からそうならない値付けをしてくれればなお良いですね。


あとはモデルチェンジした1968、ショーグン、サムライでプレーンなブラックダイヤル・ブラックベゼルモデルを出さないのも気に入らないです。
タートルは文字盤エンボス加工でちょっとプレーンとは言い切れないSBDY049がありますがこれもネット流通限定。

これまでは標準的なモデルをきちんとユーザーに見せてきたのに、どうしちゃったんですかね。


さて、新年早々めちゃめちゃ文句言ってきましたが笑、言いたかったのは要するにこういうことです。

私にとってセイコーダイバーはとても魅力的な時計です。

だからこそ、もう少しセイコーさんにも大切に扱ってほしい。

それだけなんです。




2020年「本当にお願いだから落ち着いてくれ」と言いたくなるようなペースで魅力的な新製品をリリースし続けるセイコー。

また来ました。というかついに来ました。

セカンドダイバー、通称「植村ダイバー」が初めて現代デザイン版としてリリースです!

フルリニューアルしたファーストダイバー現代デザインを購入したユーザーの絶賛レビューを眺めながらじっと我慢していたあなた。

6月末でキャッシュレス5%ポイント還元が終わってしまうのは百も承知で、それでも歯をくいしばって耐えていたそこのあなた。

こいつを待ってたんですよね?私もです笑

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植村ダイバー(セカンドダイバー)とは、その歴史


セカンドダイバー(以下「セカンド」)の名称通り、セイコーの150mダイバーズウォッチの第2弾としてリリースされたモデルで初出は1970年。当ブログでもファーストと3rd(タートル)についてはたびたび取り上げてきましたが、その両者の中間に位置するモデルです。

通称「植村ダイバー」。

冒険家の植村直己さんが1974年から76年にかけての北極圏12,000km横断の際に使用したことからそう呼ばれています。
1984年に冬季マッキンリー単独登頂に成功した直後に消息を絶った植村さんの伝説とともに、このモデルもセイコーダイバー屈指の人気と知名度を誇ってきました。

そんな伝説と高い人気のゆえに生半可な復刻はできないと感じてのことでしょうか、セイコーが続々とヴィンテージダイバーの復刻を出す中で最後まで登場しなかったのがこのセカンド。

しかし2019年夏、ついに完全復刻SBDX031がリリースされます。

かなり高い再現性でその唯一無二のデザインが表現されていましたが、495,000円(税込、以下同じ)という値段と45mmのサイズがネックになったか、世界2,500本限定ですがこの記事作成時点でもまだ若干ですが新品在庫があるようです。
そしてこのたび、価格を抑えた現代デザイン版が待望の登場です!

現代デザインの特徴と基本スペック


そして今回の現代デザインですが、ざっくりまとめると以下の2点になります。

1.デザインは結構オリジナルに近い
2.オリジナルよりサイズが小さい

いや、凄くいいじゃないですか!

まずデザイン。
セカンドの最大の特徴は何と言っても独特なケース形状、とりわけ4時位置のリューズガードです。
一見3rdに似ていますが、そちらがほぼ左右対称なのに対しセカンドはリューズを包み込むようなラインになっています。

そしてこの不格好なフォルムがもの凄く格好いい。

そしてスクエアに近い短いインデックス。今回のモデルでは若干テーパードさせているようですが「四角くて短い」という印象を損ねるほどではありません。

 

細かいところでは時分針がファースト現代デザイン(SBDC101等)と同じ、秒針も形状はSUMO(SBDC083等)と同じようですね。
でもオリジナルの秒針同様、赤い部分をドットにしているのが芸が細かい!先端のニードルをなくしてしまえばほぼオリジナルと同じなんですが…まあ例によって完全復刻との住み分けで致し方ないところなのでしょう。

さらに細かいことを言えばベゼルの書体とかリューズのデザインとかも違うのですが、そこまで言うならSBDX031買えってことなんでしょう笑

写真の印象では若干SBDX031より縦長に見える気がしますが、縦横比はほぼ同じでした。


サイズは厚さ13.2 ㎜、横42.7 ㎜、縦46.6 ㎜。
SBDX031が厚さ13 ㎜、横45 ㎜、縦49.7 ㎜ですから厚さはほぼ同じで横2.3 mm、縦は3.1mm小さくなっています。
オリジナルの迫力は多少薄れますが、実用性はこちらの方がかなり上。極細腕の自分としても嬉しい限りです。オリジナル至上主義の方にはSBDX031がありますしね。

ムーブメントはおなじみの70時間ロングパワーリザーブ6R35。200m潜水用防水で風防はサファイアガラス。まっすぐせり上がったボックス型ではなく周囲を斜めに落としたドーム型のようです(真正面からの写真でダイヤル上の目盛りが2重に見えるのはこの部分に映りこんでいるものと思われます)。以上が基本スペックとなります。

SBDC109

ブラックダイヤルにブラックベゼルのプレーンなモデルです。オリジナルはラバーベルトですがこちらはメタルブレス装着。
ちなみにセイコーグローバルブランドコアショップのみでの販売、いわゆる流通限定モデルです。



SBDC111

SBDC109からダイヤルとベゼルのカラーをカーキに変更。そしてシリコンラバーベルト。同じく流通限定モデルです。



価格とまとめ


価格はSBDC109が154,000円で111は132,000円。
ファースト現代デザイン+10,000円という値付けにしてきました。

流通限定モデルで値引き対象外ですので実勢価格も上の通り。楽天市場での実質価格はまだポイント付与率にばらつきがありますが、ヨドバシがポイント10倍で販売していますのでいずれ他店も追随するものと思われます。

とするとSBDC109が138,600円で111は118,800円となります。


改めてまとめると、植村ダイバー初の現代デザインはオリジナルの雰囲気をうまく残しつつサイズダウンして実用性を高めた非常に魅力的なモデルです。

もうひと声、安くなんなかったのかなとは思いますけど、めちゃくちゃ欲しい。

もうこの際ファースト現代デザインもこのセカンドも3rdも買ってしまおうか、なんて自暴自棄に笑なりそうです。

実際にこれ発売されたら(2020年7月17日発売予定)その3つを並べて店頭で悩む人が続出しそう。(タートルの最新型は今のところネット限定ですけど)

いやそれを言ったら本当はSUMOも欲しいんだけどな…

あ~欲しい笑


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