ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:ライブ



※ゴリゴリの乃木オタが書いている文章ですので、AKB48のメンバー、楽曲、歴史その他について誤認等あるかもしれませんがどうぞご容赦ください
※※メンバー名敬称略(卒業生含む)

前の記事ではこの昇格ライブで私が感じた川村結衣の凄さを書きました。

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揃わなかった5人


この記事は配信で観たDAY2の夜公演に関するものですが、実はDAY1の夜公演は現地で観ています。

DAY1はキャリア2年半にも満たない19期生が、さらに若い後輩たちを引っ張っている「明るく楽しく未来を感じさせる」、非常に「正しい」昇格記念ライブでした。

しかし。

19期生たちにはただの正しい昇格記念ライブでは終わらせられない理由がありました。

19期生、5人

「顔面重要文化財」かつ全力アイドル。
オールドルーキーゆえの覚悟を感じさせる伊藤百花(いとう・ももか)さん。

山本彩を思わせるビジュアルに高い音楽性。そこにド天然キャラというギャップ。
いわゆる「黙ってりゃ美人」奥本カイリ(おくもと・かいり)さん。

大人しくて引っ込み思案。
「守ってあげたい」見た目の内に熱いハートを秘めた川村結衣(かわむら・ゆい)さん。

和風美少女然としたビジュアル、長い手足を自在に操るダンス。
未来そのものの最年少、白鳥沙怜(しらとり・さり)さん。

オールラウンダーにして釣り師、そして魚がさばけるという意外性。
花田藍衣(はなだ・めい)さん。

私が思う彼女たちの素晴らしさは「バラバラの個性を持った5人が並んだ時の最強感」
(余談ですがこれはひとつ上の18期の「スタイルが良く体育会系のスピリットを持った一枚岩の8人」と美しい対照をなしていました)

それなのに。

この昇格記念ライブで5人が並ぶ姿を見ることは叶いませんでした

ライブの開催が発表されたのは2026年4月4日。
それに先立つ3月5日には白鳥沙怜が卒業を発表
5月に卒業公演を行ない、昇格記念ライブは最終日最終公演のみ出演。それもスポット参加とアナウンスされました。

それだけでは終わりません。
5月1日には花田藍衣さんが活動休止。そして6月23日に運営が彼女との契約を解除したと発表し激震が走ります。

ここから昇格記念ライブまで3週間足らず。

もちろん内部のことはわかりませんが、メンバーたちに動揺がなかったとは考えにくい。
それでもいともも、カイリ、かわゆいの3人は、後輩たちと力を合わせて明るく楽しいライブを3公演見せてくれました。

そして迎えた最終公演。

それまでとは明らかに別物で、遥かに感動的なライブでした。

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とても素敵な綺麗事を


最終公演がなぜあれほど感動的だったのか。

少し遠回りになりますがその前提から。

私はAKB48の根幹、本質は「序列争い」だと考えています。

もちろん秋元系に限らずありとあらゆるアイドルが接触イベントを開催し、その「完売」や「並び」の状況で順位が視覚化される現在においてそれはいわば「当たり前」のもの。
もっと言えばアイドルに限らずどこにでも存在し、例えばチームスポーツにおける「レギュラー争い」「エース争い」はファンにとってひとつの楽しみでもあります。

しかしAKB48の特異性はそれこそを「エンタテインメントの中心に据えている」こと。

恐らく当初は秋元康をはじめとする大人たちもそれ=序列争い=メンバー同士の切磋琢磨を「美しいもの」として描き出す意思はあったのでしょう。(後述しますがそれを題材にした数多くの名曲がありますから)

しかしいつしかより刺激がある方に、ビジネスになる方に、数字が取れる方に流れた

序列争いを「総選挙」と名づけてファンから搾り取る巨大イベント化。
そして悶え苦しむメンバーたちの姿を「ドキュメンタリー映画」として公開。

私にはそれが「露悪的な残酷ショー」に見えました。

話を19期コン最終公演に戻します。

主役はもちろん白鳥沙怜でした。

その和風美少女然としたビジュアルと長い手足を活かしたダンスがステージ上で一層輝く彼女。
個人的にはいずれ日向坂46の金村美玖のように成長するのではないかと期待していました。

早すぎた。
彼女の姿を観ながら、そんな言葉がよぎります。

握手&ミーグリの完売はベテランが圧倒的に有利(らしい)AKB。

さりいもかなり苦戦したようです。
ましてや最年少。「若すぎる」メンバーを推すことに心理的抵抗を感じるファンもいるでしょうし「対応の良さ」という面ではある程度年齢が上な方が当然有利です。

若すぎるゆえに完売状況で苦戦した。それは卒業を決めたひとつの理由だったかもしれません。
だけど逸材だから中学1年生で合格した。いや、してしまった。

これまで数限りなく繰り返されてきたであろう残酷なパラドックス

もう少し加入時の年齢が上だったら。例えば彼女がもし高校1年生で合格していたら。
そして進路を決めるまでの間だけでも目一杯活動できていたら。
意味のない感傷と知りつつ、そんなことを考えてしまいます。

この日のセットリストには上で書いた「メンバー間の切磋琢磨を題材にした名曲」が数多く含まれていました。

『夢へのルート』『チャンスの順番』『手をつなぎながら』。

そしてアンコールで歌われた『初日』と『少女たちよ』
さほどAKBに詳しくない私でさえこの2曲のイントロが流れてくるだけでウルっときます

切磋琢磨を、序列争いを美しいものとして描く。

 夢は汗の中に ゆっくりと咲く白い花
 少女たちよ もうすぐ夜明けが来る 夢の未来はこれから始まる

そんな「綺麗事」を白鳥沙怜が、まさに今日「舞台から=序列闘争から降りる」彼女が歌う
そしてその場にいる誰よりもキラッキラの笑顔で輝いているという、もうひとつのパラドックス。
(『初日』ラスサビの「夢は」で掲げた手を握りしめるところ。そこまでの3公演ではいとももだったその部分でさりいが抜かれたのは鳥肌ものでした)

きっとこのセトリを決めた誰かも、舞台に立ったさりいをはじめとする19期生たちも後輩たちも、これがショーでありビジネスであると知りつつも「綺麗事」を信じているのでしょう。

序列争いの勝者も敗者も。
努力が報われた者も報われなかった者も。
夢をかなえた者も志半ばでここを去る者も。

いつの日か振り返ればきっと、美しき日々だったと思う
私たちの流した汗と涙は、嘘じゃない。

そんな素敵な綺麗事を




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ひとつ前の記事で私が川村結衣さんのファンになったいきさつを書きましたが、こちらでは彼女が出演した19期生昇格記念ライブについて。

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大きなひと区切りにしてけっこう一期一会


まず大前提としてAKB48における昇格記念ライブの位置づけについて簡単に。

AKBはオーディションに合格しても「研究生」という肩書きからのスタート
そこからレッスンや日々の公演でスキルを磨き、一定のレベルに達した者だけが「正規メンバー」に昇格するというシステムになっています。(近年は同期全員が同時に昇格というケースが多いようですが)

その「昇格」を記念して行われるのがこの昇格記念ライブ。

イメージとしては乃木坂でいうところの「期別ライブ」に近いのですが、乃木坂では「新参者」「スタ誕ライブ」に加え9thや11thバスラでの期別コンDAY等、なんやかやで期別ライブがたびたびありますし、そもそも期別冠番組があるので「別働隊」として同期だけで活動する機会が多い。

それに対しAKBではそのような機会はさほど多くありません。
「研究生公演」というものもあるのですが、19期生として合格したのは5人でしたので同期だけでは人数が足りず先輩と一緒の出演でした。

つまりAKBにおいて「自分たちの代が主役となるライブ」って基本、この昇格記念コンサートだけなのです。(お手伝いとして後輩も参加するので純粋な期別ライブではありませんが)

そのためメンバーにとっては大きなひと区切り、そして同時にけっこう一期一会という特別なライブなのです。

セットリストはこちら。

Overture
01. ギンガムチェック(19期)
02. 快速と動体視力(19期、20期)
03. あの夏の防波堤(ALL)
04. Seventeen(ALL)
05. 夢へのルート(ALL)
06. 365日の紙飛行機(19期)
07. 初恋に似てる(20期、21期)

<ソロ&ユニットコーナー>
08. 虫のバラード(奥本カイリ)
09. それでも好きだよ(川村結衣)
10. 大人ジェリービーンズ(伊藤百花)
11. 泣きながら微笑んで(白鳥沙怜)
12. てもでもの涙(奥本カイリ、近藤沙樹)
13. 永遠プレッシャー(センター:川村結衣、大賀彩姫、丸山ひなた、田中沙友利、森川優、渡邉葵心)
14. ツンデレ!(伊藤百花、牧戸愛茉、白鳥沙怜)

15. 涙はいつの日か(19期、20期、白鳥沙怜)
16. Only today(19期、20期、森川優、白鳥沙怜)
17. さよならクロール(20期、21期)
18. そんなに好きだったら(20期、21期)
19. 行くぜっ! 怪盗少女(19期)
20. 君のことが好きだから(20期、21期)
21. 涙売りの少女(19期、20期)
22. チャンスの順番(21期)
23. PARTYが始まるよ(19期、20期)
24. 手をつなぎながら(19期、20期、田中沙友利、渡邉葵心)
25. 単!サイ!ボーグ(19期、近藤沙樹、白鳥沙怜)
26. 名残り桜(19期、20期、田中沙友利、渡邉葵心)
27. 遠くにいても(ALL、白鳥沙怜)

EN
EN1. 初日(ALL、白鳥沙怜)
EN2. 転がる石になれ(ALL、白鳥沙怜)
EN3. 少女たちよ(ALL、白鳥沙怜)

WEN
WEN1. ギンガムチェック(ALL、白鳥沙怜)

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川村結衣のスペシャリティ


19期生それぞれにとって今回最大の見せ場だったのはソロとユニットコーナー。

メンバー自身によるというその選曲でかわゆいが選んだのは『それでも好きだよ』『ラッパ練習中』(DAY1で披露)そして『永遠プレッシャー』。

凄いな
だってさっしーとまゆゆとぱるるですよ。

ヘタレクイーンにして稀代のトリックスター指原莉乃。
元祖AIアイドル(当時は「CGアイドル」と呼ばれていましたね)渡辺麻友。
元祖「塩対応」島崎遥香。

3人ともAKBの歴史に刻まれる唯一無二の存在です。

その代表曲をかわゆいは実に「あっけらかんと」やってのけました。

「モノマネ」でも「コピー」でも「パロディ」でもない。
もちろん「何をやってもかわゆいはかわゆいでしかない」というのとも全然違う。

「まるで自分の曲であるかのように」パフォーマンスして見せたのです。
…まあ夜の部の『永遠プレッシャー』はかなり「困り眉」してたのでぱるるには引っ張られていた気がしますが笑

私が過去にこれと同種の能力を感じたのは、乃木坂46の筒井あやめただひとり

彼女については2023年の11thバスラの記事でこんなことを書いています。

 『思い出ファースト』は筒井あやめ!
 また定義が曖昧な言葉を使ってしまいますが、彼女にはセンター適性あると思うんですよね。
 あやめんのそれは楽曲を「自分のものに」ではなく自分のものの「ように」してしまう力かと。だって3期のスペシャルな曲ですよ。大園桃子というアイコンと分かちがたく結びついた曲をその呪縛とは別のところで鳴らせるというのは、やはり特別な能力でしょう。



この2日間でのかわゆいも、全然バラバラの個性を持った3人のアイコンの楽曲をその呪縛とは別のところで鳴らしてみせました。

恐らく楽曲の中のどこか(歌詞であれ曲全体のイメージであれ衣装であれ)に自分と通ずる部分を見出すのが抜群に上手いのでしょう。

どうしてもオリジナルの残像が残るのは世代交代グループアイドルの定め。
それゆえファンに「思い入れのある楽曲」を「なんか違う」と思わせないこの彼女の能力は極めて貴重なものだと思います。

蛇足ですが『行くぜっ!怪盗少女』2番サビ前の「Ah ハ~ん」をフルスイングでやっていたのも良かった。
普段は恥ずかしがり屋な印象のかわゆいですが、ステージ上だとけっこうあざといことも振り切ってやるのが好感持てますね。


続きます。



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前の記事では今回のアンダラに臨む岡本姫奈と6期生たちの想いにフォーカスしました。

関連記事:


当記事では間違いなくこの日のハイライトであった『日常』について。

これだよこれ


そもそも『Documentary of 41stSG アンダーライブ~6期生と違う景色~』で盛大にネタバレしていたじゃないですか。

『日常』をやること。
練習風景からセンターが恐らく増田三莉音であること。
V中の「特別な演出が入る」という表現を踏まえれば最初は6期生だけでパフォーマンスし途中から先輩が加わり「最後は全員で」というパターンなのもほぼ確定。

個人的にはライブ前にここまでネタバレして、しかも煽ってハードル上げて大丈夫なのだろうかと心配していました。

そして現地で観ていたDAY1。

鳥肌が立ちました

6期生の想い。先輩たちのプライド。
ステージ上でメンバーが発する熱量に負けてなるものかと燃え上がる客席。

メンバー同士の、そしてメンバーとファンの真っ向勝負。

これだよこれ。

私の観たいアンダラがそこにはありました

何度も何度も現実に打ちのめされながらも、反骨の魂を燃やし選抜を食ってやろうと全員が一枚岩になって懸命に闘っていた初期アンダラ。

そして「初期アンダラの熱さを取り戻したい」と座長北野日奈子を中心に新たなアンセム『日常』を生み出した2018年武蔵野の森。

あの頃と重なる何かがこの日にはありました
それはきっと「全員アンダー(合流時点で)」という過去にない試練を課せられた6期生だからこそのものでしょう。

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3:12 膨れ上がった観客の期待を一身に浴びながら笑ってみせる増田三莉音
3:17 マリオネットのような狂気をはらんだ表情が堀未央奈を思わせる矢田萌華
3:31 現状に抗うように懸命に手を伸ばす長嶋凛桜の姿に涙が出そうになる
3:44 カットインする大越ひなの、その美しさの説得力
3:52 かつて見たことのない角度で腰をそらす瀬戸口心月、衝撃の身体能力
4:04 髪を振り乱して踊りながらその髪が戻ると圧倒的なビジュアルの瀬戸口心月

2番が始まる
フルコーラスなんだ

そして単に「前半は6期生」「後半から先輩たちも合流」ではなく
6期生全員センターであることに気づく

4:30 自身へのコールに一瞬天使のような微笑みを浮かべる鈴木佑捺
4:34 田村真佑かと見まがう美貌を見せる愛宕心響
4:59 髪をかき上げ自虐的に嘲笑ってからこちらに刺すような視線を向ける海邉朱莉
5:02 次の刹那に画面に写される森平麗心の美しさ、激しさ、儚さ
5:08 かつて見たことのない角度で腰をそらす瀬戸口心月
5:14 「なんて嫌だ!」の部分で激しく踊りながら叫ぶように歌う森平麗心
5:22 個人的に一番好きな内側へのキックからスクワットの振り付けを衝撃の安定感で魅せる川端晃菜
5:49 真打ち登場感が凄すぎる先輩メンバー
6:20 髪が乱れまくりでも委細構わず美しさを見せる森平麗心
6:26 過去のセンターが「薄ら笑い」を浮かべてきた場所で真っすぐな瞳を向けてきた岡本姫奈
6:52 わずかの時間でその美貌とダンスを見せつける岩本蓮加
7:09 金川沙耶の見事なキメ
7:14 再び真っすぐ前を見つめる岡本姫奈
7:20 鳴り止まぬいやむしろ大きくなる歓声

観ているこちらが痺れるほどの緊張感を纏いながら登場した6期生たち。

最初にアップになるセンター増田三莉音。わかっていたけれど上がる大歓声。
そして己の魂を叩きつけるようなパフォーマンスをする6期生10人

「悪いけど、おいしいところは全部持ってくよ」と言わんばかりのド迫力の先輩たち
懸命にそれに食らいつく6期生たち。

歴史的な一夜でした。

『Documentary』のエピローグが急遽(…かどうか本当のところはわかりませんが)作成されたことも。
その最後に「2026.03.19」と日付を入れたことも。

この日の『日常』が歴史に刻まれるべきパフォーマンスだったからでしょう。

『日常』の
アンダラの
そして乃木坂の歴史に残る一夜でした。


最後にひとつ、完全に蛇足だと思いますが上で触れた愛宕心響をはじめとしてこの曲を披露している時の6期生のビジュアルは素晴らしかった。

それはとても乃木坂的なことで。

例えばライブが楽しすぎる姿がすこぶる可愛い西野七瀬や遠藤さくら。
そしてバスラや誰かの卒コンでは毎回、常にも増して仕上がりまくったビジュアルで登場する山下美月。

いつも可愛いけれど一番大事な時にこそ一番美しい。
それは乃木坂の、あまり語られないけれど極めて重要な伝統です。

翻ってこの日、6期生たちは間違いなく最大の見せ場である『日常』でこの日一番の美しさを-思わず「凄みがある」と言いたくなるほどのそれを-見せてくれました。

1年で、6期生もしっかり乃木坂になったなあ。

そんな感慨を覚えた私でした。


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前の記事では印象に残ったシーンを挙げました。

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座長の葛藤


岡本姫奈にとってはかなり難しい状況だったと思います。
そもそも2作連続で入った選抜から外れたのですからそのショックはあったことでしょう。

さらに今回は6期生全員アンダーにより、なかなかに特殊なメンバー構成でした。

3期3人(伊藤理々杏、岩本蓮加、吉田綾乃クリスティー)。
4期4人(金川紗耶、黒見明香、佐藤璃果、柴田柚菜)。
5期ひとり(岡本姫奈)。
6期10人(休業中の小津玲奈を除く全員)。

奥田いろはがスケジュール都合で欠場したため、同期は誰もいない。
初座長の不安で先輩たちに頼りたいけれど、どうしても先輩たちの目線は6期生の方に向いてしまう。もちろん自分だって6期生たちを支えてあげたい。

誰にどこまで気持ちを吐き出していいのか、きっと迷うこともあったでしょう。

もっと言えば、ファンの注目も6期生と卒業する佐藤璃果にある程度持っていかれるという状況でもありました。

そんな中でおかひなが押し出したのは自身のアイデンティティたる「バレエ」
オープニングのソロダンス、森平麗心とのユニット、そして『相対性理論に異議を唱える』。
優雅に舞い美しくターンする彼女の姿はやはりさすがと思わせるものでした。

そしてもうひとつ触れておきたいのが「表情」。
彼女の「やりすぎない」「わざとらしくない」けど「切実」な表情は個人的にとても好感の持てるものでした。

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新人には本来ないはずのもの


6期生について。

基本的にはこれまでの新規生が初めてアンダラに参加する時は、選抜から外れた悔しさよりも「先輩と一緒にライブできることの喜び」の方が大きかったように思います。(新たに覚えることばかりで大変なのはもちろんですが)

だからこそ私はかつて4期生が初めてアンダラに参加した28thアンダラ(寺田蘭世卒コンでもありました)の記事でこう書きました。

 メンバーとファンの熱気、一体感、そして少しの悲壮感と反骨心。
 それらが混じりあったあのアンダラ独特の空気。

 それを4期生たちに味あわせてあげたいという思いが蘭世をはじめとした先輩メンバーたちにあったのではないでしょうか。

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しかし今回の6期生は「全員アンダー」。
本来新人にはないはずの「少しの悲壮感と反骨心」。それを既に彼女たちは感じていたように見えました。

前作で瀬戸口心月と矢田萌華が抜擢センターに選ばれたのに後が続かなかった。
期全体としてはミーグリ売り上げで苦戦していることも相まって、もしかしたら「ノー」を突きつけられたように感じてしまったかもしれません。

さらにライブ開催まで2週間を切った段階から公開され始めた『Documentary of 41stSG アンダーライブ~6期生と違う景色~』。

もちろん運営の意図はアンダラそして6期生に対する注目度と期待度を高めること。
それでも私は正直「これが6期生にとってプレッシャーにならなければいいな」と思っていました。


そんな彼女たちに与えられた今回のアンダー楽曲、『愛って羨ましい』。

初期チェッカーズを思わせるドゥーワップ的な曲調に抜けのいいサビ。
ポップで前向きで、いい曲だと思います。
歌詞は例によって「好きだと言えないウジウジ野郎がゴチャゴチャ自分を正当化している」という私の苦手なやつなんですが笑


とりわけ印象的なのが「Go get’em girl!」の掛け声。

…あれ。

なんかおかしいと思いませんか。

この曲の主人公は「俺」なのに掛け声は「ガンバレ、女の子!」
つまり、詞のストーリーとは無関係なのです。(詞中の「彼女」はあくまでも告白される側)

となるとこれは、アンダーメンバーへ向けたものと考えるのが自然でしょう。

後輩を優しく支える先輩たちへ。
難しい状況の中でセンターに立つ岡本姫奈へ。
そしてやはり、全員アンダーという試練からスタートする6期生たちへのエール

私はそう考えています。


続きます。

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乃木坂史上初となる新期生全員アンダーが話題を呼んだ41stアンダラ。

関連記事:


DAY1を現地で、DAY3を配信で観たのでレポします。
基本的にはDAY3について書いています。

新しい時代の幕開け


セットリストはこちら。

Overture
01. 新しい世界(センター:岡本姫奈)
02. 風船は生きている(センター:岡本姫奈)
03. 自惚れビーチ (センター:岩本蓮加)
04. 口ほどにもないKISS(センター:佐藤璃果)
05. 錆びたコンパス(センター:岡本姫奈)

06. 車道側(センター:矢田萌華)
07. 純粋とは何か?(センター:瀬戸口心月)
08. 踏んでしまった(センター:森平麗心)

<先輩後輩ユニットコーナー>
09. もしも心が透明なら(岡本姫奈、森平麗心)
10. Threefold choice(佐藤璃果、増田三莉音、矢田萌華)
11. のような存在(岩本蓮加、川端晃菜)
12. 無口なライオン(吉田綾乃クリスティー、鈴木佑捺)

13. 落とし物(センター:吉田綾乃クリスティー)
14. 交感神経優位
15. 思い出が止まらなくなる(センター:黒見明香&佐藤璃果)
16. 不道徳な夏
17. 狼に口笛を(センター:伊藤理々杏)

18. 日常(センター:増田三莉音→岡本姫奈)
19. Under's love(センター:佐藤璃果)
20. ~Do my best~じゃ意味はない
21. 相対性理論に異議を唱える
22. 愛って羨ましい

EN
EN1. 自分のこと(佐藤璃果)
EN2. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:佐藤璃果)
EN3. 価値あるもの(センター:佐藤璃果)


印象に残ったシーンを挙げていきます。

岡本姫奈ソロダンスから流れて来たイントロは『新しい世界』。やや意外な選曲。
サビから合流してくる6期生たち。彼女たちが加わる新しい時代と曲名をかけているのでしょうか。

『風船は生きている』ラストの習字。渡辺みり愛座長の東京体育館のオマージュですね。

『自惚れビーチ』、トロッコで全力レスする矢田萌華

『錆びたコンパス』でもう一度座長に戻るのは良い。

瀬戸口心月センターのブリッジから、『純粋とは何か?』。
イントロが鳴った瞬間「運営も酷なことをする」と思いました。

だってそうじゃないですか。
オリジナルの五百城茉央が40thアンダラでその完成形ともいうべきものを観せた。
その記憶もまだ冷めやらぬこのタイミングで新人にやらせるなんてスパルタすぎる。

しかし。
心月ちゃんはやってのけます。

個人的にいおちゃんのストロングポイントだと思っている、腰を入れて斜めにすっと立った姿の美しさ。
スタイルもキャラクターも全然違うのに、どこかそれと通ずる立ち姿
そして「邪念に怯えてるよ」の後に右上を見上げる「凛としているのに儚い」表情
お披露目から1年未満でこれができるのか。正直、凄まじい抜擢センターは伊達じゃない

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森平麗心が踏んだー!!
岩本蓮加と並んでも違和感がないそのビジュアルの説得力たるや

先輩後輩ユニットコーナー後のMCで「6期生から先輩への質問」。
瀬戸口心月から柴田柚菜へ「また頭ポンポンしてくれますか?」から6期生みんなが先輩に頭ポンポンされる流れに。平和か。

『落とし物』吉田綾乃クリスティーのセンターに、今回のフォーメーション2列目までがセンター曲ありなのだと気づく。

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『交感神経優位』。イントロで沸く、完全に人気曲へと成長した印象。
この曲に限らず、全体的に常に落ち着いている川端晃菜

『不道徳な夏』、Coolが大越ひなのでSexyが愛宕心響なのが極めて妥当

『狼に口笛を』、伊藤理々杏の大煽り

この日のハイライト、『日常』については別途書きます。

このところアンダラで毎回セトリに入っている『~Do my best~じゃ意味はない』。
決して振り付け自体は派手ではないイントロを全力で踊る岩本蓮加の、どこか無防備なひたむきさ。

一頓挫あったれんたん。
彼女自身が今どういう心境でアンダラに参加しているのか、彼女のファンそしてファンではない人がどういう気持ちで彼女を観ているかは正直分かりません。

ただ私個人としては今の彼女は結構好きです。

3期生最年少。「クソガキ」感の強かった初期から選抜常連そして「若きベテラン」になるまでずっと彼女の持ち味であり魅力のひとつでもあった(と私は思う)「毒気」。
色々あってその毒気が抜かれて、ただその美貌とダンススキルを何のてらいもなくステージ上で見せるれんたん

私はその姿を魅力的に感じてしまうのです。

本編ラスト前の座長MC。振り絞るように語る岡本姫奈
でも最後の明るく抜けが良い最新アンダー曲『愛って羨ましい』で前向きなエンディングでした。

アンコールは佐藤璃果卒業セレモニー。

「ずっとアイドルに憧れて生きてきた」彼女の最後のアイドル姿

挨拶の後のソロ歌唱に選んだ曲は中元日芽香の『自分のこと』。

活動期間が重なっていたわけではないし、恐らく直接の交流はないでしょう。
もしかしたら王道アイドルを志向しながら「それだけではポジションを得られない」乃木坂46という特殊なグループにおいて苦闘し続けたひめたんの姿に、璃果ちゃんはどこか自分を重ねていたのかもしれません。

『帰り道は遠回りしたくなる』。
乃木坂のマスターピースのひとつ。
西野七瀬という完璧なアイドル人生を送ったレジェンド。彼女のようにはなれなかったけれど、それでも私は乃木坂46だったという矜持

そして最後の最後、佐藤璃果が選んだのは2001年組のユニット曲『価値あるもの』でした。
「代表作がない」璃果ちゃんの唯一のユニット曲です。
勝手ながら32nd『人は夢を二度見る』-唯一の選抜入りだったものの大量5人が選抜入りした5期生の陰に隠れた印象は否めなかった-ではないところに彼女の「向こうっ気の強さ」が出ているような気がして少し微笑ましく思いました。

最後に彼女はその歌詞を引用してこう言いました。

 皆さんが幸せだったら、私はそれが一番嬉しいです
 バイバイ、大好きだよ!


続きます。

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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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