ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:ライブ

びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを挙げました。

関連記事:


こちらではフロントの3人について書きます。

まゆたんの真骨頂


本編最後の「Hot! Cool! Sexy!ブロック」。

フロント3人がそれぞれ3曲ずつセンターを務め、周りを固めるメンバーを入れ替えながら披露していくという新しい試みでした。

Sexyは田村真佑。ここまでやや大人しかった印象でしたがここで一気に本領を発揮します。

彼女の真骨頂である「下品にならないセクシーさ」
そこに『バレッタ』の妖しさ、『深読み』のいい意味での不安定さ、そして『悪い成分』の危うい強がりと、曲ごとのテイストを加えてみせたのです。

こう言ったらなんですが3曲ともやや地味めな楽曲なのに、客席を惹きつけるパフォーマンスをしていたのはさすが

神宮からちょうど1ヶ月。
初めてのアンダラですから新たに覚える曲が最も多かったであろう田村真佑。不安も緊張もあったと思います。

そしてシングルにして13枚、実に4年半の間入り続けた選抜から外れたわけですから、もちろん思うところはあったでしょう。選抜発表時のブログでも「いっぱい泣きました」と悔しさを吐露していました。

それでもこの日の彼女は悲壮感を一切感じさせない「いつものまゆたん」
「私は常に明るくハッピーな気持ちを皆さんに届けたい」という自身の矜持を貫いた彼女は立派でした。

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林瑠奈はわかってる


Coolの林瑠奈
いきなり『Wilderness world』そしてダンストラックでつないでからの『命は美しい』。
あの誰よりも踊れなかった子が…(失礼)とこちらがウルウルしているところへ

 永遠に―
 こうしてるのか―

こちらの感傷を振り払うような力強い歌声で『ここにいる理由』!
初期アンダラ!お前はわかってるってわかってたぞ林!
ちゃんと大間奏でメンバーの名前を叫ばせてくれるのもわかってるな!

みたいな感じで個人的にこの日一番盛り上がった瞬間はここでした。

Hotは金川紗耶
Hotな曲ってなんだろう?と思っていたら『太陽ノック』『狼に口笛を』『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。
盛り上がる曲ってことなのかな。にしても『ジャンフラ』は卑怯笑

ライブでの彼女の見せ場といえば真っ先に思い浮かぶのが「格好いいダンス」。
しかしこの3曲では「アイドルっぽいキラキラ笑顔」を見せてくれました。

少し話がずれますが、このやんちゃんのアイドル笑顔や林のダンス曲連打をはじめとして多くのメンバーに「得意分野以外」での見せ場があったように思います。

これまでなら『Wilderness』や『命は美しい』はやんちゃんセンターだったでしょう。

そして全体的にセンターに8小節任せるソロ歌唱が多かった。
歌に苦手意識のあるメンバーにはかなりのプレッシャーだったでしょう。

でも「得意なことだけやってるわけじゃない」ゆえの緊張感や「チャレンジし続ける」というアンダラの心意気が伝わってきたので個人的には非常に良かった。

さらに余談になりますが、この日のセトリには『日常』がなかったんですよ。
やればブチ上がるのはわかっている。それでも敢えてセトリに入れない。
その意味はきっと「反骨のその先を目指す」ということなのでしょう。(このあたりは40th選抜発表の記事で改めて書きます)

話を金川紗耶に戻します。

アンコールのラスト。
彼女の「次の曲は私たちの想いを曲に乗せて歌います」から流れ出したのは『錆びたコンパス』。

3日間でこの日だけ歌われた、本当に特別な曲でした。

 行ったことのない地平線の先よ
 努力した涯に何を思う?

堂々のアンセム。黄色に染まる客席。ラスサビで目に涙を浮かべるやんちゃん。

最後に彼女が語った言葉はこれでした。

 乃木坂ってやっぱ素敵な場所ですね
 これからも私たちが守り続けます


この日の時点で恐らく40thシングル選抜発表は行われていたでしょう。
すなわち矢久保美緒と松尾美佑の卒業もメンバーは知っていたと思われます。

アンダラを支えてきたふたりが去る。
(39thの田村真佑のように)選抜固定と思われていた五百城茉央が次の座長になる。

そこで私は、私たちは何ができるだろう

そのひとつの答えが「守り続ける」なのだと思います。

センターを経験した金川紗耶をはじめとした39thアンダラメンバーがいおちゃんをどう支え、まつおさんとみっちゃんをどう送り出すのか。

40thアンダラが楽しみです。


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総文字数65,000文字、加筆部分だけでも8,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

当時感じた感想や見解をそのまま残すため本文は主に文体の修正にとどめ、「今にして思うこと」は各記事の末尾に「追記」という形で新たに文章を加えました。


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びーむ色調補正3
10月7日から横浜BUNTAIで3日間開催された39thSGアンダーライブ。

その最終日の配信を観たのでレポします。

いいアンダラ


最初に全体の印象を書いてしまうと、非常に締まったいいアンダラでした。

ひとつの大きな理由として過去にアンダーセンターを経験しているメンバー(※)が過半数を占めていたことがあるのでしょう。
※伊藤理々杏と林瑠奈は32nd『さざ波は戻らない』でWセンター

これは恐らく史上初のはず。
それゆえにオリジナルセンターで披露されるアンダー楽曲が多く、どこか「樋口日奈と2期生の時代」のような「アンダラのスター大集合」感がありました。

なおかつ本編ラストでフロント3人をフィーチャーしてきっちり花を持たせる。

全員が行くべきところと控えるところを理解して役割を果たしている、という感じでした。

セットリストはこちら。

Overture
01. Under’s Love(センター:金川紗耶)
02. My rule(センター:林瑠奈)
03. Hard to say(センター:田村真佑)
04. マシンガンレイン(センター:金川紗耶)

05. 落とし物
06. ~Do my best~じゃ意味はない
07. 滑走路(センター:佐藤璃果)
08. 交感神経優位

<39ブロック>
09. 絶望の一秒前(奥田いろは)
10. 君に贈る花がない(センター:柴田柚菜、岩本、吉田、矢久保美緒、璃果)
11. シンクロニシティ(センター:松尾美佑)
12. サヨナラの意味(センター:金川紗耶)

13. さざ波は戻らない
14. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:黒見明香)
15. 三角の空き地(センター:矢久保美緒)
16. 嫉妬の権利(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 踏んでしまった

<Hot! Cool! Sexy!ブロック>
Sexy:田村真佑
18. バレッタ(センター:田村真佑 、理々杏、璃果、柴田、林、矢久保、奥田)
19. 深読み(センター:田村真佑、岩本、吉田)
20. 悪い成分(センター:田村真佑、理々杏、金川、黒見、松尾)
Cool:林瑠奈
21. Wilderness world(センター:林瑠奈、岩本、吉田、璃果、柴田、矢久保、奥田)
22. 命は美しい(センター:林瑠奈、理々杏、金川、黒見、松尾)
23. ここにいる理由(センター:林瑠奈、岩本、璃果、矢久保、奥田)
Hot:金川紗耶
24. 太陽ノック(センター:金川紗耶、理々杏、吉田、黒見、柴田、田村、松尾)
25. 狼に口笛を(センター:金川紗耶 + 岩本、璃果、矢久保、奥田)
26. ジャンピングジョーカーフラッシュ(センター:金川紗耶)
27. 不道徳な夏

EN
EN1. ロマンスのスタート(センター:田村真佑)
EN2. 車道側(センター:林瑠奈)
EN3. 左胸の勇気(センター:金川紗耶)
EN4. 錆びたコンパス(センター:金川紗耶)

WEN1. 不道徳な夏


ここからはいつものように印象に残ったシーンを挙げていきます。

金川紗耶のキャラクターからすると意外だった『Under’s Love』というオープニング。

『My rule』大間奏で林瑠奈の高速デフラワー!手足長い

『落とし物』の奥田いろは、大間奏のソロダンスで右足を引く速さよ!

『~Do my best~じゃ意味はない』の岩本蓮加、最後の「ありがとう」が妙にしおらしい。

『交感神経優位』!この曲好き!Bフレからブリッジ、サビと『若者のすべて』に似てるけど!笑
ラスサビのソロ歌唱、少し前のめりなリズムで汗だくになりながらひたむきに歌う柴田柚菜
その姿はゆんちゃんの持ち味であり魅力だった「青春感」が今なお彼女の内にあることを感じさせてくれました。

MCでの林瑠奈、「Switchとかネット通販のやり方とかを教えてくれた松尾と矢久保に感謝」が面白かった。

奥田いろは『絶望の一秒前』。
なんでまたこんなソロ歌唱向きでない曲を、とは思いましたが。
5期生制服。セリフ調のラスト。「何もできなかったあの頃の私」と「今の私ができること」の対比。それだけではないでしょうが、彼女がこの曲を通して訴えたいものがあることは伝わってきます。

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松尾美佑は『シンクロニシティ』。
研究生時代に振りを教わって「初めて坂道の一員になれた瞬間」という、いい話。

『三角の空き地』!
オリジナルの中田花奈は艶っぽさが前面に出ていましたが割と「サラッとした」メンバーの多い今回のアンダラでは曲自体の良さが目立ちました。(どちらがいい悪いではなく別の面が強調されたという意味です)
センター矢久保美緒が1番終わりで見せた「心をどこかに置いてきたような」実にいい表情

そして『踏んでしまった』だー!!
アンダラではもはや「紅だー!!」ぐらい盛り上がる鉄板曲

本編最後の「Hot! Cool! Sexy!ブロック」については次の記事で書きますが、ここからの新衣装が可愛かった。

締めはこの夏を駆け抜けた曲『不道徳な夏』。

アンコールは『ロマンスのスタート』から。
『車道側』でひたすら楽しそうにじゃれる岩本蓮加吉田綾乃クリスティー

最後の曲『錆びたコンパス』。これも次の記事で。

Wアンコールは再びの『不道徳な夏』。黒見明香を捕獲する田村真佑

最後の最後はメンバーとファンがお互いに向けて「サンキュー!」。
これいいアイディアでしたね。なんだかグッときました。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは、やっぱり金川紗耶ですかね。
林瑠奈も以前のような力みが抜けて魅力的な表情が多かった。

そして特筆したいのが奥田いろは

表情、動き、シルエット(姿勢)等、この日の彼女の「すみずみまで神経が行き届いている感」は半端なかった
やはり舞台出演を重ねて様々な角度から観られ続ける日々を経験しているのが大きな成長の糧となっているのでしょう。


続きます。

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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

関連記事:


当記事では主に「夏の座長」賀喜遥香とその両脇を固めた一ノ瀬美空、川﨑桜について書きます。

さくみくがいた夏


まずは初フロントのふたり「さくみく」。

いきなり偉そうですが、ふたりはよくやったと思います。

 音楽番組での『Same numbers』披露や全ツでフロントメンバーとしてどれだけの存在感を示せるか。
 もっとはっきり言うと「他推しのファンにどれだけ認めさせるか」が重要ですね。

関連記事:


39thシングル選抜発表の記事でこんなことを書いていたのですが、それは見事に達成されたのではないでしょうか。

神宮でもふたりは輝きを放っていました。

オープニング『君に叱られた』のラスサビ前で遠藤さくらと腕を組んでニッコニコの一ノ瀬美空

『裸足でSummer』では「大好きの伝え合いっこしよう?」「苦しくなるぐらいみんなのことメロメロにしちゃ~うぞ?」と本日も絶好調の川﨑桜

アンコール中、前年の池田瑛紗と小川彩同様に繋ぎの寸劇に出てくるふたり。
さくたんの「ここにいるみんなを呪ってやる!じごくしゅわしゅわ~!」

そして最大の見せ場となったのはライブ終盤の『ありがちな恋愛』でした。

『真夏日よ』から『Monopoly』とたたみかけ、次はなんだ?と客席が待ち構えているところにあのイントロ。浮かび上がるふたつの影。
うお!ここでさくみくか!と思ったのが私だけでないことは、会場のどよめきが証明しています。

「責任も不安も葛藤も」あったけれど「本当に幸せな期間だった」と言い切った一ノ瀬美空。
「とにかく試行錯誤の毎日」で「どうすればもっと理想の表現に近づけるのかを常に模索し続けて」いたけれどそれも「かけがえのない経験になりました」と振り返った川﨑桜。

いずれ否応なしに来る「かきさく後の世界」に立ち向かうために、銀河系軍団5期生からさらなるフロントやセンターを輩出する。
フロント登用を決断した運営と期待に応えたさくみくは、その可能性を拓いてみせました。

「私たちやり切ったよね!!!!」
「私達やり切ったよ!!!」

ブログで互いにエールを送ったふたり。
堂々たるフロントでした。

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かっきーがいた夏


『好きというのはロックだぜ!』以来、3年ぶり2度目の夏の座長となった賀喜遥香

神宮でも彼女の周辺で心を揺さぶる数多くのシーンが生まれました。

後半ブロック最初の『Sing Out!』。

早々にウルウルしだす菅原咲月。曲中で泣きながら語る賀喜遥香
もらい泣きする梅澤美波久保史緒里井上和。みな「責任を負ってきた者たち」です。

そして曲が終わり再び口を開いたかっきーは「みんながヒロイン」「ファンの皆さんも主役」「誰かのヒロインとして立たせていただいている」と言葉を連ねます。

メンバーはみんな、誰かのヒロイン

まあいわゆるカワイイ系の自己肯定感と、なんならFRUITS ZIPPERの『わたしの一番かわいいところ』の歌詞と言ってることの大元は一緒だと思います。

でもそれをポップにコーティングせず茶番にも逃げず、ただまっすぐな感謝として伝える。
それはやはり乃木坂ならではであり、齋藤飛鳥に「度を超えたピュアさ」と言わしめた賀喜遥香ならではだと思うのです。

続いて10回目の神宮記念ソング『真夏日よ』。
先ほどのMCの流れからずっと泣いている菅原咲月。「まつおさん」コールがやたらとデカいのもいいなあ。

そこから『Monopoly』!
本当に楽しそうに踊る遠藤さくら賀喜遥香。それをいつものようにニッコニコで見守る井上和

『Same numbers』。
少し目を潤ませる川﨑桜。座長だったわけではないけれど、それでも責任や期する想いはあって。
さくみくにエスコートされて頬を緩める賀喜遥香

ラスト『乃木坂の詩』前のMC、6期生代表は瀬戸口心月。もの凄く緊張しながら「次はもっともっと大きい自分で」。

そして遠藤さくらの「神宮でしか味わえない感情がある」。それは我々ファンも同じで。

「ここに来て良かったんですよね」
「私たちは未来を作っていく途中」

決して自分に満足することのない彼女なりの自己肯定。

『乃木坂の詩』後の梅澤美波のMCに目を潤ませるメンバー多し。
はけながら泣いていたのはその梅ちゃんと川﨑桜

Wアンコールの『君に叱られた』も終わり、「嬉しい~、どうしよう~」と締めに困る賀喜遥香
それを引き取った梅澤美波。その後ろでそっと涙をこぼす岩本蓮加

こうして神宮4DAYSは幕を閉じました。

そう、あの時と同じ4日間だったのです。

2年前、先輩たちのいない初めての夏。
そこで先輩たちもなしえなかった神宮4DAYSを完走した時に、梅ちゃんは涙を流しながら「私たちが乃木坂46です!」と叫びました。

関連記事:


そこから3期の2枚看板である山下美月と与田祐希は卒業。
そして6期生にとっては初めての全ツ、初めての神宮。

にもかかわらず、あの時プレッシャーに押しつぶされそうになりながら必死の思いで駆け抜けたのと同じ4日間をごく自然な形でクリアした。(少なくとも私にはそう見えました)

それこそがこの2年間、ちゃんとグループが前に進んできた証ではないでしょうか。

その中心にいた賀喜遥香。この日は多くの言葉で懸命にその想いを伝えてくれました。

本編ラスト『Same numbers』前のMCで「かっきーがセンターだからもう安心、全部任せられると思ってもらうことが目標だった」と語ります。

3期生にはもう本当にただ楽しい思い出を作ってほしい。
6期生にはツアーが楽しいものだということを感じてほしい。

みんな、私の心配なんてしないでただ全力で夏を楽しんでほしい。

正直「自分と闘ってきた夏」であり「夜に1人で泣いちゃったりするときもいっぱいあった」けど。

それでも最後に彼女はこう締めくくります。

 今年の夏、すっごく楽しかったです!皆さんのことが大好きです!

この言葉に救われた気持ちになったメンバー、スタッフ、ファンは多いのではないでしょうか。

かっきーの不安や葛藤。
きっと梅澤美波も久保史緒里も遠藤さくらも、田村真佑も弓木奈於も柴田柚菜も(もちろん他にも多くのメンバーが)それに気づいていたと思います。

それでも、かっきーが頑張りたいなら頑張らせてあげたい

だから信頼して任せる。
そしてその信頼に応えたかっきー。

彼女がこの夏、我々に見せてくれたもの。

それは自分の弱さを知りながら、それでも誰かのために強くありたいと願う者の強さそして美しさでした。


最後に、余談になりますがもうひとつ。

賀喜遥香が「夏の座長」のプレッシャーを語る姿を観て思ったことがあります。

井上和って、凄まじい

加入から8年、センター4回、座長も2回目のかっきーでも不安を感じる役割。
それをお披露目から2年半の間に2度も(それも10代で!)務めた和ちゃん。

与田祐希に「和を見てるともう一度頑張ろうと思わせてくれた」と言わしめたのは伊達じゃない。

我々は(というか少なくとも私は)最近ちょっと彼女の凄さに慣れ過ぎていた気がしました。

なので言うまでもないことですが、敢えて文字にしておきます。

和ちゃんは乃木坂の宝です



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びーむ色調補正3
今年の全ツもファイナルは聖地神宮。

そしてただの神宮ではなく、「10回目の神宮」でした。

DAY2は現地で、DAY4は配信で観ることができましたのでレポします。
(当記事では基本的にDAY4について書いています)

暮れてゆく空


セットリストはこちら。

Overture
01. 君に叱られた
02. ジコチューで行こう!(センター:遠藤さくら)
03. 裸足でSummer(センター:川﨑桜)
04. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
05. 好きというのはロックだぜ!
06. ネーブルオレンジ

<39thカップリングコーナー>
07. なぜ 僕たちは走るのか?
08. ってかさ(センター:林瑠奈、遠藤、賀喜、弓木、小川、川﨑)
09. 不道徳な夏

<ユニットコーナー>
10. 君の名は希望(センター:森平麗心、海邉、鈴木)
11. 錆びたコンパス(センター:田村真佑、岩本、金川、黒見、松尾、矢久保)
12. ぼっち党(センター:弓木奈於、岡本、冨里)
13. あんなに好きだったのに…(センター:川﨑桜、理々杏、吉田、璃果、柴田、林、奥田)
14. ボーダー(センター:小川彩、筒井、五百城、菅原)
15. ごめんねFingers crossed(センター:遠藤さくら、梅澤、池田)
16. ひと夏の長さより…(センター:久保史緒里、井上、中西)

17. Sing Out!(センター:賀喜遥香)
18. 真夏日よ
19. Monopoly
20. ありがちな恋愛(センター:一ノ瀬美空・川﨑桜)
21. 制服のマネキン(センター:久保史緒里)
22. Actually…
23. 夏のFree&Easy(センター:梅澤美波)
24. おひとりさま天国
25. I see..
26. Same numbers

EN
EN1. チートデイ
EN2. 他人のそら似
EN3. ジャンピングジョーカーフラッシュ
EN4. 乃木坂の詩

WEN1. 君に叱られた

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは、サイド流してボリューム出した髪型が可愛かった大越ひなの
あとはいつにも増して「きゅるきゅる」だった冨里奈央ですかね。
そして何度見ても池田瑛紗のお顔はお強いなあ。

まずは印象に残ったシーンを挙げていきます。
フロント3人(賀喜遥香、一ノ瀬美空、川﨑桜)については次の記事で詳しく書く予定なので、主にそれ以外のメンバーで。

オープニングは『君に叱られた』。

続く『ジコチューで行こう!』で久保史緒里に投げキス連打する小川彩
大間奏のだるまさんがころんだでほっぺにキスを要求する賀喜遥香。その肩をガシッと掴み自分の方を向かせてから手のひら越しに口づけした遠藤さくら

『裸足でSummer』で先輩たちに捕獲される6期生たちの微笑ましい姿。なぜか捕獲される側だった伊藤理々杏

『好きというのはロックだぜ!』でタオルを回しながら自分もくるくる回り続けるご機嫌な井上和

『ってかさ』。
オマージュだろうがパロディだろうが「自分のものにしてる感」溢れる遠藤さくら林瑠奈小川彩
そしてさくちゃんに肘を置かれて困り顔をするあーやがすこぶる可愛い。

ユニットコーナーの最初に流れる『君の名は希望』のイントロ。浮かび上がるシルエット。

久保ちゃんじゃない、アルさんでもない、

森平麗心だ。

2022年の全ツで5期生メインのユニットはなかったはず。「あの」5期生ですらそうだったことを考えるとこれは本当に凄いこと。
目に涙を溜めながら頑張る鈴木佑捺も、ミスがありながら立て直した海邉朱莉も立派でした。

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アンダラのアンセム、『錆びたコンパス』。
2公演に一度披露されてきたこの楽曲。メンバーは固定ですがセンターは日替わりだったそうです。アンダーの心意気を感じさせアンダラへの期待を高める良い演出

そして会場の誰もが「え?え?これやんの?」と思ったであろう『ぼっち党』。
選曲も意外ならメンバーも意外、なのにしっくりくる。
岡本姫奈の「ChatGPTと毎晩話していたら制限がきちゃって泣く泣く課金しました、おかぼっちです」が秀逸。

これまた意外な『あんなに好きだったのに…』。正面から風を受ける林瑠奈が格好いい。

『ボーダー』。なんというか、いい4人
「みんな~愛してるよ~」と叫ぶ小川彩

『ごめんねFingers crossed』でバキッとウインクを決める遠藤さくら

いわゆる「歌うまトリオ」での『ひと夏の長さより…』。
『ネーブルオレンジ』の時も感じたが中西アルノの「抜いて歌う」歌唱の心地よさ

『Sing Out!』から『ありがちな恋愛』までは次の記事で。

もはやライブ定番曲として完全に市民権を得た『Actually…』。
中西アルノが不敵でふてぶてしい実にいい表情。目をひんむく川﨑桜笑

『夏のFree&Easy』。池田瑛紗の巻き舌煽りに甦る生駒里奈の記憶
ラスサビでふいに感傷に襲われたような表情を浮かべる梅澤美波

『I see..』でふたり一組でカメラにアピールしていくメンバーたち。
しっかりと抱き合う遠藤さくらと賀喜遥香

本編ラストは『Same numbers』。

アンコール、『他人のそら似』で金川紗耶と黒見明香に迫られて当惑する冨里奈央

『ジャンピングジョーカーフラッシュ』のイントロに沸き上がる歓声。
荒ぶる池田瑛紗一ノ瀬美空岡本姫奈「ドンけつ」する川﨑桜と中西アルノ
ちゃんとオリジナルポジションで踊る4期生たち。

Wアンコールは今年の夏を締めくくるにふさわしい曲、『君に叱られた』。
互いを確かめるように抱き合う遠藤さくら矢久保美緒
憧れの池田瑛紗に肩を抱かれて目を泳がす増田三莉音

そこかしこで抱き合うメンバーたち。
使い古された言葉ですが、やっぱり多幸感としか言いようがない。

目覚めたくない夢のような情景とともに今年の夏は終わりました。


最後に、個人的にこの日一番印象に残った『制服のマネキン』について。

フロント3人が見得を切るイントロ。
中西アルノ、井上和ときてセンターは誰が?と思ったら久保史緒里でした。

現場で観た瞬間に覚えたのは違和感
正直「なんで今さら久保ちゃんなんだろう」と。

ライブ後も何日か考え続けてたどり着いた結論は「それが3期生の責任だから」でした。

神宮。『マネキン』。とくれば生駒里奈。

10thバスラで一夜限りの復活をした生駒ちゃん。その真後ろで踊っていた久保ちゃんは当時こう語りました。

「あ~『マネキン』の正解ってこれだよなあって…久しぶりに正解を見た気がしました」。

その「正解」を伝えるのが私たちの責任
それができるのは生駒里奈の背中を見た、共に活動した最後の世代である3期生だけだから

だからこそ『マネキン』は全日程共通で、しかも全員参加曲(選抜メンバーのみやユニット曲ではなく)として披露されたのだと思います。

9月16日に久保ちゃんの卒業が発表された時に、私のこの推測は確信に変わりました。


続きます。


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びーむ色調補正3
前の記事までライブの内容について振り返りました。

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当記事ではライブ後につらつら考えていたことを。

美しさと難しさ


ある方が13thバスラ2日間の日のセトリとメンバー別のセンター曲を纏めておられたのですが、そちらによるとセンター回数(W含む)の上位は次の通りです。

梅澤美波(12)、久保史緒里(11)、井上和(11)
中西アルノ(9)、遠藤さくら(8)、賀喜遥香(7)
池田瑛紗(5)、筒井あやめ(4)、菅原咲月(3)
※カッコ内は回数、2回のメンバーは多数

明らかにセトリの中心になっていたのは上6人。

すなわち「精神的支柱」うめくぼ「エース」かきさく、そして「センター」アルなぎでした。

とりわけ目を引いたのは井上和と中西アルノが座長っぽい扱いになっていたことです。

基本的にこれまでのバスラは「座長」という概念が希薄、というかほぼありませんでした。
そもそも全曲披露の時代にはオリメンはオリジナルポジションに入ることが多かったですし。

しかし今回はオープニング曲でのセンターや本編ラストでの挨拶など、アンダラや全ツの座長が務める部分をアルなぎが担っていました。

「Red&Blueコーナー」でもかきさくアルなぎがそれぞれ1曲ずつ自身のセンター曲を披露。
ちなみにこの日のかきさくはライブを通じて若干引いた位置で貫録を見せていたという印象です。

そんな扱いを見て感じたのが「運営はアルさんを和ちゃんと対等のエース格にしたいんだなあ」

ただ正直個人的にはそもそもアルさん2度目のセンターについてあまりピンときていません。

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なので今回のバスラにおける和ちゃんと対等のエース格扱いはなおさら「強引だなあ」と思ってしまいます。(「とりあえずこの曲限り」であるWセンターよりさらに一段階二段階上なので)

もちろん井上和1強は彼女の負荷を考えても望ましくないし、「銀河系軍団」5期生から輩出されるエース格が和ちゃんひとりというのもあってはならない。

ではアルさん(あるいは他の5期生)が和ちゃんと同等のエース格となるにはどうすればいいのか…と考えてたどり着いた結論が「そもそもWエースというもの自体がかなり難しいんじゃないか」でした。


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理由はいくつかあります。

まず、Wエースって美しいけど不安定でもあるんです。

昔から競馬には「2強対決はどちらかが飛ぶ」が「3強対決は固く決着する」というジンクスがあります。
まあ要するに2強は不安定、3強は安定的ということです。

アイドルグループで考えてもWエースだとどちらか片方が卒業すると「戦力半減」という印象は免れません。

つまり、Wエースは「第3の存在」があってこそ完成するのです。

ここでクローズアップされるのが、ずっといわば第三極として機能してきた齋藤飛鳥の偉大さ

白石西野時代。よだやま時代(これは幻に終わった)。そしてかきさく時代に至るまで。
1期生最年少ゆえになしえた「誰とも並び立たない」というその特異な立ち位置。

それこそが乃木坂に安定性をもたらしていたのだと改めて感じます。

もっと言えば、初代センター生駒里奈がいてくれたから白石西野が成立したという側面もあります。

生駒ちゃんが運営推されに対するアンチを受けている間にまいやんとなーちゃんはそれぞれ評価を高め支持を集めることができた。

そして6thシングル『ガールズルール』でひとつの正解である白石麻衣センター。
その『ガルル』から握手会30部フル完売して御三家に追いついてみせた西野七瀬が8th『気づいたら片想い』で満を持しての初センター。

どちらも絶妙なタイミング
その後もふたりはどんどん大きくなっていくグループで人気トップとして君臨し続け13th『今、話したい誰かがいる』で初のWセンター。この時点でグループ結成から4年強が経過していました。

さらに1年半後に再びふたりがWセンターを務めた17th『インフルエンサー』で乃木坂はレコード大賞を受賞します。

どちらかがデビュー曲のセンターだったら、こうはなっていなかったはずです。

ふたつめの理由。

例によって私の思い込みですが、Wエースは「誰もが認めざるを得ない存在」と「ピープルズチャンプ」という組み合わせが美しい
白石西野では無論、前者がまいやんで後者がなーちゃんです。

和ちゃんはその美貌、そして何より加入当初から5期生の最前線に立って積み重ねてきた実績により「認めざるを得ない」の方だと思います。
それに対し、熱狂的なファンは多いものの現時点ではどうしても賛否両論になってしまうアルさんはピープルズチャンプとは言い難い
彼女がその域に達するとしたら「ファンもアンチも巻き込んで熱狂を生む」スタイルかと思いますがそれは非常に難易度が高いですね。(そしていかにも「AKB的」ではないかと)

また「初代期別センター」かつ「新人抜擢センター」となったメンバーには多くのアンチがつくので、そこからピープルズチャンプになるのは極めて困難。

「ナチュラルボーンアイドル」大園桃子をもってしてもその壁は超えられませんでした。

となると理想は初代期別&新人抜擢センターがそのままアンチも黙らせる認めざるを得ない存在へと成長し、その間に(運営主導ではなく)ファンの支持を抜擢センターと同等「以上(これ重要)」に集めたメンバーがピープルズチャンプとして並び立つこと。

そしてふたりがWセンターをやるのは自分たちより年下(ベストは同期)の単独センター誕生より後。

あれ?かきさくじゃん笑

そう、かきさくはなかなか奇跡的なバランスなんです。
これ書き始めるとめちゃめちゃ長くなるので今回は省略しますが、ふたりのパワーバランスがうまい具合に曖昧…というか行きつ戻りつ保たれてきました。

そんなふたりでも『Monopoly』で初めてWセンターをしたのは加入から約5年後。
上で書いた白石西野もしかりです。

Wエースが違和感なく成立するには、それなりの時間がかかるということなのでしょう。



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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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