ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:一ノ瀬美空

びーむ色調補正3
今年で3年連続となる「スタ誕ライブ」。

個人的にも3年連続の参戦です。

2年半の集大成


セットリストはこちら。

01. ケセラセラ(全員)
02. 君に届け(五百城茉央・岡本姫奈・川﨑桜・冨里奈央)
03. シャボン玉(一ノ瀬美空・井上和・小川彩・菅原咲月・中西アルノ)

<ソロコーナー>
04. ふめつのこころ(池田瑛紗)
05. 人生(五百城茉央)
06. SAKURA(川﨑桜)
07. I BELIEVE(一ノ瀬美空with井上和・小川彩)
08. 三日月(中西アルノ)
09. 100万回の「I love you」(菅原咲月)
10. 君の知らない物語(井上和)
11. 春よ、 来い(ピアノ:小川彩 歌:奥田いろは)

12. NO MORE CRY(五百城茉央・池田瑛紗・岡本姫奈・冨里奈央)
13. 気分上々↑↑(一ノ瀬美空・川﨑桜・菅原咲月・中西アルノ)

SPゲスト・ゴスペラーズ

14. ひとり(ゴスペラーズ&井上和)
15. ロビンソン(ゴスペラーズ&井上和・中西アルノ)
16. YOUNG MAN (Y.M.C.A.)(ゴスペラーズ&全員)

17. できっこないを やらなくちゃ(全員)


<乃木坂46 5期生SPECIAL LIVE>
Overture
01. 絶望の一秒前
02. いつの日にか、あの歌を
03. バンドエイド剥がすような別れ方
04. 熱狂の捌け口 
05. 「じゃあね」が切ない
06. 考えないようにする
07. 心にもないこと
08. 17分間
09. おひとりさま天国

EN
EN1 ダンケシェーン
EN2 太陽ノック(センター:岡本姫奈)
EN3 乃木坂の詩


印象に残ったシーンはごく軽めに。

『シャボン玉』!これ聴きたかった!アァーイ!

『I BELIEVE』。
決していわゆる「歌メン」ではない一ノ瀬美空の歌唱の安定感。元々得意でも武器でもないけれど、ちゃんと歌に向き合ってきた2年半を感じさせます。

『君の知らない物語』、そしてゴスペラーズさんとの共演で感じた井上和の「失敗しなさ」

和ちゃんにはここ一番で絶対に外さないという信頼感がありますね。
これまでもたびたびバックヤードで悩んだり泣いたりする姿を見せてはいますが、本番ではことごとく成功してきました。

それを「スター性」の一言で片づけるのはあまりにも安易だし失礼でしょう。
相当な陰の努力があるというのは大前提として、彼女は「失敗に見せない」力が凄いのだと思います。

井上和がやり切った顔をしていたら失敗に見えない
それは乃木坂の歴代エースたちを、特に白石麻衣を彷彿とさせるものでした。

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11thバスラ5期生ライブの記事では「素質に恵まれた「持てる者」であるゆえに彼女たちの想いや努力は見えにくい」と書きました。

関連記事:


しかしこの日はそれ=彼女たちの想いや努力がありありと見えました。

『春よ、 来い』

番組内で「小川彩 横浜アリーナへの道」と大々的にフィーチャー。
露骨に煽られた期待で、あーやにはかなりのプレッシャーがあったことでしょう。

そこへきて直前に奥田いろはの体調不良。
自身の演奏だけでも不安なのに、いろはの体調の心配まで加わります。

そもそも披露できるのかが不透明なまま、それでも土曜夜、日曜昼と公演は続いていき。
夜の部開演間際に発表された「奥田いろは一部出演」。
それを見た誰もが「あの曲のために出てくるんだな」と思ったことでしょう。

登場したふたりの姿に沸き上がる歓声。
その波が引いた静寂の後、奏でられるアルペジオ。
息を詰めるように聴き入る客席。

曲が終わり、あーやといろはを包んだ万雷の拍手
涙で進行できなくなったオズワルド伊藤さんを「泣いてるんですかぁ~?」といじりながら泣き笑いするふたり。


そして。

この日最も心を揺さぶられたのは終演後でした。

鳴り止まなかったんですよ、Wアンコールが

いったい何分続いたのでしょう。
客電がついて外周の看板にも電気が入り、もうメンバーが登場しないことは明らか。
それでも彼女たちを求める声は止みませんでした。

もうそれがすべてを表しているかと。

5期生2年半の集大成。

スタートは9人。ふたりが遅れて合流。
そしてすぐに「アルノ事変」。ふたりが活動自粛。
そんな異常事態の中、9人で始まった冠番組。

ここまでお披露目からたった2ヶ月。2ヶ月ですよ。
さらにその翌月には日産スタジアム、7万人の前での10thバスラ2DAYS。

「激動」という言葉すら生易しく思えるほどの大荒れのスタートを切った5期生

そんな彼女たちの活動において、間違いなくひとつの軸であり心の拠り所だったであろう5期生単独冠番組。
どう考えても間もなく6期生にバトンタッチするであろうその「ホーム」。

その集大成をこのライブで見せてやるという11人の気迫。
それがファンに届いたからこそ、あんなにも鳴り止まなかったのです。

それは同時に彼女たちの素晴らしき、そして凄まじき2年半に対するスタンディングオベーションでもありました。



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「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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びーむ色調補正3
2024年の全ツはスタジアムツアー。そのファイナルは聖地神宮。

今年はDAY1のみ配信で観ました。

ひと時の安寧


セットリストはこちら。

Overture
01. チートデイ
02. 太陽ノック(センター:久保史緒里)
03. 裸足でSummer(センター:遠藤さくら)
04. 君に叱られた
05. ジコチューで行こう!(センター:井上和)

<期別コーナー>
06. 熱狂の捌け口
07. ジャンピングジョーカーフラッシュ
08. 僕の衝動

<ユニット&ソロコーナー>
09. Threefold choice
10. Am I Loving?
11. ぶんぶくちゃがま
12. あと7曲
13. Never say never
14. ここにはないもの(井上和ソロ)

15. あらかじめ語られるロマンス(理々杏、向井、与田、賀喜、田村、筒井、矢久保、池田、一ノ瀬、小川、冨里)
16. ロマンティックいか焼き(久保、楓、吉田、遠藤、黒見、璃果、林、五百城、川﨑、中西)
17. 君が扇いでくれた(岩本、梅澤、中村、金川、柴田、松尾、弓木、井上、岡本、奥田、菅原)
18. 自惚れビーチ(センター:奥田いろは)
19. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
20. ひと夏の長さより…(センター:池田瑛紗&小川彩)

21. 落とし物
22. Wilderness world(センター:遠藤さくら、岩本、楓、金川、筒井、松尾、井上、一ノ瀬、菅原)
23. Actually…
24. おひとりさま天国
25. 好きというのはロックだぜ!
26. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)

27. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
28. 僕が手を叩く方へ
29. 誰かの肩

EN
EN1. ハウス!
EN2. スカイダイビング
EN3. ロマンスのスタート
EN4. Monopoly
EN5. 乃木坂の詩


印象に残ったシーンを挙げていきます。

『チートデイ』で早くもいちゃいちゃする遠藤さくら賀喜遥香
同曲での井上和、そして続く『太陽ノック』の久保史緒里と全力すぎる煽りで喉が心配笑
そしてとにかく風が強かったこの日。

『裸足でSummer』で小川彩のほっぺをツンツンする田村真佑
『ジコチューで行こう!』で再び井上和にセンターが戻る構成も良い。その和ちゃんを与田祐希がおんぶする茶番。

期別コーナーでは同じデザインで期ごとに差し色が異なる衣装。
4期のオレンジが可愛い。そして5期がグレーで一番シックなのがなんか良い(3期は青)。

プリンセス茶番をノリノリで演じる弓木奈於一ノ瀬美空
プリンセスバトルの司会はおなじみ高橋大輔アナ。対決するのが小川彩筒井あやめ与田祐希とはビジュアル強・強・強。

判定の結果5期が勝利し喜ぶ井上和と後ろで不服そうな小芝居をする遠藤さくら

『Am I Loving?』で遠藤さくらを取り合う梅澤美波井上和。梅ちゃんの圧に負けずにギュッといく和ちゃん。カメラに向かって自らアップになりに行くさくちゃんにどよめく神宮。

『ぶんぶくちゃがま』。たぬきのコスプレで出てくるメンバー(田村真佑筒井あやめ池田瑛紗一ノ瀬美空冨里奈央)の破壊力たるや。5者5様ですが全員どこか「2次元感」がある気がします。

『あと7曲』。林瑠奈!
『アトノマツリ』が好きなので同曲のメンバーに後輩ふたりを加えたこの曲が披露されるのは嬉しい。

『ここにはないもの』をソロ歌唱する井上和。ハート強いなあ。

つなぎVで奥義「じゃーん」を繰り出す岩本蓮加

そこから始まる夏曲コーナーではメンバー全員浴衣での歌唱。
短冊に「最強になる」と書く与田祐希矢久保美緒は「大きくなる」。

「most valuable Dance performer」という大煽りからソロダンスをつなぎ最後はバアァーーーン!という感じで遠藤さくら。そこから『Wilderness world』のイントロというかっちょいい流れはこの日のハイライトのひとつかと。

シングル曲4連発で盛り上げたあと、オーケストラとバラード3連発で本編終了。
たまにはこういうのもいいかと思いますが、ちょっと2017年東京ドームの本編ラストが『いつかできるから今日できる』でなんだかモヤモヤした空気になったのを思い出しました笑

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アンコール。

『ハウス!』フロート乗り換えで挙動不審な遠藤さくら
『スカイダイビング』のAフレでやたら長くカメラに抜かれてとまどう中西アルノ
『ロマンスのスタート』イケメン冨里奈央に捕獲される一ノ瀬美空

そんなアンコール定番の「楽しきゃいい」曲3連発からの『Monopoly』!ここで使うか!
「かきさく」=賀喜遥香遠藤さくらがイントロで迸らせる威風堂々Wエース感。
なのにサビ前に前髪を直してあげたり曲後わりでわちゃわちゃいちゃいちゃしたりという落差。

それは「決める時はビッシビシに決めるけどふざける時は思いっきりふざける」かつての1期生たちの姿を思い起こさせるもので。
ふたりがいよいよ本当に乃木坂の柱になったことを感じさせるシーンでした。

ラスト前のMC、アンコール中のコール指導で盛大に間違えてへこむ池田瑛紗
なのに梅澤美波に「抱きしめてほしい」と甘え、転んでもただでは起きない姿も微笑ましかったですね。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは、ひとつ結びの遠藤さくら
いつもの「ライブ大好きニッコニコさくちゃん」なだけでなく、この日は一際テンションが高かったのか「あざとさくちゃん」も全開。
賀喜遥香、そしてポニーテールの筒井あやめも印象に残りました。


2024年の夏は初座長もセンターやキャプテン経験者の卒業もない、言ってしまえば大きなトピックのない全ツでした。
そんなのいつ以来でしょうか。

もちろん史上初の2年連続座長であった和ちゃんには彼女にしかわからないプレッシャーがあったでしょうし、結果的に今年が最後の神宮になるメンバーもいるかもしれません。(当記事の作成中である2024年11月1日に向井葉月さんが年内での卒業を発表しました)

それでも、少なくとも多くのファンにとって「胸が締めつけられるような」シチュエーションの全ツではなかった。

結成13周年を超えこの先もメンバーの卒業と加入を繰り返しながら進んでいくグループに訪れた、ひと時の安寧

私にはそう見えましたし、それがとても得難いものだと感じました。



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deux補正2
前の記事ではTeamSTAR5人の演技についての感想を書きました。

関連記事:


今回は5期生版『セラミュ』の意義について。

彼女たちが『セラミュ』を演じる意味


前の記事で書いたように様々なタイミングが重なって実現できたであろう今回の再演ですが、それと同時に現在の彼女たちがセーラー戦士を演じるのは必然であるように感じました。

まず「5期生が」演じる意味。

かつて『2020年の乃木坂46』で新4期生加入に際し「4期版『じょしらく』をやってはどうか」と書いたことがあります。

遅れて加入した彼女たちが4期生と、そしてかつてその役を演じた先輩たちとの距離を縮める格好の機会になるのではないか、と。

今回の再演にはそれと同じような効果があったのではないでしょうか。

5期生たちは過去の先輩の演技を何度も繰り返し観たそうです。

舞台で活躍を続ける卒業生たちの姿。そして憧れの3期生4期生たちがまだ加入間もない時期に懸命に食らいついている姿も。
※2018年の3期生(山下美月、伊藤理々杏、梅澤美波)はお見立て会から1年半後、2019年の4期生(田村真佑、早川聖来)は同じく10ヶ月。ちなみに今回の5期生は2年2ヶ月

何か感じるものがあったはず。
そうやってまたグループの歴史が続いていくのです。

中西アルノがお歳暮を贈った仲の向井葉月に水野亜美をどう演じるか話せていたら嬉しいですね。

そして「乃木坂が」演じる意味。

運命の5人

過去に演じた先輩たちも今回の5期生も異口同音に「セーラー戦士が集まっていく物語がアイドルである自分たちに似ていると思った」と語っています。

前作までは期を跨いで「キャリアも年齢も違う私たちが集まった奇跡」。
今回は「この5人(11人)が乃木坂の5期生として集まった奇跡」でした。

ゴリゴリの舞台ファンや純粋なセラミュファンからすれば「演者の関係性」なんて知ったこっちゃないだろうし、それに立脚した感動なんて邪道以外の何物でもないでしょう。

それでも、乃木坂版においてはこれも…というかこれこそが醍醐味だと思うんですよね。

ストーリー上のセーラー戦士たちの関係性と現実のメンバーとしての絆が交錯する瞬間。

前の記事では「木野まこと像を提示した」と書いたなおなおが、終盤にどうしても冨里奈央が抑えきれずに浮かべる感極まった表情

「遅れて登場」のセーラーヴィーナスが実際に遅れて5期生に合流した川﨑桜と池田瑛紗だったり。

そして最泣きポイント(過去の先輩たちはみんな千秋楽でガチ泣きでした)である『運命の貴女へ』歌唱前の「みんながいたから、ここまでこれた」という言葉。

それこそ「嘘がない」からこそ観ているこちらの胸に迫るのです。

楽曲PVだって現実とリンクした内容のものがありますよね。
そしてそれが名作を生んだりするじゃないですか。それこそ『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』とか。

それによって物語が本来持つ以上の奥行きが生まれるのです。


私は井上小百合推しですので彼女が主演である2018年版のTeam STARは都合3回観劇しましたし、同年のTeam MOON(山下美月主演)や2019年(同じく久保史緒里)バージョンもCSで放送されたものを観ています。

正直、思い入れも相当あります。

そんな私にとっても、今回の5期生版は諸手を挙げて称賛したい素晴らしいものでした。

5期生が『セラミュ』をやってくれて、本当に良かった

主演の井上和と菅原咲月は口を揃えて「バトンを繋いでくださった先輩方のおかげ」と言っていましたけれど、

あなたたちも立派にバトンを繋ぎましたよ

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deux補正2
それは予想外の嬉しいニュースでした。
突如発表された5期生版『セラミュ』。

2024年4月、IMM THEATERにおけるTeamSTAR公演を2回観劇してきましたのでレポします。

大英断


乃木坂46「5期生」版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』。
2018年と2019年に上演されたものの再演。

まず何より、5期生に『セラミュ』を演じさせたという英断に拍手を送りたいです。

そもそも5期生は11人。セーラー戦士5人のダブルキャスト自体が不可能でした。

しかし。

経緯や内情は存じ上げませんが、発表の時系列から推測するに奥田いろはが『ロミオ&ジュリエット』のオーディションに合格した(素晴らしい偉業!)のが最初なのでしょう。

そこで「いろはが離脱する期間があるのか…え、ってことはセーラー戦士5人をダブルキャストで5期生版『セラミュ』できるじゃん!」と思いついた誰か、そしてゴーを出した誰かの超ファインプレー、大英断

そこからキャストとスタッフと会場のスケジュールを押さえ開催にこぎつけた運営の苦労も相当なものだったでしょう。

そして何より新参者とスタ誕ライブと年末進行とアンダラとバスラと美月卒コンに冠番組まである5期生たちの頑張りは本当に想像を絶するものだったと思います。

全体の振り返りは次の記事に譲るとして、ここではTeamSTAR、5人の演技についての個人的な感想を。

川﨑桜:セーラーヴィーナス/愛野美奈子

さくたんはさくたんでした笑
ただかつての西野七瀬も「何を演じても西野七瀬」でしたしそれこそ木村拓哉さんもそう言われるので、逆に演者として武器になるかもしれません。

それにしても相変わらず抜群に華があります。「美の化身」にふさわしい。
『超・乃木坂スター誕生!』のコント「千葉魂」で「クイーンって、呼んでくれぇ~泣」のさくたんがクイーン・セレニティの前で「クイーン!」と跪いているのはなんか面白かった笑

冨里奈央:セーラージュピター/木野まこと

初登場シーンの最初の台詞「危ないよ、気をつけな」で野太い声を出して客席をどよめかせます。
この発声一発で自分の演じる、演じたい木野まこと像を観る者に伝えたのはお見事。

自身のトレードマークである満面の笑みは封印して、凛々しい表情のまま頬と口元を緩める笑い方をしていたのも印象的でした。

一ノ瀬美空:セーラーマーズ/火野レイ

ずっと真顔。そして素晴らしく綺麗な立ち姿。
高い集中力で火野レイとしての自分をキープしているのが好感持てました。
いわゆる憑依型っぽく、俳優としての可能性を感じます

普段は笑顔の印象が強く「可愛い系」に見える彼女ですが、実に整った顔立ちなのも良くわかりました。

中西アルノ:セーラーマーキュリー/水野亜美

さすがの歌唱力。特に複数人で歌う際に周りと合わせる能力が非常に高い。

逆に演技にはやや迷いがあったように見えました。水野亜美というキャラクターの要素のうちどこか(例えば「理知的」とか)をもっと前に出した方が観客に伝わりやすかった気が。

菅原咲月:セーラームーン/月野うさぎ

素晴らしかったですね。

菅原咲月であり、同時に月野うさぎ
先達・井上小百合は演じる際に自分とその役柄の共通点を見出し「だからこの役は私!」というアプローチをするそうですが、それと同じものを感じました。

『超・乃木坂スター誕生!』の「さつまいろ鎌倉ロケ」で見せたような「楽しそうに笑って踊ってお調子者」な姿が覚醒前のうさぎちゃんと大いに重なります。

だからこそその後の演技に、自分の運命に翻弄されながらもそれに立ち向かう姿に説得力があるのです。

「おっちょこちょいの女子中学生」が「世界を救うスーパーヒーロー」になるという振り幅MAXでありながら、そのどちらも紛れもなくひとりの女の子であると観客に思わせる説得力

彼女自身はブログでそれを「嘘がない」と表現していましたが、奇しくも月野うさぎを演じた時の井上小百合も同じ言葉を使っていました。

そしてやや蛇足になりますが舞台上で月野うさぎでない瞬間がないのも凄い。

なおなおやみっくもそれは同じなのですが、さっちゃんは自分にスポットライトが当たっていない時の演技が実に細やかで質量ともに図抜けていました。(他のキャストはそれをやらない演技指導が出ていたのかもしれませんが)

間違いなく彼女には演技の才能があると思います。


続きます。

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この先2度とないであろう、キャパ900という小箱での5期生ライブ。
当然のごとくチケットは全落でしたので最終日を配信で観ました。

「新参者」なんて言わせない


セットリストはこちら。

Overture

01. 絶望の一秒前
02. 制服のマネキン(センター:中西アルノ)
03. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
04. 裸足でSummer(センター:五百城茉央)

<ユニットコーナー>
05. 銭湯ラプソディー(池田、岡本、川﨑、菅原、冨里)
06. 革命の馬(五百城、井上、奥田、中西)
07. 無表情(一ノ瀬、小川)

<おひとりさまコーナー>
08. 羽根の記憶(五百城)
09. マシンガンレイン(中西)

10. いつの日にか、あの歌を…
11. 初恋の人を今でも
12. 君の名は希望

13. 心にもないこと
14. 考えないようにする
15. インフルエンサー(センター:一ノ瀬美空、井上和)
16. Actually…
17. 17分間
18. バンドエイド剥がすような別れ方
19. おひとりさま天国

EN
EN1. ロマンスのスタート
EN2. Sing Out!(センター:菅原咲月)
EN3. 人は夢を二度見る(センター:岡本姫奈、奥田いろは)
EN4. 乃木坂の詩

WEN
WEN1. I see…


オープニングからブチ上げ曲を続け、ユニットコーナーを挟んでバラードコーナーでクールダウン。そこから本編ラストに向けて一気に盛り上げていく。
後述するオープニングでの井上和の宣言通り、この日のライブはいわゆる全体ライブのフォーマットでした。

基本生歌(一部被せかも)。そして5期生曲全部フルコーラスなのが良いですね。

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは井上和のアカペラが鳥肌ものの『絶望の一秒前』。
ラストで彼女は薄く笑ってみせます。

そして

 5期生11人で作る「乃木坂46のライブ」見届けてください

ある意味「新参者」のコンセプト全否定笑

そこから畳み掛ける『制服のマネキン』。
言わずと知れた乃木坂の代名詞のひとつ。中西アルノセンターは少し意外。
しっかりウインクを決める菅原咲月。この後も数えきれないくらい決めるのですが。
大間奏の巻き取る振りの回転が異様に早い一ノ瀬美空

『裸足でSummer』サビ前、五百城茉央の「いっくで~!」という煽り。

井上和のMCでの「表情に注目してほしい」「配信なんで良く見えるじゃないですか」という発言。これ凄い自信だよなあ。
小川彩に褒められて「何急に~?」と照れる五百城茉央。「私も褒めてほしい」と拗ねる一ノ瀬美空

ユニットコーナーは何と驚きの『銭湯ラプソディ―』から。楽しそうな川﨑桜

『革命の馬』。白に柄という大胆なライダースを着こなしてしまう井上和。個人的にはこれ見覚えがないのですが、既存衣装でしたっけ?

『無表情』。令和版からあげ姉妹のビジュアルの強さよ!
しっかりガニ股をするのが可愛い小川彩。ここぞとばかりにキスを強要する一ノ瀬美空

おひとりさま(ソロ)コーナー。
五百城茉央の『羽根の記憶』。
かなり力んでリズムも走っていたので本人は終わった後で納得いっていない表情を浮かべていましたが、とりわけファルセットの時には彼女のイノセンスがその場を埋め尽くします。

中西アルノの「センターの方の存在感に圧倒された」というコメントから齋藤飛鳥のことかな?と思っていたら『マシンガンレイン』。
寺田蘭世か!よくぞこれをもってきた、というチョイス

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ずっと受け継がれてきたもの


MCで「10年後もご飯とか行こうね」と言って目を潤ませながら微笑む五百城茉央

『いつの日にか、あの歌を…』のポジションに入った時に客席から届いた「あーや~!」の叫びはきっと弓木奈於であろう。

カフェオーレ(五百城茉央奥田いろは)のギター伴奏で何をやる?と思ったら『初恋の人を今でも』!アンダラ2ndシーズンの本編ラスト曲じゃないですか!
ラスサビを歌う冨里奈央のなんとも菊池桃子なこと。これまたイノセンス。

この日のハイライトのひとつ、「乃木坂46の歴史にとってとてもとても大切な曲」からの『君の名は希望』。

3期初単独ライブでの梅澤美波の「この曲を嫌いだったら乃木坂じゃないよね」。
『乃木坂どこへ』内での賀喜遥香の「先輩方が絶対この曲が一番大切って言うから…」。
そうやってずっと受け継がれてきたものそして今、5期生が

小川彩のピアノ伴奏。生田絵梨花が、大園桃子が思い出されます。
ひとりずつ歌い継ぐ演出に多くのメンバーが緊張する中、揺るがない奥田いろは井上和中西アルノの3人。
サビ前のフィルを弾きながらメンバーに微笑みかける小川彩。ラスサビのハモり。

ガッツリ衣装替えで舞台上に誰もいない時間を作るという斬新さ。

『心にもないこと』。このあたりから本格的に楽しくなってきちゃった川﨑桜

『考えないようにする』で私が感じたのは「乃木坂的な美しさ」
これについては次の記事で書きます。

『インフルエンサー』は井上和一ノ瀬美空のWセンター。
ラスサビで伝統の裏センターの位置に立つ岡本姫奈

『17分間』。楽しすぎてもはやタレまゆになってしまう川﨑桜

アンコール、小川彩の煽りから始まる『ロマンスのスタート』。

『Sing Out!』のソロダンス、笑顔で舞いながら泣く菅原咲月

Wアンコールは何を持ってくるのかと思えば『I see…』。これは良い判断でしたね。

この日のビジュアル仕上がってるメンは、やっぱり小川彩
巻き髪の冨里奈央も凄く可愛かったですね。


続きます。

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『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


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