ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:与田祐希

タオル補正
前の記事では大園桃子の乃木坂人生を振り返りました。
今回はその卒業の理由について自分なりに考察してみたいと思います。

アイドル性とセンター適性


ブログで卒業発表した文章を私なりに要約すると、

 乃木坂に入って沢山の素敵な瞬間と沢山の辛くて怖い思いの両方を味わって、ずっとそんな感情の浮き沈みが続いてきました。
 いつかそれが落ち着く日が来るのかと思っていたけれどどうやら無理みたいです。
 だから、5年間を区切りとして卒業します。

こうならないための分岐点はあったのでしょうか。
例えば、彼女がもし抜擢センターでなかったら。

その場合『逃げ水』は与田祐希と山下美月のWセンターでしょう。

でも2017年夏の完成度がピークに達していた先輩たちの間に「出来上がってる感」が売りの美月を放り込んでもきっとさほどのインパクトを残せなかったかと。
そして「よだもも」と「くぼした」を対比するという構造も曖昧になるので、やはりよだももセンターが正解だったのだと思います。

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もちろん堀未央奈の時の教訓を活かしてWセンターだったのも正しい。
ただそれは結果的に、九州のしかも田舎から出てきた純朴な少女が突然トップアイドルグループのセンターに立つというシンデレラストーリーをふたり同時にやらせることでもありました。

隣にいる与田っちょの「小っちゃい子が一生懸命頑張ってる」感じに対し、毎回「やりたくない…」と泣く桃子は相対的にあまりイメージが良くありませんでした。
既に「3期センター=運営推され」のレッテルも貼られていた彼女の方にヘイトが向いてしまったのはある意味必然。

完全な後出しジャンケンで言うと、よだももはセンターではなく2列目中央において「月光」部分の振りだけは実際と同じくふたりをフィーチャーしてお披露目する、というのがベストだったと思います。

そこからは握手人気を加味しながらポジションを調整し、どこかで齋藤飛鳥のようにズバッとよだもものどちらかをセンターに起用する(あるいはそこでWセンター)。まあ実際のその後のリリースを見ると21st『ジコチューで行こう!』ぐらいしかそのタイミングはなかったのですが。


彼女が参加したシングルでのポジションは『逃げ水』でのWセンター以外はフロント1回、2列目3列目がいずれも3回。

握手人気は上位でした。
ただ最上位というわけではなく、同期の与田山下久保梅澤がグループ屈指の個別握手会完売速度だったのに対しそれに次ぐ存在。常に堀未央奈と同じくらい。

それでも運営からの高い評価と期待は揺るがぬものでした。
『言霊砲』『地球が丸いなら』『平行線』『友情ピアス』とユニット曲にも数多く参加していたことがそれを示しています。

しかし、最後まで周囲の期待に彼女の気持ちが追いつくことはありませんでした。

過去の発言を見ると、自分よりパフォーマンスの質が高いメンバーや努力を重ねているメンバーを間近に見て、そこに並んだりその前に立つことに引け目を感じていたように思えます。

これは大園桃子の素晴らしさが「アイドル性(あるいはスター性)」「センター適性」という極めて曖昧で言語化しづらい…というかそもそも正解がないものだったことに起因しているのではないでしょうか。

私も本当はこういうフワッとした言葉を使うのは嫌ですし、率直に言ってほとんどの場合「推しの贔屓目」だと思うんですけれども笑

ごくごく稀にですが確かにそれを持っていると思わせる人がいて、私にとって大園桃子はそのひとりでした。

彼女の場合のアイドル性は私なりに言語化すれば「観る者を笑顔にする力」
赤ちゃんや動物の可愛い仕草を見て誰もが顔をほころばすような。「ほっこり感」と言い換えてもいいでしょう。初期の舌を出すクセなんてまさにそれですよね。

そしてセンター適性は『三番目の風』と『思い出ファースト』の、彼女に向かってエネルギーが収束と放射を繰り返すあの感じ。

特に『三番目の風』の「希望の使命は」の部分で1列に並んだ3期生たちがガッと左右に分かれ、その真ん中で桃子が腕を振り上げて空を指さすあの振り付け。
タレント集団で見た目も個性もバラバラな3期生たちがその瞬間ひとつにまとまってドン!と飛び出してくるような姿。

まさに太陽のような彼女の笑顔が真ん中にあってこそのものでした。


2019年の夏に彼女が活動を休止した頃でしょうか、一部ファンの間で「桃子は星野みなみのようなポジションでのびのび活動した方が良いのでは」という議論がありました。

みなみちゃんのような立ち位置、つまりセンターやフロントからは一歩引いた位置で可愛いをまき散らしながら着実にファンを集めていく。

でも、これも星野みなみが何年もかけていくつもの葛藤を乗り越えて至った境地ですよね。

14thシングル選抜発表の『乃木坂工事中』。
握手会で心ない人から「みなみちゃん、強みがないのに選抜いれてラッキーだね。まあ初期から推されてたからいるんだよ」って言われた、と語り「なんで自分が選ばれているのかいまだにわからない」と涙を流したことを思い出します。
「そんな言ってるやつクズだから!そいつの人生なんかカスだからさ、そいつより絶対頑張ってるしね」と怒ってくれた設楽さんの優しさも懐かしいですね。

そして、大園桃子のセンター適性は高すぎた。

だから彼女の葛藤と苦悩を知りつつも、周囲は「いつかグループの中心に立ってほしい」と期待してしまっていたのではないでしょうか。

山下美月が「私はずっとその後をついて行くんだろうと思った」と振り返り
久保史緒里は「3期生の真ん中に立つ人間はやっぱり桃子」と語り
期待されることの辛さを身に染みて知っている齋藤飛鳥をして「ぞのさんに期待してしまっている自分がいるので、私のためにも頑張ってくれませんか」と言わしめた

その、あまりにも高いセンター適性。

「そのままの桃子がいいんだよ」という言葉に励まされたと彼女は語っています。

これは慰めとかではなく、みな本心から言っていたのだと思います。
自身の持つアイドル性とセンター適性というスペシャリティを信じて、彼女なりにベストを尽くしてさえくれればそれでいい。それで十分周りが納得するだけの輝きを彼女は放てる。それをファンや周囲の人たちは伝えたかったのでしょう。

私もずっと期待していました。

年を重ねるうちにいつか彼女も色々なことと折り合いをつけられるようになって、周囲の期待に自分の気持ちが追いつく日が来るんじゃないか。
そしたらまた、彼女はセンター候補のひとりになって「よだももとくぼしたの物語」もいよいよ乃木坂のセンターをめぐるフェーズに入るんだ、と。

まあでも今にして思えば「色々なことと上手に折り合いをつけられるようになった大園桃子」って、それは本当に大園桃子なのか?という気もしますね。

だからやっぱり、この結末しかなかったんだと思います。

大園桃子はその特別なアイドル性とセンター適性により周囲の期待を集め、いつかそれにふさわしくなりたいと願いながら気持ちが追いつかずに卒業する。

とても悲しいことだけれど、それは避けようのない幕切れだった。

だけど、
乃木坂だから我々は大園桃子を5年も見ることができたし、
乃木坂だから大園桃子は大園桃子のままでいられた。

それもまたひとつの真実でしょう。

高山一実が卒業を発表した『乃木坂配信中』の中での「乃木坂は本当に暖かくてみんながみんな優しくて凄い素敵なグループ」という桃子自身の言葉がそれを示しています。

それがせめてもの救いです。
そう思わなければやってられないです。

橋本奈々未とはまた違った意味で、きっと彼女も伝説となるのでしょう。


遠くまで旅する君にあふれる幸せを祈ろう


ここへきてしょうもないこと書きますけど、大園桃子って、そもそも名前が可愛いですよね笑
何と言っても母音がすべて「お」ですから。

それはさておき。

以前の記事で自分が桃子のファンであると認識したのは『乃木坂工事中』の富士急ハイランド企画だったと書きましたが、もうひとつあったことを思い出しました。

ほぼ同じ時期なのですが、23rdシングル『Sing Out!』の映像特典『しかちゃんの動画』。
そこに写っている彼女の楽しそうな姿とそこに入るメンバーやマネージャーさんの言葉から「愛されてるなあ」というのが凄く伝わってきました。

初期の「しょっちゅう泣いては周囲を振り回す」という印象が舞台裏でもその通りだったらこんなに愛されることはなかろう。そう思ったんです。

そこからは「一度好きになってしまえば彼女は魅力満載」ってやつです。

ビジュアルも年々洗練されていきました。

個人的には『ノギザカスキッツ ACT2』の時期、特に「元祖かつ家」や「あるあるであそぼ!」はもの凄く仕上がっていたと思います。

あとは冠番組のひな壇で楽しそうにリアクション取っている時。
特にちょっと驚いた時の「わあ!」という表情が抜群に可愛い。

まあ本当は一番好きなのはSHOWROOMに出てくるときのすっぴん姿、というかそこでいつもピョコンと出てるアホ毛なのですが。


卒業と同時に芸能界から引退する桃子。

であれば、ファンとしてこれからの彼女に望むことはただひとつ。

佐藤楓が涙を流しながら言ったこの言葉に尽きます。

 桃子には幸せでいてほしい

大園桃子さん、5年間本当にお疲れさまでした。

あなたを観ることができて幸せでした。

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タオル補正
物語が突然終わってしまった。
今はそういう気持ちです。

2021年7月4日、3期生オーディション募集開始日からちょうど5年のその日。
公式ブログ内で大園桃子さんが卒業を発表しました。

未完の物語


よろしければ、まずは2020年4月のこちらの記事をお読みください。



コロナ禍において彼女が発信したブログをきっかけに、大園桃子の「ゆいいつむに」の魅力と彼女の言葉が持つ力についてどうしても書いておきたくなったものです。


彼女は2016年夏の3期生オーディションに合格して乃木坂に加入しました。
きっかけは「高校の先輩に勧められて」だそうです。

合格発表は例の今野さんの「合格者は全員。皆さんです」。
その言葉に狼狽し目を泳がせる彼女の姿はたびたび3期生の歴史を辿る映像として流されてきました。

そしてその日、彼女は「暫定センター」に任命されます。
これ、オーディション会場でコメントをしている彼女の映像を観たことがある方なら納得だと思います。それぐらい彼女の原石感は見るものの目に明らかでした。

3期生がファンの前に初めてその姿を見せた2016年12月のお見立て会。
そこでパフォーマンスした3曲のうちの『命は美しい』ではセンターを務めます。(ちなみに残り2曲は『裸足でSummer』と『ガールズルール』。センターはそれぞれ与田祐希と山下美月)

この時の自己紹介で彼女は泣きじゃくるのですが、これ以降も泣いて泣いて泣きまくります。

2017年2月の『3人のプリンシパル』では早くも大きな挫折を味わいました。
2幕出演は15回中わずかに1回。この時点で既に明確なアンチとまでは言わなくとも、暫定センターである彼女に対する潜在的な反感のようなものがあったことがうかがわれます。

2年後の遠藤さくらも同じく16戦1勝ともがき苦しんだことを考えると、乃木坂ファンの間に根深く「運営推され」に対する拒否反応があるのでしょう。(さくちゃんは「暫定センター」と明言されてはいなかったと思いますが多くのメディアにより「エース候補」としての扱いを受けていました)

この拒否反応は、やはり生駒里奈や堀未央奈を運営が聖域扱いしてきたことによるものだと思います。それを見てきたファンとしてはどうしても身構えてしまうところがありますよね。

桃子はこのプリンシパルにおける自己PRでも「争うのは嫌」と言って泣き。
5thバスラのさいたまスーパーアリーナでも泣きじゃくりながらステージ上を彷徨い。

4月の『乃木坂工事中』初登場の3期お披露目回でもオープニングから大泣き。
小刻みに震えうつろな目であらぬところを見ながら設楽さんの「緊張してるの?」に「してません」と答える彼女の姿は、正直「大丈夫かこの子?」と思わせるものでした。

今観るとこの回は「先輩たちが3期生を紹介しつつ大いにふざける」というなかなか楽しい内容なんですけどね。
彼女と共に剣道着姿で登場した高山一実が懸命になだめながら進行するあたり、先輩の優しいお姉さんぶりも引き出す良い企画でもありました。

そのカズ先輩に「桃ちゃん、はいトマト!トマト食べていいよ!」と言われて口に運び、「おいしい…」とにっこり微笑む桃子の姿は可愛らしかったのですけれど。

さらに同時期に始まった3期冠番組の『NOGIBINGO!8』でも毎回のように泣き、企画に対して後ろ向きな姿勢を見せていました。

しかし運営は彼女を押し続けます。
同年3月、初の3期生楽曲『三番目の風』ではセンターに。
同年5月発表の3期生楽曲『思い出ファースト』でも引き続きセンター。

「暫定センター」から明確な「3期のセンター」へ。

2017年5月には3期生単独ライブも開催されました。
最近改めてこの映像を観たのですが(当時も現場で観ています)、初期の生駒里奈もかくやと思うほど桃子は「センター」を背負わされていました。

声がほとんど出ない状態での千秋楽。そして『君の名は希望』のピアノ伴奏。
その過剰とも思えるほどの「逆境」「大泣き」「周囲の支えと励ましでクリア」という流れは、やはり人によっては反感を覚えるものだったと思います。

暫定センターから3期センターといういわゆる「推されルート」。そのまま乃木坂のセンターになるのではないかという懸念。さらに大泣きして周りを振り回す一連の振る舞い。これらを受け入れがたく感じるファンも一定数いました。

上の記事で書いた通り、私も当初は彼女に対して否定的な見方をしていました。

「凄くストレートな言い方をすると、可愛い顔と泣き芸で嫌なことを回避してここまで人生乗り切ってきたタイプに見えた」んです。

ただ、今観ても彼女のセンター適性は抜群でした。
特に『命は美しい』でスイッチを切り替えた時の表情はちょっと「別格」と表現したくなるほど。プリンシパルで無双した久保史緒里や山下美月すら凌ぐ楽曲への没入度合い。(あくまでも当時は、の話です)


そして7月。
18thシングル『逃げ水』の選抜発表が行われ、ある意味予想通りに彼女はセンターに抜擢されます(与田祐希とのWセンター)。

いわゆる「3期新規」のファンの中でも多くのアンチがいた彼女。
ここで全体シングルのセンターに立ち、ありていに言えば先輩メンバーのファンまで敵に回すことになったのです。

結果、猛烈にアンチが湧きました。

そしてそのまま真夏の全国ツアーが始まり、初のツアーに選抜メンバーとして参加することになります。そこで待っていたのは(あの「死にはせん」の)与田っちょさえ後に「体重が8kg減った」と語ったプレッシャーと負荷。

桃子もボロボロになった当時のことをこう振り返っています。

「裏にいる時はずっと泣いていたけど、ステージに出た瞬間には笑ってるんです。そんな自分が怖かった」

本当に、抜擢センターには反対。
どうせ5期でもやるんでしょうけど。
与田っちょやさくちゃんが人気メンバーになったのは奇跡みたいなものです。

 

19th『いつかできるから今日できる』は映画と舞台の『あさひなぐ』出演メンバーで固められた選抜でしたのでよだもものふたりはいったん選抜から外れます。

そして20th『シンクロニシティ』では久保史緒里、山下美月も加えた「よだももくぼした」の4人が揃って選抜入り。しかし与田っちょと美月はここからフロントに定着したのに対し、桃子は2列目そして3列目へとポジションを落としていきます。

これは握手人気に対し妥当なポジションだったため「ゴリ押し」という批判の声は少しずつ減っていきます。それと同時に徐々にグループに慣れてきた彼女はのびのび活動できるようになり本来の笑顔が戻ってきた。少なくとも私にはそう見えていました。

この2018年末、乃木坂は『シンクロニシティ』でレコード大賞連覇という偉業を成し遂げます。その舞台裏でグループの暖かさと先輩たちの想いに感動した桃子は「乃木坂も悪くないなって思った」と発言し、これは映画『いつのまにか、ここにいる』のハイライトにもなりました。

このように少しずつ変化の兆しを見せていた彼女に運営も改めて期待したのではないでしょうか。
山下美月の活動休止の穴を埋めるように、23rdシングル『Sing Out!』では『逃げ水』以来となるフロント復帰。

しかし、結果的にはこれが裏目に出ます。
その夏の全ツ、さらに24thシングル期間の活動を休止。

復帰は全ツファイナルの神宮球場でした。

続く25th『しあわせの保護色』で選抜にも復帰し、27th『ごめんねFingers crossed』まで3列目2列目3列目というポジションでした。

2020年10月にはずっと「まい姉さん」と慕ってきた白石麻衣が卒業します。

ファンの間にも、まいやんの卒業で精神的支えを失い活動へのモチベーションがなくなってしまうのではないかという不安と、逆に独り立ちして成長した姿を見せてくれるのではないかという期待の両方がありました。

個人的には、涙をこらえてまいやんを見送った卒コンでの姿から期待の方が膨らんでいたのですが、

彼女が選んだのは卒業。


物語は未完に終わりました。



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9thバスラの大トリは3期生だった


感動的なライブでした。

2月の全員ライブに始まり、そこから各期別ライブでバトンをつないでいく9thバスラもいよいよラスト。

その大トリを3期生に任されたってこと自体が既に熱い。
緊急事態宣言発令によりまたも無観客配信となりましたが、そんなことを感じさせないほど終始高いままのメンバーのテンションは画面越しでも伝わってきました。

※2021年7月4日に大園桃子さんの卒業が発表されましたが、当記事の内容はそれを知らない時点での感想を記したものです。

セットリストはこちらです。

Overture
01. 三番目の風
02. 未来の答え
03. トキトキメキメキ
04. 自分じゃない感じ
05. 僕の衝動
06. 毎日がBrand new day

衣装コレクションコーナー
07. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:与田祐希)
08. 命は美しい(センター:久保史緒里)
09. My rule(阪口珠美、大園桃子、久保史緒里、中村麗乃、向井葉月、与田祐希)
10. 三角の空き地(佐藤楓、伊藤理々杏、岩本蓮加、梅澤美波、山下美月、吉田綾乃クリスティー)

11. 逃げ水
12. 不眠症
13. サヨナラの意味(センター:山下美月)
14. ハルジオンが咲く頃(センター:梅澤美波)
15. 白い雲にのって(センター:大園桃子、久保史緒里)
16. ハウス!(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 僕だけの光(ギター:岩本蓮加、向井葉月)

ユニットコーナー
18. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ(向井葉月、伊藤理々杏、梅澤美波、佐藤楓、中村麗乃、吉田綾乃クリスティー)
19. 言霊砲
20. 平行線
21. ロマンスのスタート

22. Out of the blue(センター:与田祐希)
23. アナスターシャ(センター:中村麗乃)
24. Against(センター:岩本蓮加、阪口珠美)

25. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)
26. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
27. きっかけ(センター:久保史緒里)
28. 思い出ファースト

EN1. 大人たちには指示されない(センター:岩本蓮加)
EN2. 空扉
EN3. ガールズルール(センター:山下美月)


4年ぶりの3期生ライブ。

もちろんオープニングは『三番目の風』。そこから怒涛の3期曲連打。

そして「衣装」をトリガーに先輩たちの、そして自分たちの歴史を辿る「衣装コレクションコーナー」。
この日のハイライトである『僕だけの光』からユニットコーナーへつなぎ、他の期の期別曲、レコ大受賞曲に『きっかけ』、そして『思い出ファースト』。

アンコールでは新曲が披露され、『ガルル』で見事な大団円という流れでした。



あの日に「未来」と呼んでいたもの


例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

いきなりですけど。
もうね、なんかオープニング『三番目の風』でセンターの大園桃子に向かってメンバーたちが歩み寄っていき12人が集結するという演出だけでジーンときちゃったんですよ。
久保史緒里「3期生の真ん中に立つ人間はやっぱり桃子」発言とか強烈に思い出して。

そして『未来の答え』を観ながらふいに思いました。
あの日に「未来」と呼んでいたものが今ここにあるんだ、と。

あの頃思い描いていたようなアイドル人生ではなかったかもしれない。
でもこうしてみんなで笑い合っていて、それぞれの「大事なもの」を見つけた。そんな感慨のようなもの。

同じように『トキトキ』の時も思いました。

ああ、完成されたアイドルだなあ、って。

4年前は全力で笑顔でパフォーマンスすることだけに必死だった彼女たち。
でもこの日の3期生はもう見事なまでにビジュアルもパフォーマンスも仕上がっていました。

加入から4年半。変な言い方になりますが彼女たちがその時間を「ちゃんと過ごしてきた」のだと感じさせます。

オープニングから3期曲を一気に吐き出す構成(「あの曲」を除いて)。本編ラストに期別曲を集中させて一気にクライマックスへと盛り上げた4期とは真逆です。
これは自信ですよね。自分たちの得意技を最初に出し切ってもなお、この先にいくらでも見せ場を作れるという。

一気にノンストップで6曲披露することも、その後の最初のMCで既に汗だくで髪も乱れているのもなんかアンダラを思い起こさせました。

そしてそこでの「乃木坂46です!」の挨拶。
痺れましたよね。「3期生です!」ではなく「乃木坂46」。

彼女たちのプライドそして決意、覚悟。そんなものがこの一言に込められていたように感じました。今野さんも「感動した」と言っていたそうです。

ステージに残ってMCを続けたくぼした梅の3人がはしゃぎます。
4年前のライブを「2,000人だっけ?」と適当なことを言う山下美月と即「800人!」と訂正する久保史緒里と梅澤美波の姿が微笑ましい。

この後も心揺さぶられるシーンの連続でした。

「衣装コレクション」前の「私を乃木坂46にしてくれるもの」という久保史緒里のコメント。

『My rule』で憧れの樋口日奈ポジションをやる阪口珠美

『逃げ水』で与田祐希がチョイスしたのはMV撮影の一度しか着用していなかった衣装。自分もあれ好きです。

『サヨナラの意味』のアウトロ、最高のタイミングで一筋の涙を流す山下美月
なんかもう意図してであれ偶然であれ「さすが美月」としか言いようがない。

『いつでき』について「私が愛した乃木坂らしさ」と評した久保史緒里
同感です。あのMVも乃木坂の美のワンオブザベストに入りますよね。

そしてハイライト。ギター演奏に乗せた『僕だけの光』

 僕だけの光 手に入れたい
 今やっと光 手に入れたよ

彼女たちの過ごした時間と、手に入れた大切なもの。
セピア色の照明の中、互いに目を見合わせながら泣き笑う3期生たち。
美しくて切なくて、素敵なシーンでした。

披露後に与田祐希が大粒の涙を流していたのも印象的でした。バンジーでもハブでも泣かない彼女が(いやハブはちょっと泣いてたけど)。

いつもながら『言霊砲』と『平行線』の破壊力たるや。

本編ラストの『思い出ファースト』は「いやフルでやらんかい!」と思いました。

個人的にこの日を通じて感じたのは「岩本蓮加のダンス好きだなあ」ってこと。
特にしなやかさと後ろ足の綺麗さが素晴らしいと思います。(このあたり新体操経験者ゆえなのでしょうか)

その彼女がセンターの新たな3期曲の感想は…まあ皆さんと同じでしょうが、正直「欅かよ」ですね。

言葉を選ばずに言えば、「完成されたアイドル」である彼女たちにあの歌詞はあまりにも失礼ではないかと。

「もう学生は蓮加だけだっけ?」という序盤のMCがもはやフリに思えます。

「決められたことをそのままやることが当時の正解だった」
「でも今では決められたことを守りながら、どうすればより綺麗に見えるかとかどう自分の個性を表現できるかを考えている」
というれんたん自身のコメントも完全にフリですね笑

岩本蓮加、清宮レイ、筒井あやめに柴田柚菜あたりのユニット曲とかならいいと思うんですけど。
これなら無理に3期曲作らなくても良かったのでは。
まあ4期曲だけにするとまたゴリ押しだ何だと言われるからなんでしょうが。

そして最後になりましたがこの日のビジュアル仕上がってんなあメンバーは中村麗乃。花道をランウェイのように颯爽と歩く姿は鮮烈でした。



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思った以上のボリューム感


2021年4月18日、1期2期の期別ライブと3期4期の期別ライブの間に挟まれる形で行なわれたスキッツLIVE。

さらに言えば松村沙友理の卒業発表と27thシングル選抜発表の間に挟まれた、ファンにとってももの凄く色々あったタイミングでの開催でした。

セットリストはこちらです。
(カッコ内は楽曲のセンター、コントは参加メンバー)

Overture
01. ガールズルール(山下)

コント
「保険ポリスは許さない」
(掛橋、清宮、璃果、早川)
「恋のSHIO'S CASINO」
(久保、理々杏、阪口、岩本、梅澤、中村、山下)
「まゆたんは愛されたい」
(田村、楓、与田、金川、松尾)
「かつ家」
(理々杏、梅澤、久保、柴田、筒井)
「ユーチューバー スト子」
(与田、阪口、楓、山下、遠藤)
「ザ・スキッツテン」
(黒見、向井、山下、吉田、田村、北川、清宮、弓木、早川、林、筒井)

02. 裸足でSummer(山下)

03. 制服のマネキン(遠藤)
04. シンクロニシティ(梅澤)
05. インフルエンサー(山下・賀喜)
06. ジコチューで行こう!(与田)

07. Out of the blue
08. I see…
09. 毎日がBrand new day
10. 自分じゃない感じ

11. おいでシャンプー(遠藤)

コントやMCでなかなかにグダグダのシーンもありましたが笑、コント終了後のライブパートも50分前後と思いのほかボリュームがあり楽しめました。




3期の貫録、4期の一生懸命


今回はサラッと、印象に残ったシーンだけ挙げていきます。

ちなみにこの日ビジュアル仕上がってんなあと思ったのは伊藤理々杏でした。

オープニングは『ガルル』。
そこからコントへのつなぎの部分でいきなり山下美月が台詞を忘れるという波乱のスタート。

最初のコントは「保険ポリス」。「おお、掛橋沙耶香も見込まれたもんだなあ」と思いましたが見事にキメ台詞「ちばけとったら、おえんで!」を2度も飛ばすというハプニング。
それでもさらば森田氏に「森田、台詞飛ばした!」とアドリブで言ったのは良かった…まあ自分だったのですが笑
ニヤッと笑って「もう1周!」も可愛かったですね。

そのあおりを受けてか最初のMCも混乱した状態で進んでいましたが、「スキッツ?スキット?次のスキットわぁ!」と叫ぶ弓木奈於は面白かった。
そして間違えても可愛い遠藤さくら笑

「SHIO'S CASINO」では中村麗乃のOL姿が超絶似合っていてたまげました。いや実際にはあんなスタイルのいいOLさんはそうそういないと思いますが。
久保史緒里もさすがでした。
テーマソングも「一言も嘘なんて言ってな~い」も実に腹立たしくて素晴らしい。

続く「まゆたん」では細かい演技が目を引いた与田祐希
怯えて泣き出した金川紗耶から「ビリビリで最後に触る役」を代わってあげるという漢気を見せていたのも地味に好感度高いです。
普段の棒読みはどこへやら、怖がって大暴れしていた佐藤楓

「かつ家」はもちろん柴田柚菜のウエディングドレスですよね。えぐいぐらい可愛いかった。
そしてもうひとり、凄い長尺アップを堂々とこなし「画がもつ力」を見せつけていたピリ辛の筒井あやめ

「スト子」でひたすら怯える遠藤さくら

「スキッツテン」のエンディングで他のメンバーたちが手を振る中、一切阿ることなく「ぐるぐる~」し続けてキャラを貫くスト子こと与田祐希

ライブも10曲があっという間でした。

『インフル』のWセンターは山下美月賀喜遥香
「今の美月と並んで違和感がない」って、よく考えるととんでもない。凄いなかっきー。

そしてラスト『おいシャン』フロントの破壊力。
与田山下遠藤大園筒井が放つ圧倒的なキラキラ。
そしてオリジナルとは全然タイプが違うのに、どこか「乃木坂感」を感じさせるところがまた嬉しい。


一言でまとめると「楽しかった」。

コントの生配信はやはり色々難しい部分があったようですが、特にスタートのバタバタを立て直した「SHIO'S CASINO」のメンバーたちは見事でしたね。とはいえそのうちのひとりが混乱の引き金を引いた美月なのですが笑

全体的に舞台経験の豊富な3期生はトラブルにも動じない姿を見せていました。
コントとはいえ4期生たちにとってはとても貴重な場になったことでしょう。

ライブで感じたのは3期と4期が組み合わさった時の相性の良さ。

何度も書いている「個性の3期」「乃木坂感の4期」というキャラクターの違い。それがお互いの良さを引き立たせ合って相乗効果をもたらしていたように思います。




この後に控えるそれぞれの期別ライブに向け、期待が膨らむ公演でした。


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26thシングルに対する評価


ここで来てしまったか。

発表直後の私の偽らざる心境です。

遠藤さくら、2度目のセンター。

この決定に至った経緯を私なりに推測してみます。

前回選抜発表時の最後の記事で27thシングルのセンターをこう予想していました。

 27thは率直に言って、26thからさらに前作割れの危険があります。
 理由はオンライン慣れしたファンによるミーグリ離れの可能性。

 だからこそ十中八九、エースである齋藤飛鳥。
 それ以外であるとすれば山下美月を連続センターにして一気に定着させることぐらいか。

 

しかし、実際にはそのどちらでもなく遠藤さくら。

結論を先に言います。
運営は齋藤飛鳥に続くアイコンを求めており、そこに山下与田遠藤賀喜の4人を並べようとしている(西野七瀬白石麻衣と抜けた穴を誰かひとりだけで埋められるはずもないので)。
そしてその4人のバランスを考慮した結果、今回のセンターはさくちゃんという判断になった。

そう私は考えています。


今回のセンター候補は5名。齋藤飛鳥、山下美月、与田祐希、遠藤さくら、賀喜遥香。

説明不用のエース、飛鳥。
3期4期の4人は26thのミーグリ=オンライン個別トーク会の待ち時間が長いトップ4。すなわちファンの実数が多いであろう4人。実際にはよだやまが突出していて、さくかきだけがそれを追えているという状態ですね。

「別格」の生田絵梨花(毎回こういう表現をしてすみません笑)を除けば素直に現在の人気上位5人でしょう。

まず、美月が連続センターではない理由。
それは26thシングルが「ある意味で」成功だったからではないでしょうか。

その『僕は僕を好きになる』は、セールス的には激減と言っていい数字でした。
約4割減。個人的には想像の範疇ではあるものの、その下限近くかと。

ただこの期間に山下美月は完全にエース格として一本立ちしました。
猛烈なメディア露出攻勢をかけましたが、間違いなくその甲斐はあったと言えるでしょう。

売り上げ激減という濁流に立ち向かいながらそれに飲み込まれず、それどころか自身の商品価値を上げてみせた美月。正直、私の想像よりひとまわりスケールの大きい存在になりました。
しかもこの4月からは連続ドラマの出演もあり、メディア露出は続いています。

つまり、わざわざ「2作連続センター」という箔まではつけなくても大丈夫なくらい美月は「売れた」という判断ではないでしょうか。

そして26th期間を通して、人気面ではやや先を行っていたよだっちょに肩を並べるところまで来た美月。逆に言うとここで「よだやま」のバランスを取ることに成功したのです。これはむしろ運営の望んでいた形でしょう。

であれば27thで与田祐希センターは得策ではない。
ここでまたよだっちょだけが人気的に突出するのも上で書いた通りグループ全体としてはあまり望ましくはない。売り上げの数字も直接比較されますしね。

両雄が並び立つという喜び


では賀喜遥香はどうでしょうか。

ミス・パーフェクト。
能力の高さと親しみやすさと勝負強さをすべて備えたかっきー。

外仕事での安定感、好感度の高さ。そして『プレバト』で消しゴムはんこの特待生にまでなってみせた彼女はある意味「ほっておいても人気が出る」。

変な言い方になりますが、個人的にはむしろこのかっきーに匹敵する人気をさくちゃんが保ち続けていることの方が凄いと思っています。
「いやめちゃめちゃ推されてたからだろ」という反論が出るのもわかりますが、さくちゃんにはその分アンチがつきやすい(というか実際めちゃめちゃついた)というデメリットもありましたから。

仮にここでかっきーをセンターに据えてなおかつ美月の時と同じように大々的に売り出した場合、大ブレイクする可能性があったと思います。それと同時に身体を壊してしまう可能性も。

尊敬する山下美月の次。4期Wエースの片割れから一気に乃木坂の顔という一枚看板へ。
そうなった時の重圧はかっきーがこれまでに感じたことのないものでしょう。

そのリスクを取るよりも、ここでは4期Wエースのバランスを崩さずにおく。

さくちゃんのセンター。
それは山下美月と与田祐希の、そして遠藤さくらと賀喜遥香のバランスを保ちながら「アフター飛鳥」の重荷を誰かひとりに負わせないという判断だったのではないでしょうか。

以前の記事で私は飛鳥ちゃんへの依存度の高さを危惧し「エース格の増員が急務」と書きましたが、ついにその待望のエース格が出てきた気がします。

 

「おい…見てるか谷沢…」と言わんばかりに。

それも…4人も同時にだ…




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