ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:与田祐希

タオル補正
前の記事では『逃げ水』が後のグループに与えた大きな影響について書きました。

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言い残した想い


2020年3月発売の与田祐希2nd写真集『無口な時間』は推定売上21万部を超えるメガヒット
これは白石麻衣『パスポート』(同44万部超)、生田絵梨花『インターミッション』(31万部超)に次ぐグループ歴代3位の数字。

同時期に発売された山下美月1st写真集『忘れられない人』も19万部超、歴代4位という数字を叩き出し、堂々の3期生2枚看板へと成長します。

齋藤飛鳥+「よだやま」+4期生。
白石麻衣と西野七瀬という大エースふたりが去ってもなお、乃木坂は盤石

私は当時そう感じていました。

ポジションは20th『シンクロニシティ』から31st『ここにはないもの』まで、基本常にフロント

例外は4曲。
4期生抜擢センターの24th『夜明けまで強がらなくてもいい』、1期生全員福神の25th『しあわせの保護色』、5期生抜擢センターの29th『Actually…』。

そしてもう1曲が白石麻衣卒業後最初のシングルである26th『僕は僕を好きになる』。
これも当時は山下美月をセンターにし箔をつけることにより、与田っちょと同格にしたぐらいの感覚でした。(上で書いた写真集メガヒットの直後でしたし)

しかしその後も与田っちょがセンターに立つことはないまま、気がつけば『逃げ水』から5年以上の月日が流れていました。

そして2022年12月末。
週刊文春が彼女のプライベートに関する記事を公開します。

本人は即座にブログで「やましい事は一切ありません」とコメントしました。
それでも次作『人は夢を二度見る』以降、彼女のポジションは基本2列目固定となり明らかに「センター候補」ではなくなります。(唯一フロントに立ったのは3期生全員選抜だった山下美月卒業シングル35th『チャンスは平等』)

実際のところは知る由もありませんが、いちファンに過ぎない私には「懲罰人事」に見えました。

そういう危うさがあったからずっと単独センターにしなかったのか、単独センターにしなかったから危うい行動をとってしまったのか。

それももちろん、わかりません。


27th『ごめんねFingers crossed』に収録された『全部 夢のまま』。

与田祐希の左右に星野みなみと筒井あやめという「可愛い」に全振りした新鮮なフロント。
ブラスとストリングスのアレンジがゴージャスで『I see…』同様に「SMAP感」溢れ、個人的にはかなりの名曲だと思っています。(ちなみに編曲は『I see…』とは別の方です)

これが表題だったら当時も今も、そう思います
でもフロント3人それぞれに違う未来があったかもしれない、なんて考えてしまうのはただの感傷ですね。


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いい8年半だったよ。


彼女の活動を振り返って思い出されるのは『乃木坂工事中』での数々の名シーン。

沖縄ロケで罰ポイント最下位になってハブハンターさせられたり
『フィンクロ』ヒット祈願バンジーでムササビ飛行したり。
「奇想天外!与田クイズ」とか
「スタジオ即売会2022」で58万円のマッサージチェアを値段も聞かずに購入即決とか
「おじさんあるある勉強会」での「私はドジでのろまなカメです!」「寝たい!食べたい!痩せたい!」とか。

最後のバナナマンのおふたりとのパイ投げに至るまで、名場面製造機であり続けました。

そしてもうひとつ、キャリア終盤の与田っちょを語る上で外せないのが後輩たちとの交流。

初センターに先輩センターがアドバイスする「クイズ・パイセンター」で和ちゃんに暖かい言葉を掛けて泣かせたり
活動休止していた掛橋沙耶香を「一緒に乃木坂で活動したい」と励ましたり。
「5期生お歳暮グランプリ」でも井上和と川﨑桜からもらっていましたね。

そして与田っちょ卒業発表後にその川﨑桜が『乃木坂、逃避行。』で筒井あやめに語ったエピソード。

 今まですっごい もう無理だってなった時に 絶対与田さんがいてくれたから
 明日からもう本当に頑張れないなって思ってたら「じゃあ明日ご飯行こう」って言ってくれて
 「これで1週間頑張れます」って言ったら「じゃあ1週間後ご飯行こう」って…

「私は与田さんみたいな先輩になりたい」

これ後輩から言われて一番嬉しい言葉ですよね。


齋藤飛鳥卒コンで「頼れる後輩になれなくて本当にごめんなさい」と泣いたあの子は、大きな愛で後輩を包む頼れる先輩になっていました

「先輩に色々してきてもらったので、ちゃんと返さないとな」

そう言って、当たり前のように微笑みながら。


独特な人でした。

もの凄く綺麗な顔立ちなのに印象は「可愛い」
結構あざといことも平気でやるのに狙ってる感じがしない。
嫌味のない、異次元の愛され力

グループ外の方と仕事をするたびに自分の味方を増やして帰って来ました。
田中要次さん、千鳥大悟さん、ブラックマヨネーズ小杉さん、品川監督…。
どこかの番組で今田耕司さんが「本当に綺麗な顔してんな…」と呟いていたのも印象深い。

猛烈にキャラクターが立っているけれど2次元感がない。
というかむしろ「2次元にもいない」オリジナリティ

『よだちゃん』というタイトルであずまきよひこ先生にマンガ化していただけないものか

今ふと思いましたけど、与田っちょってフォルムが「ちよちゃん」で脱力具合が「大阪」ですよね。
そっかー、そりゃ人気出るわけだわ笑

一頓挫あって人気を落としたけれど、それでもなおグループトップクラスの人気メン。

壊れない、休まない。
正真正銘、最初から最後までトップランナー

与田祐希さん、8年半本当にお疲れさまでした。

あなたを観てきたこの8年半
ずっと可愛かったし、ずっと楽しかった

ありがとう。


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前の記事では与田祐希の加入から大園桃子とともに抜擢センターに選ばれたところまでを書きました。

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当記事ではその続きを。

「よだもも」だけの偉業


『逃げ水』は初のミリオンセールスとなった17thシングル『インフルエンサー』の次という極めて重要なタイミングでのリリースでした。

しかも真夏の全国ツアー時のシングルでありライブのオープニング曲。

後に与田っちょも「体重が8kg減った」と明かしたほどのプレッシャー。
途中、ステージ上で写真集発売がアナウンスされその最初のページを撮影されるというサプライズもありました。

それでも彼女は笑顔でツアーを完走します。

ツアーファイナルとして初の東京ドーム公演。
年末には『インフルエンサー』で日本レコード大賞受賞。

凄まじい勢いで坂道を駆け上っている真っ最中の、その最前線に突然放り込まれて(しかも周囲はもはや完成の域に達している!)それでもどうにかこうにか一緒に走り抜けた。

その一点において「よだもも」は乃木坂史上において彼女たちふたりにしかわからない経験をしているし、ふたりだけの偉業を成し遂げたと言えるでしょう。


そして7年半経過した現在から改めて振り返って思うのは『逃げ水』がグループの歴史上いかに重要なシングルであったかということ。

「1期生後の世界」においても乃木坂46がトップアイドルグループとして存続できるのか否か

その最大の分岐点がここでした。

「新人に貴重なリソースを割きすぎだ」と批判されながらも一歩も引かずに彼女たちを売り出した運営。
「個性が強くて乃木坂感が薄い」と言われながらも懸命に乃木坂46として認められようとくらいついた3期生たち。
その切り込み隊長の役目を見事に果たしたよだもも。

グループの勢いを増し加えた3期生を大方のファンは受け入れます。
乃木坂ファンの間に新人を「(推しの選抜入りを脅かす)異物」ではなく「新戦力」として受け入れる土壌ができたのは間違いなくこの時の成功があったからです。


そしてもうひとつ、『逃げ水』から始まり後にグループの文化となったもの。

それは「先輩が後輩を愛で倒す(めでたおす)」こと

そもそも『逃げ水』がWセンターだったのは、加入当初からの3期センターを務め「運営推し」と目されアンチがついていた桃子を守るため1番人気の与田っちょをセットにして不満の矛先を分散させようとしたのでしょう。

さらに運営は手を打ちます。白石麻衣と西野七瀬の両エースをそれぞれ桃子と与田っちょの「後見人」としたのです。

言うまでもなく「先輩メンバーは新人を受け入れている」というのを目に見える形でファンに示すための「作られた」ペアリング。

しかしなーちゃんと与田っちょの姉妹感は思いの外はまり、なーちゃん卒業後もプライベートで一緒に旅行や食事に行く間柄になります。

もの凄く印象に残っているのが『アップトゥボーイ 2017 SEP vol.257』。

背表紙は「ディス イズ パーフェクト。みんなが見たかった乃木坂46大特集44P。」
表紙は花冠をつけたふたりのツーショットで「フレッシュ、かつ盤石。世界よ、これが乃木坂46だ。」

このあまりにも大上段に構えたキャッチコピーに苦笑しながらも大いに頷いた記憶があります。

後に「懐いてくれて嬉しかった」と語った通り、なーちゃんは与田っちょを愛でます。
それまでどちらかというと孤高の存在だった彼女が「お姉さん」している姿は新鮮かつ魅力的でした。

新人をファンに受け入れてもらうための後見人制度が、先輩の新たな魅力を引き出すという思わぬ副産物を生じさせたのです。

現在まで続く「先輩が後輩を愛で倒す」という乃木坂の文化。
後輩たちが繰り返し語る「先輩がしてくれたことを後輩にもしてあげたい」
すなわち、齋藤飛鳥が卒コンで語った「恩送り」

それが形成された理由のひとつが、このふたりの成功事例なのも間違いないでしょう。


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過熱する人気


一気にスターダムに駆け上がった2017年。

年末に発売した1st写真集『日向の温度』も推定売上9万部を超える大ヒット。

当時これを超える売り上げを叩き出していたのは白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥、生田絵梨花、橋本奈々未そして衛藤美彩だけ。

お見立て会からわずか1年で、与田っちょは「センター候補」「フロント固定」クラスの人気メンバーへと成長したのです。

その後も彼女の人気は過熱します。

コロナ禍以降にファンになった方はもしかしたら山下美月と互角かそれ以下ぐらいの人気という認識かもしれません。

しかし私は24thシングル選抜発表の時点(2019年7月)でこんなことを書いています。

 現状、目に見える人気指標では白石麻衣と齋藤飛鳥が先頭を走り、そして与田祐希と生田絵梨花がそれを追うという構図に見える。

(中略)

 そして、最大の狙いは与田の突出を抑えること。

 正直、3期の中で人気では彼女が抜け出しつつあると思う。
 しかし与田1強状態を作ると、いよいよ本当に潰れかねない。

 だからこそ、ここで「くぼした」のWセンターである。

『2019年の乃木坂46』収録「【考察】美しい未来を見せてくれ~24thシングル選抜発表に思うこと」より)

3期の中でも人気は突出しつつある。

まあ、推しの贔屓目かもしれませんが笑

とりわけ握手人気は抜群でした。

「ちっちゃいけれど、色気はあるとよ」と「すいとーよ」という初期の2大フィニッシュブロー。
そしてくるくる変わる表情と頭の回転の速さ。

抜群のビジュアル×最高レベルの握手対応=最強

キャリアを通じて握手会、ミーグリをすべて最速で完売させたはずです。
ミーグリ開始当初には20時終了予定を22時を超えてもひとりだけまだやっていたなんてこともありました。

それだけの人気ですから、当然のごとく選抜発表のたびに取りざたされた「与田センター」。

しかし。

彼女が再びその場所に立つことはついにありませんでした。


続きます。

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タオル補正
2025年1月5日、公式ブログで与田祐希さんが卒業を発表しました。

これはもう抗えない


2016年12月14日放送の「FNS歌謡祭 第2夜」。

そこで披露されたのは乃木坂46×欅坂46コラボでの『制服のマネキン』。

イントロで生駒里奈に「乃木坂46、欅坂46、新メンバーの登場です!」と紹介され登場した乃木坂3期生とけやき坂(当時。現「日向坂」)1期生。

最初にアップになったちっちゃい子の顔が綺麗すぎて、その瞬間に心を掴まれました
その時に名前つきで紹介されたのは大園桃子、山下美月そして長濱ねる(ねるはとっくに活動を開始していましたが)でしたが、私は名前も知らない彼女に強く惹きつけられたのです。

それが与田祐希でした。

余談ですがこれ平手友梨奈の抜けに白石麻衣が映るというなかなかにレアな映像でした。

しかし当時の私は

てやんでぇ、こちとら5年以上「にやさゆ単推し(井上小百合推し)」を名乗ってきたんだ
いくら綺麗な顔しててもおいそれと靡く訳にゃあいかねえんだよ!

と無駄に荒ぶっており、お見立て会も『3人のプリンシパル』もスルーしました。

しかしライブ好きの自分を抑えきれずに行った2017年5月の3期生単独ライブ。

会場は今はなきAiiA 2.5 Theater Tokyo。

800人キャパの会場で、中央通路にはお立ち台。
私は通路から2列目の席でした。

ライブ中盤、お立ち台に立ち全力でレスをし続ける与田っちょの姿がめちゃめちゃ可愛くて「これは止むを得まい(これ以上抗えない)」と感じ、そこからずっと彼女の大ファンでした。


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異次元の愛くるしさ


さて。
長い自分語りはここまでにして、彼女の乃木坂人生を振り返りましょう。

2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。応募動機は「東京に行きたかったから」。
同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

そこで「一輪車で登場」「実家のペットはヤギ」「ちっちゃいけれど、色気はあるとよ」をかまし、爆発的なスタートダッシュを決めました。

当初の印象は「素朴」なのに「顔が綺麗」「タレント性が高い」

彼女のタレント性は印象に残るシーンを生み出す能力。
上のお見立て会から既に見せていたそれを、冠番組でもいかんなく発揮します。

『乃木坂工事中』スタジオ初登場は2017年4月の「先輩が3期生を全力PR」。与田っちょを担当したのは西野七瀬でした。

そこでも「小学校の全校生徒は20人」「同級生は7人いたがちょっとずつ減って卒業時は自分含めて4人」となかなかパンチのあるエピソードからスタート。

そして「通学途中にイノシシに襲われるので直角に避けて凌ぐ」と語り、なーちゃんが「日村さんイノシシやってもらえますか?」。ふたりで実演し屈辱に震える日村さん笑
さらに「特技は一輪車」では再び「コーンを用意できなかったので日村さんやってもらえますか?」。コーンに見立てた日村さんのまわりを一輪車で周りながらジロジロ見るという謎の時間。

(この記事を書くにあたり見直してみたらひな壇の大園桃子が例の「ペコちゃん舌」をしていてほっこりしました)

2017年5月、3期生番組『NOGIBINGO!8』の「乃木坂46田舎っペNo.1決定戦」で東京常識クイズに開始2問連続不正解。
MCのイジリー岡田さんに「1問も正解してない人?」と言われ手を挙げたら自分と先輩ゲストとして参加していた斉藤優里だけということに気づき「大ピンチ」。(ちなみにゆったんは「やったー」と喜んでいました笑)

2017年9月『乃木坂工事中』での「将来こうなって総選挙」。
無記名のメンバー投票で「将来こうなりそう」なのは誰かを決める企画。
そこで「将来お金に困りそう」部門で見事11票=自分以外の3期生全員を獲得し1位になります。

設楽さんに「お金、割と使っちゃう?」と尋ねられ「いや…」と容疑を否認。
部屋に貯金箱が3つあり「出来るだけ使わない」「いざとなるまで使わない」「絶対使わない」に分けているけど「3つめまで使っちゃう」

「3万円ぐらいの美容品を間違えて買っちゃったと軽く言っていたのには驚いた」というタレコミに「全然軽くない!けどキャンセル料がかかる」と反論。設楽さんに「キャンセル料の方が安いんじゃない?」と正論を言われテヘヘと笑いながら「確かに…」

あまりの愛らしさに日村さんが即ハートを掴まれ「ドンマイ!ドンマイ!」と甘やかしていました。

まさに、異次元の愛くるしさ

2017年3月の初の3期生楽曲『三番目の風』と続く『思い出ファースト』のポジションこそセンター大園桃子、両サイドの山下美月、久保史緒里に次ぐ4番手扱いでしたが、当初から3期の中でも一二を争う人気という雰囲気がありました。

そして2017年の7月10日に行なわれた18thシングルの選抜発表。

彼女は大園桃子とともに抜擢センターに選ばれます。


続きます。

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びーむ色調補正3
2024年の全ツはスタジアムツアー。そのファイナルは聖地神宮。

今年はDAY1のみ配信で観ました。

ひと時の安寧


セットリストはこちら。

Overture
01. チートデイ
02. 太陽ノック(センター:久保史緒里)
03. 裸足でSummer(センター:遠藤さくら)
04. 君に叱られた
05. ジコチューで行こう!(センター:井上和)

<期別コーナー>
06. 熱狂の捌け口
07. ジャンピングジョーカーフラッシュ
08. 僕の衝動

<ユニット&ソロコーナー>
09. Threefold choice
10. Am I Loving?
11. ぶんぶくちゃがま
12. あと7曲
13. Never say never
14. ここにはないもの(井上和ソロ)

15. あらかじめ語られるロマンス(理々杏、向井、与田、賀喜、田村、筒井、矢久保、池田、一ノ瀬、小川、冨里)
16. ロマンティックいか焼き(久保、楓、吉田、遠藤、黒見、璃果、林、五百城、川﨑、中西)
17. 君が扇いでくれた(岩本、梅澤、中村、金川、柴田、松尾、弓木、井上、岡本、奥田、菅原)
18. 自惚れビーチ(センター:奥田いろは)
19. ガールズルール(センター:一ノ瀬美空)
20. ひと夏の長さより…(センター:池田瑛紗&小川彩)

21. 落とし物
22. Wilderness world(センター:遠藤さくら、岩本、楓、金川、筒井、松尾、井上、一ノ瀬、菅原)
23. Actually…
24. おひとりさま天国
25. 好きというのはロックだぜ!
26. 夏のFree&Easy(センター:与田祐希)

27. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
28. 僕が手を叩く方へ
29. 誰かの肩

EN
EN1. ハウス!
EN2. スカイダイビング
EN3. ロマンスのスタート
EN4. Monopoly
EN5. 乃木坂の詩


印象に残ったシーンを挙げていきます。

『チートデイ』で早くもいちゃいちゃする遠藤さくら賀喜遥香
同曲での井上和、そして続く『太陽ノック』の久保史緒里と全力すぎる煽りで喉が心配笑
そしてとにかく風が強かったこの日。

『裸足でSummer』で小川彩のほっぺをツンツンする田村真佑
『ジコチューで行こう!』で再び井上和にセンターが戻る構成も良い。その和ちゃんを与田祐希がおんぶする茶番。

期別コーナーでは同じデザインで期ごとに差し色が異なる衣装。
4期のオレンジが可愛い。そして5期がグレーで一番シックなのがなんか良い(3期は青)。

プリンセス茶番をノリノリで演じる弓木奈於一ノ瀬美空
プリンセスバトルの司会はおなじみ高橋大輔アナ。対決するのが小川彩筒井あやめ与田祐希とはビジュアル強・強・強。

判定の結果5期が勝利し喜ぶ井上和と後ろで不服そうな小芝居をする遠藤さくら

『Am I Loving?』で遠藤さくらを取り合う梅澤美波井上和。梅ちゃんの圧に負けずにギュッといく和ちゃん。カメラに向かって自らアップになりに行くさくちゃんにどよめく神宮。

『ぶんぶくちゃがま』。たぬきのコスプレで出てくるメンバー(田村真佑筒井あやめ池田瑛紗一ノ瀬美空冨里奈央)の破壊力たるや。5者5様ですが全員どこか「2次元感」がある気がします。

『あと7曲』。林瑠奈!
『アトノマツリ』が好きなので同曲のメンバーに後輩ふたりを加えたこの曲が披露されるのは嬉しい。

『ここにはないもの』をソロ歌唱する井上和。ハート強いなあ。

つなぎVで奥義「じゃーん」を繰り出す岩本蓮加

そこから始まる夏曲コーナーではメンバー全員浴衣での歌唱。
短冊に「最強になる」と書く与田祐希矢久保美緒は「大きくなる」。

「most valuable Dance performer」という大煽りからソロダンスをつなぎ最後はバアァーーーン!という感じで遠藤さくら。そこから『Wilderness world』のイントロというかっちょいい流れはこの日のハイライトのひとつかと。

シングル曲4連発で盛り上げたあと、オーケストラとバラード3連発で本編終了。
たまにはこういうのもいいかと思いますが、ちょっと2017年東京ドームの本編ラストが『いつかできるから今日できる』でなんだかモヤモヤした空気になったのを思い出しました笑

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アンコール。

『ハウス!』フロート乗り換えで挙動不審な遠藤さくら
『スカイダイビング』のAフレでやたら長くカメラに抜かれてとまどう中西アルノ
『ロマンスのスタート』イケメン冨里奈央に捕獲される一ノ瀬美空

そんなアンコール定番の「楽しきゃいい」曲3連発からの『Monopoly』!ここで使うか!
「かきさく」=賀喜遥香遠藤さくらがイントロで迸らせる威風堂々Wエース感。
なのにサビ前に前髪を直してあげたり曲後わりでわちゃわちゃいちゃいちゃしたりという落差。

それは「決める時はビッシビシに決めるけどふざける時は思いっきりふざける」かつての1期生たちの姿を思い起こさせるもので。
ふたりがいよいよ本当に乃木坂の柱になったことを感じさせるシーンでした。

ラスト前のMC、アンコール中のコール指導で盛大に間違えてへこむ池田瑛紗
なのに梅澤美波に「抱きしめてほしい」と甘え、転んでもただでは起きない姿も微笑ましかったですね。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは、ひとつ結びの遠藤さくら
いつもの「ライブ大好きニッコニコさくちゃん」なだけでなく、この日は一際テンションが高かったのか「あざとさくちゃん」も全開。
賀喜遥香、そしてポニーテールの筒井あやめも印象に残りました。


2024年の夏は初座長もセンターやキャプテン経験者の卒業もない、言ってしまえば大きなトピックのない全ツでした。
そんなのいつ以来でしょうか。

もちろん史上初の2年連続座長であった和ちゃんには彼女にしかわからないプレッシャーがあったでしょうし、結果的に今年が最後の神宮になるメンバーもいるかもしれません。(当記事の作成中である2024年11月1日に向井葉月さんが年内での卒業を発表しました)

それでも、少なくとも多くのファンにとって「胸が締めつけられるような」シチュエーションの全ツではなかった。

結成13周年を超えこの先もメンバーの卒業と加入を繰り返しながら進んでいくグループに訪れた、ひと時の安寧

私にはそう見えましたし、それがとても得難いものだと感じました。



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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを挙げました。

関連記事:


この記事では、ちょっとな異様なぐらい気合の入っていた3期生たちについて。

3期の青春


一番最初のMCから声が上ずり、明らかにテンションがおかしい梅澤美波
梅ちゃんのこんな状態を見るのは珍しい。

加入当初から3期のまとめ役として先輩との、そして大人との間に立つ状況も多かったであろう彼女。いわばずっと中間管理職だったわけです。

そして先輩がいなくなった現在。課長から部長になったような感じでしょうか。
後輩に目を配り、大人との間に立ち、さらにファンやもしかしたら「世間」との間にも立たなければいけない

桜井玲香も秋元真夏も経験してきた「自分の発言がグループの意志と捉えられる」重圧にも直面したことでしょう。

そんな梅ちゃんのMCにメンバーは全力の「イエーイ!」で応えます。

思い出すのは29thアンダラ。座長は『届かなくたって…』の佐藤楓でした。
その時の記事で私はこんなことを書いています。

 なんとかして盛り上げたい、みんなで支え合っていきたい、恥ずかしがってる場合じゃない。そんな気持ちが感じられる

その記事では「全体ライブではMC中にそんなに全力でイエーイはいかないじゃないですか」とも書いたのですが、この日はその時を彷彿とさせる「全力のイエーイ」。

このライブを成功させたい。キャプテンを支えたい。そんなメンバーの気持ちが音圧になって伝わります。

『僕は僕を好きになる』。
明らかに一段階上の気合入った表情をする山下美月。その後ろで岩本蓮加も同じ表情を浮かべます。
そしてDフレを歌う3期5人(山下久保梅澤与田岩本)。
やっぱり白石麻衣卒業後の乃木坂新章開幕を告げる、3期生にとって特別な曲だったのだと思わせます。

「箸休め三姉妹」のMCでの山下美月
「みんなのためにぃ~可愛くお化粧してるの」「のめり込ませてね、私たちのこと」という酔っぱらってんじゃないかスレスレの怪しげなテンションがなんというか、やっぱりさすが美月。

『三番目の風』。センターは与田祐希。伝統の「神宮、騒げ~!!」。

『設定温度』。
3期生がたびたび口にする「特別な曲」。彼女たちが先輩たちと初めて一緒に歌った歌であり、あの2017年神宮の全体ライブ1曲目に選ばれた曲でもあります。
6年もの時が流れて最上級生になって、同じ場所で歌う彼女たちの心境はいかばかりか。涙を流す与田祐希

『逃げ水』はここのところ定番となった「よだれん」=与田祐希岩本蓮加センターでした。
手をつないで歩く花道。もちろん思い出すのは2021年大園桃子卒業ライブ。曲終わりには肩を組むふたり。

『僕が手を叩く方へ』。
これまたあまり見ないぐらい力んでいる久保史緒里
バックステージから花道を走る途中でどんどん合流し、最後に全員揃ってメインステージで肩を寄せ合う。3期の青春。

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ようやく語られた理由


本編最後のMCでも、ずっと感情が抑えきれずに声が上ずったままの梅澤美波

そしてアンコール。『人は夢を二度見る』の前に山下美月が座長っぽいMC。

この日の3期生たちのあまりに高いテンションの理由が「3期の青春が終わりに近づいていること」のような気がしていたので、正直卒業発表しそうで怖かった。
幸いにもそれは杞憂に終わりました。

『乃木坂の詩』も終わり、梅澤美波最後の挨拶。

そこでようやくこの日の3期生たちの気合もしくは気負いの理由が語られます。

それは1期2期の去った世界へのプレッシャーでした。

 私たちでも4日間乗り越えられました
 ツアー16公演、神宮4日間を乗り越えることが、今の私たちにとって、とても大きな試練でした

そして

 今、先輩たちの後をしっかり受け継げたと証明できたと思います
 私たちが乃木坂46です!

正直言っていいですか。

私からすればまだ3期生がこれほど苦しんでいるそのこと自体が意外でした。
先輩を超えるとか超えないとかそういうのはもう乗り越えたんじゃないか。勝手にそう思っていました。

去年の全ツだって1期2期は既に5人しかいなかったし(飛鳥、真夏、樋口、和田、絢音)、飛鳥はともかく他の4人はやや引いた立ち位置にいましたし。

そもそもなんで今年神宮が4DAYSなのか疑問だったんですよね。

バスラのように全曲披露でも期別ライブでもなく、大筋同じセットリストの全体ライブを4日間続ける。

これはどれだけ誉めても「自分たちはよくやっている」ということをどうしても認められない3期生たちのために運営が用意した「先輩もやっていないこと」=新たな歴史、だったんですね。

こんな零細ブログで何を言っても彼女たちに届きはしないでしょうけれど、私も言いたいです。

君たちは、よくやっている

偉そうですね笑
結成当初から乃木坂ファンの私ですが、8年半もの間単推しした井上小百合が卒業しても、そこから3年半も経った今も、ちゃんと乃木坂が好きですよ。


「私たちが乃木坂46です!」が注目されましたけれど、個人的には「過去も今も未来も全部まとめて愛して、みんなで前に進んで行きます」という言葉にグッときました。


梅ちゃんがこの言葉を聞いていたか、頭に残っていたかはわかりませんけれど。

「毎日最高値を更新していく」とか「いつだって今が一番楽しい」というポジティブな考え方もいいと思います。本気でそう思えるのならば。

でも「過去も最高だったけど、今もそして未来も最高でありたい」と願う方が美しい。
そして、乃木坂らしい。

儚いのに決して刹那的ではない

そういうところが実に乃木坂46だと思うし、素敵だなと思うのです。


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