
前の記事では『逃げ水』が後のグループに与えた大きな影響について書きました。
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言い残した想い
2020年3月発売の与田祐希2nd写真集『無口な時間』は推定売上21万部を超えるメガヒット。
これは白石麻衣『パスポート』(同44万部超)、生田絵梨花『インターミッション』(31万部超)に次ぐグループ歴代3位の数字。
同時期に発売された山下美月1st写真集『忘れられない人』も19万部超、歴代4位という数字を叩き出し、堂々の3期生2枚看板へと成長します。
齋藤飛鳥+「よだやま」+4期生。
白石麻衣と西野七瀬という大エースふたりが去ってもなお、乃木坂は盤石。
私は当時そう感じていました。
ポジションは20th『シンクロニシティ』から31st『ここにはないもの』まで、基本常にフロント。
例外は4曲。
4期生抜擢センターの24th『夜明けまで強がらなくてもいい』、1期生全員福神の25th『しあわせの保護色』、5期生抜擢センターの29th『Actually…』。
そしてもう1曲が白石麻衣卒業後最初のシングルである26th『僕は僕を好きになる』。
これも当時は山下美月をセンターにし箔をつけることにより、与田っちょと同格にしたぐらいの感覚でした。(上で書いた写真集メガヒットの直後でしたし)
しかしその後も与田っちょがセンターに立つことはないまま、気がつけば『逃げ水』から5年以上の月日が流れていました。
そして2022年12月末。
週刊文春が彼女のプライベートに関する記事を公開します。
本人は即座にブログで「やましい事は一切ありません」とコメントしました。
それでも次作『人は夢を二度見る』以降、彼女のポジションは基本2列目固定となり明らかに「センター候補」ではなくなります。(唯一フロントに立ったのは3期生全員選抜だった山下美月卒業シングル35th『チャンスは平等』)
実際のところは知る由もありませんが、いちファンに過ぎない私には「懲罰人事」に見えました。
そういう危うさがあったからずっと単独センターにしなかったのか、単独センターにしなかったから危うい行動をとってしまったのか。
それももちろん、わかりません。
27th『ごめんねFingers crossed』に収録された『全部 夢のまま』。
与田祐希の左右に星野みなみと筒井あやめという「可愛い」に全振りした新鮮なフロント。
ブラスとストリングスのアレンジがゴージャスで『I see…』同様に「SMAP感」溢れ、個人的にはかなりの名曲だと思っています。(ちなみに編曲は『I see…』とは別の方です)
これが表題だったら。当時も今も、そう思います。
でもフロント3人それぞれに違う未来があったかもしれない、なんて考えてしまうのはただの感傷ですね。
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いい8年半だったよ。
彼女の活動を振り返って思い出されるのは『乃木坂工事中』での数々の名シーン。
沖縄ロケで罰ポイント最下位になってハブハンターさせられたり
『フィンクロ』ヒット祈願バンジーでムササビ飛行したり。
「奇想天外!与田クイズ」とか
「スタジオ即売会2022」で58万円のマッサージチェアを値段も聞かずに購入即決とか
「おじさんあるある勉強会」での「私はドジでのろまなカメです!」「寝たい!食べたい!痩せたい!」とか。
最後のバナナマンのおふたりとのパイ投げに至るまで、名場面製造機であり続けました。
そしてもうひとつ、キャリア終盤の与田っちょを語る上で外せないのが後輩たちとの交流。
初センターに先輩センターがアドバイスする「クイズ・パイセンター」で和ちゃんに暖かい言葉を掛けて泣かせたり
活動休止していた掛橋沙耶香を「一緒に乃木坂で活動したい」と励ましたり。
「5期生お歳暮グランプリ」でも井上和と川﨑桜からもらっていましたね。
そして与田っちょ卒業発表後にその川﨑桜が『乃木坂、逃避行。』で筒井あやめに語ったエピソード。
今まですっごい もう無理だってなった時に 絶対与田さんがいてくれたから
明日からもう本当に頑張れないなって思ってたら「じゃあ明日ご飯行こう」って言ってくれて
「これで1週間頑張れます」って言ったら「じゃあ1週間後ご飯行こう」って…
「私は与田さんみたいな先輩になりたい」
これ後輩から言われて一番嬉しい言葉ですよね。
齋藤飛鳥卒コンで「頼れる後輩になれなくて本当にごめんなさい」と泣いたあの子は、大きな愛で後輩を包む頼れる先輩になっていました。
「先輩に色々してきてもらったので、ちゃんと返さないとな」
そう言って、当たり前のように微笑みながら。
独特な人でした。
もの凄く綺麗な顔立ちなのに印象は「可愛い」。
結構あざといことも平気でやるのに狙ってる感じがしない。
嫌味のない、異次元の愛され力。
グループ外の方と仕事をするたびに自分の味方を増やして帰って来ました。
田中要次さん、千鳥大悟さん、ブラックマヨネーズ小杉さん、品川監督…。
どこかの番組で今田耕司さんが「本当に綺麗な顔してんな…」と呟いていたのも印象深い。
猛烈にキャラクターが立っているけれど2次元感がない。
というかむしろ「2次元にもいない」オリジナリティ。
『よだちゃん』というタイトルであずまきよひこ先生にマンガ化していただけないものか。
今ふと思いましたけど、与田っちょってフォルムが「ちよちゃん」で脱力具合が「大阪」ですよね。
そっかー、そりゃ人気出るわけだわ笑
一頓挫あって人気を落としたけれど、それでもなおグループトップクラスの人気メン。
壊れない、休まない。
正真正銘、最初から最後までトップランナー。
与田祐希さん、8年半本当にお疲れさまでした。
あなたを観てきたこの8年半。
ずっと可愛かったし、ずっと楽しかった。
ありがとう。
◇
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過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。
「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。
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『2019年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。
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