ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:中村麗乃

タオル補正
2025年2月28日、公式ブログで中村麗乃さんが卒業を発表しました。

はじめ「ちょこれーの」のち「れのリカ」


2016年9月、乃木坂46の3期生オーディションに合格。
同年12月の日本武道館におけるお見立て会で初めてファンの前に立ちます。

第一印象は「ジャイアント・ベイビー」

とにかく幼かった。

中学生にして既に未亡人のような雰囲気を漂わせていた久保史緒里。
どこか年齢不詳で実際にビジュアルイメージは卒業まで基本変わらなかった阪口珠美。
(どちらも悪口ではありません)

同い年のふたりと比べると新・中3トリオの中でもひときわ幼く見えました

既に長身で小顔という抜群のスタイルだっただけに、そのフワフワポワポワしたあどけない表情はかえってアンバランスさを際立たせていました。今だから言えますが、個人的にはどこか「居心地の悪さ」さえ感じたものです。

改めて観返すと2017年7月の神宮ライブの時点で童顔ではあるものの既に髪型やメイクは洗練されてきていましたし、2018年の6thバスラ「シンクロニシティライブ」ではかなり締まった顔つきになっていたのですが。(実際に私がそれに気づくのはさらに1年ぐらいを要しましたが…)

そして、握手人気では当初から大苦戦します。

少しずつ完売部数を上げていきますが、同期の中でも下位から抜け出せずにいるうちに4期生が加入。そこからはさらに苦戦を強いられ、追い打ちをかけるようにコロナ禍。
25thシングルからしばらくの間は「完売ゼロ」という状況が続きました。

冠番組でもなかなか目立った活躍ができませんでした。

弟さんが高山一実のファンで全国握手会の鍵開けをして「れののおとうとです」と名乗るエピソードは可愛かったのですけれど。

2018年1月放送の『乃木坂工事中』における「第2回 頭NO王決定戦」でれのちゃんは2代目頭NO王の栄冠を手にしてしまいます。

まだ若かった(当時高校1年生)彼女にはそれを「キャラ」として受け入れることが難しく本気で嫌がります。
まあ、そりゃそうですよね。キャラにまで昇華させた和田まあやと弓木奈於が偉大なだけです。

自分でそれをネタにできるようになったのは3年近く経過した『ノギザカスキッツ ACT2』あたりからでしょうか。

握手人気で出遅れ、冠番組でも見せ場を作れなかったれのちゃん。

それでも運営は彼女のポテンシャルを信じ「何かひとつきっかけを掴めば」と思っていた節があります。

何かひとつ。

例えば、「歌メン」として。

2019年末の3期4期ライブでの『私のために 誰かのために』。
彼女は久保史緒里、遠藤さくら、賀喜遥香というエース級と並んで歌唱メンバーに選ばれます。

そして翌2020年2月、ナゴヤドームでの8thバスラでも同曲を歌いました。
今改めて観ると緊張ゆえか硬い歌唱でしたが、それでも運営が彼女のポテンシャルを高く評価していることがファンにも伝わりました。

アンダー曲でのポジションもそうです。

史上最少人数のアンダラであった23rdアンダー曲『滑走路』ではアンダーフロント抜擢。
28th『マシンガンレイン』でもフロント。どちらも反骨のセンター寺田蘭世の隣だったというのも面白い巡り合わせですね。

そして31stシングルのアンダー楽曲『悪い成分』で初のアンダーセンターを務めます。
握手・ミーグリ人気でずっと苦戦していた割にはアンダーでのポジションは悪くなかったという印象。これも「目につく場所に置けばきっと」という運営の期待ではないでしょうか。

そして舞台

スタイルの良さと大きな目という舞台映えするビジュアルと歌唱力。そんな彼女のストロングポイントを最大限に活かせる場所がここでした。

2019年1月に『逆転裁判〜逆転のGOLD MEDAL〜』のヒロイン役として初めてグループ外舞台に出演。
以降、コロナ禍による公演中止や延期にたびたび見舞われながらも継続的に舞台出演を続けます。

それが実を結んだのは2023年1月のこと。

オーディションでミュージカル『Endless SHOCK』のヒロイン、リカ役という特大の外仕事を掴んだことが発表されたのです。

KinKi Kidsの堂本光一さん主演。
初演から21年間、全日程即日完売。「もっともチケット入手が困難な舞台」とも言われるお化け舞台。
実に53日間55公演。しかも帝国劇場。

この作品で彼女はふたつの夢を叶えます。

ひとつは帝国劇場のステージに立つこと。
もうひとつは憧れの神田沙也加さんと同じ役を演じることでした。

そして33rdシングル『おひとりさま天国』で加入7年目にして初の選抜入りも果たします。

こうしてれのちゃんはグループ在籍中に自身の夢を叶え、未来への道を大きく切り拓いたのです。

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床に落ちて転がるハートのサイコロみたいな


彼女の道行きを振り返って思うこと。
それは「乃木坂は夢への最短距離だ」ということ。

(以下の内容をご本人や彼女のファンの方に納得いただける自信はありませんが…)

時々議論される大人数アイドルグループに所属することの是非。

そこで「非」の理由としてよく言われるのが「アイドルで身に付くスキルは卒業後のキャリアで役に立たない」。だから「将来の夢がある人間がアイドルを続けるのは時間の無駄である」。

これはまあ、わかります。
アイドル時代に行っていたことの多くを卒業後には行わなくなりますから。

そもそも本業ともいえる「歌って踊ること」を続けるメンバーは極めて稀ですし、その数少ない例である「ミュージカル俳優」においてもアイドル時代とは違うものが求められます。(れのちゃんも『Endless SHOCK』の時に「ジャンルが違う(ので苦労した)」という趣旨の発言をしています)

それでも。

中村麗乃が弱冠21歳にして『Endless SHOCK』のヒロイン役を射止めたのは、やっぱり「乃木坂だったから」だと思うんですよね。

別に乃木坂の肩書があったからオーディションに合格したというつもりは微塵もありません。
むしろ「中村麗乃だったから」こそできたこと。れのちゃん自身のポテンシャルとグループ内の序列では苦戦が続いていても腐らずに自分の武器を磨いた努力があったからだというのが大前提です。

でも彼女がひとりの女優として個人的にどこかの事務所や劇団に所属して活動していたら。
21歳の時点でその場所にたどり着けた確率は極めて低い、というかほとんどゼロだったのではないでしょうか。

やっぱり「乃木坂46」という環境があったから

憧れの先輩、切磋琢磨する同期、刺激をくれる後輩。
スタジアムクラスのステージに立つという経験。
初の外舞台からヒロイン役をもらえる看板の信頼度。
彼女の適性を信じオーディションの情報を伝えてくれるスタッフさん。
恐らくは高いレベルのレッスンを受けられるコネクション。
そして生活のためにアルバイトをしなくてもいい収入。(これ大事)

決して「舞台俳優として必要なこと」だけに集中できる環境ではないけれど「舞台俳優としての道を拓くための最短距離」だったと言ってもいいのではないでしょうか。

グループ内の序列とかミーグリ人気とか色々悩んだり苦しむこともあるけれど。
全部が全部、自分の将来のためになるというわけでもないだろうけれど。

それでもなお、「乃木坂46にいる」そのことが、夢への最短距離である。

乃木坂がそういう場所であることをファンに対し、そして後輩たちに対して証明してくれた
この点で彼女の功績は極めて大きいと思います。


最後に、これからのれのちゃんについて。

考えるまでもなく、舞台俳優でしょう。
いつの日か生田絵梨花と共演する姿を観たいですね。

場所はもちろん、新しくなった帝国劇場で

中村麗乃さん、8年半お疲れさまでした。



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過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

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びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

関連記事:


当記事ではなぜこの日のライブがあれほど素晴らしかったのか考察してみます。

目の前のことを精一杯


ライブから10日ほど考え続けてたどり着いた結論は「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」でした。

めちゃめちゃ普通ですいません笑

でも37thアンダラ自体、特別な事情のない「普通の」ものでしたよね。

やっぱりシチュエーションって大事、というか観ている我々は往々にしてそれに引っ張られるじゃないですか。
後に「伝説」と呼ばれるようなライブってやっぱりそれも込みという部分が大きいわけで。

例えば2014年のアンダラ2ndシーズンはシチュエーションとメンバーの想いとファンの想いが(そして恐らくスタッフさんの想いも)全部揃った奇跡的な状況でした。まあこれも今だから言えることで当時は「悪夢のような」状況でしたけれど。

2015年日本武道館は「最初に描いた夢の実現」、アンダーレジェンド集結。
2017年東京体育館は「最少最弱」、ダブルダブルアンコール。
2018年武蔵野の森は「久保史緒里復活と川後陽菜卒業」、アンセム『日常』の誕生。
2024年有明(35th)は「筒井あやめ座長と盟友清宮レイ卒業の一期一会」、最初と最後の『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。

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いずれもなんらかの「事情」がありました。
だからこそメンバーも己を燃やしたしファンも燃え上がったという側面があったのは間違いないでしょう。

翻って今回。
特段の事情は「なかった」

もちろんミーグリ完売実績では上位でありながらまたも選抜から外れた冨里奈央と菅原咲月のふたりをはじめ、それぞれのメンバーには思うところがあったでしょう。

とはいえアンダーメンバー誰かの卒業が発表されていたわけでも、グループに猛烈な逆風が吹いていたわけでもありません。

いわば「いつもの」「恒例の」アンダーライブだったのです。

それなのになぜ、あんなにも私の気持ちは揺り動かされたのか。

それはきっと「目の前のお客さん(配信視聴者含む)に最高のライブを届けたい」だから「自分にできることを精一杯やる」というメンバーの気持ちと、それにバチッとはまった選曲であり演出でありパフォーマンスだったから。

すなわち「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」。

柴田柚菜の『Wilderness world』。

彼女の歌唱力を活かす。そこにとどまらず「伸びやかな歌声」というストロングポイントを使い切るにはどうするかを考えた。
そこで「フェイクを任せる」しかも「スタンドマイクで強調する」という演出が加えられ、ゆんちゃんはそれを実に堂々とやってのけました。

『狼に口笛を』のメガホン伊藤理々杏

でっかい瞳に小さな身体、そしてツインテール。2.5次元的…というかもはや2次元。
いい意味で「漫画チック」で「デフォルメされた存在」である彼女がメガホン片手に踊り歌う姿の何とも非日常な感じ。そして床に置いたり拾い上げたりする姿の愛くるしさ
ちゃんと顔が見えるように左上に向けた状態をキープしているのもさすが。
こういう飛び道具が使えるのももちろんベースの歌唱力があるからです。

そして「他の期がセンターをやる期別曲コーナー」もセンターの持ち味が発揮されていました。

岡本姫奈と『Out of the blue』の「陽×陽」。
35thアンダラでもユニットコーナーでやっていたので好きな曲なのでしょう。
ライブを本当に楽しめている様子の彼女と実に良くマッチしていました。

佐藤璃果の『自分じゃない感じ』。
「アイドルとしての自分」にこだわる彼女にオリジナルの山下美月の姿が透けて見えます。

佐藤楓の『心にもないこと』。長い手足でしなやかに大きく踊るのが彼女ならでは。

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女帝にして帝劇女優


そしてもうひとつ。

私はライブ中ずっと漠然と「クオリティ高いなあ」と感じていました。

それはやっぱり3期生がしっかりと支えていたからだと思うんですよね。

個人的に「前回の」=比較対象となるアンダーライブは35th。

どちらがいいとか悪いとかではなく、それぞれの素晴らしさがありました。

35thは山下美月卒業に伴う3期全員選抜という特殊事情。それにより生じた初の4期5期だけでのアンダラ。
センターはエリートコースを歩んでいたため初めてのアンダラ参加となった筒井あやめ。
結果として刹那感、青春感が炸裂した感動的なライブになりました。

それに対し今回の37thは完成度…という言葉は少し違う気がしますがパッケージとして素晴らしかった。
がむしゃらな人(5期生)も実力を見せつける人(3、4期生)もそれぞれがやるべきことをやっていたことがその理由でしょう。

特に感じたのが3期生の「底支え力」
堂々たる貫録でビシッとライブを締め、後輩の座長を支えていました。
かつて中田花奈や樋口日奈が。そして伊藤かりんや伊藤純奈、渡辺みり愛がそうしていたように。

とりわけ強い印象を残したのは中村麗乃
千秋楽を観た人の多くが「今日のMVPだ」と思ったのではないでしょうか。

『悪い成分』でレーザーをかきわけて登場する彼女。
まさに「女帝感」。客席の8割以上がこの言葉を思い浮かべたに違いありません。
こんな日常生活に存在しない単語を瞬時に思わせる彼女の凄味。幕張メッセを「ドミネイト」していました。

そして千秋楽のソロ歌唱コーナー。

この日の彼女はデコ出しの髪型と薄めの眉。
私には「アイドルメイクではない」ように見えました。
もっとストレートに言えば「帝劇女優として出てきたな」と。

選んだのは『歳月の轍』。

生田絵梨花の卒業ソング。
グループにおける立ち位置は違うけれど、それでも「在籍中に帝国劇場に立った」共通点を持つ偉大な先輩への憧れとシンパシー。

「中村麗乃(乃木坂46)」ではなく「中村麗乃」として単独で『MUSIC FAIR』に出演するところまで来たれのちゃんの矜持

 8年半経って、こんな私になれましたよ

彼女はそう伝えているようでした。

力みも気負いも一切なく、ただ感謝と共に。


続きます。

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びーむ色調補正3
年明け一発目の乃木坂ライブは37thアンダラ。
初日と千秋楽のチケットが当選したので中1日で幕張に通ってきました笑

概ねセトリが同じだったのでいちおう「千秋楽」のライブレポにしていますが両日の内容を含んでいます。

とてつもなく盛り上がる


凄かった

なんでしょうね、この感覚。
ライブから数日経った今でもその理由がまだうまく言語化できないのですが。

セットリストはこちら。

Overture
01. それまでの猶予
02. Hard to say(センター:菅原咲月)
03. Wilderness world(センター:柴田柚菜)
04. 制服のマネキン(センター:冨里奈央)
05. Out of the blue(センター:岡本姫奈)
06. 自分じゃない感じ(センター:佐藤璃果)
07. 心にもないこと(センター:佐藤楓)

<ソロ歌唱コーナー>
08. 孤独な青空(吉田綾乃クリスティー)
09. ないものねだり(佐藤璃果)
10. 歳月の轍(中村麗乃)
11. 今、話したい誰かがいる(冨里奈央)

※DAY1は以下の通り
 08. 明日がある理由(矢久保美緒)
 09. 光合成希望(佐藤楓)
 10. 〜Do my best〜じゃ意味はない(松尾美佑)
 11. 何もできずにそばにいる(菅原咲月)

<企画コーナー>
「全員達成して福袋プレゼントチャレンジ」

12. 狼に口笛を(センター:伊藤理々杏)
13. 13日の金曜日
14. バンドエイド剥がすような別れ方
15. 思い出が止まらなくなる(センター:冨里奈央)

16. シンクロニシティ(センター:冨里奈央)
17. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:柴田柚菜)
18. 落とし物(センター:菅原咲月)
19. 悪い成分
20. 踏んでしまった
21. 日常(センター:冨里奈央)
22. 考えないようにする

EN
EN1. 太陽ノック
EN2. 風船は生きている
EN3. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:冨里奈央)
EN4. 乃木坂の詩

※ソロ歌唱コーナー以外は3日間共通セトリ

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは『それまでの猶予』。
1曲目が最新アンダー曲という伝統的なスタイル好き。(アンダラ2ndシーズンや2017年東京体育館なんかがそうですね)

『Wilderness world』で途中からスタンドマイク持ってきてフェイクを入れだす柴田柚菜

『制服のマネキン』イントロ(オリジナルは「生生星」が見えを切る部分)での菅原咲月柴田柚菜冨里奈央という流れで感じた「強さ」。

『Out of the blue』から期別曲のセンターを別の期のメンバーがやる3連発。
どれもセンターのキャラクターに合っていて良い。

今回初の試みだったソロ歌唱コーナー。

ダンス封印。アレンジ封印というレギュレーション。特に後者が厳しい。
「新たな色をつける」ことを許されない、あるいは自分の歌だけでやらねばならないんですから。
それでも皆「今の自分がこの曲を歌う理由」をしっかり持っていて、それを目の前の観客に伝えたいと震えながら歌う姿は心に訴えかけてくるものがありました。

もちろん中村麗乃は全く動じることなく『歳月の轍』。もう何というか「帝劇女優」

伊藤理々杏がメガホンで歌う『狼に口笛を』。良い。
(どこかのアンダラでこの演出観た記憶があるんですが、勘違いでしょうか?)

トロッコでスタンド2階外周を移動しながら「さっちゃん、それ何?」「これですか?バンドエイドです!やっぱバンドエイドですよね~!」という茶番からの『バンドエイド剥がすような別れ方』。
ほっぺたにバンドエイドを貼ったメンバーがすこぶる可愛い

『思い出が止まらなくなる』でカメラに「だいすき」と書く冨里奈央

その座長にフォーカスする幕間Vからの『シンクロニシティ』。

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ここまでアンダー楽曲少な目の構成でしたが、続く『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』からノンストップでアンダー曲5連発。
それも『落とし物』『悪い成分』『踏んでしまった』と比較的新しめかつダンサブルな楽曲を連ね、止めに『日常』。

そりゃとてつもなく盛り上がりますとも
(『悪い成分』中村麗乃の「女帝感」については次の記事で)

本編ラストは『考えないようにする』。期別曲で締めたのは驚きでした。

そしてアンコール。

『風船は生きている』でトロッコから降りステージの突端で煽る菅原咲月。(この日は客席側につき出す三角形のステージでした)

ラスト前で『帰り道は遠回りしたくなる』をもってきたのにも驚きました。
ライブでこのイントロが流れてくるといまだに鳥肌が立ちます。
カメラを使った演出も実にセンチメンタリズムを刺激するものでした。


この日のビジュアル仕上がってんなあメンは岡本姫奈

見た目が変わったというより表情が凄く良くなった…というか生き生きしていました

活動休止などもありライブの場数が5期生の中では少なかったおかひな。
これまではライブ中に不安そうな表情をしていることもあったのですが、昨年1年間フル稼働したことでかなり自信をもってライブを楽しめるようになったんじゃないでしょうか。

「アンダラのために1ヶ月焼肉断ちをして絞った」らしいのでその効果もあったかもしれませんね。でもコンディションを整えるために節制しているメンバーを「10回(15回?)ぐらい焼肉に誘った」とは鬼だな、さっちゃん笑


続きます。

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タオル補正
前の記事ではセンターの井上和について書きました。

関連記事:


当記事では選抜ボーダー、そして初選抜の中村麗乃について。

グループの活性化


33rdで選抜から外れたのは4期生の佐藤璃果と松尾美佑、そして卒業する早川聖来。
新たに選抜に入ったのは5期生の池田瑛紗、そして3期生の伊藤理々杏と中村麗乃。

3期生ふたりは前作ミーグリの完売実績だけを見れば決して芳しくありませんでしたから、選抜入りは正直意外でした。
(林瑠奈の活動休止という想定外の事態も影響したかもしれません)

ここ数作、いわゆる「思い出選抜」枠が復活したのではないかと言われています。

仮にそれを「自分よりミーグリの完売実績が上のメンバーを差し置いての選抜入り」と定義するのであれば、確かにそれに該当するメンバーはいました。

30th『好きというのはロックだぜ!』の樋口日奈、31st『ここにはないもの』では阪口珠美、32nd『人は夢を二度見る』での松尾美佑など。まあひなちまは連続選抜だったのでちょっと違う(永年勤続表彰という感もありましたし)でしょうけど。

このブログでもずっと書いていますが、個人的に「思い出選抜」には肯定的です。(この呼び方は何とかならんかと思いますが)

トップアイドルグループの乃木坂で、一度でも選抜に入った。
その事実がそのメンバーの今後のキャリアや人生において支えとなるのであれば、ケチケチするこたあないんですよ。

目に見える形でのグループ活性化にもつながりますし。

向井葉月や黒見明香のファンがミーグリを完売させているのはやはり、遠い目標だと思っていた選抜が可能性のあるものに見えてきたのも大きいでしょう。

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ジャイアント・ベイビーの飛躍


中村麗乃は加入7年目での初選抜となりました。

元々スタイルは抜群。
「ジャイアント・ベイビー」感の強かった加入当初はともかく、ビジュアルが完成の域に達したここ数年の彼女に運営はずっと期待しているように見えました。

31stアンダー曲『悪い成分』ではセンター。
『もしも心が透明なら』『甘いエビデンス』とユニット曲にも参加。

ただ、れのちゃんはずっとミーグリ人気で苦戦が続いていました。

しかしそんな彼女に転機が訪れます。

オーディションで掴んだミュージカル『Endless SHOCK』のヒロイン、リカ役。

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実に53日間55公演。しかも帝国劇場。

偉業。
そして彼女自身の飛躍のきっかけ、どころか人生を変えるかもしれない大舞台です。

少し話がズレますが、この舞台出演により32ndシングルアンダーライブは全公演欠席となりました。

前作アンダーセンターである彼女の不在はもちろん痛手でしょうが、外仕事で頑張るメンバーを「あとは任せろ」と送り出すのが乃木坂ですよね。

こうして特大の外仕事という実績を積んだれのちゃん。
勢いそのままに悲願の初選抜も勝ち取ります。

これまで外仕事での評価というもの「だけ」で選抜入りした例はほとんどありませんでした。

外仕事加算はもちろん多少はあったと思います。でも明らかに握手人気、運営序列よりも優先順位が低かった。
いわゆる「舞台メン」は率直に言って「割を食って」いた印象の方が強いです。
実は4年ぐらい前から書きかけの「舞台メンは不利だよね」というタイトルの記事があるのですが、まあゴリゴリの舞台メンだった井上小百合推しの愚痴です笑

だからこそ、前作32ndシングルのミーグリ完売数が「1」だった彼女の選抜入りはエポックメイキング。

これだけ大きな外仕事を取ってくればそれが選抜入りへの大きな後押しになる。
そんな極めて健全な判断がなされた「だけ」なのですが、これまでの乃木坂ではそれができていなかったのも事実。

オリメン全員卒業という移行期の現在、乃木坂運営は過去を踏まえつつも前例踏襲から緩やかな脱却を図っているようです。

今回の中村麗乃選抜もその一例と言えるでしょう。

関連記事:


最後に、ちょっとだけ34thシングルの展望を。

個人的には井上和の連続センターというのが最善手だと思います。

今作の和ちゃんが既存ファン以外の層へどれだけ訴求しているのかはわかりませんが、運営の手ごたえとして悪くないのであればここは攻めた方が良いでしょう。

賀喜遥香や遠藤さくらだとどうしても「順番」という印象を受けてしまうというのも理由のひとつです。

もちろん和ちゃんの負担軽減が大前提ではあるのですが。
33rdのプロモーションや真夏の全国ツアーを経て先輩や同期、スタッフさんのサポート体制がある程度確立できているのであれば、一気にグループの顔のひとりとして内外に印象づけるのが得策でしょう。



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前の記事では印象に残ったシーンを挙げていきました。

でも実を言うと、私がこの日最も強い印象を抱いたのは北野日奈子と後輩たちのやり取りでした。

たまちゃんが感情を吐き出した


ライブの最終盤、阪口珠美からの送る言葉。

 日奈子ちゃん

そう呼びかけたことにまず驚きました。
(すぐ後に「日奈子ちゃんって呼んでいいよって言ってくださった」と説明していましたね)

そしてこう続けます。

 このラストライブをアンダーメンバーと一緒にやってくれるって選んでくださって本当に有難いです

きいちゃんが選んだんだ。そして選抜メンバーのサプライズ出演がないのもきっと彼女の意志なんだ。

きいちゃんが望めば、それこそ齋藤飛鳥だって来たでしょう。
でも、彼女は最後のステージをアンダーメンバーとだけ行なうことを選んだ。

もうそれだけで私はグッときました。

ポジションにこだわり続けたきいちゃん。
ずっと「選抜メンバーを目指すことがあるべき姿だと」考えてきたきいちゃん。
自信を失って、それでもあきらめきれない向井葉月に「選抜を目指してもいいんだよ」と語りかけたきいちゃん。

それでもアンダラに誇りと思い入れを持ち続けたきいちゃん。

そんな彼女が最後に共演することを望んだのが、今まさにポジションで辛い思いをしているアンダーメンバーたち。

さらに言葉をつなぐたまちゃん。

 私は辛くても表に出す自信もなくて勇気もないけど、
 私たちアンダーメンバーも今この場所で自信を持って頑張れば良いんだって思えるようになったのは日奈子ちゃんのおかげです

確かにその言葉通り、めったに感情を表に出さない印象のたまちゃん。
そんな彼女が表情を乱し泣きながら絞り出した言葉の重み。

そんな彼女にきいちゃんはこう答えます。

 立場上、ポジション的にも凄く苦しい場面が今までもこれからもあるかもしれない

「立場上」。

もはや先頭を走らねばならない3期生たち。
加入6年目でふたつ下の代の後輩ができる。これはまさにかつて=2017年当時の1期生の立場です。

「ポジション的に」。

ダンススキルが高く、代打での歌番組出演はある。
選抜もアンダーセンターも経験し、一定の人気もある。
それでも目に見える人気指標であるミーグリの完売実績において、選抜入り当確というところには至っていない。

「凄く苦しい場面が今までもこれからもあるかもしれない」。

後輩に抜かれるのではないか。
自分は便利屋として使われているだけではないか。
もう選抜には入れないんじゃないか。

そんな不安や葛藤、そして恐怖。

私の勝手な(そして大変失礼な)推測ですが、かつて中田花奈や斉藤優里が感じていたかもしれない感情。
そしてもしかしたら、26th『僕は僕を好きになる』で選抜落ちした時のきいちゃん自身も。

だから彼女はこう言います。

 でも乃木坂を好きな気持ちを大切にしてね

辛くても苦しくても、乃木坂が好きでいられるのならここにいればいいんだよ。

たとえ選抜が遠くても、この場所を愛し活動を続けた先輩たちのように。

安易な慰めではなくリアルな、でもとても暖かいメッセージ。

この日の最後、きいちゃんはもう一度後輩たちに語りかけます。

 自分の心を大切に
 大事な人を大切に
 元気で楽しく

もがき苦しんで心が折れて、それでも今笑って卒業していく彼女だから言える言葉でした。

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観なければきっと後悔する


この日、苦しさを吐露したのはたまちゃんだけではありませんでした。

序盤のMCでの中村麗乃。

 頑張ることがわからなかった時期に
 日奈子さんがめちゃくちゃリハーサルで頑張ってるのを見て
 こうやって頑張るんだ、って思えた

その顔を隣でじっと見ながら目を潤ませる北川悠理。
きっと彼女にだって思うところはあって。

5期生の加入。そして中西アルノの抜擢センター。

そんな状況で現在のアンダーメンバーたちが抱える不安を受け止めてきた北野日奈子が卒業してしまう。

だからこそ。

この日のライブ序盤できいちゃんはファンにこう語りかけたのです。

 アンダラに来ない乃木坂ファンにアンダーの魅力を伝えてほしい

思えば初期アンダラもそうでした。

超選抜メンバーのファンの多くはアンダラに全く興味がありませんでした。
さらに悪いことに一部にはアンダラを「アンダーメンバーのガス抜き企画」と揶揄する人たちさえいました。

そんなアンダラが瞬く間にファンの支持を集めたのは、メンバーの熱気とそれを観たファンの口コミによるもの。

2ndシーズンで大きなムーブメントになり、翌年には武道館に到達。
最少最弱と言われた17thアンダラ東京体育館も成功させ、東京近郊では1万人キャパの会場で行なわれることが当たり前になって。
アンダーの地位はかつてとは比べ物にならないくらい向上しました。

しかし、メンバーが大きく入れ替わりファンも入れ替わった現在。

再びアンダラ黎明期と同じように「超選抜メンバーのファン」のアンダーに対する関心が低くなっているように思います。

かくいう私もアンダラの会場に行ったのは2018年末の武蔵野の森が最後。

コロナ禍以降の配信も毎回観ているわけではありませんし、この翌日からのアンダラも正直迷っていました。

私は今も初期アンダラの反骨の炎が燃え盛った、切羽詰まりまくった空気が忘れられずにいます。
そのためアンダーメンバーにも色々な仕事があるという現在の状況を嬉しく思いながらも、どこか物足りなさのようなものを感じていたのも事実です。

でも。

この日のメンバーたちの姿、そしてきいちゃんの言葉に背中を押されて配信チケットを購入しました。

観なければきっと後悔する。

そんな予感めいたものがありました。



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