ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

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びーむ色調補正3
乃木坂黎明期にグループを牽引した「御三家」最後のひとり、松村沙友理。
ついにその卒業コンサートの日が来てしまいました。

その第1部は悲願のさゆりんご軍団ライブ。
なぜ卒業「コンサート」なのに軍団は「ライブ」なのだろうかと思わなくもありませんが笑

しんどい、でも素晴らしい


セットリストはこちら。

Overture(鼻歌Ver.)
01. ぐんぐん軍団
02. 白米様

替え歌コーナー
03. さゆりんごが咲く頃
04. 何度目の軍団か?
05. ライス!
06. りんごのパクリから(with秋元真夏、鈴木絢音)

07. 大嫌いなはずだった。(with秋元真夏、鈴木絢音)
08. 働き方改革
09. さゆりんご募集中

例によって印象に残ったシーンを挙げていきます。

そもそも『Overture』の替え歌を鼻歌でやるというのが既にまっつんイズム全開。

オープニングは軍団の自己紹介ソング『ぐんぐん軍団』。

伊藤かりん、佐々木琴子、中田花奈という卒業生たちが当たり前のように出てきますが、そもそも卒業生が乃木坂のライブに出ること自体が異例中の異例。ましてや琴子は他事務所だし。私の記憶が確かなら2ndバスラのアンコールに岩瀬佑美子と宮沢成良が登場して以来ではないでしょうか。(あれは出演ではなく飛び入りでしたし)

それにしても琴子美人だな~どうにか乃木坂で活かす方法はなかったのかと、いまだにしつこく思ってしまいます笑



少し大人っぽくなった印象の彼女。
こんなにしっかり歌声を聴いたのは初めてな気がします。さゆりんご軍団以外でソロ歌唱パートってありましたっけ?

そしてキラーチューン『白米様』はフルコーラス!

続く替え歌コーナーで改めて思い知らされます。
やっぱ俺、まっつんのセンス好きだな~。

『ライス!』の「炊く前 米 米 米よ 炊けたら メシ メシ メシよ~」とか抜群じゃないですか。

『さゆりんごマジョリティー』やらんのかとはちょっと思いました。

『りんごのパクリから』での秋元真夏との茶番が微笑ましいというか涙が出そうになるというか。そして真夏さんリスペクト軍団も既にもう真夏さんと鈴木絢音の2人しか残っていないという事実に切なさがこみ上げます。

軍団でハワイ旅行したいねトークの中での
松村「お金出すよ!」
琴子「じゃあ振り込んどいてください」
松村「それは話が違う」のやり取りも面白かった。

JAの人、前に積まれている唐揚げの量多すぎじゃないですかね?

ラストの『さゆりんご募集中』もフルコーラスだったのが良かった。

そして50年後の武道館はちょっと私は無理っぽいのでもう少し早めに実現していただけると助かります。



とまあつらつらと書いてきましたが、個人的に最も印象に残ったのはクライマックスの『大嫌いなはずだった。』。

この日が初披露だったそうです。

そもそも個人的にはボカロをまったく聴かないのでHoneyWorksさんも知りませんでしたし、この曲も初めて聴きました。

正直、甘酸っぱい青春ストーリーの断片をひたすら積み上げたようなこの曲の歌詞はおっさんには…まあ少なくとも私にはしんどかった。
冠番組でやる妄想シチュエーション系とか懐かしの「乃木恋リアル」のような気恥しさを1曲通して見せられ続ける感覚というか。

ですが、これがまた良かったんですわ。
いや、しんどかったんですよ。最後までずっと「この歌詞はおっさんにはしんどいな~」と思いながら聴いていて、なのに終わった時の感想は「でもすげえ良かったな」でした。

その理由として思い当たるのは、この軍団ライブで唯一のシリアスな楽曲だったという点。

そう、我々は初めて「さゆりんご軍団(with真夏さんリスペクト軍団)の本気」を目にしたのです。

基本的に「まっつんが面白いと思ったことをやる」というコンセプトで進んできたさゆりんご軍団。でもそれは結果的に軍団員のアイドル性(※)の高さを笑いというオブラートにくるんでしまっていたのではないか!それは天才・松村沙友理とは思えない失策だったのではないか!などと今さらにも程がある感情がこみ上げてきて我ながら始末に負えないです笑
※この記事における「アイドル性」は「萌え」とか「胸キュン」させる能力、ぐらいの表層的な意味で使っています

まあ軍団に限らず、乃木坂って基本「ゴリゴリのアイドル」やらないじゃないですか。
上で書いた妄想シチュエーションや乃木恋リアルもあくまでも「演じています」「ファンサービスです」というスタイルでやって、その後照れるところまでがワンセットですよね。

ファンも概ね「ナチュラル」であることを是としているように思います。
それこそ真夏さんやまっつんは「ぶりっ子」だけど、そのふたりでさえそうでない部分を特に隠そうとしない。あくまでも引き出しのひとつという位置づけです。

普段グループでは使っていないアイドル性。
しかしこの曲で私が目にしたのは寺田蘭世や鈴木絢音、そして佐々木琴子が本気でアイドルをやり切った時の破壊力でした。

だとすると天才・松村沙友理はそのラストステージで我々にこう言いたかったのかもしれません。

「普段やってないだけで、乃木坂ちゃんが本気出したらめっちゃアイドルなんやで!」



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びーむ色調補正3
乃木坂にとって1年で最も大切な日と言っても過言ではない、バースデーライブ(以下バスラ)。2021年、コロナ禍が続く中での9th YEAR BIRTHDAY LIVEは無観客配信での開催という決断が下されました。

2020年を振り返るセトリ


セットリストはこちらです。

Overture
01. ぐるぐるカーテン
02. インフルエンサー(センター:山下美月、与田祐希)
03. シンクロニシティ(センター:梅澤美波)
04. 何度目の青空か?
05. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:遠藤さくら)
06. 君の名は希望

期別コーナー
【4期生】
07. 夜明けまで強がらなくてもいい
08. キスの手裏剣
09. Out of the blue
【3期生】
10. 逃げ水
11. トキトキメキメキ
12. 毎日がBrand new day
【2期生】
13. バレッタ
14. アナスターシャ
15. ライブ神
【1期生】
16. 制服のマネキン
17. サヨナラの意味(センター:齋藤飛鳥)
18. 狼に口笛を(センター:樋口日奈)

2020年コーナー
19. しあわせの保護色(センター:大園桃子)
20. ゆっくりと咲く花
21. 世界中の隣人よ
22. Route 246
23. 明日がある理由
24. ファンタスティック3色パン
25. I see…

26. 口ほどにもないKISS
27. 自惚れビーチ
28. 日常
29. Wilderness world

30. いつかできるから今日できる
31. おいでシャンプー
32. Sing Out!
33. 僕は僕を好きになる

EN
EN1 そんなバカな・・・
EN2 ダンケシェーン
EN3 乃木坂の詩


シングル6連発。そこから期別に3曲ずつ。
2020年を振り返り。アンダー3曲からの『Wilderness』。
シングル3連発から現センター山下美月のMCを挟んで最新シングル『僕僕』で本編終了。
アンコールは(軽めの)堀未央奈卒業セレモニーで、乃木坂の詩で締め。

ざっとまとめると、こんな流れでした。

正直、セトリだけ見れば「バスラじゃない」です。

まあ「シンクロニシティライブ」こと神宮球場と秩父宮ラグビー場で同時開催された6thバスラも普通の全ツとほぼ変わらないセトリでしたが、それよりもさらにバスラ感は薄い。

あの時は大人数+ユニット+アンダー+3期でした。それに対し今回は大人数+アンダー+各期。かつ期別曲だけで計12曲もやるためユニットコーナーが丸々なくなっています。(かろうじて『3色パン』だけが2020年コーナーで歌われましたが)

さらに2020年コーナーが一番長かったため、過去の乃木坂を振り返るバスラではなく2020年の辛かった状況を振り返る内容になってしまっていました。

もちろん感染症対策の結果という側面もあるのでしょう。なるべく曲ごとの人数を減らしたり練習時間も短くできるよう最近披露した曲をチョイスしたりと、スタッフの方々も苦心されたのだと思います。

ただ、私の思うバスラの醍醐味は「歴史を辿ること」。
楽曲発表当時のメンバーの姿やグループの状況を思い出したり、様々なライブを経てその楽曲の持つ意味が変わってきたことに感慨を覚えたり。8thバスラの記事で書いた通り「どうしたって思い出がよぎる」んです。

関連記事:


さらにここ数年はそこに「継承」が加わってきました。
とりわけ相次ぐ1期生の卒業後に迎えた2019年の7thバスラ以降はその傾向が顕著。

卒業したメンバーのポジションを埋める後輩たちの見せる覚悟と、それを見守る先輩たち。その図式が放つ何とも言えない暖かさに毎年「やっぱ乃木坂だな」と言わされてきたのです。

しかしこの日のセトリには、普段はなかなか聞けないあの曲を披露してくれるのかというワクワクも、ユニット曲で卒業メンバーの穴を誰が埋めるのかというドキドキもありません。そもそも先輩と後輩の共演自体がいつものバスラに比べて極端に少なかったという印象です。

これから期別ライブやるんだから期別コーナー作らなければよかったのに。
まあ運営からすればバスラを視聴したライトファンを期別ライブにも誘おうという目論見なのかもしれませんが…個人的には「逆だろ」って感じです。

そしてバスラとしてはボリューム感も低めでした。
これは当日中にアーカイブ配信をするという時間の都合もあってのことかと思われますが、翌日アーカイブ配信してくれればいいのに。(当日オンリーにすることで違法動画アップ防止効果でもあるんでしょうか?)



それでもこの日はバスラだった


とまあ、つらつらと不満を書き連ねてきましたが、要するにこの日のライブは私にとってバスラの醍醐味を感じにくいものだったというのが偽らざるところです。

それでも敢えて言います。

この日のライブは紛れもなくバスラであったと。

そう感じさせてくれたのは新内眞衣でした。

最初のMCでまいちゅんはこんな趣旨の言葉を語っています。

 例年よりちょっと時間があったので、後輩ちゃんたちに初期の振り付けの細かいところ、「『ぐるカー』の手は閉じるんだよ」とか教えることができた。
 私たち2期生までは一から先生方に教えてもらえたので、そういう細かいところを習っていない3期生以降に教えてあげられたのは良かった。

我々ファンには見えなくても、バックヤードではちゃんと「継承」が行なわれていたんです。

この発言が全員の前でなされたことも、配信の電波に乗ったことも、飛鳥が「それ大事!」と強く肯定したことも凄く良かったですね。

これによって先輩後輩がお互いに「3期以降は教わっていないことがある」というのをきちんと認識し、この先その部分を埋めていこうという意識づけができたのではないでしょうか。

以前『乃木坂工事中』で円陣のやり方を後輩たちがちゃんと習ってないという話が出たのを思い出します。

彼女たちの頼もしさに我々ファンも時々忘れてしまいますが、3期4期は本当に短期間で大きな舞台に立ち、大切な役割を任されてきました。
その中で詰め切れない部分やこぼれ落ちてしまうものがあったのも無理からぬことでしょう。

振り付けや歌詞の「意図」や「意味」。そして表現する際の「肝」に当たる部分(振り付けを美しく見せるためのポイント等)。後輩たちがそういったものを知らずにただ形だけをトレースしていたらそれはやがて輝きを失う危険性があります。

もちろんオリジナルに囚われすぎて「完コピする」こと自体が目的になるのも違います。それこそ悪意あるオタから「劣化コピー」呼ばわりされかねません。
むしろ個人的には新たな解釈を加えて楽曲をパフォーマンスすることは正しい方向性だと思っています。ただその場合でもオリジナルのエッセンスを知った上で変えるのと知らずにそうするのとではまるで意味が違ってきます。

思うに、この点において大きな役割を果たしてきたのはアンダーライブではないでしょうか。全体ライブと比べ少人数で期を跨いだメンバー間の交流が深まることやパフォーマンスリーダーの存在など、継承を進めるうえで有利な条件が揃っています。

何度も書いていますが、やっぱり新加入メンバーは全員アンダラを経験するのが望ましいですね。4期生はまだ誰もアンダラに参加していないので、次のシングルからはぜひとも4期別枠をやめて合流してほしいものです。

そしてこういう話が出るたびに毎回思うのが、伊藤かりんのこと。
彼女が自身のタレント業と並行して乃木坂現役メンバーの先生やってくれたらいいのにな、と。(もちろんご本人にとって大変失礼な話なのは重々承知しております)

継承推進という意味では、以前にイベント参加券(いわゆる「全握券」です)の使い道として提案した「1期から4期まで組み合わせて各ユニット8人以下とかでのシャッフルユニットライブ」も有効です。同じく各期シャッフルして全体を2つないし3つに分けたライブでもいいですね。

堀未央奈の卒業もありますので期別ライブ開催に異論はありませんが、その次のアクションとしてぜひ運営にご検討いただきたいところです。



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当ブログに掲載された記事を再構成し加筆したもの。総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームでブログをご覧の方にも楽しんでいただけることと思います。



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