ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:伊藤理々杏

びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

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こちらではライブの中心となったふたりのセンター、伊藤理々杏と林瑠奈についてです。

支える先輩、向き合う後輩


この日、本編ラストの座長MCを務めたのは4期生の林瑠奈。

Wセンターのもうひとりである伊藤理々杏はこの場面に限らず、この日ずっと後輩である林ちゃんに花を持たせている感じがありました。
そしてその姿は非常に好感の持てるものでした。

自分の役割は初の4期生センターを支えること。そしてパフォーマンスで中心となること。

そのふたつにしっかりと集中できていた感じです。

理々杏自身、初のアンダーセンターでした。
相当、期するところがあったはずです。

まして33枚目シングルで選抜入りした際に「アンダーセンターは選抜入りへのラストチャンスだと思っていた」と語った彼女。

その認識がありながら、それでも理々杏はしっかりと後輩を立ててみせました。

彼女が自らその境地に達したのか誰かに言われてなのかはわかりません。
だとしてもまだ20歳の彼女がそれを受け入れるのは決して簡単なことではなかったでしょう。

それを単純に美談として語るのは違う気がしますが、ただただ「立派だな」と思います

そんな「一歩引いた」印象でありながら、パフォーマンスではちゃんと存在感をアピールしていたのも見事でした。


そして林瑠奈。

ド迫力だった『ショパンの噓つき』

シャンソン歌手のようなイメージの衣装と演出。

こういうの=宝塚やシャンソン歌手のような演出って基本アイドルは「パロディ」としてやるじゃないですか。
そしてそれは別に悪いことではないと思うんですよ。観客に「ゴージャス」を直感的に伝えることができますから。

それこそ例えば仮に生田絵梨花がこれをやっていてもやはり「パロディ」だったと思います。
それは歌唱力がどうとか演技力がどうのとかいう話ではなく、生ちゃんが持つコメディエンヌとしての資質と「陽」の力が強いから。そして「アイドル」自体が生田絵梨花のひとつの側面であって全体像ではないからです。

しかしこの日の林瑠奈は、真っ向からそして生真面目にその演出に向き合いました。

「パロディ」や「学芸会」にならないそのビジュアルと歌唱、それ以上に「佇まい」の説得力たるや。
「重厚」かつ「耽美的」と表現したくなるような素晴らしいパフォーマンスでした。

彼女には「湿度」があるのだと思います。
観る者を引きずり込むような、一種の緊張を強いる独特な雰囲気

個人的には舞台での演技を観てみたいと思いました。

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正解はそのうちわかる


もうひとつ、32ndアンダーについて語るなら触れずにはいられないことがあります。

4月7日放送の『ミュージックステーション』で披露された『人は夢を二度見る』。

大河ドラマの撮影で欠席する久保史緒里に代わり、山下美月とWセンターを務めたのは林瑠奈でした。

井上小百合推しの自分としては地上波生放送の歌番組でアンダーセンターが代打を務めるというだけでグッときてしまいます

大間奏。
メンバーたちが作った輪の中心で美月とハイタッチをする林ちゃん。

乃木坂ドリーム、とでも言えばいいのでしょうか。

8thバスラで挨拶をした直後にコロナ禍が始まり、握手会もライブも知らずにいた「新4期生」。

彼女たちが初めてファンと直接交流したのは26thシングル『僕は僕を好きになる』のミーグリ。既に加入から約1年が経過していました。

「初動」で躓いた影響は大きく、ミーグリ人気はなかなか上がりませんでした。
林ちゃんもほんの1年前(『Actually…』の時)まで完売はひとつかふたつの枠だけ。

そんな彼女が今、グループの顔のひとりである美月と笑顔でハイタッチを交わしている

最高にかっこ良く、痺れる瞬間でした。


しかしアンダラ閉幕後から体調不良でミーグリの欠席が目立ち始めた林ちゃんは6月に活動休止を発表します。

この1年で本当に大きな変化を経験した彼女。

大学に入学し。
バナナマン設楽さんに『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」で10thバスラの姿を「アイドルがステージで輝いているのを絵に描いたみたい」と褒められ。
ミーグリの完売が少しずつ増え。
ひとりで外番組に出演するようになり。
『ここにはないもの』で初選抜。
同シングルのカップリング『アトノマツリ』MVの編集を行い。
次作では「特別な想いを持っている場所」アンダーセンターに。

「いつか」と思っていた目標が、手を伸ばせば届く距離にあることに気づいてしまった

選抜入りした時の素直に喜べない姿。
アンダラの舞台裏で見せた不安気な表情。

今にして思えば、突然広がった自分の可能性に戸惑い混乱し怯えていたように見えます。


それでも、いわゆる「古参オタ」である私は思ってしまうのです。

林瑠奈なら

伊藤万理華のように、アンダラを再び「今一番熱いライブ」へと押し上げ。
その先に開ける道を、待望の(齋藤飛鳥以来誕生していない)「叩き上げのスター」への道を歩んでくれるのではないか、と。

ずっと乃木坂を見てきた運営も、彼女にその可能性を感じたから

4期生で最初にアンダーセンターとして選んだ。
生放送での代打センターとして選んだ。

私にはそう思えます。


ここまでおっさんオタの勝手な期待を書いてきてしまいましたが、
林瑠奈さんがご自分のペースでゆっくりとお身体を癒されることを心から願っています。


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伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。
 

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個人的には本当に久しぶりとなるアンダラ現地参戦。

Wセンターとはいえ4期生初となるアンダーセンター林瑠奈、さらに5期生合流と「ここは観ておいた方がいい」予感でいっぱい

幸いにも千秋楽のチケットが取れたので行ってきました。

「ネクスト・ビッグ・シング」冨里奈央


セットリストはこちら。

01. 新しい世界(3期生)
02. マシンガンレイン(4期生)
03. 左胸の勇気(5期生→全員)

Overture

04. さざ波は戻らない
05. ここにいる理由(センター:林瑠奈)
06. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:伊藤理々杏)

<チーム理々杏VSチーム林>
07. 音が出ないギター(センター:伊藤理々杏、佐藤、吉田、黒見、矢久保、冨里、中西)
08. 命は美しい(センター:吉田綾乃クリスティー、理々杏、佐藤、黒見、矢久保、冨里、中西)
09. ショパンの嘘つき(センター:林瑠奈、阪口、向井、北川、清宮、池田、小川、奥田)
10. ごめんねFingers crossed(センター:阪口珠美、向井、北川、清宮、林、池田、小川、奥田)

11. ありがちな恋愛(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)
12. 狼に口笛を(センター:佐藤楓)
13. 13日の金曜日(センター:向井葉月)

<ユニットコーナー>
14. Out of the blue(黒見明香、矢久保美緒、池田瑛紗、冨里奈央)
15. アトノマツリ(北川悠理、林瑠奈)
16. もしも心が透明なら(阪口珠美、佐藤楓、向井葉月、清宮レイ、小川彩)
17. パッションフルーツの食べ方(伊藤理々杏、吉田綾乃クリスティー、奥田いろは、中西アルノ)

18. 自惚れビーチ(センター:清宮レイ)
19. 口ほどにもないKISS
20. 嫉妬の権利(センター:北川悠理/矢久保美緒)
21. 届かなくたって…
22. 錆びたコンパス(センター:吉田綾乃クリスティー)
23. 日常(センター:向井葉月)
24. 誰よりそばにいたい(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)

EN
EN1. そんなバカな…
EN2. ガールズルール(センター:林瑠奈)
EN3. 乃木坂の詩

WEN ロマンスのスタート


印象に残ったシーンを挙げていきます。

まずこの日のビジュアル仕上がってるメンは冨里奈央
ライブ中盤から、彼女のあざといポーズがモニターに映し出されるたびに客席が沸く現象が起きていました。まさに「ネクスト・ビッグ・シング」。

個人的には高身長と長い手足を活かした彼女の躍動感のあるダンスも印象に残りました。
舞台上のメンバーを直接(モニターではなく、という意味です)観ている時にダンスで目を引かれて「あれ、誰だろ?」とオペラグラスで確認すると冨里奈央、ということが何度かありました。

「集団として踊っている中で目を引く」という意味ではこの日、それこそ佐藤楓と双璧だったのではないかと思います。

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オープニングは各期の「初めて参加したアンダー曲」。

『ここにいる理由』そして『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』のイントロで上がる、全体ライブでの披露時とは明らかにボリュームが違う歓声。

『音が出ないギター』での伊藤理々杏のロングトーン。

『ショパンの嘘つき』と林瑠奈については別途書きます。

『ごめんねFingers crossed』!
どよめく客席。そしてセンターが阪口珠美であることに気づいてさらに沸き上がる歓声。

『Out of the blue』が意外と似合う黒見明香(いやそもそもオリメンですけど)。
想定通り、いやそれ以上に似合う冨里奈央

オリジナルは長身美脚ユニット(梅澤美波、中村麗乃、早川聖来、松尾美佑)の『もしも心が透明なら』。それを真ん中で踊る小川彩。驚愕の15歳を支える先輩たち。

もういっちょ珍しい曲来た『パッションフルーツの食べ方』。
オリジナルは梅澤美波、久保史緒里、与田祐希、遠藤さくらというエース級なのだが何とも地味なこの楽曲。

中西アルノがフェイクで下パートだったのですが、下支えが実に上手い。やはり彼女の低音には魅力があります。余談ですが『超・乃木坂スター誕生!』での『今夜はブギーバック』の歌い出しも素晴らしかった

その本編最終ブロック。

怒涛のアンダー曲連打。
サイリウムカラー固定曲の連続で忙しかったですが笑
『錆びたコンパス』から『日常』というアンダラの誇る両アンセムの流れは圧巻でした。

ラスト前のMCまでは座長以外が入れ替わり立ち代わりセンターを務める構成。
29thアンダラ(座長は佐藤楓)もこのパターンで、その時は「もっとでんちゃん一本かぶりでもいいのでは」とややネガティブに捉えていました。

でもこの日は最初のブロックからチーム対抗までは、かなりセンターふたりにフォーカスしていたので良いかと。

アンコールはブチ上げ曲+『乃木坂の詩』という実にスタンダードなもの笑

『ガールズルール』における林瑠奈の「これまでの人生ではっちゃけてこなかった人のフルスイング(山下美月も見せるあれです)」も非常に好感が持てました。

いや~、いいセトリでしたね。

アンダー楽曲中心。

まずオープニングと本編ラストでそれぞれ6曲と7曲連続披露とガッチリ固めています。
ライブ中盤はチーム対抗戦とユニットコーナーでバリエーションを見せましたが、その真ん中にも『狼に口笛を』『13日の金曜日』という重要な楽曲を配置。

そんな「重心の低い」構成。ユニット曲もマイナーめ。
そこへ突如割って入る『ごめんねFingers crossed』と『ありがちな恋愛』。

期待に応える部分とそれを良い方に裏切る部分のバランスが絶妙でした。

そして、各期の持ち味が実によくミックスされていました。

32ndが初めて「1期2期のいない世界」だった選抜とは違い、31stで既に先輩のいないアンダラを経験していたことも大きかったのだと思います。

言うまでもなく圧倒的な軸である3期
確かな自信を手にした4期
北川、矢久保、黒見、林と加入当初はダンスに苦労していたメンバー揃いなところがまたグッときますね。

そこにフレッシュさと勢い、そして明るさを加えた5期
それだけでなく各時の得意分野(例えば小川彩のダンス)では高い完成度も見せるところが凄い。

そしてこの日のライブをビシッと成立させたのは、ふたりのセンター。

伊藤理々杏と林瑠奈については次の記事で書きます。


続きます。


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あれを超えられるのか


2年前、9thバスラでの3期生ライブ。


私はそれを「完成されたアイドルの姿」「まさに彼女たちの4年半の総決算」と表現しました。

アイドルとして脂がのり切っていた彼女たち。
デビュー当初以来となる4年ぶりの期別ライブ。
そして大園桃子の卒業が見え隠れし、メンバーもファンも「12人での最後のライブだろう」と薄々感じていたというシチュエーション。

開演前からもの凄い期待感が充満し、そしてそれを易々と超えてみせたあの日

あれから2年が経ち、太陽たる大園桃子はグループを去りました。

あれを超えられるのか。
身勝手な観客である私はついそんなことを考えてしまうのです。

そしてこうも思っていたのです。
桃子がいないというその一点において、超えられるはずがない。


セットリストはこちら。

Overture

01. 僕は僕を好きになる
02. 空扉
03. 三番目の風(センター:与田祐希)
04. トキトキメキメキ
05. 自分じゃない感じ

<ユニットコーナー>
06. 嫉妬の権利(向井葉月、山下美月、与田祐希)
07. Threefold choice(佐藤楓、梅澤美波、吉田綾乃クリスティー)
08. 大人への近道(阪口珠美、中村麗乃、久保史緒里)
09. 心のモノローグ(伊藤理々杏、岩本蓮加)

10. 失いたくないから
11. 別れ際、もっと好きになる(センター:吉田綾乃クリスティー)
12. 錆びたコンパス(センター:中村麗乃)

<お見立て会リバイバル>
13. 命は美しい(センター:向井葉月)
14. 裸足でSummer(センター:与田祐希)
15. ガールズルール(センター:山下美月)

16. 設定温度(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 世界で一番 孤独なLover(センター:佐藤楓)
18. 欲望のリインカーネーション(センター:阪口珠美)

19. 大人たちには指示されない
20. 未来の答え
21. 毎日がBrand new day
22. 僕の衝動
23. 僕が手を叩く方へ

EN
EN1 そんなバカな…
EN2 転がった鐘を鳴らせ!
EN3 思い出ファースト
EN4 三番目の風


印象に残ったシーンを挙げていきます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは与田祐希阪口珠美梅澤美波も印象に残りました。

1曲目に選ばれたのは『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の一発目。3期生3人のフロント。

最初から煽りまくるメンバーたち。

MCで客席からの声援に喜び「あ~素晴らしい人々~」とほのぼのする阪口珠美
「すっごい楽しいれんか~」と興奮を抑えられない岩本蓮加

『Threefold choice』。お姉さん組3人が全力でぶりっ子。

『大人への近道』は新・中3トリオ。
「私たちこんなに大人になったね」という感慨と「憧れたこの曲をやれる」喜びと。
3人だけどサンエトポーズ。

りりれん=伊藤理々杏岩本蓮加による『心のモノローグ』。
私はここでやっと年齢別のユニットであることに気づきました笑
伸びやかなれんたんの歌声が良いですね。個人的に彼女はもっと歌メンとして前に出てほしい。

岩本蓮加向井葉月がギターの準備をし「あの曲をやります」って言うから2年前と同じ『僕だけの光』だと思っていたら違いました。
譜面に目を落とすれんたんの横顔の美しさたるや。まさに超彫刻

『錆びたコンパス』で客席が黄色に染まらなかったのはちょっと残念。

ライブ中盤では「お見立て会リバイバル」と題して6年半前にやった3曲を再現するコーナー。

『命は美しい』では大園桃子に代わり向井葉月がセンター。
この曲の山下美月の肩の入れ方が異様にかっこよかった。

その美月、『ガールズルール』ではド迫力の煽り。

「初めて私たちが先輩と一緒に歌った曲」、『設定温度』。

久保史緒里のボーカルの安心感。
サビでは全員のリズムが走ってしまっているのすら「気持ちが入りすぎたため」と思わせます。
そしてラスト、モニターに映し出される3期生の初期アー写。

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『世界で一番 孤独なLover』!

そして『欲望のリインカーネーション』。
オリジナルバージョンは胸を強調した振り付けに目隠しで好きじゃないのですが、この日は振り付けを変えて変ないやらしさがなくなっていました。なんだ、いい曲じゃん笑

そして初披露時に「欅かよ」と書いた『大人たちには指示されない』も「ちゃんと乃木坂の曲に」なっていました。

このあたり楽曲を再解釈して自分たちのものにするという3期生の地力を感じさせます。

そしてここで「今、最も歌うべき曲」のイントロが流れます。
『未来の答え』。これについては別途書きます。

『僕の衝動』。
目がバキバキの久保史緒里。その場にいる全員に期待されているという状況の中でしっかりキメ切る貫録の伊藤理々杏

本編ラストは『僕が手を叩く方へ』。
モニターに映し出される3期生たちのメッセージ、山下美月は「全員まとめて愛してるよ」。
さすが美月。最高だな。

ラスサビ、会場全体のクラップ。みんな泣く。
普段泣かない与田祐希が凄く泣いています。

アンコール『そんなバカな…』。山下美月の「バカになれ~!」という煽り。
バズーカを撃てないのが可愛い伊藤理々杏
みんながインする中でひとりだけTシャツの後ろを出すという違う着こなしの岩本蓮加
そのれんたん、バズーカ撃って「おおっ!?」という驚愕の表情。

アンコールラストは『思い出ファースト』。フルサイズ!
外周を歩きながら笑い転げるれんたま(岩本蓮加阪口珠美)。

エンディングで「みんな本当に大好き!」と叫ぶ梅澤美波

その間にこっそりスタッフさんに了解を取りに行っていた山下美月が梅ちゃんに耳打ちし、予定外のもう1曲。

はじまりの曲、『三番目の風』。


一言でいうと「分厚い」ライブでした。

言い換えれば、幅が広い。
感情の幅。表現の幅。そしてキャラクターの幅。

なんかやっぱり「さすがは最上級生」という感じ。

最初に書いた「2年前を超えられるか」なんて、どうでもいいことだと思わせるだけの満足感でした。


続きます。

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前の記事の最後で書いた通り本編ラストまで本当に素晴らしいライブでしたが、それでも私は物足りなさのようなものを感じていました。


もっとギラギラしなくていいのか


その理由は、私自身もそしてメンバーもライブの感想が「楽しい」だったからです。

乃木坂もアンダーも、いまこんなにピンチなのに。

「楽しい」ライブで本当にいいのか。

そう思ってしまったんです。

我ながら思い込みが激しくて恥ずかしい限りなのですが笑

どうしても初期アンダラの「何度も何度も現実に打ちのめされながらも、反骨の魂を燃やし選抜を食ってやろうと全員が懸命に闘っていた」あの頃のことが忘れられません。

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そしてこの日、これでもかとばかりに逆境が-アンダラ2ndシーズンを思わせるように-積み上げられていました。

選抜との距離。

現在のアンダーメンバーのうち、1期生全員選抜だった25thシングル『しあわせの保護色』を例外とすれば最後に選抜入りしたのは伊藤理々杏、阪口珠美、佐藤楓の3人。23rd『Sing Out!』ですからもう3年前です。

そして26th『僕は僕を好きになる』の選抜発表以降、1年半近くにわたって「選抜から落ちるメンバーがいない」状態が続いています。
その間にかつてはあんなに高かった「連続選抜」の壁を何人かのメンバーが易々と突破しました。

さらに5期生が加入し、その中から早くも中西アルノがセンターに抜擢されます。

そこからの大炎上。

抜擢センター発表からネット上は荒れに荒れまくりました。

結局、彼女の「過去の活動及び発言がファンの皆さんを混乱させ不信感を持たせてしまったため」活動自粛。
さらに「グループの活動規約に違反する行為」により同じく5期生の岡本姫奈も活動自粛。

センター不在。
そしてそれを「なかったこと」のように新曲プロモーションを行なわなければならないメンバーたち。極めて不名誉(と私は思います)な事態。

グループ全体への猛烈な逆風が吹き、ネット上に目を覆いたくなるような罵詈雑言が溢れました。

まるで、2014年10月のように。

だから私は勝手な期待を抱いてしまったのです。
アンダラ2ndの再現が観られるんじゃないか、と。

北野日奈子卒コンで本音を吐露する阪口珠美や中村麗乃の姿に、その期待は膨らみます。

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しかしこの日のライブはいわゆる「鬼気迫る」ものではありませんでした。

もちろん当時とは条件がまるで違います。
大前提として私は配信での鑑賞であり、ファンも声を出せない状況であり、会場も広かった。

この条件で「熱さ」や「気迫」を伝えるのは本当に難しいことだったでしょう。

そしてハングリーさが違うのも当たり前のこと。

やっぱり当時のメンバー、特に1期生たちは「まだ何も成し遂げていない」という感覚がどこかにあったと思うんですよね。グループは確実に大きくなっているけれど、それは自分の力によるものではないという。
それに対し3期生以降は「乃木坂に加入する」こと自体がひとつの成果ですから、同じような上昇志向を持つことはきっと難しい。(もちろん生来の性格という要素もあるでしょうが)

あの頃とは状況が違う。それは重々承知しているのですが。

乃木坂もアンダーも、今こんなにピンチなのに。

「楽しい」ライブで本当にいいのか。

もっとギラギラしなくていいのか。
もっと感情を叩きつけなくていいのか。

そう思ってしまったのです。

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2014.12.12


そんな私の勝手な思い込みをすべて覆したのは、アンコールラスト前のMC。

口火を切ったのは松尾美佑でした。

 研修生の頃の何も考えず全力でやれた気持ちがわからなくなっていた

そう言って涙を流した彼女の姿に何人かのメンバーがもらい泣きする中、和田まあやは客席を指さしてこう励まします。

 私たちにはこんな力強い味方がいる
 だから大丈夫

涙の連鎖は続きます。

伊藤理々杏
かつて連続選抜を経験しましたが今は苦しいポジションにいる彼女。

 ああ、これが一番私がやりたかったことだ

そう言って涙にくれます。

ここでやっと私は気づきました。

アンダーメンバーたちが、この日のライブにどれほどの想いをもって臨んでいたかを。

そして思い出したのです。

2014年12月の有明コロシアム、アンダラ2ndファイナル。

あの日もほぼ同じことを考えていた自分を。

乃木坂史上初の全員センター企画でアンダーメンバーたちが輝いたあの日。
本当に楽しい「100点満点で120点のライブ」でした。

でも私は10月の六本木ブルーシアターで観たヒリヒリするような、点数なんかつけられるはずもない「ただただもの凄い」ライブを追い求めていました。

紅白に落選し、グループはまだ危機的状況にある。
アンダーだってこの先どうなるかわからない。

それなのにこんなに楽しい、ニコニコ笑って観ていられるようなライブをやってていいのか。

客席でそんなことを考えていたのです。(今では「伝説の」という枕詞つきで語られるライブの現場にいたというのに!)

あの日もアンコールでメンバーたちが次々に泣き出したのを見て、ようやく気づきました。

彼女たちがどれほどのプレッシャーの中で、どれほどの覚悟をもって有明コロシアムに臨んでいたかを。

翻ってこの日。

松尾美佑が、伊藤理々杏が思いの丈を吐き出し。

気がつけば、和田まあやが綺麗なお姉さんの顔をしていました。

お見立て会のブリッジ歩きでファンを恐怖のドン底に叩き込むところから始まった乃木坂人生。
頭NO王、内輪ウケものまねなど、番組の盛り上げキャラとして活躍してきた1期生年少組の「愛されまあや」。

そんな彼女がいつしかすっかりお姉さんの顔をして、頑張った後輩たちを愛おしそうに見つめます。

そして名場面は突然にやってきました。

「終わりたくないね」
「ちょっとだけ歌わない?後で私が責任取るから」

客席の誰かが掲げたサインボードの文字を読んだのでしょう

「あ、『きっかけ』?」に起きるどよめき。

そしてアカペラで歌われた『きっかけ』。

まあやのひらめきと、誰かが掲げたサインボード。
メンバーの想い。ファンの熱気。

小さな奇跡がいくつも重なって、こんなにも美しいシーンが生まれました。


退場を促すアナウンスに負けずに続いたダブルアンコール。これも、あの日と同じ。

感激屋の林瑠奈が泣き崩れています。

画面越しにも伝わる、会場を包み込んだとても暖かい感情のうねり。
それはアンダラ黎明期からその伝説の多くに立ち会ってきた和田まあやをして、こう言わしめるほどのものでした。

 言葉にならないって、今この感じ

またひとつ、アンダラに伝説が生まれた夜でした。


続きます。

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思った以上のボリューム感


2021年4月18日、1期2期の期別ライブと3期4期の期別ライブの間に挟まれる形で行なわれたスキッツLIVE。

さらに言えば松村沙友理の卒業発表と27thシングル選抜発表の間に挟まれた、ファンにとってももの凄く色々あったタイミングでの開催でした。

セットリストはこちらです。
(カッコ内は楽曲のセンター、コントは参加メンバー)

Overture
01. ガールズルール(山下)

コント
「保険ポリスは許さない」
(掛橋、清宮、璃果、早川)
「恋のSHIO'S CASINO」
(久保、理々杏、阪口、岩本、梅澤、中村、山下)
「まゆたんは愛されたい」
(田村、楓、与田、金川、松尾)
「かつ家」
(理々杏、梅澤、久保、柴田、筒井)
「ユーチューバー スト子」
(与田、阪口、楓、山下、遠藤)
「ザ・スキッツテン」
(黒見、向井、山下、吉田、田村、北川、清宮、弓木、早川、林、筒井)

02. 裸足でSummer(山下)

03. 制服のマネキン(遠藤)
04. シンクロニシティ(梅澤)
05. インフルエンサー(山下・賀喜)
06. ジコチューで行こう!(与田)

07. Out of the blue
08. I see…
09. 毎日がBrand new day
10. 自分じゃない感じ

11. おいでシャンプー(遠藤)

コントやMCでなかなかにグダグダのシーンもありましたが笑、コント終了後のライブパートも50分前後と思いのほかボリュームがあり楽しめました。




3期の貫録、4期の一生懸命


今回はサラッと、印象に残ったシーンだけ挙げていきます。

ちなみにこの日ビジュアル仕上がってんなあと思ったのは伊藤理々杏でした。

オープニングは『ガルル』。
そこからコントへのつなぎの部分でいきなり山下美月が台詞を忘れるという波乱のスタート。

最初のコントは「保険ポリス」。「おお、掛橋沙耶香も見込まれたもんだなあ」と思いましたが見事にキメ台詞「ちばけとったら、おえんで!」を2度も飛ばすというハプニング。
それでもさらば森田氏に「森田、台詞飛ばした!」とアドリブで言ったのは良かった…まあ自分だったのですが笑
ニヤッと笑って「もう1周!」も可愛かったですね。

そのあおりを受けてか最初のMCも混乱した状態で進んでいましたが、「スキッツ?スキット?次のスキットわぁ!」と叫ぶ弓木奈於は面白かった。
そして間違えても可愛い遠藤さくら笑

「SHIO'S CASINO」では中村麗乃のOL姿が超絶似合っていてたまげました。いや実際にはあんなスタイルのいいOLさんはそうそういないと思いますが。
久保史緒里もさすがでした。
テーマソングも「一言も嘘なんて言ってな~い」も実に腹立たしくて素晴らしい。

続く「まゆたん」では細かい演技が目を引いた与田祐希
怯えて泣き出した金川紗耶から「ビリビリで最後に触る役」を代わってあげるという漢気を見せていたのも地味に好感度高いです。
普段の棒読みはどこへやら、怖がって大暴れしていた佐藤楓

「かつ家」はもちろん柴田柚菜のウエディングドレスですよね。えぐいぐらい可愛いかった。
そしてもうひとり、凄い長尺アップを堂々とこなし「画がもつ力」を見せつけていたピリ辛の筒井あやめ

「スト子」でひたすら怯える遠藤さくら

「スキッツテン」のエンディングで他のメンバーたちが手を振る中、一切阿ることなく「ぐるぐる~」し続けてキャラを貫くスト子こと与田祐希

ライブも10曲があっという間でした。

『インフル』のWセンターは山下美月賀喜遥香
「今の美月と並んで違和感がない」って、よく考えるととんでもない。凄いなかっきー。

そしてラスト『おいシャン』フロントの破壊力。
与田山下遠藤大園筒井が放つ圧倒的なキラキラ。
そしてオリジナルとは全然タイプが違うのに、どこか「乃木坂感」を感じさせるところがまた嬉しい。


一言でまとめると「楽しかった」。

コントの生配信はやはり色々難しい部分があったようですが、特にスタートのバタバタを立て直した「SHIO'S CASINO」のメンバーたちは見事でしたね。とはいえそのうちのひとりが混乱の引き金を引いた美月なのですが笑

全体的に舞台経験の豊富な3期生はトラブルにも動じない姿を見せていました。
コントとはいえ4期生たちにとってはとても貴重な場になったことでしょう。

ライブで感じたのは3期と4期が組み合わさった時の相性の良さ。

何度も書いている「個性の3期」「乃木坂感の4期」というキャラクターの違い。それがお互いの良さを引き立たせ合って相乗効果をもたらしていたように思います。




この後に控えるそれぞれの期別ライブに向け、期待が膨らむ公演でした。


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