ロスジェネはえてしてこだわりすぎる

タグ:伊藤理々杏

びーむ色調補正3
前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

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当記事ではなぜこの日のライブがあれほど素晴らしかったのか考察してみます。

目の前のことを精一杯


ライブから10日ほど考え続けてたどり着いた結論は「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」でした。

めちゃめちゃ普通ですいません笑

でも37thアンダラ自体、特別な事情のない「普通の」ものでしたよね。

やっぱりシチュエーションって大事、というか観ている我々は往々にしてそれに引っ張られるじゃないですか。
後に「伝説」と呼ばれるようなライブってやっぱりそれも込みという部分が大きいわけで。

例えば2014年のアンダラ2ndシーズンはシチュエーションとメンバーの想いとファンの想いが(そして恐らくスタッフさんの想いも)全部揃った奇跡的な状況でした。まあこれも今だから言えることで当時は「悪夢のような」状況でしたけれど。

2015年日本武道館は「最初に描いた夢の実現」、アンダーレジェンド集結。
2017年東京体育館は「最少最弱」、ダブルダブルアンコール。
2018年武蔵野の森は「久保史緒里復活と川後陽菜卒業」、アンセム『日常』の誕生。
2024年有明(35th)は「筒井あやめ座長と盟友清宮レイ卒業の一期一会」、最初と最後の『ジャンピングジョーカーフラッシュ』。

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いずれもなんらかの「事情」がありました。
だからこそメンバーも己を燃やしたしファンも燃え上がったという側面があったのは間違いないでしょう。

翻って今回。
特段の事情は「なかった」

もちろんミーグリ完売実績では上位でありながらまたも選抜から外れた冨里奈央と菅原咲月のふたりをはじめ、それぞれのメンバーには思うところがあったでしょう。

とはいえアンダーメンバー誰かの卒業が発表されていたわけでも、グループに猛烈な逆風が吹いていたわけでもありません。

いわば「いつもの」「恒例の」アンダーライブだったのです。

それなのになぜ、あんなにも私の気持ちは揺り動かされたのか。

それはきっと「目の前のお客さん(配信視聴者含む)に最高のライブを届けたい」だから「自分にできることを精一杯やる」というメンバーの気持ちと、それにバチッとはまった選曲であり演出でありパフォーマンスだったから。

すなわち「それぞれの良さが存分に発揮されたライブだったから」。

柴田柚菜の『Wilderness world』。

彼女の歌唱力を活かす。そこにとどまらず「伸びやかな歌声」というストロングポイントを使い切るにはどうするかを考えた。
そこで「フェイクを任せる」しかも「スタンドマイクで強調する」という演出が加えられ、ゆんちゃんはそれを実に堂々とやってのけました。

『狼に口笛を』のメガホン伊藤理々杏

でっかい瞳に小さな身体、そしてツインテール。2.5次元的…というかもはや2次元。
いい意味で「漫画チック」で「デフォルメされた存在」である彼女がメガホン片手に踊り歌う姿の何とも非日常な感じ。そして床に置いたり拾い上げたりする姿の愛くるしさ
ちゃんと顔が見えるように左上に向けた状態をキープしているのもさすが。
こういう飛び道具が使えるのももちろんベースの歌唱力があるからです。

そして「他の期がセンターをやる期別曲コーナー」もセンターの持ち味が発揮されていました。

岡本姫奈と『Out of the blue』の「陽×陽」。
35thアンダラでもユニットコーナーでやっていたので好きな曲なのでしょう。
ライブを本当に楽しめている様子の彼女と実に良くマッチしていました。

佐藤璃果の『自分じゃない感じ』。
「アイドルとしての自分」にこだわる彼女にオリジナルの山下美月の姿が透けて見えます。

佐藤楓の『心にもないこと』。長い手足でしなやかに大きく踊るのが彼女ならでは。

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女帝にして帝劇女優


そしてもうひとつ。

私はライブ中ずっと漠然と「クオリティ高いなあ」と感じていました。

それはやっぱり3期生がしっかりと支えていたからだと思うんですよね。

個人的に「前回の」=比較対象となるアンダーライブは35th。

どちらがいいとか悪いとかではなく、それぞれの素晴らしさがありました。

35thは山下美月卒業に伴う3期全員選抜という特殊事情。それにより生じた初の4期5期だけでのアンダラ。
センターはエリートコースを歩んでいたため初めてのアンダラ参加となった筒井あやめ。
結果として刹那感、青春感が炸裂した感動的なライブになりました。

それに対し今回の37thは完成度…という言葉は少し違う気がしますがパッケージとして素晴らしかった。
がむしゃらな人(5期生)も実力を見せつける人(3、4期生)もそれぞれがやるべきことをやっていたことがその理由でしょう。

特に感じたのが3期生の「底支え力」
堂々たる貫録でビシッとライブを締め、後輩の座長を支えていました。
かつて中田花奈や樋口日奈が。そして伊藤かりんや伊藤純奈、渡辺みり愛がそうしていたように。

とりわけ強い印象を残したのは中村麗乃
千秋楽を観た人の多くが「今日のMVPだ」と思ったのではないでしょうか。

『悪い成分』でレーザーをかきわけて登場する彼女。
まさに「女帝感」。客席の8割以上がこの言葉を思い浮かべたに違いありません。
こんな日常生活に存在しない単語を瞬時に思わせる彼女の凄味。幕張メッセを「ドミネイト」していました。

そして千秋楽のソロ歌唱コーナー。

この日の彼女はデコ出しの髪型と薄めの眉。
私には「アイドルメイクではない」ように見えました。
もっとストレートに言えば「帝劇女優として出てきたな」と。

選んだのは『歳月の轍』。

生田絵梨花の卒業ソング。
グループにおける立ち位置は違うけれど、それでも「在籍中に帝国劇場に立った」共通点を持つ偉大な先輩への憧れとシンパシー。

「中村麗乃(乃木坂46)」ではなく「中村麗乃」として単独で『MUSIC FAIR』に出演するところまで来たれのちゃんの矜持

 8年半経って、こんな私になれましたよ

彼女はそう伝えているようでした。

力みも気負いも一切なく、ただ感謝と共に。


続きます。

『アンダラ伝説』 kindle版
伝説のアンダーライブ2ndシーズンを題材にしたセミドキュメンタリー小説。あの頃の熱量を叩き込んだ渾身の50,000文字です。


『2020年の乃木坂46』 kindle版
過去に当ブログに掲載した記事を再構成し加筆したもの。
総文字数84,000文字、加筆部分だけでも10,000文字以上のボリュームでブログをご覧になった方にも楽しんでいただけることと思います。

「今にして思うこと」は各章の末尾に「追記」という形で新たに文章を加え、さらに書き下ろしとして4期生の初冠番組であった『乃木坂どこへ』を振り返っています。


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こちらは総文字数10万文字、加筆部分だけでも22,000文字以上のボリュームです。


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びーむ色調補正3
年明け一発目の乃木坂ライブは37thアンダラ。
初日と千秋楽のチケットが当選したので中1日で幕張に通ってきました笑

概ねセトリが同じだったのでいちおう「千秋楽」のライブレポにしていますが両日の内容を含んでいます。

とてつもなく盛り上がる


凄かった

なんでしょうね、この感覚。
ライブから数日経った今でもその理由がまだうまく言語化できないのですが。

セットリストはこちら。

Overture
01. それまでの猶予
02. Hard to say(センター:菅原咲月)
03. Wilderness world(センター:柴田柚菜)
04. 制服のマネキン(センター:冨里奈央)
05. Out of the blue(センター:岡本姫奈)
06. 自分じゃない感じ(センター:佐藤璃果)
07. 心にもないこと(センター:佐藤楓)

<ソロ歌唱コーナー>
08. 孤独な青空(吉田綾乃クリスティー)
09. ないものねだり(佐藤璃果)
10. 歳月の轍(中村麗乃)
11. 今、話したい誰かがいる(冨里奈央)

※DAY1は以下の通り
 08. 明日がある理由(矢久保美緒)
 09. 光合成希望(佐藤楓)
 10. 〜Do my best〜じゃ意味はない(松尾美佑)
 11. 何もできずにそばにいる(菅原咲月)

<企画コーナー>
「全員達成して福袋プレゼントチャレンジ」

12. 狼に口笛を(センター:伊藤理々杏)
13. 13日の金曜日
14. バンドエイド剥がすような別れ方
15. 思い出が止まらなくなる(センター:冨里奈央)

16. シンクロニシティ(センター:冨里奈央)
17. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:柴田柚菜)
18. 落とし物(センター:菅原咲月)
19. 悪い成分
20. 踏んでしまった
21. 日常(センター:冨里奈央)
22. 考えないようにする

EN
EN1. 太陽ノック
EN2. 風船は生きている
EN3. 帰り道は遠回りしたくなる(センター:冨里奈央)
EN4. 乃木坂の詩

※ソロ歌唱コーナー以外は3日間共通セトリ

印象に残ったシーンを挙げていきます。

オープニングは『それまでの猶予』。
1曲目が最新アンダー曲という伝統的なスタイル好き。(アンダラ2ndシーズンや2017年東京体育館なんかがそうですね)

『Wilderness world』で途中からスタンドマイク持ってきてフェイクを入れだす柴田柚菜

『制服のマネキン』イントロ(オリジナルは「生生星」が見えを切る部分)での菅原咲月柴田柚菜冨里奈央という流れで感じた「強さ」。

『Out of the blue』から期別曲のセンターを別の期のメンバーがやる3連発。
どれもセンターのキャラクターに合っていて良い。

今回初の試みだったソロ歌唱コーナー。

ダンス封印。アレンジ封印というレギュレーション。特に後者が厳しい。
「新たな色をつける」ことを許されない、あるいは自分の歌だけでやらねばならないんですから。
それでも皆「今の自分がこの曲を歌う理由」をしっかり持っていて、それを目の前の観客に伝えたいと震えながら歌う姿は心に訴えかけてくるものがありました。

もちろん中村麗乃は全く動じることなく『歳月の轍』。もう何というか「帝劇女優」

伊藤理々杏がメガホンで歌う『狼に口笛を』。良い。
(どこかのアンダラでこの演出観た記憶があるんですが、勘違いでしょうか?)

トロッコでスタンド2階外周を移動しながら「さっちゃん、それ何?」「これですか?バンドエイドです!やっぱバンドエイドですよね~!」という茶番からの『バンドエイド剥がすような別れ方』。
ほっぺたにバンドエイドを貼ったメンバーがすこぶる可愛い

『思い出が止まらなくなる』でカメラに「だいすき」と書く冨里奈央

その座長にフォーカスする幕間Vからの『シンクロニシティ』。

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ここまでアンダー楽曲少な目の構成でしたが、続く『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』からノンストップでアンダー曲5連発。
それも『落とし物』『悪い成分』『踏んでしまった』と比較的新しめかつダンサブルな楽曲を連ね、止めに『日常』。

そりゃとてつもなく盛り上がりますとも
(『悪い成分』中村麗乃の「女帝感」については次の記事で)

本編ラストは『考えないようにする』。期別曲で締めたのは驚きでした。

そしてアンコール。

『風船は生きている』でトロッコから降りステージの突端で煽る菅原咲月。(この日は客席側につき出す三角形のステージでした)

ラスト前で『帰り道は遠回りしたくなる』をもってきたのにも驚きました。
ライブでこのイントロが流れてくるといまだに鳥肌が立ちます。
カメラを使った演出も実にセンチメンタリズムを刺激するものでした。


この日のビジュアル仕上がってんなあメンは岡本姫奈

見た目が変わったというより表情が凄く良くなった…というか生き生きしていました

活動休止などもありライブの場数が5期生の中では少なかったおかひな。
これまではライブ中に不安そうな表情をしていることもあったのですが、昨年1年間フル稼働したことでかなり自信をもってライブを楽しめるようになったんじゃないでしょうか。

「アンダラのために1ヶ月焼肉断ちをして絞った」らしいのでその効果もあったかもしれませんね。でもコンディションを整えるために節制しているメンバーを「10回(15回?)ぐらい焼肉に誘った」とは鬼だな、さっちゃん笑


続きます。

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前の記事では印象に残ったシーンを列挙しました。

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こちらではライブの中心となったふたりのセンター、伊藤理々杏と林瑠奈についてです。

支える先輩、向き合う後輩


この日、本編ラストの座長MCを務めたのは4期生の林瑠奈。

Wセンターのもうひとりである伊藤理々杏はこの場面に限らず、この日ずっと後輩である林ちゃんに花を持たせている感じがありました。
そしてその姿は非常に好感の持てるものでした。

自分の役割は初の4期生センターを支えること。そしてパフォーマンスで中心となること。

そのふたつにしっかりと集中できていた感じです。

理々杏自身、初のアンダーセンターでした。
相当、期するところがあったはずです。

まして33枚目シングルで選抜入りした際に「アンダーセンターは選抜入りへのラストチャンスだと思っていた」と語った彼女。

その認識がありながら、それでも理々杏はしっかりと後輩を立ててみせました。

彼女が自らその境地に達したのか誰かに言われてなのかはわかりません。
だとしてもまだ20歳の彼女がそれを受け入れるのは決して簡単なことではなかったでしょう。

それを単純に美談として語るのは違う気がしますが、ただただ「立派だな」と思います

そんな「一歩引いた」印象でありながら、パフォーマンスではちゃんと存在感をアピールしていたのも見事でした。


そして林瑠奈。

ド迫力だった『ショパンの噓つき』

シャンソン歌手のようなイメージの衣装と演出。

こういうの=宝塚やシャンソン歌手のような演出って基本アイドルは「パロディ」としてやるじゃないですか。
そしてそれは別に悪いことではないと思うんですよ。観客に「ゴージャス」を直感的に伝えることができますから。

それこそ例えば仮に生田絵梨花がこれをやっていてもやはり「パロディ」だったと思います。
それは歌唱力がどうとか演技力がどうのとかいう話ではなく、生ちゃんが持つコメディエンヌとしての資質と「陽」の力が強いから。そして「アイドル」自体が生田絵梨花のひとつの側面であって全体像ではないからです。

しかしこの日の林瑠奈は、真っ向からそして生真面目にその演出に向き合いました。

「パロディ」や「学芸会」にならないそのビジュアルと歌唱、それ以上に「佇まい」の説得力たるや。
「重厚」かつ「耽美的」と表現したくなるような素晴らしいパフォーマンスでした。

彼女には「湿度」があるのだと思います。
観る者を引きずり込むような、一種の緊張を強いる独特な雰囲気

個人的には舞台での演技を観てみたいと思いました。

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正解はそのうちわかる


もうひとつ、32ndアンダーについて語るなら触れずにはいられないことがあります。

4月7日放送の『ミュージックステーション』で披露された『人は夢を二度見る』。

大河ドラマの撮影で欠席する久保史緒里に代わり、山下美月とWセンターを務めたのは林瑠奈でした。

井上小百合推しの自分としては地上波生放送の歌番組でアンダーセンターが代打を務めるというだけでグッときてしまいます

大間奏。
メンバーたちが作った輪の中心で美月とハイタッチをする林ちゃん。

乃木坂ドリーム、とでも言えばいいのでしょうか。

8thバスラで挨拶をした直後にコロナ禍が始まり、握手会もライブも知らずにいた「新4期生」。

彼女たちが初めてファンと直接交流したのは26thシングル『僕は僕を好きになる』のミーグリ。既に加入から約1年が経過していました。

「初動」で躓いた影響は大きく、ミーグリ人気はなかなか上がりませんでした。
林ちゃんもほんの1年前(『Actually…』の時)まで完売はひとつかふたつの枠だけ。

そんな彼女が今、グループの顔のひとりである美月と笑顔でハイタッチを交わしている

最高にかっこ良く、痺れる瞬間でした。


しかしアンダラ閉幕後から体調不良でミーグリの欠席が目立ち始めた林ちゃんは6月に活動休止を発表します。

この1年で本当に大きな変化を経験した彼女。

大学に入学し。
バナナマン設楽さんに『乃木坂工事中』の「キメ顔グランプリ」で10thバスラの姿を「アイドルがステージで輝いているのを絵に描いたみたい」と褒められ。
ミーグリの完売が少しずつ増え。
ひとりで外番組に出演するようになり。
『ここにはないもの』で初選抜。
同シングルのカップリング『アトノマツリ』MVの編集を行い。
次作では「特別な想いを持っている場所」アンダーセンターに。

「いつか」と思っていた目標が、手を伸ばせば届く距離にあることに気づいてしまった

選抜入りした時の素直に喜べない姿。
アンダラの舞台裏で見せた不安気な表情。

今にして思えば、突然広がった自分の可能性に戸惑い混乱し怯えていたように見えます。


それでも、いわゆる「古参オタ」である私は思ってしまうのです。

林瑠奈なら

伊藤万理華のように、アンダラを再び「今一番熱いライブ」へと押し上げ。
その先に開ける道を、待望の(齋藤飛鳥以来誕生していない)「叩き上げのスター」への道を歩んでくれるのではないか、と。

ずっと乃木坂を見てきた運営も、彼女にその可能性を感じたから

4期生で最初にアンダーセンターとして選んだ。
生放送での代打センターとして選んだ。

私にはそう思えます。


ここまでおっさんオタの勝手な期待を書いてきてしまいましたが、
林瑠奈さんがご自分のペースでゆっくりとお身体を癒されることを心から願っています。


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個人的には本当に久しぶりとなるアンダラ現地参戦。

Wセンターとはいえ4期生初となるアンダーセンター林瑠奈、さらに5期生合流と「ここは観ておいた方がいい」予感でいっぱい

幸いにも千秋楽のチケットが取れたので行ってきました。

「ネクスト・ビッグ・シング」冨里奈央


セットリストはこちら。

01. 新しい世界(3期生)
02. マシンガンレイン(4期生)
03. 左胸の勇気(5期生→全員)

Overture

04. さざ波は戻らない
05. ここにいる理由(センター:林瑠奈)
06. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:伊藤理々杏)

<チーム理々杏VSチーム林>
07. 音が出ないギター(センター:伊藤理々杏、佐藤、吉田、黒見、矢久保、冨里、中西)
08. 命は美しい(センター:吉田綾乃クリスティー、理々杏、佐藤、黒見、矢久保、冨里、中西)
09. ショパンの嘘つき(センター:林瑠奈、阪口、向井、北川、清宮、池田、小川、奥田)
10. ごめんねFingers crossed(センター:阪口珠美、向井、北川、清宮、林、池田、小川、奥田)

11. ありがちな恋愛(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)
12. 狼に口笛を(センター:佐藤楓)
13. 13日の金曜日(センター:向井葉月)

<ユニットコーナー>
14. Out of the blue(黒見明香、矢久保美緒、池田瑛紗、冨里奈央)
15. アトノマツリ(北川悠理、林瑠奈)
16. もしも心が透明なら(阪口珠美、佐藤楓、向井葉月、清宮レイ、小川彩)
17. パッションフルーツの食べ方(伊藤理々杏、吉田綾乃クリスティー、奥田いろは、中西アルノ)

18. 自惚れビーチ(センター:清宮レイ)
19. 口ほどにもないKISS
20. 嫉妬の権利(センター:北川悠理/矢久保美緒)
21. 届かなくたって…
22. 錆びたコンパス(センター:吉田綾乃クリスティー)
23. 日常(センター:向井葉月)
24. 誰よりそばにいたい(センター:伊藤理々杏/林瑠奈)

EN
EN1. そんなバカな…
EN2. ガールズルール(センター:林瑠奈)
EN3. 乃木坂の詩

WEN ロマンスのスタート


印象に残ったシーンを挙げていきます。

まずこの日のビジュアル仕上がってるメンは冨里奈央
ライブ中盤から、彼女のあざといポーズがモニターに映し出されるたびに客席が沸く現象が起きていました。まさに「ネクスト・ビッグ・シング」。

個人的には高身長と長い手足を活かした彼女の躍動感のあるダンスも印象に残りました。
舞台上のメンバーを直接(モニターではなく、という意味です)観ている時にダンスで目を引かれて「あれ、誰だろ?」とオペラグラスで確認すると冨里奈央、ということが何度かありました。

「集団として踊っている中で目を引く」という意味ではこの日、それこそ佐藤楓と双璧だったのではないかと思います。

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オープニングは各期の「初めて参加したアンダー曲」。

『ここにいる理由』そして『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』のイントロで上がる、全体ライブでの披露時とは明らかにボリュームが違う歓声。

『音が出ないギター』での伊藤理々杏のロングトーン。

『ショパンの嘘つき』と林瑠奈については別途書きます。

『ごめんねFingers crossed』!
どよめく客席。そしてセンターが阪口珠美であることに気づいてさらに沸き上がる歓声。

『Out of the blue』が意外と似合う黒見明香(いやそもそもオリメンですけど)。
想定通り、いやそれ以上に似合う冨里奈央

オリジナルは長身美脚ユニット(梅澤美波、中村麗乃、早川聖来、松尾美佑)の『もしも心が透明なら』。それを真ん中で踊る小川彩。驚愕の15歳を支える先輩たち。

もういっちょ珍しい曲来た『パッションフルーツの食べ方』。
オリジナルは梅澤美波、久保史緒里、与田祐希、遠藤さくらというエース級なのだが何とも地味なこの楽曲。

中西アルノがフェイクで下パートだったのですが、下支えが実に上手い。やはり彼女の低音には魅力があります。余談ですが『超・乃木坂スター誕生!』での『今夜はブギーバック』の歌い出しも素晴らしかった

その本編最終ブロック。

怒涛のアンダー曲連打。
サイリウムカラー固定曲の連続で忙しかったですが笑
『錆びたコンパス』から『日常』というアンダラの誇る両アンセムの流れは圧巻でした。

ラスト前のMCまでは座長以外が入れ替わり立ち代わりセンターを務める構成。
29thアンダラ(座長は佐藤楓)もこのパターンで、その時は「もっとでんちゃん一本かぶりでもいいのでは」とややネガティブに捉えていました。

でもこの日は最初のブロックからチーム対抗までは、かなりセンターふたりにフォーカスしていたので良いかと。

アンコールはブチ上げ曲+『乃木坂の詩』という実にスタンダードなもの笑

『ガールズルール』における林瑠奈の「これまでの人生ではっちゃけてこなかった人のフルスイング(山下美月も見せるあれです)」も非常に好感が持てました。

いや~、いいセトリでしたね。

アンダー楽曲中心。

まずオープニングと本編ラストでそれぞれ6曲と7曲連続披露とガッチリ固めています。
ライブ中盤はチーム対抗戦とユニットコーナーでバリエーションを見せましたが、その真ん中にも『狼に口笛を』『13日の金曜日』という重要な楽曲を配置。

そんな「重心の低い」構成。ユニット曲もマイナーめ。
そこへ突如割って入る『ごめんねFingers crossed』と『ありがちな恋愛』。

期待に応える部分とそれを良い方に裏切る部分のバランスが絶妙でした。

そして、各期の持ち味が実によくミックスされていました。

32ndが初めて「1期2期のいない世界」だった選抜とは違い、31stで既に先輩のいないアンダラを経験していたことも大きかったのだと思います。

言うまでもなく圧倒的な軸である3期
確かな自信を手にした4期
北川、矢久保、黒見、林と加入当初はダンスに苦労していたメンバー揃いなところがまたグッときますね。

そこにフレッシュさと勢い、そして明るさを加えた5期
それだけでなく各自の得意分野(例えば小川彩のダンス)では高い完成度も見せるところが凄い。

そしてこの日のライブをビシッと成立させたのは、ふたりのセンター。

伊藤理々杏と林瑠奈については次の記事で書きます。


続きます。


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あれを超えられるのか


2年前、9thバスラでの3期生ライブ。


私はそれを「完成されたアイドルの姿」「まさに彼女たちの4年半の総決算」と表現しました。

アイドルとして脂がのり切っていた彼女たち。
デビュー当初以来となる4年ぶりの期別ライブ。
そして大園桃子の卒業が見え隠れし、メンバーもファンも「12人での最後のライブだろう」と薄々感じていたというシチュエーション。

開演前からもの凄い期待感が充満し、そしてそれを易々と超えてみせたあの日

あれから2年が経ち、太陽たる大園桃子はグループを去りました。

あれを超えられるのか。
身勝手な観客である私はついそんなことを考えてしまうのです。

そしてこうも思っていたのです。
桃子がいないというその一点において、超えられるはずがない。


セットリストはこちら。

Overture

01. 僕は僕を好きになる
02. 空扉
03. 三番目の風(センター:与田祐希)
04. トキトキメキメキ
05. 自分じゃない感じ

<ユニットコーナー>
06. 嫉妬の権利(向井葉月、山下美月、与田祐希)
07. Threefold choice(佐藤楓、梅澤美波、吉田綾乃クリスティー)
08. 大人への近道(阪口珠美、中村麗乃、久保史緒里)
09. 心のモノローグ(伊藤理々杏、岩本蓮加)

10. 失いたくないから
11. 別れ際、もっと好きになる(センター:吉田綾乃クリスティー)
12. 錆びたコンパス(センター:中村麗乃)

<お見立て会リバイバル>
13. 命は美しい(センター:向井葉月)
14. 裸足でSummer(センター:与田祐希)
15. ガールズルール(センター:山下美月)

16. 設定温度(センター:吉田綾乃クリスティー)
17. 世界で一番 孤独なLover(センター:佐藤楓)
18. 欲望のリインカーネーション(センター:阪口珠美)

19. 大人たちには指示されない
20. 未来の答え
21. 毎日がBrand new day
22. 僕の衝動
23. 僕が手を叩く方へ

EN
EN1 そんなバカな…
EN2 転がった鐘を鳴らせ!
EN3 思い出ファースト
EN4 三番目の風


印象に残ったシーンを挙げていきます。

この日のビジュアル仕上がってんなあメンは与田祐希阪口珠美梅澤美波も印象に残りました。

1曲目に選ばれたのは『僕は僕を好きになる』。
白石麻衣卒業後の一発目。3期生3人のフロント。

最初から煽りまくるメンバーたち。

MCで客席からの声援に喜び「あ~素晴らしい人々~」とほのぼのする阪口珠美
「すっごい楽しいれんか~」と興奮を抑えられない岩本蓮加

『Threefold choice』。お姉さん組3人が全力でぶりっ子。

『大人への近道』は新・中3トリオ。
「私たちこんなに大人になったね」という感慨と「憧れたこの曲をやれる」喜びと。
3人だけどサンエトポーズ。

りりれん=伊藤理々杏岩本蓮加による『心のモノローグ』。
私はここでやっと年齢別のユニットであることに気づきました笑
伸びやかなれんたんの歌声が良いですね。個人的に彼女はもっと歌メンとして前に出てほしい。

岩本蓮加向井葉月がギターの準備をし「あの曲をやります」って言うから2年前と同じ『僕だけの光』だと思っていたら違いました。
譜面に目を落とすれんたんの横顔の美しさたるや。まさに超彫刻

『錆びたコンパス』で客席が黄色に染まらなかったのはちょっと残念。

ライブ中盤では「お見立て会リバイバル」と題して6年半前にやった3曲を再現するコーナー。

『命は美しい』では大園桃子に代わり向井葉月がセンター。
この曲の山下美月の肩の入れ方が異様にかっこよかった。

その美月、『ガールズルール』ではド迫力の煽り。

「初めて私たちが先輩と一緒に歌った曲」、『設定温度』。

久保史緒里のボーカルの安心感。
サビでは全員のリズムが走ってしまっているのすら「気持ちが入りすぎたため」と思わせます。
そしてラスト、モニターに映し出される3期生の初期アー写。

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『世界で一番 孤独なLover』!

そして『欲望のリインカーネーション』。
オリジナルバージョンは胸を強調した振り付けに目隠しで好きじゃないのですが、この日は振り付けを変えて変ないやらしさがなくなっていました。なんだ、いい曲じゃん笑

そして初披露時に「欅かよ」と書いた『大人たちには指示されない』も「ちゃんと乃木坂の曲に」なっていました。

このあたり楽曲を再解釈して自分たちのものにするという3期生の地力を感じさせます。

そしてここで「今、最も歌うべき曲」のイントロが流れます。
『未来の答え』。これについては別途書きます。

『僕の衝動』。
目がバキバキの久保史緒里。その場にいる全員に期待されているという状況の中でしっかりキメ切る貫録の伊藤理々杏

本編ラストは『僕が手を叩く方へ』。
モニターに映し出される3期生たちのメッセージ、山下美月は「全員まとめて愛してるよ」。
さすが美月。最高だな。

ラスサビ、会場全体のクラップ。みんな泣く。
普段泣かない与田祐希が凄く泣いています。

アンコール『そんなバカな…』。山下美月の「バカになれ~!」という煽り。
バズーカを撃てないのが可愛い伊藤理々杏
みんながインする中でひとりだけTシャツの後ろを出すという違う着こなしの岩本蓮加
そのれんたん、バズーカ撃って「おおっ!?」という驚愕の表情。

アンコールラストは『思い出ファースト』。フルサイズ!
外周を歩きながら笑い転げるれんたま(岩本蓮加阪口珠美)。

エンディングで「みんな本当に大好き!」と叫ぶ梅澤美波

その間にこっそりスタッフさんに了解を取りに行っていた山下美月が梅ちゃんに耳打ちし、予定外のもう1曲。

はじまりの曲、『三番目の風』。


一言でいうと「分厚い」ライブでした。

言い換えれば、幅が広い。
感情の幅。表現の幅。そしてキャラクターの幅。

なんかやっぱり「さすがは最上級生」という感じ。

最初に書いた「2年前を超えられるか」なんて、どうでもいいことだと思わせるだけの満足感でした。


続きます。

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