2023年5月22日、公式ブログで北川悠理さんが卒業を発表しました。
ついに4期生からも卒業者が出てしまいました。
まずは彼女の歩みを振り返りましょう。
ゆっくりと喋る人
2018年8月19日、「坂道合同オーディション」に合格。
乃木坂への配属が発表されたのは12月1日と思われます。
初ステージは12月3日には日本武道館でのお見立て会。
ふわふわポワポワした声でゆっくり喋る。
どこか遠くを、というか何か我々と違うものを見ているような表情。
そしてアメリカ・カリフォルニア州生まれで英語が堪能。
『乃木坂工事中』での「4期生体力測定」では運動音痴だけでなく謎コメントを連発しド天然ぶりを発揮。
設楽さんを「精神安定剤をください」と困惑させ、日村さんには「何年か後にこの子バラエティを荒らしまくってる気がする」と言わしめます。
彼女がコメントするとBGMに『ハルジオンが咲く頃』が流れるという鉄板演出もこの時から。
最初から既に、なんとも独特なキャラクターだった彼女。
翌年2月、大阪ドームでの7thバスラで初めて先輩と同じステージに立ちます。
同じく2月のプリンシパルでは16戦4勝。
没入型の演技で前半は8戦4勝と好スタートを切るものの後半は未勝利に終わりました。
そしてキャリア序盤の彼女について回るのが「学業のため不参加」という言葉。
超難関の慶應義塾女子出身と言われており、そして大学への内部進学にあたっても人気の高い経済学部ですから成績上位をキープしていたのでしょう。
ライブ、そして4期冠番組でも彼女を見る機会はかなり少なかったように思います。
2020年4月に慶應義塾大学入学。
その夏ぐらいからクイズ番組への出演が増え、「かしこ」かつ「ド天然」としての活躍が見られるようになります。
しかし握手人気では加入当初から苦戦しており、選抜入りすることはありませんでした。
加入からは5年弱。お見立て会から4年7ヶ月。
そう考えると(加入からジャスト5年で卒業した)大園桃子とほとんど変わらない活動期間なのですが、やはり「早いなあ」というのが正直な感想です。
コロナ禍による様々な活動の制限と、その影響もあり別働隊の活動が長かった4期生。
彼女を含むアンダーメンバーが初めて先輩と合流したのは2021年9月、28thアンダー曲『マシンガンレイン』でのことですから加入から丸3年が経過しています。
改めてコロナに奪われたものの多さを思い知らされますね。
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めちゃめちゃ勉強ができる不思議ちゃん。
好きなものは「空」。
…という字面からは「計算でキャラクターを演じる策略家」というイメージがするのですが、彼女からは「計算」の匂いは感じませんでした。
上で書いたバナナマンのおふたりはもとより、『乃木坂どこへ』『ノギザカスキッツ』『乃木坂スター誕生!』と続いた日テレの4期生冠番組スタッフにも愛されていたという印象があります。
『ノギザカスキッツ』第1回の最初のコントが彼女をメインにした「キャプテンユリ」。
決して人気上位ではない彼女を、新番組の最初にフィーチャーした。
そこに愛を感じます。
彼女の絶妙なモノマネをする松尾美佑にインスパイアされ、北川悠理脳内会議をコント化した「インサイド・ユリヘッド」も秀逸でしたね。
また番組内で発進した林瑠奈とのラップユニットが少しずつ発展していき、最終的に北川悠理の最高傑作たる名曲『アトノマツリ』へとつながりました。
余談ですけどめちゃめちゃ好きなんですよこの曲。
全然似てないけど(ロスジェネど真ん中の)『今夜はブギーバック』を思い出しちゃうんです。
なんちゅうか凄い大学生っぽいというか、YOUTHの刹那を切り取った感じが切なくて。
話を北川悠理に戻しましょう。
葛藤を抱えながらのアイドル人生でした。
AKB48グループドラフト会議にもエントリーし、この時は指名されるも辞退。
そこから坂道合同オーディションに参加したのですから、彼女は「アイドルになる」ということに対するかなり強い執着を持っていたようです。
しかし前述したようにその活動において「学業のため欠席」をしなければなりませんでした。
後に本人はその苦しさをブログでこう語っています。
私は乃木坂46のお仕事に全集中したかったので、はじめは大学に通うことについてもあまり前向きになれずにいました。
でも、お仕事を続けるためには絶対に大学を卒業するという親との約束があったので、
お仕事を頑張りたいからこそ、大学を頑張らないといけなくて、でも本当はお仕事一本に絞りたくて…というジレンマと日々戦っていました。
(乃木坂46 北川 悠理 公式ブログより抜粋)
そりゃ親御さんからすればそうなりますよね。
せっかく超難関付属高校に合格したのだから、ちゃんと大学を卒業してほしい。
そんな親の意志を尊重して、見事に人気学部に進学し4年次まで進級してきたのは本当に立派だと思います。
あの「ぽやぽや」した雰囲気の奥に秘められた負けず嫌いな心。
それも彼女の魅力のひとつだったと思います。
横浜アリーナでの最初の4期生ライブではダンスに苦労していた印象の彼女が、1年半後(『Out of the blue』初披露時の4期ライブ)では見違えるほど堂々と踊っていたことが懐かしく思い出されます。
最後に彼女のこれからについて。
クイズ番組の出演、そして2020年10月よりラジオ『金つぶ』のアシスタントMC。
個人的には山崎怜奈先輩のように「かしこ系クイズ&ラジオスター」の道を歩むのではないかという期待をしていました。
それと同時に大学卒業時点で何かしらの決断を下しそうな雰囲気もありました(それこそ斎藤ちはるのように)。
卒業を発表したブログ内にいくつかヒントがあるのですが…
「またお芝居できるように頑張りたい」
「乃木坂46としての4年半を通して、私にはこの先どうしても叶えたい夢ができました」「その夢を叶えるため、海外に留学に行く予定」
彼女の夢は「ドラえもんを発明すること」だった気がするのですがそれはさておき。
なんだろう?
フリーアナウンサー?だと留学の必然性がないですね。
ミュージカル俳優かな?
正直わかりません笑
これまでファンを楽しませてきたその独自の感性で、いつか我々の想像を超えた姿を見せてくれるかもしれません。
北川悠理さん、約5年間お疲れさまでした。
◇
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